マッチョ」カテゴリーアーカイブ

アイスクリームで犬男

 Klondikeという、アメリカのアイスクリーム会社のコマーシャル。

 どーゆーターゲット層狙いなんだ、このCMは(笑)。「犬派マゾ」を自認していらした沼正三先生に、ぜひ見ていただきたかったぞ。

カラヴァッジオ画集 “Caravaggio: The Complete Works”

 昨年暮れにTASCHEN(タッシェン)から出た、カラヴァッジオ(ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオ)の大判画集のご紹介。

Caravaggio: The Complete Works “Caravaggio: The Complete Works”

 書名に「コンプリート・ワークス」とあり、TASCHENのサイトでも”entire oeuvre”と謳われているように、現存しているカラヴァッジオ作と確定されたペインティングを全て収録した内容です。
 カラヴァッジオというと、私が現在の作風に至るにあたって、大いに影響された歴史的な画家の中でも、その筆頭的な存在(ホント、これとかこれとか、どれだけ影響されたことか)ですので、先日の外遊から帰国後に、すぐ注文しました。
 で、先日それが届いたんですが、画集としての作りは、これはもう問答無用で素晴らしい。

 まず、その版型の大きさからして素晴らしい。どのくらい大きいかというと、このくらいデカい(笑)。
Caravaggio01
 厚みもタップリ4センチ。もちろんハードカバーで、造本や印刷精度も文句なしの品質。

 図版もぜいたくに掲載されており、基本的にはこういった具合に、全体像が丸々掲載されているんですが、
Caravaggio02
それと同時に、作品によってはこんな感じで、寄りのディテールもしっかり見せてくれる。
Caravaggio03
 こういったクローズアップに関しては、TASCHENのサイトに「この画集のために原画からの複写を新たに行っている」と書かれているように、それこそ画家の筆裁きまで生々しく感じられるような、素晴らしいクオリティ。

 また、それらの中には、見開き全体やフォルド(折り込み)を使ったものもあり、もうこんな感じで、そのド迫力ったらない。
Caravaggio04

 カラヴァッジオ作品以外にも、その源泉である先達の作品や、後続画家による模写などのヴァリエーション違いの作品を、小さい図版ながらもフルカラーで、解説文(テキストは英語)と共に多々収録。
 ただし、カラヴァジェスキやテネブリズム全般までを抑えているわけではないので、そこいらへんも好きな私としては、もうちょっと範囲を拡げてくれたら、もっと嬉しかったのに、なんて思いはあります。
 そういうわけで、それなりのお値段でもあるので、カラヴァッジオに興味がない方だと、あまり縁のない本ではありますが(まぁ画集ってのは基本的にそうか)、カラヴァッジオ好きにとっては、これはもう「マスト!」と言える一冊だと思います。
 というわけで、私は大喜びでして、暇があるとペラペラ捲っております。
 ただ、デカくて本棚に入らないので、どこにしまおうか置き場所に難儀中(笑)。

AnmeStudio日本語版がアニメクリエイターという名で発売開始

 以前紹介した、米SmithMicro社のアニメーション作成ソフト”AnimeStudio”ですが、日本語版が「アニメクリエイター」と名前を変えて発売されました。販売元はact2
 現時点では、エントリー・バージョンのdebutのみの販売のようですが、上位バージョンのproも、後日追加されるとのこと。
 ちょちょっとアニメーションをいじってみたい人には、なかなか手軽で楽しいソフトなので、英語版で腰が引けていた人も、この機会にお試しになってはいかが? 30日間フル機能が試用できる体験版もありますから。

 で、私も久々に同ソフトを立ち上げてみました。
 以前アップしたテスト動画は、いずれもベクター画像を使ったものだったので、今度はちょいとラスター画像のアニメーションを試してみました。
 まあ、一晩でヤッツケで作ったものなので、大したもんじゃないですけど。過去に書いた絵をアニメクリエイター(と言いつつ、私の持っているのは英語版なのでAnimeStudio……ヤヤコシイな)に読み込んで、ボーンを使って動かしたり変形させたりしてるだけです。それ用に新たに絵を描いたわけではないので、どうしてもあちこち無理が出てますが、ま、ラスター画像にボーンを組み込むと、どんな風になるかという、簡単な参考にはなるかと。
 とはいえ、ついうっかりエロいヤツを作っちゃったんで、こりゃYouTubeには載せられない(笑)。
 とゆーわけで、フリーのファイル・アップローダーに、mp4動画をアップしました。ダウンロードはこちらから。ちょっと待つと、ハードディスクのアイコンの横に、青文字で「Click here to start download..」というメッセージが出るので、そこをクリックすればOK。
 因みに、動かしてみたのは、この2枚です。
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 大人向けなので、未成年者はダウンロードしないように!

ゴードン・スコット(Gordon Scott)版ターザン映画のDVD

dvd_tarzan_scott_6pack
 ゴードン・スコット主演のターザン映画のDVD(アメリカ盤)が届いたので、ご紹介。
 ラインナップは、以下の6本。
『ターザンと隠された密林 Tarzan’s Hidden Jungle』(1955)
『ターザンと消えた探検家 Tarzan and the Lost Safari』(1957)
『Tarzan and the Trappers』(1958)
『ターザンの激闘 Tarzan’s Fight for Life』(1958)
『ターザンの決闘 Tarzan’s Greatest Adventure』(1959)
『ターザン大いに怒る Tarzan the Magnificent』(1960)

 前に紹介した、レックス・バーカー版DVDと同様に、今回もワーナー・アーカイブ・コレクションというオンデマンド・サービスによるもの。
 というわけで、やはり、ジャケは簡素なプリンタ出力、ディスクはDVD-R、メニューはシンプル、チャプターは10分刻みの機械的なもののみ、字幕や音声切り替え等はなし。
 ただし、これまたやっぱり、画質は充分以上のクオリティ。オンデマンド・サービスとはいえ、流石に正規盤だけあって、良くあるPDの安価な商品とは雲泥の差。ワイド画面作品は、ちゃんとスクイーズ収録で、退色やディテールのツブレといった劣化は、ほぼ見られず。
 どのくらいちゃんとした画質か、サンプルを原寸解像度のキャプチャ画像でお見せしませう。
tarzan_fightforlife_gashitsu

 んでもって、これまた例によって、米ワーナーのサイトからの直接購入は不可能。メーカーから直で買えば、6本パックなら50%offのサービスがあるのに、残念ながらそれは使えず、米アマゾンで割引なしで買うしかなし。
 というわけで、とりあえず二本鑑賞しました。

 まず、『ターザンと消えた探検家 Tarzan and the Lost Safari』から。
 これは何でも、ターザン映画史上初の、ワイドスクリーン&総天然色作品だそうです。というわけで、ゴードン・スコット君はターザン役なので、シャツを着てるシーンなんか一秒たりともなく、徹頭徹尾腰布一丁の半裸でゴザイまして、その滑らかな筋肉や艶やかな肌が、美麗なカラーでたっぷり拝めます。
 いや、これ以前の白黒版と比べると、カラーのターザンは何だかなまめかしいなぁ(笑)。
 ヘラクレスとかを演ると、ちょい筋量が足りない感じがしちゃうスコット君ですが、ワイズミューラーやバーカーと比べると、やっぱ腕とか太いですね。アスリート系とビルダー系の中間で、ビーフケーキって感じ。

 話の方は、いたってシンプル。
 ジャングルに墜落した飛行機の乗客が、蛮族に追われながら脱出するのを、ターザンが助ける……ってな内容なんですが、この脱出行、ビックリするくらいマッタリ模様(笑)。危機また危機でスリルとサスペンスがテンコモリかと思いきや、さしたるビッグ・トラブルもなく、ゾウやらカバやらキリンやらを見物しながら、まるでアフリカ観光旅行ハイキングみたいなノンビリさ加減。
 人間ドラマも、いちおう悪党がいたりとかもするんですが、メインに描かれるのは、そういった極限状態のヒリヒリ系ではなく、パイロットの夫と不仲だったヒロインが、自分たちを助けてくれた逞しい裸の男に心惹かれてしまい……ってな、ヨロメキ不倫劇だったりするし(笑)。

 まあ、現代の目で見てしまうと、何ともノンビリとした映画に見えますが、1950年代だったら、総天然色の大画面で、アフリカの風物とか原住民の踊りなんかを見るだけでも、充分スペクタキュラーで、立派に映画の「売り」になったんでしょうね、きっと。
 前述したように、スコット君のヌードはふんだんに拝めますが、責め場はなし。

 お次は、『ターザンの激闘 Tarzan’s Fight for Life』。
 これは、『消えた探検家』と比べると、ドラマはもうちょっと複雑だし、起伏もあります。
 舞台は、ジャングルにある白人医師の診療所。呪術医療に頼る原住民を、近代医学で救おうとしているんですが、呪術医はそれが面白くない。村の女が重傷を負って、診療所に運び込まれたものの、呪術医は親族が輸血に行くのを禁じ、そのため女はあえなく死んでしまう。また、若い酋長が病気になり、その母親が呪術医よりも診療所を頼ろうとしていることを知り、激怒する。
 一方ターザンは、チータが体温計に悪戯をしたせいで、ジェーンが瀕死の高熱だと思い込んでしまい、ボーイともどもジェーンを診療所に運ぶ。呪術医は、死んでしまった女性の夫に催眠術をかけ、報復としてジェーンを暗殺するよう命令し、更に、自分の威信を取り戻すために、診療所から薬を盗んで若い酋長を治療しようと企むのだが、間違って治療薬ではなく毒薬を盗んでしまう。
 ボーイの機転で、ジェーンは危機一髪で救われるのだが、呪術医は既に毒薬を手に若い酋長の元へ向かっていた。それを止めようと、ターザンは後を追うのだが、呪術師の仕組んだ罠に落ちて捕らえられ、牢獄に入れられライオンの餌にされるか、それとも生きたまま心臓をえぐり取られそうになる……! てな感じで、なかなか楽しめるオハナシです。

 ボーイが作ったカヌーでジェーンを診療所に運ぼうとすると、途中に滝で行く手を阻まれたりとか、滝を迂回して途中にジェーンが独りになると、そこに危険な大蛇が現れるとか、若い酋長の家来が呪術医に捕まって拷問されているのを、ボーイが発見してターザンが救出するとか、スリルとアクションをマメに盛り込みつつ、かつチータ絡みで笑いもバッチリとゆー感じで、いかにもプログラム・ピクチャー的な、オーソドックスな娯楽感がイッパイ。

 んでもって嬉しいことに、責め場もなかなか良くて、こんな感じ。
 ターザンは、滝を昇って疲れたところを、敵に襲われ棍棒で殴られて昏倒。そのまま木枠に縛られてジャングルを運ばれた後、二艘のカヌーの間に磔状態で川下り。ここ、絵面的に、かなりグッときます(笑)。ただ、惜しむらくは、カヌーのシーンで縛られているのは、おそらくスコット君ではなくボディ・ダブルの人。この映画、アフリカのロケシーンでは、どうもスコット君ではなくこの代役さんが、全て演じてるっぽいので。
 村に着いたターザンは、そのまま首枷横木両手縛りで引き回し。ここもまた、グッとくる(笑)。
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 首枷のまま、ライオンのいる檻に入れられた後は、お約束通り、拘束から逃れるための身悶えという名の筋肉ショー。
 直截的な拷問こそないものの、この一連のシークエンスを、けっこう時間もタップリとって見せてくれるので、責め場的な満足度はかなり高し。
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 もう一ヶ所、若い酋長の家来(若い黒人)が捕まって拷問されるシーンもありますが、これは椅子に縛られて焼いた槍の穂先で脅されるのと、殴打されるのをロングで見せる程度。
 マッチョでは、悪役の黒人戦士が、カーク・ダグラス版『スパルタクス』にも出ていたウディ・ストロードという男優さんで、これまたなかなか見事な筋肉を見せてくれます。

日本語字幕付きで見られることを期待してるローマもの、二本

 まずは、これ。

 スパルタカスもののテレビシリーズ、”Spartacus: Blood and Sand”の予告編。
 本国アメリカでも、まだ今年の一月に始まったばかりらしいので、ソフト化とかはまだまだ先でしょうけど、予告編見るだけでも、実にオイシソウな内容(笑)。
 お次は、こちら。

 今年の4月に米英で公開予定の映画、”Centurion”の予告編。
 12世紀の初め、ブリテン島でピクト人に敗れたローマ軍団の生き残り7人が、囚われの将軍を救出するアクション・アドベンチャーっぽい。『ディセント』のニール・マーシャル監督、『300』のマイケル・ファスベンダー主演。
 とゆーわけで、どちらも本国でソフト化されたら、輸入DVD購入もやぶさかではないんですが、やはり日本語字幕付きで見たいところ。
 無事に日本でも公開、もしくはソフト化されますように。南無南無。
【追記】”Centurion”は日本盤DVDが出ました!

センチュリオン [DVD] センチュリオン [DVD]
価格:¥ 3,990(税込)
発売日:2011-01-28

【追記】そして『スパルタカス』も。
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最近見えた映画

 見た映画じゃなくて見えた映画です、お間違えのなきよう。

ウィンタースリーパー [DVD] 『ウィンタースリーパー』 (1997)トム・ティクヴァ
“Winterschläfer” (1997) Tom Tykwer

 一本。
 マルコ役のハイノ・フェルヒという男優さん。肉付きの良いハンク系で、厚い胸板、胸毛もモジャモジャ。
 同居人が帰宅したら、セックスの最中に痴話喧嘩をしていたらしく、女の後を追ってマッパのままブラブラと。

フランチェスコ ~ノーカット完全版~ [DVD] 『フランチェスコ』(1989)リリアーナ・カヴァーニ
“Francesco” (1989) Liliana Cavani

 いっぱい。
 雪原と交接する若かりし頃のミッキー・ローク、水浴びするフランチェスコ会修道士の方々、戦争に負けて捕虜になり全裸に剥かれたアッシジの若人たちなど、様々な殿方のがブラブラと。
 あと、全裸死体の山なんてゆーインパクト大なヴィジュアルもあるので、残酷好きの方にもオススメ。
 以上(笑)。
 マジメな映画感想文を期待された方はゴメンナサイ。
 でも、どっちも見応えのある映画でしたよ。

ゲイエロ3とか

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 ポット出版さんから出させていただいている『日本のゲイ・エロティック・アート』シリーズ、「vol.3」の図版セレクト&ページネーション作業が、ようやく終了。
 上の図版は「vol.3」収録作家の中から、私のマエストロのお一人、武内条二先生の作品。この作品は、ページ数等の関係で、泣く泣く収録を断念したもののうちの一つです。

 武内先生の作品に関しては、私の呼びかけに応えてくださった皆様のご協力のおかげで、本当に充実した収録作品候補を集められました。繰り返し、厚く御礼を申し上げます。
 結果、この作品のように、どうしても収録しきれない作品も多々出てきてしまいましたが、それを受けて、少しでも多くの作品を収録したいと、急遽全体の構成も見直しました。
 まだ先のことではありますが、無事に出版までこぎ着けた暁には、どうぞお楽しみに。

 それにしても、これだけのクオリティの作品で、それも大量に存在していたにも関わらず、結局「アドン」「ムルム」当時の原画は、一枚も発見できなかったというのが、何とも口惜しい。
 これまで、様々なアーティストの作品を調べてきましたが、散逸どころか存在の確認もできないとは、最悪のパターンです。
 ただ、今までの私の経験から、出版社や当時の関係者に問い合わせて、「ウチにはない」という返事だったものの、実のところ、それは「存在しない」のではなかった、ということもあります。
 どういうことかと言うと、面倒くさいからか、あるいは厄介だからなのか、理由はともかく、「調べない」か、「調べる気がない」ために、「ウチには『ない』よ」という返事になり、それが後になって、別ルートから「実は『あった』」ということが、判明したというケースもあります。
 こういった経緯は、私としてはあまり愉快な気持ちはしませんが、それでも本当に「消失している」よりは、まだマシです。

 願わくば、武内先生の作品も、こういった形でもいいので、いつかどこかから出てきてくれますように。

ビッケとかケレルとか

 最近、『小さなバイキングビッケ』がドイツで実写映画化されて大入りだったという話を聞き、「へ〜、どんな感じだろ?」と思ってYouTubeで探してみたら、難なく予告編が見つかったんですけど、それ見てビックリ。
 ひゃ〜、ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督作品の常連で、彼のボーイフレンドでもあった、ギュンター・カウフマンが出てるじゃないスか!
 いやぁ、『ケレル』の時のノノ役は、実にセクシーで良かったなぁ。ケレル役のブラッド・デイヴィスを、後ろからアナ○○ァックするシーンなんて、ヨダレのシズル感とか生々しくて、下手なゲイAVよりよっぽどエロかったっけ。
 というわけで、手元に、Schirmer Art Books刊の『ケレル』のフィルムブックがあるので、ちょいと該当シーンを3ページほどご紹介。
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 もひとつ、Edition Braus刊の『ケレル』の画集から、ノノを描いたドローイングを1ページ。画家は、ユルゲン・ドレーガー。
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 因みに『ケレル』ってのは、ジャン・ジュネの小説『ブレストの乱暴者』を、ドイツの映画監督ライナー・ヴェルナー・ファスビンダーが1982年に映画化したもので、ジュネはゲイ、ファスビンダーもゲイ、小説の内容もゲイということで、しかもファスビンダーはこれが遺作となったため、当時の日本のゲイ雑誌や映画雑誌で紹介はされていたものの、なかなか日本公開されなかったんですな。
 で、私や私の友人のゲイの間では「見たい、見たい、見たい!」という熱が高まり、かといって今みたいにネット経由で何でも手に入る時代じゃないし、でも、少しでもその香りを求めて、関連商品をいろいろと探し回っては買い求めたもんです。
 画像をアップした画集も、そんなときに買ったものの一つ。因みに、ハードカバー限定400部の画家の直筆サイン入りのバージョンで、私の持っているのはエディション・ナンバー374。この画集は、確か非限定のソフトカバーも出ていて、銀座の洋書店イエナで見た記憶があります。
 フィルムブックの方は、当時友だちが買ったものを見せてもらい、自分も欲しいな〜、とずっと思っていたところ、それからずっと後になって、映画も無事に見られてから、確か京都の洋書屋さんで見つけてゲットしたんだったと思います。
 他にも、アナログのサントラLPとか、ポストカードとか、色々買いましたっけ。

 肝心の映画の方はというと、なかなか日本公開されない間に、確かドイツ文化センターだったか大使館だったかで、ビデオ上映があるってんで、前述の友だちと一緒に大喜びで見に行ったのが最初でした。場所は、青山一丁目あたりだったような気がするんだけど、当時の私は、まだ東京の地理に疎かったもんで、ちょっと記憶に自信なし。
 で、この初鑑賞に関しては、念願かなって見られたのはいいけれど、そもそも難解な映画な上に字幕なしだったもんで、正直もうナニガナンダカてんで判らず(笑)。色彩美とホモエロスとアンニュイな雰囲気だけ味わった……ってなところでしょうか。
 それから後、無事に日本公開もされて、これは確か、新宿のシネマスクェア東急だったと思うけど、『ファスビンダーのケレル』という邦題で、ようやく日本語字幕付きで見ることができました。
 この、映画の存在を知ってから、実際に見られるまでの間が、何だかずいぶん開いていたような気がするんですけど、allcinemaで調べたら、たかだか3年しか開いていないんですな。ちょっとビックリ。この歳になって振り返ると、若い頃の二、三年って、今の五、六年くらいの感覚に感じられるのは、何故だろう?

 ソフトの方は、輸入VHSを買って、ネット時代になってからアメリカ盤DVDを取り寄せて、前にジャン・ジュネの『愛の唄』について書いたときには、まだ未発売だった日本盤DVDも、それから後に無事に発売されたので、もちろん購入しています。
 でも、いま確認したら、もう廃盤になってるのね……。

Dvd_querelle 『ケレル』(1982)ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー
“Querelle” (1982) Rainer Werner Fassbinder

 原作本の方は、私が買ったときはハードカバーの単行本だけだったけど、今は文庫で出ているんですな。

ブレストの乱暴者 (河出文庫) ブレストの乱暴者 (河出文庫)
価格:¥ 1,260(税込)
発売日:2002-12

 そんなこんなで、この『ケレル』は個人的な大偏愛映画の一本だったんですが、う〜ん、まさか『小さなバイキングビッケ』で、この映画を思い出すとは、夢にも思わんかった(笑)。
 というわけで、その実写版『ビッケ』の予告編が、こちら。

 で、中盤ちょっと過ぎに出てくる、上半身裸で巨体のヒゲ男(重みで船が傾いちゃったりしてるヤツ)が、現在のギュンター・カウフマン。
 ……太っちゃって、まあ(笑)。

バローズとかハワードとか

 だいぶ前に聞いて以来、楽しみにしている、エドガー・ライス・バローズの「火星シリーズ」の映画化。
 監督がロバート・ロドリゲス、ケリー・コンラン、ジョン・ファヴローと二転三転したり、ようやくアンドリュー・スタントンに決まったけど、実写かアニメーションかが明かではないとか、でもメインのキャスティングが発表されてきたとかで、まだけっこう期待していいものやら、身構えておいた方がいいものやら、ちょっとヨーワカランのですが、そんなときに、YouTubeでショッキングな映像を発見。

 げ、あれだけ待たせておいて、このチープさかよ!? と、一瞬アタマがマッシロになりましたが、よく読んだら、B級バッタもんビデオ映画専門のアサイラム制作の別作品(原作は同じだけど)の予告編だった。
 まあ、そーゆーことだったら、これはこれで楽しみです(笑)。ホモ狙いみたいな短髪のジョン・カーターは、けっこう見られる身体してるし、デジャー・ソリスがトレイシー・ローズだってのも、役柄云々は置いといて、彼女自体は個人的に応援したい出自の女優さんだし。
 というわけで、バローズ云々は忘れて、いまどき珍しい新作ソード&サンダル meets Sci-fiもののB級作品として、今から見る気マンマンに(笑)。とりあえず、腰布マッチョもの好きとしては、日本盤DVDが出たら買っちゃいそう(笑)。
 しかし、これでもし本命の劇場版もショボかったら、泣くぞ。
 いっぽう、ロバート・E・ハワードの「ソロモン・ケイン」シリーズの映画版予告編も。

 このシリーズに関しては、邦訳がないのでよく知らないんですけど、予告編の出来は、さっきのアサイラム版火星よりずっとマトモなので、フツーに期待しちゃいますね。
 ただ、監督のマイケル・J・バセットって、『デス・フロント』はそこそこ面白くて好きだったけど、その次の『処刑島』はウンコみたいな出来だったから……そこいらへんが、ちと不安要素。
 ハワードというと、IMDbによると「コナン」の新作も、マーカス・ニスペル監督で進んでいるそうで、画面のムードとかいう点では、これはいいかも。
 正直私は、ジョン・ミリアス版のカラッとした空気感が、あんまりピンとこなかったんで。軽い娯楽に徹しているという点で、まだリチャード・フライシャー版の方が好き。
 ただ、ニスペルはニスペルで、ムードに流れすぎで演出がタルくなる傾向はあるんですが。
 ラルフ・モーラー主演のTV版は……論外(笑)。サブキャラの、口のきけないスキンでヒゲのマッチョなコはカワイかったけど(笑)。

【追記】どっちも日本盤DVD出ました。
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『THE KING 序章〜アユタヤの若き英雄/アユタヤの勝利と栄光』

THE KING 序章~アユタヤの若き英雄~/~アユタヤの勝利と栄光~ [DVD] 『THE KING 序章〜アユタヤの若き英雄/アユタヤの勝利と栄光』(2007)チャートリーチャルーム・ユコーン
“King Naresuan” (2007) Chatrichalerm Yukol

 前に何度か紹介している、タイ製歴史スペクタクル映画『キング・ナレスワン』の日本盤DVDを無事全編鑑賞したので、追加の感想をば。

 ストーリーは、16世紀中頃のアユタヤ(タイ)とホンサワディ(ビルマ)の戦いを背景に、ピッサヌローク(タイ)の王子でありながら、幼くして人質としてホンサワディに連れていかれたナレスワン王子が、実は人格者であるホンサワディ王や、その師でもある僧侶に導かれ、また、虜囚であるシャム族(タイ人)の少年や孤児の少女と友情を育み、やがて聡明で逞しい若者に成長して、アユタヤの独立を目指して立ち上がる……といった内容。

 第1部『アユタヤの若き英雄』はホンサワディの人質となった少年期を、第2部『アユタヤの勝利と栄光』は逞しく成人した王子の戦いを描いています。
 まあ、前にも書きましたが、とにかくセットやモブの物量のすごさと、衣装や小道具の豪華さに圧倒されます。もちろんCGIも使っているんですけど、それでも町一つ丸々作ってしまったような規模の、ホンサワディやアユタヤのオープン・セットは、往年のハリウッド・スペクタクル映画を彷彿とさせる大スケール。
 往年のスペクタクル映画を彷彿とさせるという意味では、演出も同様です。オーセンティックで落ち着いた感じで、悪く言えばちょっと古めの感じ。
 ドラマ的には、歴史物の常として、叙事とキャラクター・ドラマが並行して描かれるんですが、第1部に限って言うと、ちょっと叙事をおさえることで精一杯で、キャラクターの掘り下げが不足していたり、モノガタリの流れがぎこちなくなってしまっているきらいはあります。
 というのは、このドラマにおける勢力分布は、アユタヤ対ホンサワディという二項対立ではなく、そこに、アユタヤとピッサヌロークという二つのタイの王家の思惑も絡んだ三つ巴になっているんですな。そして、主人公のナレスワン王子は自由に動けない捕虜なので、そういったパワーゲームからすると蚊帳の外の存在。結果、モノガタリ全体の牽引力は、主人公の成長劇、主人公が絡まないパワーゲーム、叙事の説明という3つの要素に、どうしても分散してしまう。
 とはいえ、主人公を含む子供たちの日常劇は楽しいし、様々な思惑が交錯する人間ドラマとか、叙事に関する様々なエピソードとかは面白いし、ホンサワディ王や僧侶のキャラは魅力的だし、ナレスワン王子と友達になる少女マニーチャンは超カワイイし……と、ストーリー的な魅力には事欠きません。

 第2部になると、ナレスワン王子は成人して行動的な存在になり、今度は立派にストーリーの中軸となるので、前述したような作劇的なぎこちなさは消えます。
 また、第1部から成長して続投するキャラクターに加え、新しいキャラクターも加わり、しかもそれらがいずれも魅力的で良く立っているので、キャラクター・ドラマからくるエモーションもぐっと盛り上がります。古典的な恋愛劇も、これはこれでまた良きかな。
 また、バトル・シーンのような大かがりな見せ場も、よりいっそう大規模で内容も凝ったものになるので、そういった見応えや娯楽性も倍増。
 エピソードの展開と、キャラクター・ドラマのあれこれと、視覚的な見応えという、史劇らしい見所が三拍子揃った、文句なしの出来映えです。
 それに何てったって、成長したナレスワン王子が超カッコイイし(笑)。
 そんなこんなで第2部を堪能すると、どうしても「続きは?」と思ってしまうんですが(この映画は全3部作を予定しています)、その第3部の公開が本国のタイでも遅れていて、本来なら今年の夏に公開予定だったのが、公式サイトを見てもまだ何も情報なし。
 ちゃんと完成するのかしらん……と不安に思っていたら、何とYouTubeで第3部の予告編を発見! 公式サイトにはまだないのに……流出モノ?(笑)
 というわけで、とりあえず貼っておきませう。

 で、これを見て何がビックリしたかって……。
 王様(あ、まだ王子様か)、なんかすっげ〜バルクアップしてません??? 第2部と体型が別人なんですけど!
 とゆーわけで、楽しみがますます増えたんですけど、しかし何が不安かって、この第3部を果たして日本語字幕付きで無事に見られるのかどうかってことです。
 ちゃんと最後までDVD出してくださいよ、メーカーさん!