投稿者「Gengoroh Tagame」のアーカイブ

最近お気に入りのCD

インス:コンスタンティノープルの陥落 カムラン・インス『トルコの民族楽器と声楽のための協奏曲/交響曲第二番「コンスタンチノープルの陥落」/ピアノ協奏曲/赤外線のみ』
価格:¥ 1,250(税込)
発売日:2011-09-14

 1960年生まれのトルコ系アメリカ人作曲家。幼少期からアメリカとトルコを行き来しながら音楽を学び、長じた後も両国で音楽の教鞭をとるといった経歴の持ち主らしいです。
 しょっぱなの『トルコの民族楽器と声楽のための協奏曲』から、いきなり耳を奪われました。ドンドンと打ち鳴らされる太鼓(キョスやダウルも入っているのかな?)から始まり、そこをつんざくように高らかに絡むズルナ(管楽器)、そして吹き鳴らされる金管、木管、そこに重厚な弦のうねりが絡み……と、まるでメフテル(オスマン時代に端を発するトルコの軍楽)と伊福部昭が合体したかのようなカッコ良さ。
 作曲者本人のサイトで一部試聴ができますので、興味のある方は是非お試しあれ。こちら
『交響曲第二番「コンスタンチノープルの陥落」』も、民族楽器こそ使われていないものの、全体的の感触は似た感じで、やはりズシンと打ち鳴らされる打楽器と、つんざくような管の叫びが印象的。重々しくトラジックで、何ともハッタリの効いたドラマチックな曲調から、哀切で美しいメロウな楽章もあり、かなり視覚的な感じで楽しめます。
『赤外線のみ』は、かなりミニマル音楽寄りの作風ですが、それでもハッタリの効き具合は変わらず。今にも怪獣でも出てきそうな感じでガンガン攻めてくるので、聴いていて実に楽しい(笑)。

マルコプーロス:オルフェウスの典礼 ヤニス・マルコプーロス『オラトリオ「オルフェウスの典礼」〜古代オルフェウス教の詩に基づく』
価格:¥ 1,250(税込)
発売日:2009-03-25

 1939年生まれのギリシャ人作曲家による、1994年度作品。
 古代を思わせる平明でちょっと異教的なリリシズムと、頌歌のような荘厳さが合体した、不思議な清々しさのある大曲。
 ハープやフルートによるエキゾチックでシンプルなメロディや、儀式的なムードを醸し出す鳴り物をバックに、古代ギリシャの神々を讃える語り(この部分は英語)をブリッジにして、バリトン・ソロやソプラノ・ソロやクワイアによる神々への頌歌が、美麗なオーケストラをバックに、ギリシャ語で壮大に歌われるという構成。
 この頌歌部分が、何というかもう「真っ直ぐ!」という感じで、この魅力は何というんだろう……素朴とか牧歌的というのとも、ちょっと違うし……とにかく、ひたすら対象を讃えることで高みに昇っていくような、崇高ではあるんだけれど同時に軽やかでもあるというか……やはり牧歌的というのが近いのかなぁ……。
 とにかく、ロンゴスの『ダフニスとクロエー』を読んだときみたいな、何とも大らかで清々しい魅力があって、すっかり気に入ってしまいました。
 試聴はこちらで可能。

Voice of Komitas コミタス・ヴァルダペット『ザ・ヴォイス・オブ・コミタス・ヴァルダペット』
価格:¥ 1,657(税込)
発売日:1995-08-15

 アルメニア正教の聖職者にして音楽家であったコミタス(1869〜1935)が作曲した聖歌と、彼が収集・編曲したアルメニア民謡を、コミタス本人と(おそらく)弟子であるアルメナク・シャームラディアン(?)が歌っている、1912年の録音盤。
 最近ちょっと、このアルメニアン・クラシック音楽の父と言われている(……だそうです)、コミタスの音楽に凝っていまして、アレコレ色々と聴いているんですが、確かに室内楽曲なんかはクラシック的な雰囲気が濃厚なんですけど、ピアノ曲や歌曲なんかは全体的にとてもシンプルで、旋律のエキゾチックさや、ちょっと神秘的な雰囲気なんかもあったりして、グルジェフの音楽に通じるものがあるような気がしています。
 そんな中でもこの録音は、クラシック声楽家がコンサート・ピース風に歌い上げたり、後代の作曲家達が技巧的に編曲したものとはひと味違う、何というか生(き)の味わいがあるという感じで、個人的には最も魅力を感じた一枚。
 もちろん音質は決して良くはありませんが、それでもノイズリダクションは施されているし、何と言っても無伴奏で滔々と歌うコミタス本人の歌は、一種の崇高さを感じさせる美しさがありますし、シンプルなピアノ伴奏で朗々と歌い上げられるシャームラディアンの歌も、地声に近い力強さや素朴さなどもあって、クラシック声楽家の歌うそれとは、またひと味違う美しさ。
 試聴はここここでどうぞ。

“Kahaani”(『女神は二度微笑む』)

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“Kahaani” (2012) Sujoy Ghosh
(インド盤Blu-rayで鑑賞→amazon.com
 2012年制作のインド/ヒンディ映画。
 インドで消息を断った夫を捜しに、独りロンドンからやってきた身重の若妻が、謎の事件に巻き込まれていくという、歌舞シーンなしのミステリー・スリラー。
 本国ではスロースタートながら高評価に押され、最終的にはスーパーヒット作になったそうな。

 身重の若妻バグチー夫人は、夫が仕事でコルカタ(カルカッタ)に赴任した後、消息を断ち行方も判らなくなってしまったのを探しに、独りロンドンからコルカタにやってくる。
 彼女は真っ直ぐに警察署に向かうが、夫の情報はなにもない。しかし若い警官ラーナは、彼女を案じ捜査を手伝うようになる。
 奇妙なことに、夫が滞在していた宿はホテルではなく安宿で、しかも記録は何も残っていない。更に赴任先であるはずの会社でも同様だった。しかしその会社で、彼女から相談を受けた老婦人アグネスは、行方不明のバグチー氏の写真を見て、かつてその会社にいたミラン・ダムジーという男に似ていると言う。
 バグチー夫人は警官ラーナと共に、夫が卒業したはずの学校や、夫の親戚を探し当てるが、学校には彼が在籍していたという記録はなく、親戚も身内に該当する者はいないと言う。果たして彼女の結婚していたバグチー氏とは何物なのか、生きているのか死んでいるのか、ミラン・ダムジーという男と同一人物なのか、そしてミラン・ダムジーとは何物なのか……と、謎はどんどん深まっていく。
 更に、バグチー夫人がミラン・ダムジーを探しているという報を受け、内務省のエージェントが動き始める。実はその裏には、二年前にコルカタの地下鉄で起きた、死者百余名を出した毒ガステロ事件が関係していた。
 こうしてバグチー氏失踪事件は、やがて思いもよらぬ展開に及んでいき……といった内容。

 いやこれは面白かった!
 ヒッチコック風の巻き込まれ型スリラーなんですが、丁寧な描写を積み上げていく展開、キャラクターの魅力、二転三転する展開、要所要所で挟まれるサスペンス、そして最後のどんでん返しと、明らかになる伏線の数々……等々、ストーリー自体が文句なしの面白さ。
 身重の妊婦が、下町から高級オフィスまで様々な場所を動き回り、そしてクライマックスのドゥルガー祭に至るまで、コルカタの町というロケーションを存分に活かした映像も魅力的。特にクライマックスからエンディングにかけて、そういった光景とテーマを重ね合わせて見せるという、その手腕も見事。
 役者陣も押し並べて素晴らしく、ヒロインを演じるヴィディヤー・バーランは、まだ娘っぽい可愛らしさから、母の萌芽的な強靱さ、そして女神的な崇高さにまで至る、素晴らしい演技を披露。その他のアンサンブルも、キー・キャラクターからちょっとした箸休め的な子役に至るまで、悉く魅力的な面々。
 全体の尺も、約2時間とインド映画としてはコンパクトで、作りも極めてリアリズム志向。ミュージカル的な場面はなく、アヴァンタイトルとエンドクレジットに主題歌的なものが流れるのと、本編中で祭りの歌がちらっと聞こえる程度。
 こういった、インド映画の伝統芸能的な側面を排した作品としては、2010年の傑作“Ishqiya”(そういやヒロインが同じ女優さんだ)に肉薄する面白さ。”Ishqiya”共々、こういったラジニカーントでもサタジット・レイでもないインド映画が、もっと日本でも見られるようになれば良いんですが……。

 インド映画云々ではなく、普通に良く出来たミステリー映画が好きな人に、ぜひオススメしたい一本。
 IMDbで8.2点という高評価なのも、納得の出来映えでした。

【追記】『女神は二度微笑む』の邦題で2015年2月公開予定。

“Sculpture”

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“Sculpture” (2009) Pete Jacelone
(アメリカ盤DVDで鑑賞→amazon.com

 2009年製作のアメリカ映画。ボディビル・ジムのインストラクターが次々に殺されていくC級スプラッター映画。
 因みにIMDbの点数は堂々の2.9/10.0点……だけど、米アマゾンのユーザーレビューは星4つ半だったり(笑)。

 主人公は新進女性アーティスト。
 プロのボディビルダーだった父の死を切っ掛けに、長らく距離を置いていた実家に戻り、残された兄と二人で父の残したボディビル・ジムの経営を手伝うことになるのだが、子供時代の恐ろしい体験のトラウマに悩まされる。
 そんな中、アートディーラーから個展の誘いがあり、彼女はジムのインストラクターの一人にモデルを頼むのだが、それを彼女を溺愛する兄に見咎められ、それがきっかけでトラウマが暴走。やがて血まみれの惨劇が……といった内容。

 え〜、謎解きなし、サスペンスなし。ストーリーも予告編を見て「こんな話だろうな〜」って想像したそのまんまで意外性はゼロ。……だってあーた、新進アーティストがオカしくなって、ボディビルダーを次々殺していくC級スプラッターで、タイトルが『彫刻』っていったら、もうオチまで判ったでしょ?(笑)
 ところが逆に言うと、要素が殺されるマッチョを見せるという一点、およびその前戯となるセクシー場面だけに絞られていて、そういう意味ではなかなか潔い作品でした。低予算なのでスプラッター場面も大したことはありませんが、見せ物的な感覚自体は悪くないので、悪ノリも含めてグランギニョール的にはけっこう楽しめます。
 そんなこんなで、まぁこっちのスケベ心も手伝ってのことなんですが、鼻クソほじりながらも、けっこう楽しく見られちゃいました(笑)。だってなにしろ、殺されるのがボディビル・ジムのインストラクターだけで、しかも色仕掛け付きということもあって、何のかんので脱ぎっぷりもいいし(笑)。
 売り手側も、どういう層がDVDを買うかは判っているようで、映像特典にはお決まりのメイキングや予告編以外に、出演ビルダーたちが下着姿でポージングするクリップなんてのが入ってます(笑)。
 しかしヒロインの顔と体型は、もうちょい何とかならんかったのか……。

 というわけで、スプラッター好きで、半裸のマッチョが殺されるのを見るのも好きという、私と同じ趣味をお持ちの方だったら、充分お楽しみいただけるかと。
 但し、出てくるボディビルダーの体型は、フィットネス・モデルからナチュラル・ボディビルくらいまで。ステロイド・モンスター系は出てきませんので、筋量命の方だと、けっこう食い足りないかも。
 まあ、演出とか脚本とか役者の演技とかは完全にアレなんですけど(笑)、予告編見て「おっ!」と思った方なら、迷わずオススメいたします。

“Frat House Massacre”

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“Frat House Massacre” (2008) Alex Pucci
(アメリカ盤DVDで鑑賞→amazon.com

 2008年制作のスラッシャー映画。
 80年代のアメリカの学生寮を舞台に、血みどろ描写やディスコ音楽といった70年代後半〜80年代初頭の映画へのオマージュ+青年の裸満載という内容。

 80年代のアメリカ、とある大学のフラタニティ(友愛会)の寮では、馬鹿学生たちがパーティーやセックスやドラッグに明け暮れていた。
 そんな中でも特に、ΔΙΕフラタニティの代表でサディストのマークは、皆を率先して新入生たちに拷問のようなイジメをし、更にその後、内輪の数人だけで、その犠牲者を殺害していた。
 メンバーの一人で、その異常さについていけなくなったショーンは、マークたちの殺人をやめさせようとするが、逆に殺されてしまう。しかしショーンが殺された瞬間、事故でずっと昏睡状態だったショーンの弟、ボビーが目を覚ます。
 目覚めたボビーは、兄のいたフラタニティの寮に入るのだが……といった内容。

 ストーリーはけっこう面白いです。
 途中で一回ツイストが入って、話が意外な方向に転がっていったかと思うと、クライマックスでもうひとひねり入れてきたりして、アイデアや意外性を楽しめる感じ。
 演出も、さほど凡庸というわけではなく、所々凝った見せ方なども交えて悪くないし、昔のスラッシャー映画のオマージュらしく、血糊がドバドバ、特殊メイクもあちこち、殺しの外連味もそこそこあるのは佳良。
 でも同じオマージュでも、ディスコダンスの場面がけっこう長かったりするのは、正直ちょいとウザい感もあり。長すぎる日常描写も、ちょっとダレる。もうちょっと刈り込んでテンポを良くすれば、だいぶ違うだろうに……ちょっと惜しい感じがします。
 そういやジャンル映画オマージュらしく、《オリジナル音楽:クラウディオ・シモネッティ》なんてクレジットもあるんですが、これは正直、いったいどの音楽を書いたのよ、って感じでした(笑)。

 でもって、学生寮の話なのに女の子のオッパイとかはチラッとしか出て来なくて、そのかわり若いイケメンのヌードはイッパイ出てくるのは、これは監督の趣味なのかしらん(笑)。
 まあ、スラッシャー映画としては、特に悪くもなし特に良くもなしですけど、皆の前でパンツ一丁で縛られて辱められた後、パンツ降ろされて尻をパドリングとか、裸で猿轡されてベッドに縛られて、胸板をダーツの的にされるとか、そんなシーンはあちこちあるので、ソッチ系目当てなら、けっこう楽しめるかと。
 そこそこ身体もいい男の子たちが、次々と裸で拷問めいたイジメにあい、そしてそのまま惨殺……てなコンボが多いのは、私的には変態アンテナに反応するものがあって、けっこうお得感がありました。
 そーゆーのが好きな方だったら、一見の価値アリかも。

『闇を生きる男 (Rundskop / Bullhead) 』

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『闇を生きる男』(2011)ミヒャエル・ロスカム
“Rundskop” (2011) Michael R. Roskam
(米盤Blu-rayで鑑賞→amazon.com

 2011年制作のベルギー映画。原題”Rundskop”、英題”Bullhead”。
 2011年大阪ヨーロッパ映画祭で『闇を生きる男』の邦題で上映。また、2012年7月28日(土)から銀座テアトルシネマで二週間限定のレイトショー公開あり。
 ベルギーのフラマン語(オランダ語)圏であるフランデレン地域の、食肉牛の畜産業主を主人公にした、クライム・ドラマ風味の重厚な人間悲劇。アカデミー外国語映画賞ノミネート作品。

 主人公ジャッキーは30過ぎの格闘家のような肉体を持つ頑強な独身男で、食肉牛の飼育を生業としている。彼の牛は違法ホルモンを使って育てられており、彼の肉体もまたホルモン注射の産物だった。
 そんな彼のところに、とある食肉業者との取引の話が持ち上がる。彼はこの話に何か危険な臭いを感じるが、実際、違法ホルモンを調査していた警察官が殺害されるという事件が起きる。
 また、ジャッキーは少年の頃、睾丸を潰されるという過去を背負っており、彼のホルモン注射も、そもそもは喪われた男性ホルモンを補うために始まったことだった。そして壮年になった彼は、まるで喪われた男性性を取り戻そうとするかのように、ホルモン注射にのめり込んでいき、同時に感情を抑えられず凶暴化していく。
 やがて警察の捜査網は、ジャッキーの幼なじみや初恋の相手も巻き込みながら、徐々に食肉マフィアおよびジャッキーへと迫っていくのだが……という内容。

 いや、これは面白かった!
 主人公の設定がかなり特異ですが、それと彼の育てる食肉牛の姿を重ね合わせ、そんなどうしようもない運命の残酷さを、ずっしりとした重厚なドラマとして見せてくれます。
 ストーリー的にはクライム劇の要素はあるものの、主眼はそれではなく、まるでギリシャ悲劇を思わせる運命劇的な人間ドラマ。自分が背負わされてしまった軛から、逃れようとしても逃れられない男の悲痛さが、何とも胸に迫ります。
 彩度を抑えた色調や、シンメトリーや構図の美しさが印象的な画面も、大いに魅力的。演出は全体的に静かなタイプですが、その緊張感やシャープさや、そして全体に漂う重厚な雰囲気に魅せられます。
 そして何と言っても、主人公ジャッキー役の男優さん(マティアス・スーナールツ)の魅力。雄牛を思わせる見事な肉体と、クールな強面と悩めるナイーブさが同居した表情……う〜ん、惚れた。
 そしてこのキャラクター……私で良かったら、ギュッと抱きしめてあげたい……って余計なお世話(笑)。
 加えて、ちょっとしたオマケという感じですが、ゲイ要素があったのも良かった。まぁ、そのゲイキャラは、ルックス的には全くタイプではなかったですし、その出し方もさりげない感じなんですが、変に付加価値を背負わせることない、さらっとした描き方が、却って見ていて「判る判る!」という感じの好印象に。

 まぁ、はっきり言ってとても辛くて悲しい話なので、悲劇=バッドエンドと感じられる方には全く向かないとは思いますが、屈強な男が背負った運命的な悲劇、それもある意味で過度な男性性を巡るドラマだということもあって、個人的にはモロにツボを突かれてしまった感じです。
 好き嫌いや後味の良し悪しはともかく、とになく見応えタップリな一本なので、レイトショー公開ではありますが、興味のある方はぜひご覧あれ。

『闇を生きる男』、主人公の肉体性&雰囲気重視のアメリカ版予告編。

 ストーリー全体のアウトライン重視のインターナショナル版予告編。

 で、主演男優マティアス・スーナールツで検索してたら、こんなものが。”De rouille et d’os (Rust & Bone)” (2012)、予告編。

 やだ、これもすごく見たい……。監督が、先日見て面白かった『預言者』のジャック・オーディアールってのもポイント高し。

預言者 [DVD] 預言者 [DVD]
価格:¥ 3,990(税込)
発売日:2012-07-06

 しっかし、これが
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これになっちゃうんだから、
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俳優さんってホントすごい……ってか、おっそろしいわ(笑)。

【追記】『闇を生きる男』めでたく日本盤DVD発売です。

闇を生きる男 [DVD] 闇を生きる男 [DVD]
価格:¥ 3,990(税込)
発売日:2013-02-22

【追記】”De rouille et d’os (Rust & Bone)”も『君と歩く世界』という邦題で、目出度く日本公開&ソフト発売。


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ちょっと宣伝、『エンドレス・ゲーム』第7話(前編)です

endlessgame7a
 今月21日発売の「バディ」9月号に、連載マンガ『エンドレス・ゲーム』7話(前編)掲載です。
 今日、私の手元に見本誌が届いたので、一足先にゲイ・ショップにはもう並んでいる頃かも。
 えー《前編》という但し書きがついているように、諸般の事情で今回は8ページだけです。来月からは通常復帰……と言いたいところですが、次回もまた8ページということに。うーむ……。
 というわけで、毎月楽しみにお待ちいただいている皆様には、何とも誠に申し訳ない限りであります。
 ですが前回に引き続き、今回も次回もエロ展開の真っ最中ですので、とりあえず抜き要素はバッチリかと。
 それと今月号には、先日イタリアでも単行本出版が決まった『そらいろフラッター』のおくらさんのマンガも載っております。バディ初登場……かな?
 微細な心理描写を主軸にエッチシーンも入れつつ、そしてカミングアウトというモチーフを逆手にとった発想には、思わず「……上手い!」と唸らされたり。
 今月号が前編ということなので、続きが楽しみです。
 というわけで「バディ」9月号、よろしくお願いいたします。

Badi (バディ) 2012年 09月号 [雑誌] Badi (バディ) 2012年 09月号 [雑誌]
価格:¥ 1,500(税込)
発売日:2012-07-21

初めての英語版単行本、来春アメリカで発売

PassionOfGengorohTagame
 7月14日、アメリカはサンディエゴで開催されたコミック・コンベンション(通称コミコン)で、同国で来春発売予定の拙単行本 “The Passion Of Gengoroh Tagame: The Master of ‘Bara’ Manga” が、表紙画像と共に公式に発表されました。<記事>
 アナウンスをしてくれたのは、この英語版単行本の編集スタッフの一員チップ・キッド(Chip Kidd)氏。どうもブック・デザイナーとしてはけっこう高名な方らしく、何も知らずにメールをやりとりしている間は、ぜんぜんそんな感じがしなかったんですが、後からググったらこんな記事こんな記事が出てきて、ちょっとビビりました(汗)。コミックス関係の著作も色々あるようで、これまた後から確認したら、私の手元にも彼が編集&装丁を手掛けた『バットマンガ (Bat Manga)』やアレックス・ロスの画集なんかがあったり。

 表紙イメージにも記載されているように、英語版単行本は、このキッド氏(アート・ディレクター&編集助言)と、アン・イシイ(Ann Ishii)嬢(プロデューサー&翻訳)、グラハム・コルビンズ(Graham Kolbeins)氏(エディトリアル・ディレクター)の3名が、プロジェクトを組んで関わってくれています。
 そしてもう一つ、私を大いにビビらせてくれたのが、この単行本に序文を寄せてくれるのが、『美しい部屋は空っぽ』や『ジュネ伝』で知られる作家、エドマンド・ホワイト氏だということ。
「序文をホワイト氏にお願いしようと思っている」と聞いたときには、思わず「うっそぉ!」とか思っちゃったんですが(笑)、いざその序文が届いたら、もう頭の中は完全にパニック。お礼のメールを出さなきゃ、出さなきゃ……と思いつつ、緊張のあまり全く書くことができず、ようやく思い切ってメールを出せたのは一週間後という体たらく(汗)。
 更に、そのメールに心優しいお返事もいただけたもんだから、それから二、三日、かなり有頂天気分でフワフワしてました(笑)。

 版元はPictureBoxという出版社。<出版社のサイト内記事>
 実際の発行は、まだ半年くらい先のことですが、けっこうなヴォリュームとバラエティに富んだ(とはいえ、流石にアメリカですので、ショタ系とかは入りませんけど)中短編集になる予定。描き下ろしの新作短編もあり。
 日本の読者さんには、ちょっと無縁の話ではありますが、もうかれこれ10年以上、米英その他のファンから「英語版の単行本が欲しい、欲しい、欲しい」と、ずーっとリクエストされ続けていたので、私としても待望の出版であると同時に、何だかちょっと肩の荷が下りた感じがしています。

《7月22日追記》
 PictureBoxのリリース文を、日本語訳して記事にしてくださったブログがありますので、よろしかったら是非お読みくださいませ。
ハル吉とゴッシー (Harukichi and Gosshie):田亀源五郎、2013年全米リリース決定!

7月15日(日)、新宿でトークショーに出ます

JaNP+_akta_talkshow
 今度の日曜日(7月15日)、新宿のコミュニティスペースaktaで開催される、特定非営利活動法人日本HIV陽性者ネットワークJaNP+主催のトークショーに出ます。お相手はJaNP+代表・長谷川博史さんこと、元ジーメン編集長ピンクベア長谷川こと、熊夫人ベアリーヌ・ド・ピンクこと……えい、またの名が多い(笑)。
 男性のみのイベントとなりますが、事前予約不要・入場無料ですので、お気軽にお立ち寄りくださいませ。

セックスとファンタジーをテーマに、ゲストを交えて語る
「JaNP+トークショー」を、下記のとおり開催いたします。
【出演】田亀源五郎(ゲイ・エロティック・アーティスト)、長谷川博史(JaNP+)
【日時】2012年7月15日(日)18:00~20:00
【会場】akta (新宿2-15-13 第二中江ビル301)
※男性であれば、どなたでもご参加いただけます。
※HIV陽性者限定のイベントではありません。
※参加無料、事前申し込み不要です。
多くの皆様のご来場をお待ちしております。

BIG GYMさんのうちわ

 ゲイショップBIG GYMさんの販促用うちわに、カレンダー企画の流用ですけれど、拙イラストが載っています。こちら↓
biggym_fan
 作家リストは、市川和秀、犬義、戎橋政造、熊田プウ助、KeiCHANG、小日向、児雷也、田亀源五郎、龍谷尚樹、野原くろ、藤本郷、moriuo(五十音順・敬称略)。
 BIG GYM各店舗の他、コミュニティセンター/ZEL(仙台)、akta(東京)、SHIP(横浜)、rise(名古屋)、dista(大阪)、haco(博多)、mabui(沖縄)、バー/九州男、GREGORIO’S、タウンハウス東京などに置いてあるそうなので、欲しい方は是非足をお運びくださいませ。

“Thickness 3″に英語版『スタンディング・オベーション』掲載

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 アメリカはサンフランシスコを拠点に発行されている、エロティック・コミックのジン(インディペンデント雑誌)”Thickness”の3号に、拙作『スタンディング・オベーション』の英訳版が掲載されました。因みにオリジナルの日本語版は、初出は「バディ」誌で、単行本では『田舎医者/ポチ』に収録されています。

 事の起こりは、エディター氏から本家サイトのメールフォーム経由で「作品を英訳して掲載させてくれないか」という連絡がありまして。で、過去の見本誌を送ってもらったり、お互いの条件をアレコレ詰めたりして、無事掲載に至りました。
 私のマンガは、ネット上では無許可のスキャンレーションが、勝手に海賊翻訳されて(中には翻訳ですらなく、絵から勝手に想像したセリフに差し替えられた、酷いオリジナル・ストーリー版も流布しているとのこと。アメリカ人の友人情報)シェアされている例が多々あるんですが、正式な許可をとってのオフィシャルな英語版は、これが初めてとなります。

 外側のクリアパックを開くと、こんな感じで、中からジン本体と、付録の小冊子が出てきます。
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 収録作品は、センターフォルドのピンナップも含めて全九作。
 私のマンガは、最初は左右反転して開きを他の欧米マンガと合わせたいという話だったんですが、出来れば反転はしないで欲しいと希望したところ、最終的には巻末に逆開きで掲載という形で合意しました。

 エロティック・コミックのジンとはいっても、実はこれゲイものの本というわけではなく、他のマンガは(ピンナップを除いて)皆ヘテロものでした。それも概して、ちょっと奇妙でアングラなテイストで、例えば「ゴキブリを退治してくれた男に、女がビールを振る舞っておスペでいかせてあげる」マンガとか、
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「カブトガニの交尾を見ながら、女が乳首にヒルを付けられ、クリトリスにもヒルを付けて男のアナルを犯し、最終的には膣に入ったザリガニの殻になる」というマンガとか。
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 そんな中、私のマンガもこんな感じに載っているんですが、
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何しろ他が皆、往年の「ガロ」みたいな雰囲気なもんだから、いやまぁ誌面から浮いていること浮いていること(笑)。
 そしてこのジン、実は印刷や製本も自分たちでやっているといて、印刷方法もリソグラフ(プリントゴッコの豪華版みたいなもの)が使われています。
 というわけで、ぶっちゃけディテールの再現性とかは良くないんですが、反面、版画的な存在感やロウファイな猥雑感があって、そこいらへんはなかなかカッコいいテイストに仕上がっています。ちょっと往年の「さぶ」(ザラついた紙に活版印刷でした)に、自分のマンガが載ってたときの味わいなんか思い出したりして。

 編集作業も丁寧で、先方の希望で手書きの擬音を外したデータを渡し、そこに新たに英文の擬音をレタリングしてくれているんですが、配置とか書体とか、かなりオリジナルのテイストを忠実に再現してくれています。ただ、ここは言語感覚の違いの面白さで、例えば勃起したペニスが《ぶるんっ》と頭を振る擬音が、《BOIOIOING》になっていて、つい笑ってしまったり(笑)。
 確か本国アメリカでは、先月にシカゴ(だったかな?)で開催されたインディーズ出版物のフェアで初売りとなったはずですが、流通形態としては日本で言うところの同人誌と同様なので、アマゾンとかでは扱っていません。
 いちおうオフィシャル・サイトでは通販をしていますし、ページ下方には取り扱い書店のリスト(アメリカとカナダだけですけど)がありますので、ご参考までに。