Adán Aliagaという監督の、”Estigmas”(2009)というスペイン映画の予告編。
主演男優のルックスといい全体のムードといい、すっごく惹かれて気になっています。
IMDbによると「飲んだくれで乱暴者の巨漢ブルーノの唯一の望みは、普通の人間になることだった。しかしある日、彼の両手に聖痕が顕れ出血し始めた。そしてそれは、苦難、痛み、死へと続く、彼の贖罪の旅の始まりを示していた…」ってな内容のようです。
う〜むむ、かなり好みの予感(笑)。
ティーザー予告はイメージ・ショットを使ったものですが、こっちも実にいい感じ。
ポスターとかスチルとかもいい感じなので、興味のある方は映画の公式サイトをご覧あれ。
どっか買い付けて公開してくれないかしらん?
……それにしても主人公の熊男クンがカワイイ(笑)。
「マッチョ」カテゴリーアーカイブ
気になる未公開映画予告編あれこれ
“Valhalla Rising”
マッツ・ミケルセンが隻眼で唖のヴァイキングを演じる、デンマーク/イギリス合作映画。
イギリス盤DVDとBlu-rayが出ているのを確認済み。どうせならBlu-rayで見たいので、やはりBlu-rayプレイヤーもマルチリージョン機を導入すべきか、真剣に悩み中(笑)。
“Janosik”
愛しのミハウ・ジェブロフスキー様が出演している、ポーランド/スロバキア/チェコ合作映画。東欧版ロビンフッドのような、義賊伝説を映画化したものらしい。
ジェブロフスキー様は髭モジャだし、何としてでも見たい……と調べたところ、(おそらく)ポーランド盤のBlu-rayとDVDを発見。しかし、私が以前利用していた、英語表記のあるポーランドの通販サイトは、久々にページを開いてみたら消滅してしまった模様で、ぐっすん。
YouTubeでは、ミハウ・ジェブロフスキーのインタビュー動画も発見。
……ま、ポーランド語なんて、ナニガナンダカサッパリワカンナイんだけどさ(笑)。
“Centurion”
前にここでも予告編を貼りましたが、2世紀の初め、ブリテン島でピクト人に敗れたローマ軍団の生き残り7人が、囚われの将軍を救出するアクション・アドベンチャーっぽい映画の、予告編第二弾がアップ。
前のと比べると「へへへ、血がいっぱい出ますぜ〜」みたいな仕様になっている感じなので、ますます楽しみに。少なくとも、セミヌードの野郎ボンデージがあることは確かだしね(笑)。
『アバター・オブ・マーズ』
『アバター・オブ・マーズ』(2009) マーク・アトキンス
“Princess of Mars” (2009) Mark Atkins
前に予告編を紹介した、エドガー・ライス・バローズの古典SF「火星シリーズ」の第一作、『火星のプリンセス』のアメリカ製Vシネ版。
ヒット作『アバター』のバッタモンっぽい邦題になっていますが、実際『アバター』のイメージソースにはバローズ作品があるそうで(肝心の『アバター』見てないんで、よーワカランのですが)、この邦題もそこそこ理由はあるんだとか(笑)。
で、前にも書いたように制作が、B級バッタもんビデオ映画専門のアサイラムだっつーんで、かなりオッカナビックリだったんですが……意外とマトモでした。
原作では、主人公のジョン・カーターは南北戦争の南軍の士官で、ちょっとスピリチュアルな感じの精神移動で火星へ行くんですが、それを現在の中東で闘っているアメリカ人兵士という設定に変え、精神移動も一応科学っぽいガジェットを噛ませつつ、行き先も我々のいる太陽系の火星ではなく、もっと遠くの別の太陽系の「火星(マーズ)」にアレンジしてあります。
火星に移動した後のストーリー展開は、基本的には原作を踏襲。まあ、かなり大幅に省略されて刈り込まれていますし、一つ原作にない大ネタもあるんですが、それでもまあ、全体としては原作に沿っていると言って差し支えない範囲ではないかと。
はい、褒められる要素ここまで!
いくら「マトモ」だっても、それは単に比較論の問題で……ぶっちゃけ映画の出来の方はというと……いやそのなんだ、まあ予測通りの安さと言うか酷さというか……(笑)。
とにかく、よっぽどバローズ愛や腰布男愛に溢れている方でもないと、マトモには見ていられないかと(笑)。
演出はというと、背景やセットがいらないバストアップと、粗の見えにくい超ロングのCG切り返しだけで進む、94分が3時間にも感じられるタルッタルのシロモノだし、火星一の美姫デジャー・ソリスは、プロポーションはともかくとしても、アップになると薹が立ちすぎて肌の弛みが目立ちまくりだし、4本の腕を持つ巨体のはずの緑色人は、フツーに人間サイズで腕も二本、露手している顔だけが特殊メイクで、あとは腕の先から爪先まで衣装でしっかりカバーされてるし……。
でも、そーゆーのをニッコリ笑って許せる方なら、もう大丈夫!
火星の住人が全部合わせても20人もいなさそうだとか、ただの窪地を闘技場だと言い張る強気さとか、火星の大気製造工場の内部が、どっかの浄水場か廃工場にしか見えないとか、マヨネーズの容器ですかってな虫とか、「もう、何が出てもぜんぜん気にしないもんね、私の心は宇宙より広い!」ってな気分にさせてくれます(笑)。
因みに、一緒に鑑賞していた、バローズ愛も腰布男愛も持ち合わせていない相棒は、もう退屈さに死にそうになってました。
主演の腰布男は、アントニオ・サバト・Jr。名のある俳優さんのご子息らしい(相棒がそんなこと言ってました)んですが、私は浅学にしてお父君のことはよく知らず。
まあ、マスクも身体も、そう悪くはないです。肌のタトゥーが変に悪目立ちしてますが、まあ今どきのアメリカ兵なら、それもリアルってもんだし。
火星に着いたときには全裸で、それから腰布一枚で、首輪はめられて鎖で引きずり回されるあたりは、そこそこそそる感じなんですけど、残念ながらわりとすぐ服を着てしまうし、それ以上の責め場とかもなし。
ま、そーゆーわけなんで、私同様に物好きな方のみ、どうぞ(笑)。
ちょっと宣伝、アートブック”Hair – Hairy Men in Gay Art”に作品数点掲載されました
先頃ドイツの出版社Bruno Gmunderから出た、”Hair – Hairy Men in Gay Art”というアートブックに、作品数点を提供しています。
「ゲイ・アートの中の毛深い男たち」という副題からもお判りのように、体毛(ヒゲも胸毛も腕毛も脛毛も、とにかく全部)の濃い男たちを、写真に撮ったり絵に描いたりしているゲイ・アーティストの作品を集めた写真集&画集です。
裏表紙はこんな感じで、中身も同様にとにかく毛深い男のオンパレード。
写真と絵の比率は、写真の方が多めといったところでしょうか。
私の絵はこんな感じで、1ページ1点ずつで6ページ。
版元のBruno Gmunderのサイトでも、本の詳細やプレスリリースが見られますので、よろしかったらどうぞ。こちら。
収録されているアーティストは、アメリカ、ヨーロッパ、アジア、オセアニアと広範囲で、日本からは私以外にも、市川和秀先生の作品が掲載されています。
今回、私が個人的に特にいいな〜と思ったのは、画家では、抜群の技術で太目な熊パパのポートレイトなどを描いているチャーリー・ハンター(イギリス)や、ベアー系好きに幅広く受けそうなディチューイ・ドゥードゥルズ(ニュージーランド)など。
カメラマンでは、バイカーやトラッシュ、ラフ系のモデルを使って、バイオレンス風味もあるエロティックな写真を撮っているインクド・ケニー(カナダ)、ベア系モデルを使って、凝ったシチュエーションの写真を撮っているベアファイター(ドイツ)、タトゥーやレザーなどのテイストの入った、典型的なアメリカン野郎系といった味わいの写真を撮るマイケル・アラゴ(アメリカ)なんかが収穫。
他には、まず大御所のトム・オブ・フィンランド、私が面識のあるところで、フランスのグザビエ・ジクウェル、オーストラリアのピーター・スキロウ、アメリカのリック・カストロ、メールなどで知己のあるところで、ザ・ハン(アメリカ)、ロブ・クラーク(アメリカ)、フランツ&アンドレ(イタリア)など。
前から作品を知っていたり好きだったりというものだと、画家では、ラルフ・コーニッヒ(ドイツ)、マイケル・カーワン(アメリカ)、セップ・オブ・ヴィエナ(オーストリア)、カメラマンでは、ジョー・オッペディサーノ(アメリカ)、デヴィッド・ゴールデンバーグ(イギリス)、トム・ビアンキ(アメリカ)……などなど、総計50名近くの毛深男好きアーティストが集合(笑)。
というわけで、私の作品が好きだという方はもとより、毛深系、熊系、野郎系などなど好きには、かなり充実した内容のアート・ブックだと思います。少なくとも、凡百のメールヌード本と比べると、テイストがはっきり前に打ち出されている分、好みのあう人にはばっちりマッチするはず。
本のサイズは18×23.6センチと、 A5より一回り大きめ。しっかりとしたハードカバーで、フルカラー260ページ、厚みも3センチほどあります。各アーティストの顔写真やコンタクト先などのデータも記載。
残念ながら日本のアマゾンでは扱っていないんですが、アメリカやイギリスのアマゾンで購入可能。とりあえずアメリカに商品リンクを貼っておきます。
“Hair: Hairy Men in Gay Art” (amazon.com)
というわけで、よろしかったらぜひどうぞ!
PoserとかMichael 4とか
気になる未公開映画&TVの予告編あれこれ
最初はトルコの連続TVシリーズ(らしい)”Adanalı”。刑事ドラマみたいです。
コレを見つけたきっかけが、先に私がアップしたCDケースの分解動画の関連動画だったので、思わず笑ってしまった。「ヒゲ男の拷問」だから、確かに「私」には関係あるけど、CDケースとは無関係だろう、と(笑)。
でまあ、責め場とゆーのもさることながら、このヒゲ男クンのルックスに、かなりツボの真ん中を突かれちゃいまして。で、調べた結果、Mehmet Akif Alakurt(メフメット・アキフ・アラクルト?)という、モデル出身の男優さんらしい。調査途中にFacebookも発見。いや〜、いい男だわ。
因みにこの”Adanalı”34話は全編YouYubeにアップされちゃってるので、この責め場もノーカットで鑑賞可能。けっこうネチっこく責められていて滋味ありなので、興味のある人は探してください(笑)。
スロバキア、チェコ、ハンガリー、イギリスの合作映画、”Bathory”。
タイトル通り、自分の若さと美貌を保つために、処女の生き血を絞って浴びたという、エリザベート・バートリーの映画らしいです。
コスチューム・プレイだし、猟奇ネタだし、ご贔屓のフランコ・ネロも出てるし…と、見たいポイントは数多くあれど、ドイツのアマゾンでDVDに星一つレビューが付けられちゃってるのが、ちょっと気になるところ(笑)。
ロシア映画、”Поп”。
前にここで紹介した「1612」を撮った、ウラジミール・コチネンコ監督の新作。
この監督は、つい先日DVDで見たロシア製潜水艦映画「72M」もとっても良かったので、この新作も何とかして見たいところ。内容は、ちょっと重そうですけど…。
インド映画、”Raavan”。
「ボンベイ」のマニ・ラトナム監督の新作。
主演は、このブログでも何度か出てきているアイシュワリヤ・ラーイと、先日ここで紹介した「ボリウッド好きゲイならマスト!」な”Dostana”のアビシェク・バッチャン夫妻。
予告編に使われているA・R・ラフマーンの”Beera Beera”という曲が実に良くって、アビシェク・バッチャンの表情とかも迫力があるし、実にカッコイイ予告編。
ロシアのTV映画(?)”Паршивые овцы”。
予告編の最後にも出てきますが、DVDのジャケが余りにもヤバかっこよかったので探してみたヤツ。
何でも、タイトルが「カサブタだらけの羊」とかゆー意味だそうで、これまたちょいとキツそうなんですが、重いシリアスなのか、バイオレントな娯楽作系なのか、ちょっと判断できず。
オマケ。
映画じゃないけど、BARB@ZULというグループの”I Don’t Care”という曲のミュージック・クリップ。
熊系ペット・ショップ・ボーイズ? ってな感じの、スペインのゲイ・ポップ・デュオ。
ドラマ仕立てになってるんですが、これがまあ、どこの少女マンガだよってな感じの、乙女とゆーか女々しいとゆーか、そーゆー恋の物語になっています(笑)。恋愛シーンでこーゆー態度は、あんま男らしくないよーな気はするんですが、そこいらへんもある意味リアルっちゃあリアルかも(笑)。
でもセクシー・ショットとかもあるし、バルセロナ・プライドとかでも活動しているようなので、同じゲイとしては、応援したい気持ちになりますね。
因みに、上のクリップの後半に、Metroというバルセロナの老舗ゲイ・ディスコが出てくるんですが、実は私も15年ほど前に一度だけ行ったことがあったり(笑)。
5月上半期に家で見た映画(from Twitter)
ふと思い立って、Twitterで呟いていたことの中から、その日に見た映画の感想だけを抜き出してまとめてみました。とりあえず、5月1日〜15日の分。
……でも、やってみると、けっこうメンドクサイな、これ(笑)。
『スーパーマン(ディレクターズ・カット版)』〜国内盤Blu-ray
公開時に見た後は、ソフト購入はせず、テレビのエアチェック(ベータだ!)を数回見たくらいだから、20年ぶり以上だろうか。よってディレクターズ・カット版を見るのは、もちろん初めて。
うん、やっぱスーパーマンはシンプルで明快に限る!色のくすんだジャージ生地のコスチュームで、精神年齢の低い恋愛劇で悩んでちゃイカンのだ…と、改めて思ったりして。職人芸に支えられた堂々たる娯楽大作で、32年の風雪に立派に耐えている。ノスタルジーも混じって、ところどころでウルウル。
『Queens of Langkasuka』〜台湾盤Blu-ray
17世紀末、ランカスカ王国(現マレーシア、ランカウイ島)の覇権と、勝敗の鍵を握る海に沈んだオランダ製の巨大な大砲を巡って、様々な勢力と人々の思惑が入り乱れる一大伝奇ロマン。監督は「ナンナーク」のノンスィ・ニミプット。いろいろ思うところはあるけれど、力作には間違いなし。
設定よし、世界観よし、キャラクターよし。話も面白いし、繰り出されるアイデアの数々も良い。ただし、描かれる「憎しみや戦争は破壊の連鎖しか生まない」というテーマや、それに則したビターな結末は、実にリアルではあるんだけど、カタルシスにはほど遠いので、後味も厭世的な気分に。
そういった予定調和を排したシビアな視点と、アクション・スペクタクル映画的な要素が、いささか相反してしまっている感はあり。あと、基本的に群像劇なのだが、ちょっと2時間ではそれが描き切れていない感も。ただし、見応えは大いにあります。
個人的には、戦争を描きながら敵味方という視点を排し、善悪の問題は常に個人単位での問いかけとして描かれ、キャラクターも善玉や悪玉といった様式では描かれないといった、世界観の深さは素晴らしいと思います。
【追記】日本盤DVD出ました!
ランカスカ海戦 ~パイレーツ・ウォー [DVD] 価格:¥ 3,990(税込) 発売日:2011-10-07 |
『クオ・ヴァディス(51年版)』〜国内盤Blu-ray
相棒と「長いからインターミッションまで見て、残りは明日にしようね」と言っていたのに、インターミッションがなかったもんだから、うっかり全編通しで見ちまったいw ニュー・デジタル・トランスファーと謳っているものの、レストアではないらしく、色のズレとかがそのままの部分も多少あり。
IMDbを見ると、「クォ・ヴァディス」の映像化って、9バージョンもあるのね。この51年版とJ・カヴァレロヴィチ監督の2001年版しか見たことないから、他のも見てみたいな。因みに、2001年版は個人的にオススメ作品。
『ノー・ルール』〜国内盤DVD
失職した元警察官が、別居中の妻と息子のために、違法格闘賭博が行われている刑務所に、囚人になって潜入捜査する…って話。どっかで見たような要素のオンパレードではあるけれど、RHIエンターテイメント製らしく手堅くまとまっていて、そこそこ楽しめます。
主人公はトーマス・ジェーン似のマッチョ君。フツーにフィットネス雑誌のカバーをとかを飾っていそうなハンク系ビーフケーキで、なかなかイケてる。ただ、基本タンクトップで脱ぎ場がないのは残念。せっかく水責めや電気拷問されるシーンもあるのに、シャツくらい脱がせて欲しいもんだ。
メインの地下格闘賭博シーンは、アクションを見せるというよりは、暴力性を見せることにフォーカスを合わせているので、ベア・ナックルだけでなく、鉄パイプやらバールやらで殴り合うあたりが佳良。前述の基本タンクトップも、血糊の効果を高めるためと思えば、まあ納得か。
まあム所ものなんで、イケてる男はイッパイ出てきます。個人的には、サド看守がタイプ。ただまあ全般的に、演出が良くあるタイプの、手持ちカメラの揺れる画面をチカチカと切り替える系で、いーかげんこーゆーのは、それが出てくるだけでイラっとするくらい食傷気味w
『Mr Leather』〜アメリカ盤DVD
ミスター・レザーLA 2003のコンテスト模様を通じて、レザーカルチャーについて触れたドキュメンタリー。
もともとがフェティッシュな所産であるものなのに、登場するレザー・コミュニティの人々が、自分たちのコミュニティがソーシャルなものに対して果たす役割まで、それぞれきちんと考えているあたりは、流石アメリカといった感じ。
わりと「この人たち、何でこんなことしてるの?」的な、一般視線からの質問等もあるんだけど、それをサラリと流したり、ドシンと構えて受け止めてみせる様子には、かなりカッコイイし、ちょっと感動もする。
とはいえ、コスチューム・フェチのコンテスタントが自分のコレクションを披露している際に、「スタートレックのユニフォームはないの?」とか質問するのは、ちょいとビッチだと思うがw
小ネタでは、ミスター・シスター・レザーの受賞者のバイカーキャップに、ティアラが付いているのに大ウケしてしまいましたw
『ミッドナイト・エクスプレス』〜国内盤Blu-ray
考えてみると、私は中学生のときに見たこの映画で、初めて「裸の男同士がキスをする」シーンを見たような気がする。それに加えて「裸の男が拷問される」とか「男が男に強姦されかかる」なんてシーンもあるもんだから、もう、ものごっつうショーゲキ的であったことよ。
ただ、この映画ではまだキスどまりだったので、その寸止め感にも悶々としたもんです。後で原作(主人公の自伝)を読んで、実はホントはいくとこまでいっていたのだと知って、「だったらちゃんとそこまで描いてくれよ〜」なんて恨めしく思ったりしたなぁ。
うろ覚えではあるけれど、実際に彼が性交渉を持った相手は、確か黒人男性だったような。78年当時では、男性同士の性交渉と異人種間の性交渉というダブルの要素で、そのままの映画化は難しかったのかも。今だったら、そのまま事実通りに映像化されるのかなぁ。
しかし改めて再見してみると、私が主に自分の長編作品で、主人公を徹底的に追い詰めるのは、この「ミッドナイト・エクスプレス」の影響も大きいのかも知れない…なんてことを、ふと思った。少なくとも、指針の一つにはなっていそうだ。
さて、今回はブルーレイで見たのだが、やはり画質の良さに感激。光と影の演出を多用しているがゆえに、なおさらシャドウ部の階調やディテールが、潰れずに再現されているのがありがたい。逆光のロングでも、表情のニュアンスが見えるもんなぁ、ビックリ。
そういえば、まだホームビデオですら夢だった時分に、この映画が名画座で掛かると、再見したくて何度か見に行ったものだけど、その中の一回で、同時上映が「タクシー・ドライバー」だったことがあり、2本続けて見たらヘビーさにグッタリ疲れてしまった、なんてこともあったっけw
というわけで、好き嫌いは別にしても(実際、当時でも批判はあった)、見て損はない1本ですから、お若い方で未見でしたら一度お試しあれ。
因みに中学の同級生たちは「男が恋人のパイオツをガラス越しに舐めながら、センズリかくシーンがある!」ってな感じでコーフンして盛り上がっていた記憶がw 私はコーフンするよりも「デカい乳輪!」の方が鮮烈だったけどw
今回再見しても「やっぱ乳輪デカいわ〜」って思ったw
そう言えば今回初めて気がついたんだけど、このガラス越しの面会シーンで、主人公は恋人(アメリカ人)に、最初トルコ語で話しかけ、それが途中から英語になるんだけど、最期だけ「シルブプレ」とフランス語になってしまう…ということで、主人公の精神状態が限界にあることを表現してるのね。
特に、この最後の「シルブプレ」は、このちょっと前、狂人から「シガール、シガール、シルブプレ」と仏語で葉巻をせびられるシーンと呼応しているので、それだけ主人公の精神状態が正常と狂気のギリギリの狭間にあることを良く表している。上手いな〜、って感心。
『宇宙大戦争』〜国内盤DVD
いしかわ先生は正しかった。安西郷子、エキゾチックな美女だけど、もみあげ太ッ!
というわけで、これからサントラ盤聴くなう。♪ヾ(。・ω・。)ノ゙
『風と共に去りぬ』〜国内盤Blu-ray
「美麗画質で見たい!」という相棒のリクエストで鑑賞。結果、笑っちゃうくらいに画質がいい。クラシック映画が全部この画質になればいいのに。
内容を良く覚えているのに、それでもやっぱり引き込まれてしまう、つくづく力強い映画だなぁ。
ただ、自分が年を重ねるにつれて、黒人奴隷制度の上に成り立っていた白人社会の繁栄とその文化を、黄金時代の理想郷のように懐かしむという視点や、明示はされないものの、KKKをヒロイズム的に捕らえているような部分に、見えない不気味さを感じるようになってきた、というのも正直なところ。
まあ、こういった「その時代における視点の限界」といった要素には、この「風と共に去りぬ」に限らず、クラシック映画ではちょくちょく遭遇するので、いちいち気にしていたらきりがないってな感じではあるんですが。
「シーウルフ」〜国内盤DVD
ジャック・ロンドン「海の狼」のドイツ製テレビ映画2008年版。ストーリー面白い、画面の雰囲気上々、海のシーンは迫力もあり…なのだが、ドラマ部分の演出がイマイチで、全体的にはエピソードの数々がつらつら流れるだけという、平坦な印象になってしまっているのが残念。
剣呑な人間関係の緊迫感とか、地獄のような遠洋漁業船という閉鎖空間の圧迫感などが、あまり出せてない感じ。それと役者さんが、皆さんいかにも一筋縄ではいかない海の野郎どもといった感じで、かなり良い雰囲気なのだが、ストーリーの要でもあり、作品を支配する実質的主人公であるラーセン船長が…
演じるトーマス・クレッチマンは、好きなタイプだし「ゴッド・ディーバ」のニコポル役なんて特に好印象だったのだが、いかんせんラーセン船長役としては線が細すぎる。知的な部分はOKなのだが、悪魔的な存在感とか野獣的な生命感には甚だしく欠けるので、ストーリーの核として弱い。
とはいえ、全体のクオリティとしては、テレビ映画や未公開映画としては、決して低いものではないので、古典アドベンチャー好き、帆船好き、むさ苦しい野郎どものバーバリックな男のドラマ好き…等々だったら、たっぷり楽しめるのではないかと。
ところでこの「シーウルフ」、2009年にも同じくドイツでTV映画化されているらしい。そっちのラーセン船長役はセバスチャン・コッホ。「ブラックブック」や「善き人のためのソナタ」などで「いやン、セクシーなおじさま!」と思った方なので(笑)、ぜひ09年版も見てみたいもの。
更にこの「シーウルフ」、71年版のやはりドイツのTVシリーズもあり(どれだけこの話好きなんだドイツ人)、そのときの船長はご贔屓のライムンド・ハームストロフ。私は字幕なしのDVDで見ただけですが、これがなかなか良かったので、機会があればせめて英語字幕ででも見直したいところ。
『西部開拓史』〜国内盤Blu-ray
まあぶっちゃけた話、水平方向の拡がりと奥行きを強調したパノラミックな画面で、スペクタキュラーな見せ場を取り混ぜながら大味な話を綴っただけの映画…という気もするけど、画面のレストア技術がスゴいこともあって、画面は呆然とするほど精彩で美麗。
元々がシネラマ映画なので、テレビのフラットな画面で見ると、消失点が複数あったり、水平が湾曲していたり、構図的にも中心点が複数あったり…と、見ていて何だか騙し絵でも見ているようで、ちょっとクラクラしてきたりもしますw
特典ディスクに入っている、シネラマを擬似的に再現したスマイルボック版で見た方が、映像的には自然に見られるってのが面白い。
画面がスゴいってこと以外には、内容的にはあまり特筆するようなものはないんですが、まあとにかく画面のスゴさは、ホント半端なくスゴいですw
スペクタクル面だと、バッファローの暴走シーンが、そのド迫力に圧倒されつつ、同時に「お〜、ひょっとして『風の谷のナウシカ』の王蟲の暴走とか『もののけ姫』の猪の暴走とかって、これが元ネタ!?」って感じで面白かった。^^
役者さんは、豪華キャストなんだけど、サービスで顔出すだけといった感じが殆どだし、ジェームズ・スチュワートとヘンリー・フォンダがワイルドな猟師ってのは、ちょっとどうよ…とかあるんだけど、個人的にはセルマ・リッターが良かった。^^
あと、この映画って基本的に「我らの勇敢な先祖が、拳銃と鉄拳で西部を征服し、偉大な国アメリカを作ったことを讃えよう!」みたいな内容なんで、当然それ相応の不快さはあります。差別的な要素がさほど見られないのは、救いではありますが。
私、子供の頃は西部劇って嫌いだったんですが、その理由は「ヒゲ・強面・薄汚れ」が三種の神器だった自分にとって、昔の西部劇で「あ、ステキ!」って思う男は、ほぼ100%ドーデモイイ脇役だったから。もう、ツバ付けた次の瞬間には撃たれて死んじゃうんで、それに懲りて見なくなったw
『エスター』〜国内盤Blu-ray
いや〜面白かった。この監督、以前の「蝋人形の館」が良かったので期待はしてたんだけど、にぎにぎしいエンタメ系ホラーだった「蝋人形…」に対して、この「エスター」はじっくり描いたスリラーものと、方向性はかなり違うんだけど、どっちもなかなかの腕前。こりゃますます今後が楽しみに。
もうちょっとだけ刈り込んでタイトにすると、もっと良くなりそうな気はするけど、じっくり描くところは腰を落ち着けて、派手な見せ場は容赦なく…と、ツボはしっかり押さえた作劇。いや、上出来、上出来。 ^^
『フロム・ヘル』〜国内盤Blu-ray
相棒の大好き映画ということもあり、もう何度見たことか。そして今回、アマゾンでブルーレイが約半額だったので再購入。暗いトーンと凝った映像美が見所のひとつなだけに、効果は絶大。アンバーとグレイを基調にしつつ、そこに炸裂する鮮やかな血の赤とアブサンの緑という色彩効果に、改めて感心。
キャラクターの立ちっぷりと役者さんのハマり具合も良く、この映画を見て以来我が家では、ビアンの娼婦を演じたスーザン・リンチが一躍人気者にw 個人的にはグロテスク美という面でも大いに惹かれる映画。切ない後味も好き。
ただ原作と比較してアレコレ言われてもいるようなので、う〜ん、やっぱ一度ちゃんと読んでおくべきか。
『アズールとアスマール』〜国内盤Blu-ray
何度見ても、この色彩美には陶然。今回は字幕に邪魔されたくなかったので、吹き替えで鑑賞してみた。なかなか良きかな。主言語(オリジナルは仏語、吹き替えだと日本語)とアラビア語の対比なんかは、その違いが良く判る分、吹き替えで見た方が効果的かも。
『パフューム ある人殺しの物語』〜国内盤Blu-ray
我が偏愛映画の一本。世評はともあれ、これは自分にとっては完璧な映画。汚穢にして美麗、エンタメにして芸術、ヘンタイにして崇高、もう何から何までメチャンコ好きだったりする。幸いにして相棒も大好きなので、我が家でのリピート率は実に高し。
とゆーわけで、改めてブルーレイで買い直したんだけど、もともと映像のシズル感がスゴいだけに威力も倍増。美麗なシーンは、もちろんより美麗なんだけど、それ以上に、不潔感の表現なんかが更にパワーアップしてるもんだから、思わず見ていて「うぉっぷ」となりそうなくらいw
それにしても、この「パフューム」と昨夜の「アズールとアスマール」と「300」と「パンズ・ラビリンス」と「ブラック・ブック」が日本公開された2007年は、自分にとって何と至福の一年だったことよw
『The Siam Renaissance』〜香港盤DVD
タイ映画。バンコクに来たフランス育ちのタイ人女性が、タイムスリップで現在と100年前のバンコクを行ったり来たりする話。当時のタイ(つまりシャム)は英仏両国の植民地化の危機にさらされており、愛国心に燃える若者たちを見て娘さんは…とゆー展開に、タイム・パラドックスなんかも絡んだり。
イメージカットを多用した演出が、叙事というよりロマンティック方向に偏っているので、歴史の節目の緊迫感とか、伏線の収束とかパラドックスの解決とかいったロジカルな部分は、正直さほど見応えはない。ただ、叙情的で感傷的なパートは、けっこう盛り上げてくれる。
映像面では、さほどの予算ではなさそうだけど、100年前のバンコクの風景の古写真に、色が付いて人々が動き始めたりとか、パラドックスの結果、現代のバンコクに巨大なエッフェル塔が聳え立ってしまうとか、わりと面白いイメージが幾つかあった。
フランク・フラゼッタ逝去
本日、起きてPCの電源を入れ、Twitterにアクセスしたところ、ショッキングな訃報がTLを駆け巡っていました。
2010年5月10日、フランク・フラゼッタ逝去。享年82。
……これはマジで、ちょっとヘコむ。
このブログでも、過去の記事でその名前を、何度も引き合いに出してきていることからお判りのように、自分が中学生の頃、雑誌「スターログ」やムック「SFファンタジア」で知って、その重厚な筋肉描写とパワフルな画風に惹かれて以来、ずっと好きな画家だったもので……。
フラゼッタは、一種ファンタジー・アートの1ジャンルの創始者的な部分があるので(厳密に言うと、圧倒的な個性と存在感のある作品であるとはいえ、その画風のルーツは、フラゼッタの先輩にあたるロイ・クレンケルの作品に見ることができますし、そこから更に前の世代のアレン・セント・ジョンへと遡ることができるので、別に突然変異的に突如出現したというわけではないのだけれど)、以降、その作風は作家の個性から、一つの様式になってしまったという部分があります。
よって、その後続の中には、単純に描写力とか技術力という面を取り出すと、元祖フラゼッタを凌駕する技能の作家も大勢いるんですが、それでもフラゼッタの作品の持つ圧倒的な力強さは、そういったフォロワーたちを遙かに凌駕する孤高のものであるように、個人的には思っています。
そこいらへんについては、以前この記事の中盤でちょっと触れていますので、興味がある方はどうぞ。
ともあれ、私にとっては大いにリスペクトしている現代の巨匠のお一人でした。
謹んでご冥福をお祈りいたします。
さて、フラゼッタを知らないとか、知ってるけど画集とかは持っていないという方には、現在市販されている画集で、”ICON”、”LEGACY”、”TESTAMENT”という三冊があるので、そのどれかから始められるのが良いかと思います。
個人的には、出版順にまず”ICON”からゲットし、次に”LEGACY”、そして”TESTAMENT”という順番が良いかとは思うんですが、残念ながら”ICON”は現在品切れの模様。とはいえ、三冊とも充実した内容で、収録作品の重複もないので、とりあえず目に付いたものから買われても、特に問題はないです。
Icon: A Retrospective by the Grand Master of Fantastic Art 価格:¥ 2,953(税込) 発売日:2003-10 |
Legacy: Selected Paintings and Drawings by Frank Frazetta 価格:¥ 2,707(税込) 発売日:2008-04-28 |
Testament: A Celebration of The Life & Art of Frank Frazetta 価格:¥ 2,953(税込) 発売日:2008-04-28 |
既にフラゼッタのファンだよという方には、よりマニア向けの”ROUGH WORKS”もオススメ。
A5程度の小振りな画集ですが、アイデア・スケッチ、フィギュアのラフ・ドローイング、構図用のサムネイル、ペン入れ途中の原稿、有名な作品のカラー・ラフなど、他の本では見られないものがぎっしり。カラー・ラフを見ると、フラゼッタの油彩画作品の背景で良く見られる、渦巻くような「もやもや」が、決して偶発的なものによる効果ではなく、ラフの段階から計算されているということが判ったりもします。
Rough Work: Concept Art, Doodles, and Sketchbook Drawings (Spectrum Presents) 価格:¥ 1,967(税込) 発売日:2007-09-28 |
因みにこれらの画集なんですが、私が持っているのは旧判で表紙デザインとかが違うんですよね。
欧米では、どうも画集を増刷するという発送がないのか、よくこういった形で表紙もISBNも変えて、でもタイトルとコンテンツだけはそのままの新判を出すようで。
これ、どういう理由があるんだろう……と、以前からずっと不思議。
今月の『芸術新潮』はマストかも(特集『股間若衆』)
特集に興味があるときだけ購入している『芸術新潮』ですが、今月号は見逃せない小特集が載っているので、ご紹介します。
芸術新潮 2010年 05月号 [雑誌] 価格:¥ 1,400(税込) 発売日:2010-04-24 |
現在店頭に並んでいる雑誌『芸術新潮』5月号。
表紙でお判りのように、メインの特集はエドゥアール・マネなんですが、スゴいのは第二特集。
題して「股間若衆」!
副題に「日本近代彫刻の男性裸体表現の研究」とあるように、明治以降、日本の作家による西欧的な伝統に基づく写実彫刻において、股間、つまり男性性器はどのように表現(或いは秘匿)されてきたのか、という流れを、豊富な図版と共に論じた内容です。
特集頭の「曖昧模っ糊り」という章から、ユーモアと皮肉をたっぷり効かせながら、ヌードという「セックス」を含む「芸術表現」に対する日本的な欺瞞を、ものの見事に暴き出してくれていて痛快至極。ここだけでも、表現規制についてアレコレかまびすしい昨今、一読の価値ありです。
もちろん、メール・ヌード美術全般に興味のある方だったら、その着眼点といい、内容の希少性といい、これはマストだと思うので、激オススメ。
個人的には、芸術だの隠す隠さないだのといった問題とは無縁の、輸出用に作られた名匠による工芸品としての「生き人形」が、掲載図版の中では最もコンテンポラリー・アート的な印象を受けるのが、何とも興味深かったです。
つまり、いかなる理由があろうとも、在るべきものを表現しないとか、そこにオブジェ以上の意味を(勝手に)感じて(或いは配慮して)「隠す」という行為には、どうしても「ノイズ」という結果がつきまとってしまい、表現の「純度」を損なうんだな、ということ。そこには、「猥褻を意識するがゆえの猥褻感」が存在してしまう。
北村西望の『怒濤』なんて、実に日本的なメール・ヌード像としての逸品だと思うんですが、しかし、その奇妙な股間の表現には、どうしてもそういったノイズが感じられてしまう。対して、前述の生き人形には、それがないんですな。
基本的に、自分が日本人であることには何の不満もないんですけど、こういった明白な事例を見る時ばかりは、「あ〜あ、やっかいな国に生まれちまったなぁ……」と思っちゃう(笑)。
前述の「アートとしての生き人形」に関して、もう一つ付け加えると、そこには「芸術であらんとしよう」というノイズもない。それゆえにシンプルで純粋であり、だからこそ逆説的に、その「作品」が「芸術的」に感じられる。
これは、私にとって一つの理想的なありようです。私にとって、それが芸術であるか否かは、制作動機や目的ではなく結果が全てであり、しかもそれは、個の主観による判断に基づくものだ(つまり汎的な芸術というものは存在しえない)、というのが、私自身の考え方なので。
もし、この特集内で、どれか一点作品を貰えるとしたら(私は良く、展覧会等でもこういった発想で、マイ・フェイバリット・ワンは何かを考えます)、もう問答無用で「農夫全身像/鼠屋伝吉・作」ですね。それから少し離されて、二番目が前出の「怒濤/北村西望」かなぁ……。
ンなこと考えたって、貰えっこありませんが(笑)。
【2012年4月9日追記】この『股間若衆』、後に掲載された『新股間若衆』や書き下ろし原稿などと共に、目出度く単行本化されました。オススメの一冊。
【追記2】2017年4月には、続編『せいきの大問題:新股間若衆』も出版されました。こちらも是非。
“Playroom”
“Playroom (a.k.a. Consequences)” (2006) Stephen Stahl
アメリカのファンから「きっとコレ好きだよ」と薦められて、米盤DVDを購入してみました。
ストーリーは、幼馴染みの悪ガキ5人組が、やがて成長してそれぞれ家庭も持った後、フットボールの試合を見に行こうと、久しぶりで5人一緒によその街に繰り出して、ついでに学生気分に戻って馬鹿騒ぎをしていると、別行動したガタイ自慢で女好きの2人が行方不明になってしまい、やがて恐ろしい事件へと発展していく……というもの。
まあぶっちゃけた話、映画そのものは、はっきり言ってロクでもない出来です。カメラも演出もシロウトくさいし、ストーリー自体にも新味はない。
映画のジャンルとしては、おそらく、サスペンス風味とホラー風味があるアングラなアート系……ってとこなんでしょうが、どれもこれも大した才気は感じられない。いちおう、行方不明になった2人がどういう目にあっているかということと、その行方を捜す残りの友人たちとその家族といった要素が、2本並行して進んでいくんですが、特に後者に関しては、話にしても演出にしても実にひどい出来映え(笑)。
と言うと、何だか見るとこナシのクズ映画みたいなんですが、前者の行方不明になった2人に関してのみ、実はかなりヘンタイ指数が高くて、そそられる内容なんですな。このピンポイントだけで、DVD購入した価値があるくらい(笑)。
というわけで、以下ネタバレ承知で、ヘンタイポイントのみ解説します(笑)。
まずこの2人、顔も良ければ身体もマッチョと、なかなかの上物。キャラクターとしても、ガタイ自慢で女好きの体育会系バカノンケ(あ、褒め言葉よ、これ)って感じが良く出ている。
そんな2人が、怪しい女たちに誘われて、一夜の浮気を楽しむんですが、これまた、二組一緒に同じ部屋でバコバコ犯りまくるという具合で、バカノンケ度がタップリ。
ところが、一夜明けたら、2人ともベッドに手錠で拘束されていた。最初は、女たちの悪ふざけかと思い、ゲラゲラ笑ったりしていた2人ですが、そこに初老の男が現れて風向きが変わる。
実はこの男は、ヘンタイ映像作家で、2人のノンケは彼の作品の「主演男優」になるのだと告げられる。部屋には他にも、レザーの全頭マスクの犬男がいたり、ロッカーの中にアダルトグッズがビッシリだったりして、ヘンタイムードがタップリ。
とうぜん怒り狂う2人でしたが、手錠で繋がれているので抵抗もできず、初老の男に胸に跨られて「私にキスしろ」と迫られたり、身体をあちこち撫で回されたり。
そんなこんなで、いよいよ撮影がスタート。
2人は巨体の用心棒たちに連行され、部屋の一角にあった鉄棒状のラックに、うつぶせで脚を大きく開いた状態で、2人並んで拘束されてしまう。背後では、昨夜2人のアバンチュールの相手だった女たちが、股間にペニバンを装着。
こうして、怒りと恐怖に怒号をあげる2人の肛門を、後ろからペニバンがブッスリ。女たちは、そのままズコバコ腰を使い、アナルレイプされる2人は泣き叫ぶ。
もちろん、ポルノ映画ではないので、結合部のアップとかはないんですが、このペニバンレイプのシークエンス、あれこれアングルを変えながら、尺もたっぷりとってネチっこく続く。犯される2人の熱演もヨロシク、かなりのド迫力。
哀れ肛虐されてしまったノンケ2人は、事後屈辱に打ちひしがれる。
1人は何とか強がってみせる余裕は残っているものの、もう1人は身も世もなくオンナノコみたいに号泣。
しかしそれも束の間、容赦なく第2ラウンドがスタート。
ヘンタイ映像作家が取り出したのは、1本の金属製のディルド。「これは電流が流れる仕掛けになっていてね」と説明しながら、ディルドを金属製のベッドパイプに当てて滑らせると、バチバチと火花が飛び散る。「これを君たちの肛門にねじ込んであげよう。私はこれを『エレクトリック・ファック』と呼んでいる」
その言葉と共に、まだ強がる余裕を残していた方の男(因みにこっちの方が、もう1人より更にマッチョ)は、用心棒たちに俯せに押さえ込まれて、そのスタンガン状のディルドで肛門を犯されてしまう。
このシークエンスは短いんですが、汗まみれで絶叫する俳優さんの熱演や、バチバチいう電流の音響効果もあって、バイオレンス的な滋味はかなり高し。
そして、いよいよクライマックス。
もう、かなりラスト近くのネタバレまでいっちゃいますので、それが嫌な方は、以下はお読みになられませんよう。
結局、行方不明の友人を探していた残りの連中も、実は助けを求めた警察もグルだったりして、あえなく同じ囚われの身になってしまい、しかも全てを仕組んだのは友人グループの1人で、学生時代からいつもからかわれ、それに傷ついていた男の復讐だった……なんてことが明かになるんですが、ま、それはドーデモイイ(笑)。
友人の1人は射殺され、残った3人は手術室のような部屋へ連れていかれる。
2人が壁のラックに拘束され、1人は全裸で手術台に縛り付けられたところで、件のいじめられっ子が、積もり積もった恨みつらみを吐いた後、「まず、プライドと生き甲斐を奪うところからスタートだ、コックを切り取れ!」と宣言。
こうして手術台の彼は、ヘンタイ映像作家に口づけされながら、電ノコで男根を切断されてしまい、それを見ながらいじめられっ子は、ズボンに手を突っ込んでマスをかく……ってな展開になります。切断後、ヘンタイ映像作家が切り取った男根をつまんで、血まみれのそれにキスする……なんてカットも。まあ、作り物なのはバレバレなんですが、血糊の量とかは、スプラッタ映画さながらにドバドバ。
この後は「実は昔こーゆーことがありました」とゆー、ドーデモイイ伏線が機能して、結局「主人公は助かりました」的な、これまたドーデモイイ幕引きがあるだけ(笑)。
とまあ、そんなこんなで映画としてはロクでもない出来ですが、ヘンタイ指数だけはやけに高いので、そこいらへんのツボが合う方だったら、私同様にタップリ愉しめると思います。米アマゾンの商品ページの「この商品を買った人は……」を見ても、DVD買ってるのはゲイばっかみたいだし(笑)。
因みに、日本語による海外DVDの通販サイト、DVD Fandasiumでも扱っていました。参考までに、商品ページにリンクを貼っておきますので、興味のある方はどうぞ。