SM&拷問」カテゴリーアーカイブ

地震とかDVDとか

 夕方の地震、けっこう大きくてビビりました。
 とりあえずタバコを消して、スリッパはいて(何かで地震の時はスリッパ必須と聞いたので)、本棚が倒れても下敷きにならなさそうな位置に移動したら、台所の方から何かドザドサ落ちる音が。
 後で落ち着いてから確認したら、DVDラックの上に横積みにしていた古いVHSテープが落っこってました。MTV関係(The OrbやらClannadやらブリジット・バルドーやら)とか、中古屋のワゴンセールで買った珍品映画(『犯(や)られた刑事(デカ)』やら『マルキ』やら)が、床に散乱(笑)。
 実際、我が家には、いたるところに本やらビデオやらDVDやらCDやらが、林立する蟻塚の如く突っ立っておりまして、地震の後、そんな状態を良く知る友人から「大丈夫? 本の下敷きになってない?」という、ご心配の電話が掛かってきたくらいで(笑)。
 そんな状況にも関わらず、やっぱり好きな映画がソフト化されると買わずにはいられないわけでして、しかも最近は、ネットショップで予約しておくと割引だったりもするもんですから、地震があった今日も、『サスペリア アルティメット・コレクションBOX』と『映画はおそろしいBOX』と『ドリームチャイルド』と『日本のいちばん長い日』が、ドドドッとまとめて届きました(笑)。
『サスペリア アルティメット・コレクション』は、事前に告知されていた「温度で色の変わるアウターケース」ってのが、いったい何のこっちゃいと思っていたんですが、届いた現物に触ってみて……納得!
 いやぁ、こりゃいいわ! こーゆー遊び心は大歓迎であります。嬉しくなって、相棒が仕事から帰ってきたら、さっそく「ね、ね、触ってみ!」とBOXを押しつけたりして。
 これを読んで「何のこっちゃい」と思われた方は、ぜひ店頭で現物に触ってみてくださいな。あ、でも『サスペリア Part 2』を見ていないと、この感激は判らないかも。
 で、今夜はさっそく『サスペリア』を鑑賞したんですが、うわ、画質がいい! 以前に出ていたDVDとは段違い! ひ〜、買い直して良かった!
 この『サスペリア』、昔は恐い映画が大の苦手だった私が、一気にホラー映画好きになってしまった思い出の一本だったりするもんで、このクオリティ・アップは実に嬉しい限りでした。
『映画はおそろしいBOX』の収録作の方は、浅学にして『生き血を吸う女』ってのはよー知らんのですが、残る『白い肌に狂う鞭』と『回転』は、もう念願のDVD化でしたから、もう嬉しくて嬉しくて。
 あ〜、あとは『血とバラ』や『チェンジリング』も出ないかなぁ。
 念願のDVD化というと、今回の『ドリームチャイルド』もそうでして、いやあ、よくぞ出してくださった!
 公開当時に劇場で一回見たきりなので、細部は良く覚えていないですが、小品ながら心に残る思い出の一本であります。
「不思議の国のアリス」の作者ルイス・キャロルの生誕百年祭に、かつてアリスのモデルであった老婆が呼ばれ、キャロルの思い出を語るという内容を、小説を再現した幻想シーン(『ダーク・クリスタル』『ラビリンス 魔王の迷宮』『ストーリーテラー』なんかのジム・ヘンソンが担当)を交えながら綴っていくんですが、キャロルのペドフィリアという部分にもしっかり触れつつ、最後にはしみじみとした余韻が残る。
 再見しても、そういった好印象が変わらないと良いんですけど。私の心の中では、現在、楽しみと不安がちょっと同居中。
『日本のいちばん長い日』も、これまたむか〜しテレビ放送で一度見たきりなんですが、暗い重い長いと三拍子揃いつつ、でも面白いかったし見応えあったし、特に緊張感とかスゴかった記憶があるし、三船敏郎の切腹シーンも脳裏に焼き付いている。
 今度はぜひ『血と砂』(やはり岡本喜八+三船敏郎+軍人モノ)をDVD化して欲しい。
 昨日は昨日で、ロシアに注文していたアレクサンドル・プトゥシコの『イリヤ・ムウロメツ(豪勇イリア/巨竜と魔王征服)』が届いたんで、早速鑑賞しました。
 イリヤ・ムウロメツと言えば、お好きな方なら「筒井康隆+手塚治虫」を思い出されるでしょうし、監督のプトゥシコも、人形アニメーション好きなら、人形アニメによるモブシーンが有名な『新ガリバー』、普通の映画ファンなら、ソ連初のカラー映画にして日本で最初に公開されたカラー映画『石の花』、カルト系やホラー好きなら『妖婆・死棺の呪い』でお馴染みでしょう。
 で、この『イリヤ・ムウロメツ』、私は初見だったんですが、ラストに出てくるドラゴン、怪獣世代の日本人なら間違いなく「あ、キングギドラ」って思いますね、きっと(笑)。ひょっとして、本当にこれが元ネタなのかしらん。
 モブやセットのスケールは惜しみなく、画面はそういった映画的なスケール感と、舞台的な様式美が美しく混淆し、ファンタスティック映画的な楽しさも満載。物語やキャラクターが、あくまでも民話的なシンプルさから逸脱しないのは、私的には楽しめたんですが、物足りなさを感じる方もいそうではあります。
 主人公のイリヤが、少なくとも最初は若者のはずなのに、どう見てもオッサンなのはご愛敬。まあ、こーゆーヒゲ熊オヤジが主演を張るファンタジー映画ってのは、私としては嬉しいけど(笑)。ラストのまとめが、いかにも「社会主義国家的」になってるのも、まあいたしかたなし。
 あと、ちょっと「SM的興趣」を擽られるシーンがあったのも、個人的にはお得感(笑)。
 嫌な方は、この段は飛ばすように。
 えーとですね、この映画ではロシア(キエフ)が蛮族(モンゴル人かタタール人か…とにかくアジア系)に襲われるわけです。で、その蛮族の首領が座している椅子が、いわゆる「人間椅子」なの。
 どーゆーものか説明しますと、鎖に繋がれた逞しい裸のロシア人奴隷(しかもヒゲ面)が、10人くらい円座になっていて、その肩の上に大きな円盤が乗っていて、首領はその上に胡座かいているんですな。で、首領はそこし座りながら、踊り子のダンスなんぞを鑑賞するんですが、その舞台も同じく「人間舞台」でね。裸の奴隷が身体で支えている。しかもこっちは、板の縁にはグルリと燭台が突き出ていて、そこに蝋燭が燃えてたり。
 こーなると私の頭は、「踊り子が踊るたびに、その動きと重みに背骨が軋み、しかも揺れる蝋燭から熱涙が、裸の肌に降り注ぐ……」なんての、自動的に脳内補完しちゃうもですから、もうムラムラでゴザイマス(笑)。
 まあ、もちろんそんな描写はないですけど、カラーの実写映画で、しかもけっこうなスケールでこーゆー絵を見せられるとね、なかなかくるものがあって、すっげー「得した感」アリでした(笑)。
 因みにこの『イリヤ・ムウロメツ』のDVD、ロシア盤とはいえ日本語字幕もしっかり入っています。
 版元のRUSCICOというところは、日本のIVCと提携しているらしく、このRUSCICO盤はけっこうIVCからコンスタントに国内発売されるんで(同じプトゥシコ監督の『サルタン王物語』は既に発売済み)、これも待てばそのうち日本盤が出るかも。あ、でも、だいぶ前にロシア盤が出た、初の米ソ合作映画『青い鳥』(光の女王がエリザベス・テイラー、夜の女王がジェーン・フォンダ、「贅沢」がエヴァ・ガードナーっつー豪華キャスト……なんだけど、映画自体は凡作。私は嫌いじゃないけど)とか、まだ日本盤が出る気配がないから、本当に出るかどうかは判りません。
 ただ、このIVCの出す国内盤って、ジャケが日本語になってるだけで、ディスクの中身はロシア盤と一緒。ロシア盤で日本語字幕が付いていない映像特典とかは、日本盤になっても字幕なしのまんまなので、私はたいがい待ちきれずに、ロシア盤を買っちゃってます(笑)。

巨竜と魔王征服 イリヤ・ムーロメッツ[DVD] 巨竜と魔王征服 イリヤ・ムーロメッツ[DVD]
価格:¥ 4,935(税込)
発売日:2006-04-26
青い鳥 [DVD] 青い鳥 [DVD]
価格:¥ 4,935(税込)
発売日:2006-06-30

 そうそう、あと個人的な偏愛映画の一つ、ルー・フェリグノのB級ファンタジー映画『超人ヘラクレス』も、続編と併せて2in1で、ようやくアメリカでDVD化されまして、注文してたのが数日前に届いたんですが、まあいいかげん長くなったので、その話はまたの機会にということで。

『リトルトウキョー殺人課』のDVDが期間限定で690円

 ドルフ・ラングレン主演の珍作『リトルトウキョー殺人課』のDVDが、期間限定で690円っつー安価で発売されました。これ、以前も980円で売られてまして、そんときにも「わぉ、お得!」とか思ったんですが、今度は更に安くなって690円ですよ、690円。マジでお買い得。
 とはいっても、あんまりマジメに人にオススメできるタイプの作品じゃないですけどね、でも「特定の趣味の持ち主」には、ちょっとオススメなんです(笑)。
 お話は、ロサンジェルスの日本人街に進出したヤクザの陰謀を、白人だけど幼い頃に日本で育って武士道を身につけた刑事と、自分のルーツに関心がない日系人の刑事が、コンビを組んで打ち砕く……ってな内容です。まあ、肩の凝らない勧善懲悪&仇討ち(の要素もある)アクションもの。
 で、最初のタイトルバックが、オリエンタルな刺青をした筋肉モリモリのビルダーのトルソ。筋肉&刺青好きのウチの相棒なんて、ここだけで既に大喜び(笑)。
 他にも刺青は盛り沢山。
 半裸の刺青男が「自分で自分の首を折って自害する」ってのは、ちょっとトンデモシーンですが(笑)、主役の刑事コンビとヤクザ軍団が公衆浴場で大乱闘するシーンは、褌一丁の刺青ヤクザのオンパレードなので、見ていてなかなか楽しい。
 で、メインの「サムライの心を持つ白人刑事」がドルフ・ラングレンで、相棒の日系人刑事が今は亡きブランドン・リー。何だか豪華なんだかチープなんだか判断に苦しむキャスティングですが……まあ、きっと豪華なんでしょう。そーゆーことにしとこう(笑)。
 で、このお二人、仲良く敵のヤクザにとっ捕まって、二人並んで電気拷問されたりしてくれるのが、またウレシイ。因みに、ドルフは黒パンツ一丁の裸、ブランドンもジーンズのみで上半身は裸というスタイル。まあ、どっちも顔はぜんぜん好みじゃないですけど(笑)。
 それとこの映画、一部でその「トンデモニッポン描写」が有名(笑)だったりする。
 まず、事件の核となるナイトクラブの名前が「盆栽クラブ」ってトコからしてヘンテコ。で、この「盆栽クラブ」では、ブロンド美女が全裸で女体盛りされていたり(しかも盛られているのは、刺身じゃなくて寿司)、ステージでマワシをしめたオッパイ丸出しのオンナが、女相撲やってたり(しかも顔だけ、舞妓さんみたいな白塗りで)とゆー具合のヘンテコさ。
 ドルフが自分で建てたとゆー設定の、日本家屋モドキもステキです。和室の真ん中にコタツがあるんですが、上掛けがなくて骨組みがムキダシ。で、ドルフがそのスイッチを入れて「すぐに暖かくなる」とか言ってんですけど……ぜったいストーブと勘違いしてる(笑)。他にも、庭の真ん中にトートツに風呂桶があったり。まあ、これはこれで気持ちよさそうではありますけど。
 他にも、凌辱されたクラブ歌手が「切腹の準備」をするシーンとか、ヤクザの用心棒の一人に、マゲ結って刺青したスモウレスラーがいたりとか、ツッコミどころは盛り沢山なんですが、極めつけはクライマックスの、ドルフの討ち入り(……と、つい言いたくなってしまう)衣装のトンデモナサ。どれだけトンデモナイか、しれはまあ見てのお楽しみ(笑)。
 そんなこんなで「ヘンなもの好き」には、お楽しみどころがイッパイです。カタコトの日本語で喋るドルフなんつーのも見られる。
 それと、そんなヘンテコ描写を無視すれば、出来そのものは、軽い娯楽映画としては、実はそんなに悪くない。
 テンポは良いし、それなりに見せ場も散りばめられてるし、話はベタだけど予定調和的な満足感はあるし、79分と尺が短いせいもあって、飽きずに一気に見られる。
 とゆーわけで、いろんな意味で見どころ盛り沢山の一本。
 これで3800円とかだと、ちょっと考えちゃいますが、なんせ690円だからねぇ。お得だと思いますよ〜。
 因みに私は、980円のときに買ったんですけどね(笑)。

ソード&サンダル映画ドイツ盤DVDボックス(2)

 以前ここで紹介した、ドイツe-m-s社のクラシック・ソード&サンダル映画DVDボックス、”Cinema Colossal”シリーズの”4 – Eros”が届いたので、一つ前の”3 – Saga”とまとめて、とりあえず一緒にご紹介。既に見たことがあるものに関してのみ、簡単な備考を併記しました。
 なお、ボックス一つに三作品(DVD三枚)収録というパターンは同じですが、3からそれと一緒に、「コレクターズ・カード」と銘打った葉書サイズのカードが、それぞれ6枚ずつ封入されています。
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“Cinema Colossal 3 – Saga”
1)カーク・ダグラス主演『ユリシーズ』”Die Fahrten Des Odesseus”(1954)
 伊語原題”Ulisse”、英題”Ullyses”。
 ディノ・デ・ラウレンティスとカルロ・ポンティという大物二人が、共同プロデュースでホメロスの『オデュッセイア』を映画化した大作。
 共演はシルヴァーナ・マンガーノ、ロッサナ・ポデスタ、アンソニー・クインなど。
 まあ、マッスル・ムービー的な見所はあまりなく、カーク・ダグラスの半裸と、レスリング・シーンくらいでしょうか。あと、サイレンのエピソードの際のボンデージ(笑)姿。
 でも、真っ当な意味での見所は、なかなか盛り沢山。宮殿や船のスケール感とか、ちょっと独特で美しい衣装とか、シルヴァーナ・マンガーノの美しさ(ペネロペとキルケーの一人二役というのが面白い)とロッサナ・ポデスタの可愛さ(ナウシカ役です)とか、一つ目巨人サイクロプスの特撮映画的な楽しさとか、キルケーのエピソードの夢幻的な雰囲気とか。ただ、スペクタクル的な見せ場や盛り上がりという点には、いささか欠ける感もあり。
 DVDは米盤や伊盤もあり。米盤の画質もそれほど悪くはないんですが、伊盤やこの独盤と比べると、やはり見劣りすることは否めませんな。
2)ロジャー・ムーア主演『サビーヌの掠奪』”Der Raub Der Sabinerinnen”(1961)
 伊語原題”Il Ratto Delle Sabine”、英題”Romulus And The Sabines”。
 後のジェームズ・ボンド役者主演による史劇。共演はミレーヌ・ドモンジョ。
3)カーク・モリス主演”Kampf Um Atlantis”(1965)
 伊語原題”Il Conquistatore Di Atlantide”、英題”Conqueror Of Atlantis”。
 ソード&サンダル+Sci-Fiもの。裏ジャケに載っている、怪しげなメカやらチューブやら、青い全身タイツ姿の怪人軍団なんかを見るだけで、B級好きなら血が騒ぐはず(笑)。
 米盤DVDは、Something Wired社から発売されているマーク・フォレスト主演”Goliath and the Dragon”(豪勇ゴライアス)に、オマケとして収録されています。(Bayside Entertainment Distribution社から出ている廉価盤ではないので要注意)
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“Cinema Colossal 4 – Eros”
1)ロリー・カルホーン主演『ロード島の要塞』”Der Koloss Von Rhodos”(1960)
 伊語原題”Il Colossi Di Rodi”、英題”The Colossus Of Rhodes”。
 非マッスル・ムービー。何故か邦題は「要塞」となっていますが、要するに世界七不思議の一つ「ロードス島の巨像」が見せ場のスペクタクル史劇。
 監督はセルジオ・レオーネ。共演はジョルジュ・マルシャル。マッスル系の脇役でちょくちょくお見かけするミンモ・パルマーラも出演してます。
 メイン・キャストにあまり魅力がないのが難点ではあるんですが、セットのスケール感はあるし、巨像が実は巨大な秘密兵器で、手に持った器から火を落として航行する船を焼き尽くしたり、頭がパックリ割れて炎を射出したりといったアイデアもあるし、クライマックスは大地震と嵐で、巨像は倒壊し町も破壊されるという一大スペクタクルだし、見せ場はタップリあります。
 また、責め場系もなかなか充実。
 まず、半裸のマッチョが何人も縛られたり吊されたりしているダンジョン。ここでジョルジュ・マルシャルは、鞭痕も鮮やかな半裸で、柱で後ろ手に縛られている。で、その上から巨大な釣り鐘のようなものをかぶせられ、それを棍棒でガンガン打ち鳴らす「音責め」を受けるんですが、責めが終わって釣り鐘が持ち上げられると、マルシャルは失神しており、更には鼓膜が破れたのか耳の穴から鮮血が……なんていう嬉しい(笑)ディテールが。
 マルシャル君の受難はこれだけではなく、後にも再度捕らえられ、仲間と一緒に大観衆の待つ闘技場に引き出される。で、両手首を縄で縛られ、そのままチャリオットで引きずり回し。チャリオットの車輪には回転する刃が付いており、二人の囚人を引きずったまま、鎖に繋がれた囚人たちの列の間を走り抜ける。反対側には炎が焚かれているので、囚人たちはよけることができず、必死にジャンプして迫り来る刃を跳び越える。その間にも、傍らではミンモ・パルマーラが横柱から両手吊りにされていて、その下にはライオンが待ち構える縦穴が。それを兵士達が弓矢で狙い、縄を切って囚人を穴に落とそうとする……ってな具合の盛り沢山さ。
 DVDは仏盤もあり。この独盤も、ノートリミングのスクィーズ収録ですし、多少の退色や傷は目立つにせよ、まあ良好と言って良い画質なんですが、仏盤の画質はそれを凌ぐ美麗さで、メジャーそこのけのハイ・クオリティ。伊語音声も収録されているので、どれか一枚なら仏盤をオススメ。
2)ブラッド・ハリス主演”Der Kampf Der Makkabaer”(1962)
 伊語原題”Il Vecchio Testamento”。
 まだ未見ですが、シリアの圧政に立ち向かう、イスラエルのユダヤ人……といった話みたい。
3)ダン・ヴァディス主演”Die Siegreichen Zehn”(1964)
 伊語原題”Il Trionfo Dei Dieci Gladiatori”、英題”Triumph Of The Ten Gladiators”。
 てっきり”Spartacus And The Ten Gladiators (Gli Invincibili Dieci Gladiatori)”の独盤かと思っていたところ、再生してみたら別の映画でした。まだちゃんと見てはいないんですが、こっちの方がユーモア描写も多い軽い娯楽作っぽいのかな。
 どーでもいいけど、ダン・ヴァディスって、顔はともかく(笑)身体は好き。
 ……とまあ、ボックスの紹介は以上なんですが、実は他にも、ここんところこのテのDVDのリリースが続いておりまして。
 米盤だとレグ・パークの”Hercules The Avenger”とアラン・スティールの”Hercules And The Black Pirates”の2in1や、スティーヴ・リーヴスの『マラソンの戦い』と”The Avenger”の2in1、ジョルジュ・マルシャルの”Ulysses Against the Son of Hercules”、独盤もスティーヴ・リーヴスの『大城砦』、ダン・ヴァディスの”Spartacus & Die Zehn Gladiatoren”(こっちが前述の”Spartacus And The Ten Gladiators”の独盤でした)、リチャード・ハリソンの”Titan Der Gladiatoren”なんてのが出てるんですが、なかなかちゃんと見る暇がないのが困りモン(笑)。

『キング・フォー・バーニング』

キング・フォー・バーニング [DVD] 『キング・フォー・バーニング』(1994)トム・トエレ
“Konig der letzten Tage” (1993) Tom Toelle

 16世紀中頃、宗教改革時代のヨーロッパを舞台に、ドイツの都市ミュンスターに立てこもり、千年王国を築こうとした再洗礼派の悲劇を描いた、ドイツのテレビ映画。

 主人公は、信徒のリーダーであり自称預言者であるヤン・ボケルソン。再洗礼派の力を危険視したカソリックは、軍を派遣してミュンスターを包囲する。城壁に閉ざされた世界の中、やがてボケルソンの力は市長をも凌ぎ、自ら王として君臨する。彼は一夫多妻制を認め、反抗する者は処刑という恐怖政治を施行するが、同時に包囲された市内では食料が不足して飢餓が襲いかかる。そしてついに軍隊が突入し、血みどろの悲劇の幕が……ってのが、大まかなあらすじ。
 画面は極めて重厚。いわゆるテレビドラマ的な画面の狭さをほとんど感じさせない、たっぷり引きのある構図。時代の雰囲気や内容に良く合った、程良く沈んだ色調。衣装や美術も凝っていて、いかにも中世ヨーロッパらしい「不潔感のある豪奢さ」が良く出ています。絵的に時代物の雰囲気を楽しむという点では、ほぼ満点の出来映え。
 ただ惨劇の描写は、これはテレビものの限界か、近年の映画と比べるとかなり大人しいです。虐殺にしろ処刑にしろ、目を背けたくなるような無惨さや力強さはなく、あくまでも「こういうことがありました」という説明以上にはなっていない。まあこの間の『パッション』みたいなのは例外としても、例えば『薔薇の名前』や、あるいは『1492・コロンブス』あたりと比べても、ぜんぜんソフトなので、そういうのが苦手な方には良いでしょうが、個人的には、この題材だったらもうちょっと「禍々しさ」を感じさせて欲しかったかな。
 物語も面白いし、しかもこれが史実となるとますます興味深いんですが、どうも全体に駆け足で、説明不足の感が残るのは残念。
 特に、キャラクターの描写にそれが顕著で、例えば主人公は、それが狂信者にせよ誇大妄想狂にせよ、あるいは単なる権力欲に満ちた人物にせよ、かなり複雑で面白いキャラクターのはずなんですが、どうも内面描写が不足しているせいで、あまり説得力がないし感情移入もしにくい。彼がなぜ再洗礼派に入信したかということすら、良く説明されないし。これは他の登場人物、例えば物語のオブザーバー的な役割である主人公の級友や、主人公以前に再洗礼派のカリスマであった預言者や、その妻といったキャラクターも同様。役者さん自体は、それぞれ雰囲気に合っていてイイ感じなので、何とももったいない感じです。
 しかし、ひょっとしたらこれは、『ファイアー・アンド・ソード』の時に書いたのと同様に、このDVDは短縮バージョンなのかも知れません。IMDbで調べても、残念ながらランニング・タイムが明記されていないのではっきりとは判らないのですが、テレビのミニシリーズだとは書かれているので、その可能性は大かも。もし完全版があれば見てみたいなぁ。
 あと、特筆すべきは音楽。暗い翳りや哀感を帯びたドラマチックで重厚なストリングス、教会音楽を思わせるゴシックな雰囲気のコーラス(ゴシック期の音楽という意味ではなく、あくまでも雰囲気として「ゴシックっぽい」ってこと)、どこか恐ろしげにズンズン響く打楽器などなど、たっぷり楽しませてくれます。
 スコアを書いたのは、コッポラの『ドラキュラ』やポランスキーの『ナインスゲート』と同じ、ポーランド人作曲家ヴォイチェフ・キラール。これらのスコアが好きな人だったら、ぜったいこの『キング・フォー・バーニング』の音楽も気に入るはず。
 で、サントラがあったら欲しいな〜、なんて諦め半分で探してたら、純正のサントラじゃないけど見つかっちゃった(笑)。これに関しては、後ほど詳述。
 というわけで、全体的には多少の不満はありつつも、美術や音楽の素晴らしさ、題材の興味深さなどを併せると相殺される感強しなので、こういった内容の映画に興味のある方でしたら、見て決して損はないと思います。
 余談ですが、『刑事ジョン・ブック 目撃者』で描かれていたアメリカのアーミッシュも、確か再洗礼派の流れを汲む一派だったと思うので、同じ宗教コミューンの行き着く先の違いなどを考えると、またいろいろと感慨深いものがあります。
 では、恒例の「責め場」紹介。例によって、嫌な人はこの段は飛ばしてください(笑)。
 この映画では「焼けたヤットコで肉を引きちぎっていく」処刑が見れます。
 まあ前述したように過激さはなく、肌を挟むヤットコ、苦悶する顔のアップ、火傷痕のメイク……といった、あくまでも昔の映画に良くある「そのものズバリは映さない」タイプの表現。今どきの映画風の、CGや特殊メイクでスゴイものを見せてくれる……なんてことはない。でも個人的には、受刑者がヒゲ面&腰布一丁というダブルコンボだし、公開処刑だし、あんまり映画で見たことのないシーンだし、けっこう嬉しい儲けもの(笑)。
 もう一つ、鉄檻に入れての晒し刑なんてものもあるんですが、これは動物園みたいにフツーの檻の中に、完全着衣のまま入れられているだけなので、あまり興趣はかき立てられなかったなぁ。人型のカゴに入れて城壁から吊しでもしてくれれば、もっと良かったんだけど(笑)。

 さて、前述の音楽ですが、サントラ盤は見つからなかったものの、代わりにコレを見つけました。
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 ヴォイチェフ・キラールの映画音楽を、ポーランド国立ラジオ交響楽団が演奏しているアルバムです。指揮はアントニー・ウィット。……知らないけど(笑)。
 これに『キング・フォー・バーニング』こと “Konig der letzten Tage” からのスコアが、5曲入っていました。映画を見て心に残った曲は全部入っていて、私的には大満足。改めて聞いても、う〜ん、やっぱり良いわぁ。映画のタイトルバックでかかる “Intrada” なんてホントいい曲。ゴシック・ホラー好きには、コーラス入りの “Sanctus” とか “Mizerere” の暗黒っぷりなんかタマンナイし。
 他に収録されているのは、前述のコッポラの『ドラキュラ』から6曲、ポランスキーの『死と処女(おとめ)』から3曲、どうやら日本未公開らしいポーランド映画 “The Beads of One Rosary” と “Pearl in the Crown” から、それぞれ1曲と2曲。いずれも劣らぬ良い曲揃いなので、興味のある方にはぜひオススメ。
 レーベルはクラシックの廉価版で有名なNAXOS。タイトルは”Bram Stoker’s Dracula and Other Film Music by Wojciech Kilar”、カタログ・ナンバーは8.557703。
 NAXOS JAPANのサイトでは見つからなかったので、国内盤(ってもここのはいつも、輸入盤に解説付きの帯を付けたものですけど)は出ていないのかもしれませんが、輸入盤ならamazon.co.jpで「クラシック」で検索すると簡単に見つかります。

『ファイアー・アンド・ソード』

ファイアー・アンド・ソード [DVD] ファイアー・アンド・ソード(1999)イェジー・ホフマン
“Ogniem i mieczem” (1999) Jerzy Hoffman

 ポーランド映画。17世紀中頃、ポーランド人とコサックの内戦で荒れていくポーランド王国を背景に、若い男女の恋愛や、多彩な人物の愛憎渦巻く交錯を描く、壮大な大河ドラマ。
 原作は、前に書いた『クオ・ヴァディス』と同じヘンリク・シェンキェーヴィチ。監督のイェジー・ホフマンという人は初耳ですが、調べたらどうもポーランドでは50年代から活躍しているベテラン監督らしいです。
 主演はミハウ・ジェブロフスキー。で、実は私、以前同じポーランド産のファンタジー映画『コンクエスタドール』を見て、この人に一目惚れしておりまして(笑)。その彼が主演で、しかも大好きな歴史劇ときたから、もう問答無用、ロクに中身も確かめずにDVDを購入してしまいましたとさ(笑)。
 ヒロインはイザベラ・スコルプコ。他の出演作に『サラマンダー』と『エクソシスト ビギニング』があって「ああ、あの人か」と納得。なかなかの美人さんです。

 物語は、私がこの頃のポーランドの時代背景に疎いせいもあって、正直かなり判りづらい印象。
 基本的にはポーランド人とコサックが対立しており、コサックの応援にタタール人が絡んでくるんですが、コサックはポーランド人と対立はしているものの、国王自身は尊敬しており、憎悪の対象なのは実質的な統治権を握っている貴族階級であるとか、国王と議会も、議会の権力が国王のそれを上回っているせいで、対立とまでは言わないまでも芳しくはない関係であったり、或いは対外的にも、前述のタタール人や、ロシア、トルコといった国々が脅威であったり……というように、それぞれの勢力の関係が、かなり入り組んでいる。そこいらへんがいまいち理解しづらいので、映画を見ていても、どことどこが戦争をしているのか、何のために闘っているのか、登場人物の誰がどういう立場なのか、ちょっと混乱してしまう。
 加えて展開のテンポが早すぎて、とにかくぱっぱかぱっぱか話が進むから、何がどうしてこうなったのか、何でこの人がここにいるのか……なんて単純なことすら、良く判らなくなってしまうこともある。それがなければ、物語としてはかなり面白そうな気配がするので、何とも残念です。
 とは言え、美術や衣装は実に素晴らしく、エキゾチック(我々にとっては、ですけど)で豪奢な衣装の数々とか、コサックの荒々しい歌や踊りの魅力とか、重厚な背景とかは、もう存分に楽しめます。戦闘シーンの迫力もなかなかのもの。画像的には、過去や現在の史劇映画の数々と比較しても(……とは言いつつ、この辺りを描いた史劇は、私はユル・ブリンナー主演の『隊長ブーリバ』くらいしか見たことないですけど)全く遜色のない、いや、かなりハイレベルだと言っていいかも。
 あと音楽も、壮大さと哀感や、クラシック的要素と民族音楽的要素が入り交じった、メロディアスにして重厚なスコアで、かなり聴かせます。もしサントラ盤があったら、絶対に欲しい。……なさそうだけど(笑)。
 ってな具合で、とにかく「惜しい!」というのが最初の印象。

 俳優は、まず前述の主役ヤン中尉を演じるミハウ・ジェブロフスキー。ルックスは、クリストファー・ランバートとラッセル・クロウを足して二で割った様で、眼光鋭いなかなかの男前。低めの声もセクシー。でも、実は私、この人が『戦場のピアニスト』にも出ていたと後になって知ったんですが、その時は全く気付きませんでした(笑)。もう一回見れば、どの役だったのか判るかなぁ? 役作りなのか、前述の『コンクエスタドール』よりウェイトが落ちていたのは残念。あと、面積の拡がったモヒカンというか、逆ザビエルというか、とにかくこの時代のポーランド人がそうであったらしい独特なヘアスタイルにも、ちょいと馴染めない。でもまあ、毛皮の帽子を被っているシーンが多いから、そんなには気にならないけど(笑)。
 ヒロインのイザベラ・スコルプコは、前述のような美人さんだし、コスチュームもばっちり決まって、立ち居振る舞いも気品を感じさせるんですが、いかんせん登場シーンが少ない。特に中盤以降は、もう、ほんとビックリするくらい出てこない(笑)。
 他にも恋敵のコサック戦士(何故かこの人だけ、髪型が他のコサックと違うのが謎。他のコサックは弁髪みたいなヘアスタイルなのに、この恋敵はフツーのロン毛なの)とか、怪力だけど信心深い大男・ちょっと情けないけど憎めない大デブ・コサックのカリスマ指導者(皆さんいずれも、カイゼルヒゲが長く垂れたような、独特の口ヒゲをたくわえてらっしゃいます)などなど、色々な人物が出てはくるんですが、ヒーロー&ヒロインも含めて、いまいちキャラが立っていない。
 というのも、これは前述した「とにかく展開が早すぎる」せいもあるんですが、それぞれのキャラクター描写が圧倒的に足りないし、ドラマも物語を追うのが精一杯で「溜め」がないために、例えば友人と再会したり、あるいは仲間同士の絆が育ったり、または悲劇が起こっても、そこにしかるべきエモーションが湧いてこないんですな。感情移入ができない分、感動も薄くなる。
 で、そんなこんなで、ふと疑問に思ったんですよ。「ひょっとしたらコレ、短縮版なんじゃないか?」ってね。
 というのも、以前にも同様の最近作られた史劇をDVDで見て、どうも話の展開が速すぎる、というか、あきらかに所々欠けているとしか思えなかったものが幾つかあり(ピーター・オトゥールとシャーロット・ランプリングが出ていた『ローマン・エンパイア』とか、ニコラス・ローグ監督のデニス・ホッパーが出ていた『サムソンとデリラ』とか)、奇妙に思ってIMDbで調べたら、日本で発売されているのは尺を切った短縮版だった、ということがあったんですよ。
 で、この『ファイアー・アンド・ソード』も調べてみた。そうしたら、案の定。日本盤DVDのランニングタイムは106分。しかしIMDbでは175分とクレジットされている。これで納得。一時間以上も縮めたら、そりゃあ話もブツブツになるわい。12CHの「午後のロードショー」みたいなもんで。

 まあ、普通なら私もココで終わりなんですが、何せこれはミハウ・ジェブロフスキーを拝める数少ないチャンスだし、しかも前述のように「とにかく惜しい!」と思った映画だったから、海外版を入手できないか、ちょいと調べてみようという気になりまして。
 最初はアメリカ盤DVDを調べたんですが、尺はOKだけど字幕の有無が判らない。というより、アメリカ盤だと英語吹き替えのみの可能性も大。ただ、フルスクリーン版で、これはどうやら元々がテレビのミニシリーズであるらしいので、こっちが本来のノートリミングで、私が見た日本盤は劇場公開様に上下にマスクを切ったものらしい。
 そしてもう一つ、本国ポーランド盤DVDを発見。これがもちろんPALではあるものの、尺はOK、しかも嬉しいことに英語字幕入り(他にもポーランド語・ロシア語・フランス語・ウクライナ語の字幕も入ってる)。画面はワイドだけど、スクイーズ収録(日本盤はスクイーズなしのレターボックス)。英語字幕の有無は大きいので、こっちを購入してみることにしました。いやぁ、ポーランドから通販でものを買うのは初体験(笑)。
 で、届いたのがこちらのDVD。
fire_and-_sword
 早速鑑賞したところ、これが前述の不満がことごとく吹き飛んだ!
 とにかくもう、物語が極めつけに面白い。多彩な人物の運命が、絡んでは離れ、もつれては解けていく、大河ドラマ的な醍醐味はバツグンだし、運命に翻弄される恋人同士の、いかにも古典的なすれ違い劇も楽しい。戦闘シーンも、ちょっとした要素が加わることによって、迫力も深みも増している。エピック的な高揚感が増しているのと同時に、戦争の不条理さや哀しさもしっかり描いているのも良い。
 カットされていたシーンの中には、それぞれのキャラクターたちの、大筋とは関係が薄いものの、それでもその内面や魅力を伝える小さいエピソードが多く、もうキャラクターが立ちまくり。感情移入だってバッチリで、倍増して伝わってくる仲間たちの絆の強さなんか、思わず嬉しくなっちゃうし、全く印象に残らなかったキャラも、しっかり人間的な厚味を与えられた好キャラになってるし、極めつけは例の「感動の薄い悲劇」シーンで、今度は見ていて思わず目頭が熱くなったほど。もう、ヒーロー&ヒロインはもちろんのこと、他の登場人物の輝きは倍増以上、役者さんの魅力も全員ズドーンと上昇。
 特に気の毒だったのは、ヒロインのイザベラ・スコルプコちゃんで、実は出演シーンはほとんどカットされちゃってたのね。オールヌードもあったのに。この物語のヒロインはいかにも古典的な受け身の女性で、こーゆーのって最近のハリウッド映画だと、女性差別絡みもあって必ずアクティブに改変されるんだけど、この映画ではそういうこともなく、久々にクラシックなヒロイン像が逆に新鮮でした。美人で、気品もあって、しかも愛らしさもあって、でも芯は強くて。ヒーローと愛し合っているのに、もう映画も終わりに近付いて、ようやくキス。それも、とっても静かで穏やかなキスシーンで、見ていて思わず古典的なロマンチック気分に浸っちゃいました(笑)。このキスシーンは、かなり好きだなあ。
 物語の流れを繋ぐ大きなエピソードが、丸々カットされていた部分も多々あり、短縮盤を見ていて「何がどうしてこうなったのか」と釈然としなかった部分も、なるほど納得、拳をポン。また、話やキャラクターとはあまり関係なくても、目にも楽しい歌舞シーンとか、音楽と映像の効果が絶妙な風景シーンなんかが増えていたのも嬉しい。ベタなユーモアも、また楽し。
 新キャラなんてのもいて、おい、魔女なんか前のバージョンには出てこなかったぞ(笑)! おかげで神話的・伝奇的要素も仄かに香って、ますます私好み。魔女が水車で未来を占ったりするあたり、何となくオトフリート・プロイスラーの小説『クラバート』(カレル・ゼマンが映画化してます)や、イジィ・トルンカの人形アニメーション『悪魔の水車小屋』なんかを思い出して、ちょっと嬉しい気分に。
 時代背景等は、これは私の英語力の弱さもあり、まだちょっと判らない部分は残りましたが、それでも短縮版に比べると遙かに判りやすくなっている。詳細は判らなくても、見ていて「この人が何のためにこんなことをするのか?」といった疑問は湧いてこないので、つっかえたり混乱することはない。
 もう一つ、オリジナル版には信仰に関する描写がいくつかあり、これがドラマの裏に流れつつ、同時に静かで美しい見せ場になっているので、ここいらへんはいかにも『クオ・ヴァディス』を書いた作家さんだなぁと納得。そういえばシェンキェーヴィチは『クオ・ヴァディス』を書く際に、当時ソ連に苦しめられていた祖国ポーランドの状況を重ね合わせていたとか聞いた覚えがあるので、となるとこの『ファイアー・アンド・ソード』も、その後延々と続くポーランドの悲劇の始まりを描いた、なかなか重いテーマを内包しているようにも思えます。
 ちょっとビックリだったのが、短縮版にはあったのに完全版にはないシーンも、一カ所あったこと。となると、元のテレビ版(全4話らしい)には、まだまだ別のシーンがあるのかなぁ。そのテレビシリーズも、どうやらこの後に2作続いて、最終的にはポーランドの歴史を綴った三部作となっているらしいので、そうなるとそっちにも興味を惹かれる。
 とまあ、あんなこんなで3時間以上、もう夢中で一気に見ちゃいました。で、見終わったあとの印象は、う〜ん、これって「傑作」と言っていいのでは? 面白さと見応えという満足感に、画面の良さも加わった、最近見たこれ系の史劇ものの中では、もうトップクラスです。
 まあ強いて言えば、東洋系のタタール人の描写に、やはり一種の偏見に基づくものが感じられたり、その他大勢のタタール人は東洋人の風貌なのに、セリフのある役者はどう見ても西欧人だったりとか、同じモンゴロイドとしてはちょっと気になる瑕瑾もありますが。
 完全版を見るのは難しそうですが、もし日本盤の完全版DVDが発売されたり、あるいは衛星放送か何かでやることがあったなら、ぜひオススメしたい一本です。

 でもって、実は私、このポーランド盤を買ったときに、同じイェジー・ホフマン監督・ミハウ・ジェブロフスキー主演というコンビの、2003年制作の”Stara basn”という神話・伝説ネタらしき映画のDVDを見つけて、思わず一緒に買っちゃったんですな(笑)。まだ見てはいないんだけど、これまた英語字幕付きだし、楽しみにしているところ。
 でも、こーゆーのに限って、そのうちアッサリ日本盤が出たりするんだよなぁ(笑)。(【追記】後に『THE レジェンド 伝説の勇者』という邦題で日本盤DVD出ました)前に買った剣闘士ネタのドイツ製テレビ映画も、今度日本盤が出るし。『ラスト・グラディエーター』という邦題で、これはドイツ語オンリーだったんで、いまいち内容把握に自信はないんだけど、ローマの捕虜になり剣闘士にされた三人の兄弟(うち一人は女)を巡る物語。こぢんまりとしつつも、娯楽作のツボは押さえた佳品という印象でした。訓練所の汗くさい感じなんか、なかなか良かったし。テレビシリーズの『コナン』の主役で、リドリー・スコットの『グラディエーター』にも出てた、ボディービルダーのラルフ・モーラーが、ゲスト出演みたいなチョイ役で出てます。
 そうそう、日本盤といえば、前に『テキサス・チェーンソー』のときに書いた、ジェームズ・ランディス監督・アーチ・ホール・Jr主演の『サディスト』(1962)という白黒映画、今度日本盤DVDが出るらしくって、何だかビックリであります(笑)。

 さて、真面目な感想の後に、不謹慎ネタも(笑)。残酷ネタとエロネタ嫌いの人は読まないように。
 まず責め場ですが、これといったものはないけれど、日本盤もポーランド盤も共通して、ちょっと珍しいところで「串刺し刑」のシーンがあります。血で真っ赤に染まった木の杭をティルトアップしていくと、尻からブッ刺されている腰布一枚のコサック兵が。しかもまだ絶命していないの。うん、映画でこーゆー串刺し刑を見たのは、私は初めてかも。
 あとまあ、ほんの一瞬で、しかもロングショットですが、罪人が村の広場の晒し台に、首と手を枷で固定されて晒されているシーンがあります。着衣だけど(笑)。これも両盤共通。
 日本盤には、絞首刑に処された死体が吊り下がっているシーンがありますが、ポーランド盤では、馬の背に乗せて絞首刑を実行するシーンもあり(西部劇なんかで見るアレと同じ)、吊り下がった死体のシーンもあちこちに増えて4倍増くらい。
 それとね、これはポーランド盤だけなんですが、男のチ××とキ××マが見えるシーンがあってビックリ。『クオ・ヴァディス』のときに、女性の乳首を男が唇に挟む描写がテレビでオッケーなのに驚いた私ですが、いやいや、まだまだ甘かった(笑)。
 しかしこんなことで驚いていると、改めて日本というのは、表現面では文化的後進国だと痛感しますなあ。
 やれやれ。

THE レジェンド -伝説の勇者- [DVD]
価格:¥ 500(税込)
発売日:2011-11-21

『クオ・ヴァディス』(TV版)

クオ・ヴァディス DVD-BOX 『クオ・ヴァディス』(2001)イェジー・カヴァレロヴィチ
“Quo Vadis?” (2001) Jerzy Kawalerowicz

 キリストの磔刑から30年ほど後のローマを舞台に、青年軍人マルクス、マルクスが恋をしたクリスチャンの少女リギア、リギアの従者で怪力のウルスス、暴君ネロ、マルクスの叔父でネロの寵臣でもある好事家ペトロニウス(『サテリコン』の著者ですな)、地下活動で布教を続けている使徒ペテロ……といった多彩な登場人物が織りなす、「人は人としていかに生きるべきか」を描く、壮大な大河ドラマ。
 原作は、ノーベル文学賞を受賞したシェンキェーヴィチの同名著作。それをシェンキェーヴィチの母国ポーランドと、アメリカが合作でTVムービー化。(ただ、残念ながら私は浅学にして原作は未読ですし、また、マーヴィン・ルロイ監督、ロバート・テイラー、デボラ・カー、ピーター・ユスティノフ出演の1951年度版の映画も未見なので、それらとの比較等はできません)
 監督は『尼僧ヨアンナ』の……って、これまたタイトルを知るのみで見たことはないんだけど(笑)、イェジー・カヴァレロヴィチ。

 とにかく、キャラクターが良く立っている。多彩な登場人物は、いずれも魅力的。加えて物語がめっぽう面白いので、先が気になって目が離せない。さらにDVDにして3枚組、トータルで4時間半以上という長尺。連続ドラマを見る気分で(実際、内容は6話に別れている)、三日ほどかけて見れば、もう、じっくりタップリ楽しめること請け合い。
 絵的には、正直TVムービー的な限界を感じさせる部分も幾つかあり。頑張ってはいるものの、それでもやはりスケール感の乏しさは否めない。特に、ローマの炎上のようなスペクタクル・シーンでは、そういった弱点が露呈してしまった感じ。
 反面、コロッセオにおけるキリスト教徒たちの一大殉教シーンは、流石に物語全体のクライマックスらしく、かなり力を入れており、スケール感もスペクタクル性もあり。人々が次々にライオンに喰い殺されていくあたりの、心理的な圧迫感がある描写や、磔刑に処された人々が色鮮やかな花綱で飾られているような、ちょっと不思議な悲愴美とか、見応えもタップリ。
 最近制作された史劇の中では、アクション・シーンの比重は少なく、また、カメラもあまりアクロバティックには動かないせいか、全体的には落ち着いた品の良さがあります。ただ、発色が鮮やか過ぎるのは、好みが分かれるところかも。個人的には、色彩設計はもう少し落ち着きのあるものにして欲しかったかな。ちょっと内容に対して、絵が軽い印象。
 しかしまあ、「物語を楽しむ」という面に関しては、TVシリーズという長所を生かしきっており、いわゆる劇場向け長編映画を見たときとは、また別の意味での満足感があります。歴史や史劇好きの人なら、見て損はないですよ。

 役者陣も、いずれもなかなかの好演。
 主人公マルクス役のパヴェウ・デロングは、割と今風のハンサムさんなれど、コスチュームや立ち居振る舞いもしっかり板に付いていて違和感なし。尊大で傍若無人な若者が、他者の影響で次第に人格的に成長していく様を、上手く演じているように感じました。
 リギア役のマグダレナ・ミェルツァシュは、やはりモダンな顔をした美人さん。華奢なせいもあり、清楚で純真にも見えるんですが、ただちょっと口元がユルくて淫らっぽい(笑)ので、どこか「こいつ本当はスキもんなんとちゃうか?」なんてことも感じちゃうカットも(笑)。
 ネロ役のミハウ・バヨルは、悪くはないが、迫力という点ではもうひとつ。暴君のオーラやカリスマ性に乏しいので、何となく小粒感が漂う。ローマの大火を見ながら自作の歌を吟じるあたりは、滑稽さと同時に鬼気迫る狂気なんてのを期待したのだが……。
 ペトロニウス役のボグスワフ・リンダは、これはお見事。単純に善とも悪とも言い切れない、ある意味で最も現代人的な感性を持つキャラクターを、魅力的かつ説得力をもって見せてくれます。物語のオブザーバー的な存在でもあるので、この役者が決まっていることが、全体の出来にかなり影響して好結果になった印象。
 キロン役のイェジー・トレラもなかなかで、その卑怯な小悪党ぶりは見ていてムカツクんだけど(笑)、人物造形としては魅力的なキャラになってます。
 ペトロニウスに恋する女奴隷エウニケ役の女優さんも、少ない出番ながらも、感情を奥に秘めた微笑みがステキ。個人的には、リギアよりもこっちの方が好きかも。
 しかし、私的な収穫は、何といっても巨人ウルスス役のラファウ・クバッキ! いや〜、何てカワイイんでしょ!! マッチョな巨躯、むさいヒゲモジャ、強面なんだけど目は可愛くて、笑うと人が良さげな顔に……うむむむ、ツボのド真ン中でございます。もー、「おばさん、アンタを見てるだけで、ゴハン三杯いけちゃうわよ!」ってカンジ(笑)。あんまりカワイイんでググってみたら、この方、柔道の世界チャンピョンだったのね。小川直也のライバルだったそうな。どーりで、演技は大ダイコンだったわけだ(笑)。まあ「寡黙な力持ち」役なんで、ダイコンでもあんまり支障はないけど(笑)。熊系好きなら必見。(だいいち、確かウルススって、ラテン語の熊じゃなかったけか?)

 責め場に関しては、まあコロッセオの一大シーンがありますが、「責め」じゃなくて「大虐殺」だからなぁ。あんまり下心が入り込む余地はありません。
 それでも列挙だけしますと、前述のライオンの餌や集団磔以外にも、生きながら松明として燃やされたりするシーンがあります。あと、我が愛しのウルスス君が、裸の美女を救わんがために、巨牛と素手で一騎打ち、なーんて場面も。
 あ、そうだ、もう一人マッチョな剣闘士も出てきたな。さほど見せ場はないけれど、ウルスス君と格闘したりします。
 もう一つ。これは本当にどーでもいいことなんですが、思いのほか大胆なヌード・シーンもあり、「うーむ、ポーランドのTVでは、唇で乳首を挟む描写があってもオッケーなのか」と、変なトコロで感心してしまいました(笑)。

『ドーン・オブ・ザ・デッド』&『テキサス・チェーンソー』

去年見逃しちゃって悔しかったリメイク映画を、二本続けて鑑賞しました。

ドーン・オブ・ザ・デッド ディレクターズ・カット [DVD] 『ドーン・オブ・ザ・デッド』(2004)ザック・スナイダー
“Dawn of the Dead” (2004) Zack Snyder

 中学生のときに見たジョージ・A・ロメロの『ゾンビ』は、当時えらく恐がりだった自分が初めて劇場で見たホラー映画だったというせいもあって、かなりのトラウマもんでした。劇場ではオッカナイシーンになると目をつぶり、それでも後々まで延々と夢に出てきて、何と社会人になってもゾンビに襲われて喰われる悪夢を見たほどで(笑)。
 因みに当時の自分がどのくらい恐がりだったかというと、映画雑誌で『タワーリング・インフェルノ』や『ジョーズ』の「あらすじ」を読んだけで、もう恐くて恐くて「ゼッタイにこんな映画は見ない!」と決心したほどで、もちろん『エクソシスト』や『サスペリア』なんか、リアルタイムでは論外でした。
 そんな私が、いつの間にかホラー映画大好きで、残酷描写も嬉々として描く作家になってんだから、人間ってホント判んないもんです(笑)。
 で、このリメイクですが、アクション映画的にすこぶる面白くて、特に導入は絶品! 日常から非日常への移行を、もうグググーッと一気に引っ張ってくれて、作品世界に突入させてくれる。一連のシークエンスを経て、カメラが引いて壊滅した街の俯瞰になるあたりなんか、もう拍手モンの素晴らしさ。
 話が本筋に入って以降も、若干盛り込みすぎだったり、キャラクターをさばききれていないきらいはあるものの、見せ場はふんだんにあるし、テンポも良い。全力疾走で追っかけてくるゾンビは「こっわ〜っ!」だけど、食人という要素がなくなっているせいか、神経に障るグロ描写は意外と少ない。人間のイヤ〜な側面描写も控えめだし、これだったらトラウマにはならずに済んだかも。
 反面、終末感や閉塞感や絶望感、あるいは人間という存在に対する根本的な厭世観は乏しい……っつーかほとんどないので、オリジナル版のそーゆー部分が好きな人には物足りないかも。でも、これは正しいリメイク方法だと思いますよ。娯楽作としては文句なしの出来映え。こういう満足感のあるホラー映画って、最近だと『デッドコースター』以来かも。
 まあ、もうちょい悪夢的な要素も欲しい気はしますが、それ以外でこれだけ面白けりゃ、なくっても充分にオッケーでございますよ。
 主演のサラ・ポーリーは、NHKでやってた『アボンリーへの道』しか見てないんで、「おやまあ、大きくなったわねぇ」ってカンジで、すっかり近所のオバサン気分(笑)。
 後は、キャラ的なオイシさと肉体のゴツさが相まって、黒人警官とCJっつー警備員がお気に入り。
 そういや、キャラの中にトランスジェンダーかトランスベスタイトを示唆するようなシーンのある人もいたけど、そこいらへんは面白さよりも、さばききれなさに繋がってしまった印象だなぁ。
 因みに私は、最初に述べたような理由もあって、ゾンビ映画にあんまり愛着はないんですが(笑)、いちおう過去に見たゾンビ映画で一番好きなのは、『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド 死霊創世紀』(1990)。これまたロメロのオリジナル版ではなく、トム・サビーニのリメイク版の方。この映画のラストシーンは、何だかパゾリーニみたいでマジで好きです。

テキサス・チェーンソー コレクターズ・エディション [DVD] 『テキサス・チェーンソー』(2003)マーカス・ニスペル
“The Texas Chainsaw Massacre” (2003) Marcus Nispel

 こっちのオリジナル版、トビー・フーパーの『悪魔のいけにえ』は、既にホラー映画好きになった後にビデオで見たんですが、それでも「うわ、なんかマズいもん見ちゃったかな……」っつーよーな、何とも言えない後味でした。スゴいんだけど、人にはこれを好きだと言えないような、そんなカンジ。
 で、「その感じ」はおそらく意図しては出せない類のものだと思うので、リメイクにはあんまり期待してなかったんですよね、正直なトコロ。
 ところが、ネットで予告編を見たら、一気に自分の中で盛り上がっちゃって。っつーのも、タイプがいまして(笑)。汚いブロンドの長髪で、無精髭で、でも良く見ると整った顔で、汗じみたタンクトップで、ガタイも良さそうな若造。こうなると、こいつがどう××されるか楽し……あわわわ(笑)。いや、我ながら業が深いと思いますよ、まったく。
 で、鑑賞したところ、これが意外と良かった。日常から非日常へじっくり時間をかけて移行していく前半は、前述の『ドーン・オブ・ザ・デッド』とは間逆ですが、これまたなかなか佳良。埃っぽい田舎道と照りつける太陽、肌に浮かぶ汗といった空気感のある映像も美麗。若造どものキャラのさばきかたも上手いし、狂気の一家との対比も上手く見せている。オリジナル版とどこをどう変えるかといったヒネリも、上手い具合にブチ壊しにならない範囲で、良く工夫されていたし。ショッカー演出があると同時に、雰囲気でジワジワくる恐怖感がちゃんとあるのも嬉しい。
 それでもまあ、不満点もありますけどね。一家に唯一マトモな子供がいるとか(あたしゃゼッタイに、こいつはマトモそうに見えて、実はヒロインを更にイヤな方向に持っていく罠だと思った)、赤ん坊の救出劇とか(さらった赤ん坊というネタは悪くないんですが)、そこいらへんは「不条理」や「理不尽さ」という魅力を損なってしまっているようで、どうもいただけない。でもまあ、それもメジャー映画の宿命なんでしょうし、そういう部分があるからこそ、ある意味で安心して見られるような(つまり前述の「うわ、なんかマズいもん見ちゃったかな……」っつーよーな後味にはならないような)、そーゆーポジティブな効果もあるわけだし、これはこれで良いのかなぁ。
 あ、あとメタフィクション風味にするのはいいけど、エンド・クレジットにまでも「実話を基にした云々」が入るのは、ちょっとどうかと思ったぞ。この映画とエド・ゲインの事件の、内容的な隔たりを考えると……ね。
 ともあれ、オリジナル版と路線的にさほど異ならない分、逆に比較せざるをえない部分もあり、そーゆー意味ではイロイロと言いたくもなるんだけど、そこさえ気にしなければ、恐いし美しさもあるし見所も一杯の、立派に標準以上の出来映えのホラー映画です。
 で、役者ですが、前述の私のお目当てだった若造クン(マイク・ヴォーゲルというらしい)に関しては、もう「うぉぉぉ、こいつがこの役回りかぁ〜ッ!」ってなカンジで、もう「期待以上だった!」とだけ(笑)。これだけで、もう個人的な偏愛映画に決定であります。
 あ、他の若造どもも、それぞれ好演でした。特にオトコノコ連中は、なかなかのもの。ヒロインに関しては、キャラ立ちや演技云々よりも、オッパイの形の良さの方が印象深いかな(笑)。
 狂気の一家の方は、それぞれ工夫はあるけれど、保安官とオジイチャン以外は、意外と影が薄いような。特にレザーフェイス君、要もう一頑張り。
 で、いきなりですが、これを見ていたら、一つ古〜い映画を思い出しまして。ジェームズ・ランディス監督・アーチ・ホール・Jr主演の『サディスト』(1962)という白黒映画。
 三人の教師が乗った車がドライブ中に故障して、人気のない田舎道の自動車工場で殺人鬼に出会うという話なんですが、これがなかなか見応えのある良い映画でして。炎天下の田舎道の埃っぽさと、そこで繰り広げられる理不尽な殺人劇のコントラストとか、巻き込まれ型の不条理さとか、精神的に追いつめられていくピリピリ感とか、ちょっと『悪魔のいけにえ』や『テキサス・チェーンソー』にも通じる魅力があります。
 因みに私は、リアルタイムで見ていた相棒に教えてもらい(あたしゃ公開時には生まれてすらいないもんね)、輸入DVDを入手して見たら、「おお、掘り出し物!」ってカンジでした。
 機会があったら、ぜひご覧あれ。

『ジーザス』

ジーザス [DVD] ジーザス(1999)ケヴィン・コナー
“Mary, Mother of Jesus” (1999) Kevin Connor

 物語は、イエスの誕生以前から復活に至るまでを、マリアの視点をメインに、一時間半足らずという、ものすごいスピードで展開。
 見所は、特になし(おい)。まあ、洗礼者ヨハネとマグダラのマリアと盗賊バラバを同一シーンに登場させて処理するとか、山上の説教もなしにエルサレム入城してから磔刑までがビックリするほど猛スピードとか、アレンジや省略具合を楽しむといった意味なら、それなりの見所がないわけじゃないけど。
 しかしまあ、そもそもTVムービーだし、お手軽な絵解きやちょっと豪華な再現ドラマだと思えば、それなりに楽しめないわけでもない。固いこと抜きにすれば、ね。
 役者は、イエスがクリスチャン・ベイル。老いてからのマリアがシミ・スカイウォーカー……じゃなくて、ペルニラ・アウグスト。洗礼者ヨハネの母エリザベト役がトーニャ……じゃなくて、ジェラルディン・チャップリン。かつて『クリスタル殺人事件』『愛と哀しみのボレロ』『モダーンズ』あたりで親しんでいたお顔なので、元気でご活躍なだけで何だか嬉しい。
 監督はケヴィン・コナー。……って、どっかで聞いたことあると思ったら、よく考えたらローティーンの頃に見た『恐竜の島』(大好きなE・R・バローズの「キャスパック」シリーズの映画化と聞いて、ヨロコビ勇んで見に行って……ガックシ)、『地底王国』(これまたバローズの、しかも自分が一番好きな「ペルシダー」シリーズの映画化と聞いて……以下同文)の監督じゃんか! うっわ〜、なっつかし〜(笑)! 『アトランティス 七つの海底都市』とか『地獄のモーテル』とか『豪華客船ゴライアス号の奇跡』とかも、この監督だったよな〜。そうと判ると、この『ジーザス』も何となく愛おしくなってくる(笑)。
 で、私がコレを借りたのは、ずばりクリスチャン・ベイルがお目当てでゴザイマス。いや、『サラマンダー』と『リベリオン』で、思いのほか逞しいスジ筋ボディに惚れちゃいましてね(笑)、イエス役なら絶対責め場もあるだろうと、もう下心丸出しで(笑)。
 というわけで、以下は「不謹慎」な感想になりますんで、お嫌な方は読まれないように。
 一番楽しみにしていたのは「笞打ち」なんだけど、これはなくってガッカリ。え〜い、省略すんな!
 でも十字架の道行きは、なかなかグッドです。まず、珍しく上半身裸というスタイルなんですな。おかげで背中の笞跡も鮮やか。お次にこれまた珍しく、十字架を担ぐのではなく、外した横木に両腕を縛られたスタイル。こーゆー姿での引き回しってのは、けっこうマイ・フェイバリットの一つ。とどめは、首に縄を掛けられて、それ持って犬みたいに引きずり回し。いやぁ、こりゃあかな〜りオイシイ。ここだけでも借りた甲斐があった(笑)。この部分の尺が短いのは残念で、この調子で『パッション』みたいに延々とやってくれたら、もうヌレヌレだったのに(どこが?)。
 磔シーンは、特筆するほどのものはないけれど、とりあえず「髭面のクリスチャン・ベイルが腰布一丁で磔にされる」ってだけで、私的には既に目的達成(笑)。流血が控えめなので、無惨味よりは単なるボンデージっぽいですが。
 とゆーわけで、半裸のクリスチャン・ベイルの責め場を見る分には、それなりにお楽しみドコロが。
 こーゆー重厚感や悲壮感のカケラもない、お手軽でスピーディな展開ってのも、罪悪感なく下心に浸りやすいって意味では、あんがい悪くないのかも(笑)。

アメリカの「野郎系パルプ雑誌」のカバー画集2種

itsamansworld mensadventure
“It’s A Man’s World” A Feral House Book (ISBN 0-922915-81-4)
“Men’s Adventure Magazines” Taschen (ISBN 3-8228-2515-4)
 ここんところ立て続けに、個人的に大好きな昔のアメリカのパルプ雑誌の表紙絵の、それも「実録男性誌」系の表紙絵を集めた画集が、二冊続けて出版されたのでご紹介。

 このテのイラストの、基本は二つ。
 まず、バイオレンス経由のマッチョイズム賛美系。これは、逞しくもむさ苦しい、いわゆるゲイ業界用語(笑)で言うところの「野郎臭い」男が、敵と闘い苦境に陥っている、とゆーパターン。その敵もいろいろで、大西部でネイティブ・アメリカンや無法者と戦ったり、またある時は大自然の中で猛獣や毒虫と戦ったり、更には第二次世界大戦でナチと戦ったり。
 で、逞しい半裸の男たちが、猛獣や猛禽に肉を引き裂かれていたり、南洋の秘境で生贄にされそうになっていたり、捕虜収容所で鞭打たれていたりする光景が、コテコテのアメリカン・リアリズムで描かれる。いや〜、ここいらへんは私的に実にオイシイ(笑)。
 もう一つのパターンは、ズバリSEX&SMで、下着姿の美女が絶叫してるヤツ。これは圧倒的にナチものが多くて、縛り鞭打ちは当たり前。火責め水責め氷責め、生体実験に電気ショック、あげくは溶鉱炉で金の彫像にされたり、壁の中に塗り込められたり。ま、よーするに「ナチ女囚もの映画」のイラスト版。ダイアン・ソーンのファンなら必見(笑)。
 ナチ以外にも、カストロ風の軍服男たちに拷問される美女とか、ヘルスエンジェルスやチャールズ・マンソンみたいなバイカーやヒッピー系に捕まった美女とか、日本軍に襲われるゲイシャガールなんて絵もあり。

 で、そーゆーのを見ていると、「敵」にもインフレや時代の変遷があるようで。
 たとえば大自然アドベンチャー系だと、闘う相手がオオカミやらライオンやらサメやらなら納得もいくんですが、イタチやらセンザンコウやらイグアナやらヤシガニやらを相手に闘っているのを見ると……いや、本当はそーゆーのも危険なのかも知れませんが、絵面的には野郎どもが必死の形相だけに、どーにもマヌケ。まあ、そーゆー「ヘン」さも愛おしいけど(笑)。
 相手が人間になると、これはその時代の「仮想敵」なんでしょうなぁ。前述のナチスやカストロや日本軍の他にも、毛沢東や旧ソ連、クメール・ルージュとかが登場。現在だったら何になるか、これはもう火を見るより明らかで、こういった要素はPCにうるさい人なら、眉をひそめること間違いなし。これも一種のお国柄なのか、それとも人類の持つ普遍的な本質なのか。
 そういや、個人的な話ですが、以前アメリカでゲイSM関係の人と面談したときに、先方から「日本人の残酷性について」話題を振られたことがあり、そのときは「ああ、これも黄禍思想の根深さか」なんて思いましたが、案外こういったパルプ雑誌が、直接的なルーツなのかも。
 表紙に踊るコピーの数々も面白い。
 前述のような野郎野郎した絵や、「悪魔の大蛇との死闘!」とか「俺は地獄の収容所から生還した!」なんていう勇ましいコピーと一緒に、必ず「浮気妻のセックス・ライフ」やら「スクープ! 日本のヌード・マーケット」なんてコピーが(笑)。
 他にも「殺人豚に生きながら喰われる!」とか「俺はセイロンで吸血ヒルと闘った!」とか「人喰いカニが這い寄ってくる!」とか「人喰いネズミの島!」とか、いったいどーゆー記事なのか読んでみたくなるし(笑)。あ、でも前に『風俗奇譚』か何かで、これ系のイラストが載ったや記事を読んだっけ。あれはきっと、このテの雑誌から転載したんだろーな。なーんだ、しっかり読んでたんじゃん、自分(笑)。

 しかしこーやって「野郎ども危機一髪!」みたいな絵を続けざまに見せられると、「こいつらマゾなんじゃないか?」な〜んて思いも頭をよぎる。
 ただこれは、マゾはマゾでも自分を卑しめることに陶酔するマゾではなく、苦難に耐えるカッコイイ自分に酔うという、ナルシシズムとヒロイズムの混じったマゾですな。結局のところ彼らは、こうやって苦境に耐えることで、自らの男性性を再確認しているに過ぎない。これはあくまでも、彼らの思うところの「本物の男」になるためのイニシエーションであって、そこに屈辱や服従の甘美さといったマゾ的な感情はない。彼らが何かと半裸であるのも、肉体美の誇示による男性性の強調でしょう。ビーフケーキの類ですな。つまり、この野郎どもの受難の果ては、あくまでも「英雄として生還」するか「英雄として殉死」するのであって、決して「奴隷の悦びに目覚め」たりはしない。
 で、現実ではこーゆー男ってのは概してホモフォビックなもんですが、じっさい内容紹介で「君のホモ的傾向は?」とか「俺はホモだった!」なんてのがある。彼らが自分をホモセクシュアル、すなわち「彼らが考えるところの、本物の男ではない男」だと、周囲から思われることへの警戒心が強いことが、ここいらへんから伺われます。
 こういうタイプは、現実に身近にいると鬱陶しいし厄介な存在ですが、マイSM的には実にオイシイ被虐者。そーゆー男が、その盲信ゆえの苦難に陥り、抵抗空しく男の矜持を徐々に打ち砕かれていく……ってのが、私の大好きなパターン(笑)。つまり、これらの絵と私のマンガは、方法論的には極めて近しいんですな。ただ、辿り着くべきゴールが違うってだけで。
 また実際のところ、マッチョイズム云々を抜きにしても、図像表現的には立派にノンケの男マゾものとして通用するイラストも少なくない。船乗りが女護ヶ島で縛られて生贄にされそうになっていたり、捕虜が収容所で美人看守から鞭打たれていたり。ハーケンクロイツの烙印を押されていたり、タトゥーの入った生皮を剥がれてランプシェードにされそうになっているなんてゆー、まんまイルゼ・コッホみたいな図もある。
 個人的に特に秀逸だと思ったのは、これは”Men’s Adventure Magazines”の方に載っていたんですが、収容所で男の捕虜二人が、二人の女性兵士に人間馬として騎乗され、鞭打たれながらレースだか騎馬戦だかを競わされているヤツ。ノンケの馬系のマゾ男さんには、ぜひ見ていただきたい逸品。で、これ実は加虐者側が日本軍なんで、私的にはそこいらへんも逆ヤプーみたいで面白さ倍増。

 画集としては、どちらも様々なカバーアートを、フルカラーでたっぷりと見せてくれます。嬉しいことに、どちらも表紙からの複写だけではなく、現存している原画から新たに分解した図版も少なからずあり。リアリズム的に上手い画家が多いので、こうした画質の劣化のない図版の数々は、大いに見応えがあります。上半身裸の兵士が、雄叫びを上げながら銃剣構えて突進してる絵なんて、もう男絵的にすこぶるカッコ良くって、このまま額に入れて飾りたいくらい。
 二冊で重複する表紙絵も多いので、どちらか一冊と言われたら、ページ数や収録図版の数で勝っている”Men’s Adventure Magazines”の方がオススメかな? 版元のTaschenは、日本支社もあるから店頭で見かける機会も多いかも。Taschenのサイトで、ちょっとだけ内容見本も見れます。ただ、ここで見れるサンプルには、私的にオイシイ図版は全く入っていないんだけどね(笑)。
 原画からの図版に関しては(おそらく)ダブりはないので、マニアや好き者だったらぜひ二冊とも揃えたいところ。値段は、”It’s A Man’s World”が$29.95、”Men’s Adventure Magazines”が$39.99と、後者の方が分厚い分10ドルほど高価。造本や印刷クオリティは、どちらも負けず劣らずの高レベル。
 二冊とも、お好きな方には自信を持ってオススメできる画集ですぞ!
“It’s a Man’s World” (amazon.co.jp)
“Men’s Adventure Magazines” (amazon.co.jp)

ソード&サンダル映画ドイツ盤DVDボックスいろいろ

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ソード&サンダル映画のドイツ盤DVDボックスが幾つか溜まってきたので、まとめてご紹介。個々の作品の詳しい感想は、また改めて次の機会に。既に見たことがあるものに関してのみ、簡単な備考を併記しました。
なおこれらのボックス、ほぼ全て単品のバラ売りもあるようです。もし「買ってみようかな〜」なんて酔狂な方がおられましたら、ご参考に。(写真をクリックすれば拡大できます)
左上
Black Hill社“Kino Kolossal”(5枚組)
1)スティーヴ・リーヴス主演 ”Aeneas Held Von Troja”(1962)
伊題” La Leggenda di Enea”・英題”The Avenger”
*アエネイアスを主役にしたトロイア戦争もの『大城砦』(1961)(伊題”La Guerra di Troia”・英題”The Trojan Horse”)の続編。ヴェルギリウスの叙事詩との関係は、未読のため不明。Movies Unlimitedで米盤DVDも売っていますが、画質が粗悪な上にDVD-Rなので要注意。因みに『大城砦』の米盤DVDは、Trimark Home Video社の”The Adventures Of Hercules”ボックスに収録。こっちはトリミング版ではありますが、画質は及第点、英文字幕も付いている佳良品です。
2)ゴードン・ミッチェル主演 ”Achilles Der Zorn Des Kriegers”(1962)
伊題”L’Ira di Achille”、英題”Fury of Achilles”
3)マーク・フォレスト主演 ”Maciste Held Von Sparta”(1964)
伊題”Maciste, gladiatore di Sparta”、英題”The Terror of Rome Against the Son of Hercules”
4)マーク・フォレスト主演『豪勇ゴライアス』 ”Die Rache Des Hercules”(1960)
伊題”La Vendetta di Ercole”、英題”Goliath and the Dragon”
*Something Wired社からノートリミングの米盤DVDが発売されていて、これはオマケも充実した好ソフト。ただし画質は独盤の方が上。
5)エド・フューリー主演『獅子王の逆襲』 ”Ursus Im Tal Der Lowen”(1961)
伊題”Ursus nella valle dei leoni”、英題”Ursus in the Valley of the Lions”
*追記*
全ディスク共通の映像特典として、ソード&サンダル映画の歴史を綴る58分のドキュメンタリーTV番組”Kino kolossal – Herkules, Maciste & Co”(2000)を収録。色々な映画のハイライト・シーンの他に、すっかりお爺ちゃんになったブラッド・ハリスやゴードン・ミッチェルのインタビューが見れます。他にもリッカルド・フレーダやモイラ・オルフェイ、フッテージの流用を含めると、シルヴァ・コシナやセルジオ・コルブッチ、更にはセルジオ・レオーネやらレニ・リーフェンシュタールやらアーノルド・シュワルツェネッガーまで登場。独語オンリーなんで話の内容はワカンナイのが、すっげー悔しい(笑)。
右上
Marketing Film社“Monumentalfilm Box”(3枚組)
1)ブラッド・ハリス主演 ”Die Ruckkehr Der Straksten Gladiatoren Der Welt”(1971)
伊題”Il Ritorno del Gladiatore piu Forte del Mondo”
*内容はここで紹介済み。
2)ゴードン・スコット主演 ”Die Schlacht Der Gladiatoren”(1964)
伊題”Coriolano: eroe senza patria”、英題”Coriolanus: Hero Without a Country”(“Thunder of Battle”)
3)マッシモ・ジロッティ主演 ”Judith Das Schwert Der Rache”(1959)
伊題”Giuditta e Oloferne”、英題”Head of a Tyrant”
*非マッスル系。ユディトとホロフェルネスの話。
左下
e-m-s社“Cinema Colossal 1 – Rome”(3枚組)
1)ブラッド・ハリス主演 ”Die Letzten Stunden Von Ponpeji”(1962)
伊題”Anno 79 : La Distruzione Di Ercolano”
2)マーク・ダモン主演 ”Der Sohn Von Caesar Und Cleopatra”(1964)
伊題”Il Figlio di Cleopatra”、英題”Son of Cleopatra”
*非マッスル系ですが、鞭打ちシーンあり。
3)ベリンダ・リー主演 ”Messalina”(1959)
伊題”Messalina Venere imperatrice”、英題”Messalina”
*メッサリーナの話なんで、当然主演も女性。
右下
e-m-s社“Cinema Colossal 2 – Hero”(3枚組)
1)ブラッド・ハリス主演『ヘラクレスの怒り』 ”Samson, Befreier Der Versklavten”(1962)
伊題”La Furia di Ercole”、英題”The Fury of Hercules”
*今回これを見て、前にここで紹介した”Samson”と、この『ヘラクレスの怒り』は、同じ制作年、同じ監督、同じキャスト、同じセットながら、内容は全く違う別の作品だということが判明。こっちの方がいいです(笑)。
2)ダン・ヴァディス主演 ”Hercules, Der Starkste Mann Der Welt”(1964)
伊題”Il Trionfo di Ercole”、英題”The Triumph of Hercules’
*米盤DVDはTrimark Home Video社の”The Adventures Of Hercules”ボックスに収録。画質は許容範囲内、英文字幕付きの悪くないソフトですが、トリミング版なのが残念。画質も独盤の方が上。
3)アンソニー・クイン主演 『侵略者』(『侵略者アッチラ』) ”Attila, Die Geissel Gottes”(1954)
伊題”Attila” (“Attila, il flagello di Dio”)、英題”Attila”
*非マッスル系ですが、監督は『ヘラクレス』『ヘラクレスの逆襲』のピエトロ・フランシスキ。共演はソフィア・ローレン、イレーネ・パパス。
e-m-s社の”Cinema Colossal”シリーズは、今後も”3 – Saga”、”4 – Eros”、”5 – Mars”と発売が続く予定。
具体的な収録作品はまだ不明ですが、同社のカタログから推察するに、カーク・ダグラス主演の『ユリシーズ』、セルジオ・レオーネ監督の『ロード島の要塞』、リチャード・ハリソン主演の『七人のあばれ者』、カーク・モリス主演のアトランティスもの、レックス・バーカー主演のアラブもの、ロジャー・ムーア主演の『サビーヌの掠奪』なんかが入るんじゃないかと思います。