去年取材を受けたフランスの女性ジャーナリスト、アニエス・ジアール (Agnes Giard) が、彼女が書いた本 "L’IMAGINAIRE EROTIQUE AU JAPON" (Albin Michel/ ISBN 2-226-16676-9 / 35,00 EURO) を送ってくれました。
お会いしたときには「今年の暮れに出る予定」と言っていたのに、いっこうに音沙汰がなかったもので、はてどうしたんだろうと思っていましたが、約一年遅れで発売されたってわけですな。まあ、私も『日本のゲイ・エロティック・アート vol.2』が大幅に遅れてしまった前科があるので、人のことは言えません(笑)。
実に立派な本で、造本はセミ・ハードカバー(っつーのかな?)、サイズはB5程度ある大判、本文は330ページ以上で、厚味も3センチくらいあります。例によって、フランス語はさっぱりわややなので、残念ながら読むことはできませんが、全ページフルカラーで、テキストも図版もタップリ。
日本のエロティック文化全般を論じた本らしく、収録されているアーティストは、表紙を飾る山本タカトさんを始め、横尾忠則さん、村上隆さん、会田誠さん、林良文さん、佐伯俊男さん、吉田光彦さん、室井亜砂二さん、丸尾末広さん、駕籠新太郎さん、今泉ゴッホさん……などなど。
私の作品は、"LA CRISE DE LA MASCULINITE"(え〜、これは「男らしさの危機」って意味?)という章の扉を含め、5点ほど1ページ大で使っていただきました。また、嬉しいことに、"GENGOROH TAGAME ET LE FANTASME DU SURMALE" と題された、独立した一章もあり。
でも何よりも嬉しかったのは、この本には昔の浮世絵とかも載っていまして、「自分の作品が、尊敬する月岡芳年と同じ本に載っている!」ってこと。いやもう、クラクラするくらい嬉しいです、マジで。
あ、エロティック・アート以外にも、コスプレ・メイド・ヤマンバ・ラバー・全身タイツ・女王様・やおい・フィギュア・ドール・エロゲー……などなど、実に盛り沢山の内容です。
著者のアニエスとは、去年の四月に東京で会ったんですが、そのときの待ち合わせ場所が新宿二丁目の cocoro cafeでした。「待ち合わせにココロカフェを指定するガイジン? ナニモノだい、そりゃ?」と、驚いたもんです(笑)。
取材は通訳さんも同席で、日本語とフランス語と英語のチャンポンだったんですが、なにしろ私の英語なんてアヤシイコトコノウエナイので、果たしてちゃんと意志が通じていたか、実は今でもちょっと不安だったりする(笑)。本で内容を確認しようにも、フランス語だから読めないし(笑)。
で、そのときに私に関する質問の他にも、アニエスは「フンドシ大好き!」とのことで、褌についても根掘り葉掘り聞かれたんですが、本に載ってる "Les Fundoshi de Gengoroh" っつーコラムは、多分そのときの話が元なんだろうなぁ(笑)。私は文化人類学者でも服飾史の専門家でもないんで、あんまりヘンなコト書いてなきゃいいんだけど、ま、それとは別に "FUNDOSHI : LE DERNIER BASTON DE LA VIRLITE" という独立した一章もあるんで、多分大丈夫でしょう(笑)。
それにしてもアニエス嬢、本当に褌がお好きだとみえて、掲載された私の作品も、彼女がセレクトしたんですが、ぜ〜んぶ褌もの(笑)。
で、取材の後に cocoro cafe の表で写真を撮られまして、そのときの写真が本の巻末のアペンディックスに使われているんですが、これがどーにも顔がマンマルでパンパンに膨れて見える。で、思わず相棒に「この写真、何かすっごく太って見えない?」と愚痴ったら、「だってお前は太ってるだろ?」とゆー、心ない返事が(笑)。
まあ、洋書なんで「買ってね」とは言いづらいですが、前述のようにとっても立派で、しかもキレイな本なので、知り合いに見せたら「この本、欲しい!」という人が、けっこう何人もいました。
とゆーことで、興味のある方やご購入を検討される方がいらっしゃいましたら、amazon.fr あたりで探してみてください。