個展〜2013・ニューヨーク(&トロントTCAFとニューヨーク・プレス紀行)」カテゴリーアーカイブ

トロント〜ニューヨーク紀行(5)

5月16日
 今日は一日まるごとオフ。
 というわけで、メトロポリタン美術館とセントラルパークで一日過ごす。
 休日、休日(笑)。

5月17日
 Butt Magazineのインタビュー。ただしSkype使用。
 チップの家で、アンに横に付いてもらい、パソコン越しにインタビューを受けていたところ、チップの家政婦さんがやってくる。何も聞いていなかったので、私もアンもちょっとビックリ。
 家政婦さんが後ろで掃除をする中、インタビュー開始。ところが相手がButt Magazineなので、質問内容がかなりきわどい。で、私がチンコだの肛門だの先走りだのと言うのを、アンが英語で通訳してくれているところに、後ろからガチャンという音。家政婦さんが何かを落としたのか……一瞬凍りつく我々。そして大爆笑(笑)。
 その話を後でチップにしたところ「うわ、彼女がくるのは来週だとばかり思ってた!」と青ざめておりました。ごめん、チップ(笑)。

 月末から個展をやるチェルシーのギャラリー、Shoot the Lobsterへ打ち合わせに。
 アン、ダンと一緒に、日本から持参した原画を並べ、展示のレイアウト等を決める。
 このニューヨーク個展の詳細は、こちら
 ダンとはここでお別れ。

 打ち合わせを終え、夕方まで時間があるので、グラウンド・ゼロを見に行くことにする。
 9/11メモリアムは、予約をしていなかったのでどうしようかと思ったけれど、予約なしでも見られるということで、列に並んでドネーションして中へ。
 前に写真で見たときは、正直なんとも思わなかったメモリアムだったけど、いざ実物を見たら、これが実に素晴らしい。シンプルで荘厳、そして恐ろしさを感じさせる、見事な設計。感銘しきり。

 夕方、アンとチップと一緒に、彼のパートナー、サンディの家へ。サンディは留守。
 これがまた、歴史ある建物を改装した高級集合住宅で、ロビーに入るなり「博物館ですか?」ってな感じだし、サンディの家も「美術館ですか?」ってな具合。
 私からすると、今泊めて貰っているチップの家も、充分以上にゴージャスだけど、このサンディの家はそれを上回る豪華さ。チップの趣味がポップカルチャーなのに対して、サンディの趣味は完全にクラシック。部屋中、美術品と骨董品だらけ。エドワード・ホッパーのヌード・デッサンまで飾ってあるし、トイレを借りたら、バスルームのドアが真鍮の枠にマジック・ランタン用の古いガラス製のスライドがびっしりはめ込まれ……といった具合。
 なんかチップとサンディが同居しない理由も判るような。これだけ趣味性と美意識がはっきりしていて、しかし方向性が全く違う2人が、同じ家に住んだらインテリアがどうなるのか、見当もつかない。アンにそう言ったら、彼女も同意してくれた(笑)。
 遅れて、クリスチャンとクリスチャン兄も合流。
 食前の一杯をいただいた後(とはいえ私は飲めないので炭酸水)、皆で揃って夕飯へ。

 夕飯は、今ニューヨークでとても人気だというチャイニーズ・レストランへ。
 何でも入るのに二時間待ちだとかいうのを、アンの口利きですんなりと。オーナーの奥さんと友人だそうな。ダンが「その日は予定があるから行けない!」と悔しがっていたところを見ると、本当に人気店らしい(笑)。
 料理はぶっちゃけ中華ではなく、中華、インド、タイなど様々なエッセンスを取り入れた創作料理といった趣。日本だったら「無国籍エスニック料理」とでも呼ばれそう。いずれもスパイシーで、それがちょっと今までに食べたことがないようなオリジナリティあふれる味。そして美味しい。人気のほども納得。
 とはいえ店自体は小さく、内装も下北沢あたりにありそうな、ゴチャッとした穴蔵バー的な雰囲気。店内が暗く、クラブばりの音響でレゲエやメタルがガンガンかかり、更に大声の英会話が飛び交うという環境は、私的にはちょっと辛いものがありましたが、とにかく料理は独特の魅力。
 食事の後、どっかに飲みに行こうと誘われたけれど、ちょっと疲れが溜まっていたので、私はパス。
 地下鉄に乗って帰宿。

5月18日
 夕方までオフなので、グッゲンハイム美術館とMoMAをハシゴ。
 そしたら流石に疲れてクタクタに。歳を考えるべきだった(笑)。いったんチップの家に帰って、約束の時間まで仮眠。

 アン、チップと一緒に、ヴィレッジのフレンチ・レストランでディナー。
 その後、ゲイバー巡りへ。
 まず最初に行ったのは、野郎系っぽい店。客は疎ら。
 ニューヨーク在住のカズさん、サイン会にも来てくれたレザーシーンに詳しいというソーさんと合流。
 場所を変えて、別の店へ。こっちは客でごった返しており、ベア系も多し。
 ところがモニターで映画『スーパーマンII』をやっていて、案の定チップの目はそれに釘付けに。私も、数日前に観光に行ったナイアガラとかが出てくるもんだから、つい一緒になって鑑賞。で、ここがどーだ、あそこがどーだ、アメコミ映画で何が好きだ、ウォッチメンをどう思った……などとオタク話をしてしまい、何しにゲイバーに来てるんだ、私ら(笑)。
 そこに、カズさん、ソーさん、共通の友人である、アーティストのネイランド・ブレイクさんが合流。
 場所を変えることになり、先約があったカズさんは離脱。

 お次はピアノ・バー。店の中央にピアノがあり、ピアニストがそれでブロードウェイ・ミュージカル・ナンバーを弾き語りしていて、それに客(男女混合)が大声で合唱しているという、何とも不思議な店。
 店に入るなり、チップとアンも大声で歌い出す。曲は『ウェストサイド物語』『RENT』『コーラスライン』等なので(この曲は知らないな〜と思っていたら、アンが『ピピン』だと教えてくれた)私も知ってはいるものの、歌詞までは覚えていないので合唱には加われず。
 なんだかとっても「ニューヨークのゲイバー!」って感じ(笑)。
 ピアノ・バーには入らなかったソー、ネイランドと、アイスクリーム屋の前で再び合流。その名もBig Gay Ice Cream Shopという店。ネイランドが自分の本をプレゼントしてくれたので、店の前のベンチで互いの本にサイン交換。
NYCneyland
 そして、せっかくなので記念写真を…とかやっていたら、いきなり通りすがりの女性が飛び入り参加。
NYCicecream
 この一番左の女性。十年来の仲良しみたいな表情で笑ってますが、まったくの赤の他人です(笑)。う〜ん、アメリカン(笑)。
 そして私ら一行も、通行人にカメラをお願いして、花屋の前で記念写真。左から、アン、ソー、私、チップ、ネイランド。
NYCflower

 そしてもう一件、ゲイ・ライツの歴史に残る店Stonewall Innへ。ストーンウォール暴動の現場となった店に、自分が来たのかとかと思うと、実に感慨深いものあり。
 奥のソファ席に陣取って、じっくり歓談……のはずが、なぜかいつの間にか、きゃりー・ぱみゅぱみゅの話に。う〜むむ、この場所でこの話題は、実にシュール(笑)。しかも、こんな面子で(笑)。

 そうこうしている間に、いいかげん深夜もまわったので帰ることにする。遅いから、もうタクシー使用。

5月19日
 ハフィントン・ポストのインタビュー。
 質問がわりと散漫な感じで、正直これでいったいどんな記事にするんだろう……と思わされましたが、後にアップされた記事を読んだら、なんか取材者の事前印象を確認するみたいな内容だった。
 インタビュー中、蒸し暑かったので扇子を使っていたら、写真撮影の際に「さっきの扇子を構えてくれないか」というリクエスト。で、冗談で「こう?」とか変なポーズをとったら、それが記事に使われてしまった。教訓。写真を撮られる際はふざけるべからず。
 そんな変な写真が見られる記事は、こちら
 記事に載っていない写真は、またまたグラハムのTumblrで見られます。こちら

 インタビューの後、レザーバーEagleのハッピーアワーに。ここでチップと待ち合わせ。
 ハッピーアワーはドレスコードなしなので、すんなり入れた。ミックスもOKらしく、緊張していたアンも無事入店。
 内装はSMちっくで素敵だけど、時間が時間なだけに店は空いていて、10人ほどいる客のは、レザーマン2人、警官コスプレが1人いたものの、後はいたってカジュアルな装い。そんな中、サイン会に来てくれた人から声を掛けられる。
 やがてチップもやってきて、少ししてからディナーの店へ移動。
 ニューヨーク最後の夜は、アンのバースデー・ディナーでメキシコ料理店へ。チップ、アン、クリスチャン、クリスチャン兄、他、アンの友人たち。先日の無国籍チャイニーズ・レストランのオーナー夫妻も。
 とてもおしゃれな店で、出てくる料理も、私の知ってる「タコス! チリコンカン!」みたいなメキシカンとはだいぶ違う、凝った味付け&おしゃれな盛りつけ。とても美味しかった。
 食事の後、一行はまた別の店にハシゴするのを、私は荷造りもあるので、先に失礼することにする。アンともチップとも、ここでお別れ。

5月20日
 朝、タクシーを捕まえて空港へ。行き同様にトロント乗り継ぎなので、空港もラガーディア空港。近くてありがたい。
 そして何事もなく飛行機に乗って、21日に無事帰国。
 いやぁ、初カナダ&約20年ぶりのニューヨーク、楽しかった!
 とはいえ、予想以上に色々と忙しく、せっかく旅行中に読む本をKindle Paper Whiteに3冊入れていったのに、丸々2冊は手つかずのまま帰国してしまった(笑)。

トロント〜ニューヨーク紀行(4)

5月13日
 トロントからニューヨークへ飛行機で移動。
 さっそく予約をとっておいてくれたダウンタウンのホテルにチェックインするが、ここで問題発生。
 というのも、そこがホテルとは名ばかりの、広いフロアをパーテーションで仕切り、その中にベッドが一つ、天井部分は木の格子で蓋がしてあるておいう部屋(とも呼べない感じだが)で、もちろんシャワーとトイレは共同。うむむむ、雰囲気自体は悪くないので、一人で気楽なバックパック旅行とかだったら、こーゆー宿ももまた楽しだけど、今回は違うし……。
 現地スタッフも、どういう宿なのかちゃんと確認せずに予約したようで、夕飯に迎えに来てくれたアンとグラハムとクリスチャンに部屋を見せたら、彼らもびっくりギョーテン。タイムリーな話題ということもあって、アンなんか「従軍慰安婦の部屋みたい!」と(笑)。ただ、若いグラハムは「クール!」と言ってた(笑)。
 急ぎ対処をと、携帯であちこちに連絡をとるアン。結局、明日以降の宿は何とかするから、今日だけこの宿で我慢ということに。
 夕飯は4人でイタリアン。地元ニューヨーカーのオススメだけあって、味は上々。
 その後、ちょっとだけゲイバーに寄ってから、宿に戻る。
 流石、天井があって無いに等しいので、周囲からイビキの三重奏が(笑)。

5月14日
 けっきょく宿は、急なこともあってなかなか適当なホテルが見つからず、とりあえず数日、チップが家に泊めてくれることに。その間チップは、パートナーの家(20年来のパートナーシップながら、住居は別々というカップル)に。
 というわけで、アンと一緒にチップの家に移動。で、これがアッパーイーストにある高級ペントハウスで、まぁ入り口からして「ホテルですか?」ってな感じ。もちろんドアマンとガードマン付き。
 そして最上階にあるチップの家に行くと、これがまた「アメコミ博物館ですか?」ってな感じで、壁には額入りのアメコミ原画(私はアレックス・ロスくらいしか判らなかったけど、桑田二郎の原画もありました)がずらり、天井まである本棚兼サイドボードには、ヴィンテージのアメコミ玩具(主にバットマン)がびっしり。
 部屋にある家具は主にガラス製で、しかもいろいろ玩具やらレトロオブジェやらが綺麗にレイアウトされて並べられているので、なんか身動きするのもおっかなびっくり、水道の蛇口なんかオシャレ過ぎて、水の出し方が判らないくらい(笑)。
 最初の話では、ここに二日ほど泊まって、それから改めて別のホテルに移るという話だったけれど、最終的にはチップの好意で、ニューヨーク滞在は最終日までここに泊まることに。

 そうこうするうちに、チップとアンは仕事で去り、私は夜までオフタイム。
 ペントハウスを出て、土地勘を掴むためにブラブラ散歩した後、徒歩圏内で一番近いフリック・コレクションを見に行くことにする。
 で、そのフリック・コレクションは、アメリカの鉄鋼王の個人コレクションということもあり、収蔵数自体は大手美術館には全く及ばないものの、1つ1つのクオリティが素晴らしかった。中世美術から、ルネサンス、バロック、マニエリスム、ロココあたりまでをメインに、プラス印象派などの近代も少々……というラインナップなのだが、フリックさんはお金持ちなだけでなく審美眼も確かな人だったのか、とにかく一点一点が粒ぞろい。

 夜はチップの家で内輪のパーティ。
 チップ、アン、グラハム、ダン、クリスチャンの他、チップのパートナーのサンディ(これがまたイェール大学の教授だか何かで、ナボコフの研究やら詩作やら戯曲やらを手掛ける大物らしく、後日私は彼の家にも行き、チップの家以上のゴージャスさに仰天することになる)、クリスチャンのお兄さん、その他、出版関係者やら服飾関係者やら、色々と集合。次から次へと紹介されるけれど、ちっとも名前が覚えられない(笑)。
 とりあえず、東京にも支店があるというファッションブランド、Mishka NYCのグレッグ・リヴェラさんと一緒に撮った写真。
NYCmishka
 チップの家には素敵なテラスもあるので、夜景を見ながらデリバリーのピザ(アメリカ!)などで歓談。
 そして深夜に皆さんが帰り、私は1人で、昨夜とは天と地ほどかけ離れた、ゴージャスなベッドで1人就寝。

5月15日
 目覚ましをかけずに寝ていたら、昼過ぎまで寝てしまった。
 夕方の書店イベントまでオフなので、外に出て遅めのブランチを食べた後、やはり徒歩圏内にあるホイットニー美術館へ。
 ホイットニーの収蔵品はアメリカのモダンアートなので、もう一つ私の趣味とは離れたところがあるけれど、それでも楽しく見物。企画展でゲイ関係やAIDS関係を見られたのも収穫。

 時間になったので、地下鉄を乗り継ぎミートパッキング・ディストリクトにあるホテル(だか何だか)The Standard, High Lineへ。再開発系のおしゃれエリア。
 建物の近くでアンが待っていてくれて、「熊さんいっぱい来てるよ!」とはしゃぎながら会場へ。本屋かと思っていたら、なんかセレクトショップみたいな感じの店。
 チップと並んで座って、サイン会スタート。撮影はアン。
NYCstandard
 メール等で長い付き合いのゲイ・アーティスト、ロブ・クラークとも会えました。
NYCrobclark
 なんと父娘で一緒に来て、サインも連名でという、またまた今までなかったパターンも。お父さんが「うちはリベラルなんだ」と言っていたけど(笑)。
NYCfather&daughter
 となりでチップが「客層が羨ましい。自分のサイン会はスキニーな美大生とかばっかで、こんなベアーだらけじゃない」とか、わけのわからんことを(笑)。実際お客さんは、八割方ゲイ男性という感じ。
 サイン会に来てくれたコンテストビルダーの大胸筋を、私が下からぐいっとやってる記念写真を、自分のカメラで撮って貰いそびれたのは痛恨の失策(笑)。
 何のかんので3時間ずっと座ってサインしてたし、ちょいと立ち上がって記念撮影に興じていたりすると、アンから「ごめん、列が出来ちゃってるから席に戻って!」なんて言われたりしたので、盛況だったんだと思います。
 サイン会の写真は、グラハムもTumblrにもいろいろあり。こちら。一番下の個性的なファッションの方など、「流石ニューヨーク!」と思ったり。
 合間に取材も一つ受けました。記事はこちら。私は「気さくなパンダ・ベアー(因みにアジア人の熊系ゲイのことをパンダ・ベアーと言います)」だそうですよ(笑)。一枚目のチップと一緒の写真、自分でもお気に入り。

 サイン会の後は、チップ、アン、グラハム、ダンと一緒に、同じホテルのおしゃれ系レストランでディナー。おしゃれなのはいいけど、どうしてこう店内が暗いんだ……とか、内装がおしゃれすぎて、トイレの場所まで判りにくい……とか、いろいろ思うところはありながらも、ディナー自体は楽しく終了。
 グラハムはシカゴに帰るので、今日でお別れ。路上でがっつりハグ。
 地下鉄に乗って帰宿。

トロント〜ニューヨーク紀行(3)

5月12日
 TCAF二日目(そして最終日)。
 今日は朝から、またチップと一緒に図書館地下のコーナーでサイン会。ところがチップが来ない(笑)。仕方ないので一人でサインする。
 このとき来てくれた、「SM-Z」とかのバックナンバーを山のように持ってきてくれたファンの方が、「自分は背中にすごいタトゥーを入れているんだ。見たい?」と言うので、「見せて!」と言ったら、シャツを脱いでくれました。
 うん、確かにかなりエクストリーム。すごい。
TCAFtattoo
 結局チップは最後まで現れず。後で聞いたところによると、彼には連絡がいってなかったんだそうな(汗)。
 サイン会の写真は、前日分と合わせて、グラハムのTumblrにもうちょっとアップされています。こちら

 再びPicture Boxのブースに入って、販売促進&サインなど。
 Tシャツの売れ行きが上々で、用意していたサイズのうち、SとMは昨日のうちに売り切れてしまいました。
 昨日買ったTシャツを早速着てきてくれる方も多く、嬉しいかぎり。
TCAFmanintshirt
 グラハムのTumblrにも、そんなTシャツ着用写真いろいろあり。こちら

 作家同士の交流もいろいろあって、例えば以前”Thickness”で同じ誌面に載ったコミック作家エディ・フェイクと会えたり……
TCAFeddiefake
 ブースがお向かいだった作家さんJ.B(実はグラハムと一緒に、彼のことを「かわいいね」とか話していた)と、互いの本を交換してお喋りしたり……
TCAFjb
 そして真打ち、松本大洋さんと互いの本(英語版)を交換したり。撮影はアン。
TCAFtaiyo
 もちろんサイン入り。うふふふふ。
TCAFtaiyosighn
 それ以外にも、著者や出版社の方から色々と本をいただきました。結果、帰国時にはトランクに入りきらず、機内にでかい手荷物を二つ持ち込むことに(笑)。

 ブースでサインをしていて一番ビックリしたのは、とある青年から「母の日のプレゼントにするので、サインと一緒に『(自分の名前)dedicate to(母の名前)』と入れてくれ」と頼まれたこと。眼が点になった(笑)。
 コミック・フェスというオープンな場なので、日頃私が経験している個展やサイン会などとは、訪れる客層が違っているのも興味深いところで、例えば、身なりの良い老夫婦っぽいカップルの、夫の方がしげしげと拙本を立ち読みして、そして購入……なんてのも、ちょっと今までにはないパターン。
 あと、やはりゲイ向けエロマンガという敷居の高さもあって、こちらが気になっている様子なんだけど、遠巻きに見ているだけの集団がいたり、ブースの前を三度も四度も通るんだけど、会釈とかだけして、結局本は手に取らずに引き返す男性がいたり。私の気のせいかもしれないけれど、こういう「興味はあるんだけど、アウトしていないので人前では手に取れない」といった風情のゲイも、そこそこ多かったような感じはしました。
 そんな中、まだ若そうなお嬢さんが、勇気を振り絞って本を手にとり……という感じで開いた最初のページが、よりによって『闘技場 アリーナ』の絶叫しながら脱糞しているシーンだったのは、作者ながらちょっと気の毒だったかも(笑)。
 ただ、全般的に女性の方がものおじせずに、本を手にとったり話しかけたりしてきて、男性は「いかにも!」とか「ファンです!」といった方々以外の一見さんは、ちょっと尻込み気味な印象。ここいらへんは、以前に銀座で個展をやったときの、客層や反応と似ていた感じがします。

 そんなこんなで閉会時間も近づいてきた頃、何とフランスの友人から「いま偶然トロントにいる。会いたいし、パートナーも紹介したいので、そっちへ行く!」とFacebookでメッセージ。
 そして無事再会。右が友人のロジェ、左が彼のパートナー。
TCAFfrench
 ロジェのパートナーはテヘラン出身だそうで、トロントでフランス人の友人と、彼のイラン人のパートナーと会うとは、世界は広いような狭いような……と、なんだか面白い気持ちに。
 グラハムとアンも交えて記念撮影。撮影者はロジェ。
TCAF3bearsgoldie
 題して『三匹の熊と金色巻き毛ちゃん』。嘘(笑)。

 そしてTCAF閉会。
 いや〜、疲れたけど実に楽しかった!
 夜はクロージング・パーティがあるので、ジョスリンに先導されながら、私、アン、クリスチャン、グラハム、ダン及びPicture Box一行と、松本大洋さん一行が一緒に会場へ。
 ところが開場時間を1時間間違えていたので、オープンまで近くのイタリアン・パブで時間つぶし。Picture Boxの作家二人が『鉄コン筋クリート』の大ファンということで大興奮。
 そしてパーティ会場へ移動。場所はクラブのような、ライブハウスのようなお店。
 しばらくしてクリスが現れ、壇上でスタッフと共に閉会の挨拶。
 それが終わったところで、松本大洋さん一行は会場を後に。私はアンたちと残って、遅くまで色々とお喋りなど。ジョスリンとも「TCAFが見せてくれたマンガという媒体の可能性について」など、あれこれと話す。
 実際TCAFでは、松本大洋さんや『スコット・ピルグリム』のようなメジャーなものから、オルタナティブなものやインディーズのジン、そして私のようなエロティック系まで、様々なレイヤーのマンガがフラットに同居しており、しかもファンダム系の雰囲気はほとんどなく(よってコスプレとかもなし)、そのぶん作家性やオリジナリティといったものが濃厚に出ている感じなので、本当に面白かったし刺激的でした。
 最後にクリスと記念撮影。私のTシャツを着てくれていたのが、すごく嬉しかった。撮影はアン。
TCAFchriskiss1TCAFchriskiss
 そんなこんなで、深夜も遅くなってから、ようやくホテルに戻る。
 トロントとは今夜でお別れ、明日からニューヨークです。

トロント〜ニューヨーク紀行(2)

5月11日
 TCAF初日。メイン会場はトロントの中央図書館で、ホテルから1ブロックの近さ。
 広いフロアにずらりと机が並べられていて、様々な出版社や作家がブース展開しています。
TCAFkaijo
 自分のブース(”The Passion”版元のPicture Boxのブース)に行くと、既にアン、映像作家で”The Passion”の編集者でもあるグラハム・コルベインス(以後グラハム)、Picture Box社長のダン・ナダル(以後ダン)らが、本やTシャツ(後述)を並べてスタンバイ。
 写真は左から、アン、グラハム、そして私と同じくPicture Boxから本を出しているコミック作家のCF。
TCAFann&drahaminbooth

 自分も席に着こうとしたところで、クリスに呼び止められる。ポスターが刷り上がっているので見てくれとのこと。後を付いてスタッフルームへ行く。
 で、これがそのポスター(とクリス)。TCAFからの依頼で描きおろした新作オリジナルで、ファインペーパーに3色刷りのリソグラフ。
TCAFposter&christopher
 クリス曰く「インクの関係で色がちょっと変わってしまった」とのことで、確かに刺青部分が原画のインディゴからシアンに変わってしまっていますが、いや、実に美麗に仕上がっていて嬉しい。

 ブースに戻ると、”The Passion”のブック・デザイナーで、世界的に高名な装丁家でもあるチップ・キッド(以後チップ)も到着。
 というわけで、二人並んで座って、お客さんのリクに応えてサインなど。写真はグラハム撮影。
TCAFwithchipinbooth
 因みに”The Passion”が出版された経緯は、そもそもこのチップが私のマンガの長年のファンで、10年ほど前、別の仕事でアンと知り合ったのをきっかけに、プライベートで彼女に私のマンガの翻訳を頼んだのが始まり。
 そして後に、日本のゲイマンガのファンであるグラハムも加わり、チップ/アン/グラハムの3人態勢で、私のマンガの英語版単行本を出そうと動き始め、それに興味を示したのがPicture Box(のダン)という次第。
 よって、私/チップ/アン/グラハム/ダンの5人が、1つのチームという感じで、そこにTCAFディレクターのクリスが声を掛けて、今回のトロント行きと相成ったわけ。
 今回、本の出版とTCAFに合わせて、グラハムが私の絵がプリントされたTシャツを作り、それも本と一緒に販売。
TCAFtshirt
 着るにはかなり度胸がいる図柄ながらも、これがなかなかの売れ行き。「かっこいい!」とTシャツだけを買っていく方も多く、また思いのほか女性の購入者が多かったので、サイズが小さい方からどんどん品薄に。

 ブースを訪れる人の中には知り合いも多く、例えば以前作品が掲載された、サンフランシスコのジン”Thickness”のライアン・サンズとは、メールでさんざんやりとりしていたものの、顔を合わすのは今回初。「やっと会えたね〜」とハグしあったものの、記念撮影を失念してしまって残念至極。とりあえずこちらに写真。
 カナダのゲイ・コミック・アーティストで、世界のクィア・コミックのアンソロジー”No Straight Lines”の編纂者でもある、ジャスティン・ホールとも、Facebookで知己はあったものの、実際に会うのは初めて。自キャラであるトランスジェンダーのヒーローTシャツ姿。


 ブースに来るお客さんの中には、”The Passion”を購入するだけでなく、手持ちの本(日本語版の拙単行本とか、「バディ」の田亀源五郎特集号とか、「肉体派」とか「SM-Z」とか、かなり色々)持参の方も多数。
 このブースでのサインの模様は、グラハムのTumblrに写真がいろいろアップされています。こちら

 そうこうしている間に、自分が出席するイベント、パネル・ディスカッション”Spotlight: Gengoroh Tagame”の時間になったので、会場であるマリオット・ホテルの会議室に移動。
 壇上に私、チップ、アン、グラハムの4人で座って、”The Passion”出版の経緯などを喋った後、会場からの質疑応答など。以下、会場に来てくれたデブ・アオキのリアルタイム・ツイートから。


 そんなこんなで、あっという間に1時間が過ぎ、イベントは無事終了。

 そして再び図書館に戻り、今度は地下の専用ブースに移動して、チップと並んでサイン会(グラハム撮影)。
TCAFsigningwithchip
 髪形とおヒゲがかっこよかった彼と記念撮影。


 後で確認したら、ご本人(トニー・ブリード)の描く絵もかわいかった。こちら

 1時間ほどサインして、それと同時に会場もクローズ。
 それから、アン、グラハムと一緒にホテルに戻って、またインタビュー取材一件。これまた媒体が何かは忘れたけれど、確かポッドキャストだったはず。
 インタビュー終了後、30分ほど休憩して、また次のイベントに。
 今度はChurch on Churchというゲイバーで、カナダのゲイコミック作家モーリス・ヴェラクープ(以後モーリス)と一緒にトークショー。
 このChurch on Churchでは、5/4から”LEGENDS: The Gay Erotic Art of Maurice Vellekoop & Gengoroh Tagame”という、私とモーリスのプリント展示&販売も行われています。
 お店の雰囲気は、こんな感じ。
TCAFchurchonchurch

 アンが「ベアパーティもベアバーも行ったことないから(そりゃノンケ女性だからそうでしょう)こんなに沢山の熊さん(ゲイベアー)を一度に見るのは初めて! 可愛い!」と喜んでいたのが、なんか可愛かった(笑)。

 そうこうしている間に時間が来て、トークショー開始。アンをMCに、私、モーリス、チップが壇上でトーク。写真はこちら
 アンの采配は流石で、さっきのパネル・ディスカッションでの真面目な話題とは裏腹に、今度はゲイバーという場所&くだけた客層を踏まえて、「女性とやったことある?」とか「オナニーのオカズは?」といった、下ネタをばんばんふってくる(笑)。
 トークも無事終了、モーリスと一緒に記念撮影。
TCAFmaurice
 そしてここでも、またサイン。ありがたいことです(アン撮影)。
TCAFchurchonchurcsigning

 イベントが一段落したところで、チップ、アン、グラハム、ダン、他数名と一緒に夕飯へ。流石北米、一品あたりの量がすごい(笑)。
TCAFdiner
 皆さん、楽しげにお酒を飲んだりお喋りしているけれど、私はそろそろ疲労の限界&英会話も限界なので、お先に失礼してホテルに帰る。
 しかしホテルのロビーで、別のTCAF関係者の方とでくわして、再び英会話。部屋に戻ったときはもうクタクタで、そのままシャワーも浴びずに爆睡(笑)。
 TCAF初日は、こんな感じで終了。

トロント〜ニューヨーク紀行(1)

5月8日
 成田発、エアカナダでトロントへ。
 到着までおよそ12時間かかったけれど、飛行機の座席が、左側は通路、右側は空席というラッキーなポジションだったので、かなりぐっすり安眠。ほとんどずっと寝てました(笑)。

 今回のトロント行きは、TCAF(トロント・コミック・アーツ・フェスティバル)のゲストとして招かれていたので、空港にTCAFディレクター、クリストファー・ブッチャー氏(以後クリス)と、日本語通訳を務める作家/翻訳家のジョスリン・アレンさん(以後ジョスリン)が出迎えてくれました。お二人とも来日時に会っているので久々の再会。
 同じくゲストで招かれ、同じ飛行機で到着していた日本勢、マンガ家の松本大洋さんと、雑誌「IKKI」編集長の江上英樹さん、アニメーション映画『鉄コン筋クリート』監督のマイケル・アリアスさんと共に、クリスの運転する車でトロント市内のホテルに移動。移動中にジョスリンが「どこか立ち寄りたいところがありましたらストップしますよ」と言うので、「グリズリーが出たら写真を撮りたいので停まって!」と言うと「ないない(笑)」とゆー反応。ちぇっ(笑)。

 ホテルに着いたところで、拙アメリカ版単行本”The Passion of Gengoroh Tagame: Master of Gay Erotic Manga”(以後”The Passion”)のプロデューサーであり翻訳家でもあるアン・イシイ(以後アン)と合流。挨拶とチェックイン、そしてちょっとした打ち合わせを済ませて、夕飯まで部屋で休憩。
 夕飯はクリス、ジョスリン、松本大洋さん一行、アンと共に、トロント新市街(らしい)のイタリアンへ。アンが頼んだ「ミートボール」が、直径15センチくらいありそうな挽き肉団子が4個くらいゴロンと更に載っているというシロモノだったので「これはミートボールっつーよりハンバーグだよね」と大笑い。しかも中にはチーズ入り。流石、北米大陸の食事(笑)。

 夕飯の後、TCAF関連のイベントである「皆で落描きしながらお酒を飲む会(みたいなもの)」の会場へ。レストラン/パブのような店で、テーブルに紙とペンが用意されていて、思い思いの飲み物を注文して、紙に落描きをして楽しむというもの。
 ここで写真。左からアン、マイケル・アリアスさん、松本大洋さん、江上英樹さん。
TCAFrakugaki
 松本大洋さん、さっそくファンの方(だと思う)に見つかって、サインをせがまれておりました。
 なお、会場にいる人の絵を描くイベントだかコンテストだかもあったらしく、一人の女性が「あなたを描いたの」と見せにきてくれました。ただし彼女は、私が日本のマンガ家である云々は全く知らず(笑)。
TCAFnigaoe
 少し遅れて、クリスが彼のハズバンドと一緒に合流。左がクリス、右がハズバンド。
TCAFchristoper&hus
 ここで松本大洋さん一行は帰り、私とアンはもうちょっと残って、クリスたちとお喋り。私が出演するTCAFイベントの1つ、カナダのゲイ・アーティスト、モーリス・ヴェラクープとのトークショーについての打ち合わせなんかもちょっこし。
 かなり遅くなってから、ホテルに戻る。ホテルの裏手に24時間営業のスーパーがあったので、一人で水を買いに行ってから、部屋に戻ってバタンキュー。

5月9日
 午前中は完全にオフだったので、トロントのCNタワーへ行くことにする。
 土地勘をつけるために、まずホテルの周囲をブラブラ散歩してから、少し足を伸ばして地図に載っていた公園まで行き、それから地下鉄でCNタワー近くの中央駅まで。
 中央駅の近辺一帯が工事中だったので、ちょいと迷ったものの無事到着。エレベーターに乗って展望台へ。流石に高くて良い眺め。
 ただ、一部床がガラス張りになっていて、その上に載ると足下が遙か下まで筒抜けに見えるというコーナーでは、流石に背中がヒュッとする感じに(笑)。申し込めば、命綱を付けて吹きっさらしの中を歩く体験コースなんかもありましたが、館内で上映されていた紹介ビデオを見るだけでも「ひえ〜っ」って感じ(笑)。
 エレベーターに乗る前に、ブルースクリーンの前で写真を撮られて、何かと思ったら、出口でその写真の背景にタワーの映像を合成した記念写真を購入できるという仕組み。アミューズメント系ではありがちだけど、合成じゃあまり有り難みがない気がする……。

 午後、インタビューが一件入っていたので、ホテルに戻ってアンと合流。
 このときのインタビューは、媒体は忘れたけれどインタビュアーはフランスから来た男性で、取材の合間には共通の知人であるフランスのゲイ・コミック作家ファブリスの話題なんかも。
 で、このインタビュアー氏、私は、質問内容や外見から、てっきりゲイだと思っていたところ、雑談の中に「妻と子供が云々」という話が出てきてビックリ。後で聞いたところ、アンも同様にビックリしていたらしい(笑)。

 取材が終わった後、アンと、アンの彼氏クリスチャンと3人で、チャイナタウンまで行って夕食。
 食事は美味しかったけれど、ここもまた一品一品の量が多く、大量に残す羽目に。でも、アンとクリスチャンが折り詰めにして持って帰りました。
 食事の後は、腹ごなしにチャイナタウンを散策。
 そこで見かけたネオン看板。右はロブスターだろうけど、左はこりゃ一体何だ?(笑)
TCAFchinatown

5月10日
 今日はTCAFが企画したナイアガラ見物ツアー。世界中から集まったマンガ家集団と一緒に、貸し切りバスに乗ってナイアガラの滝へ。
 というわけで、ナイアガラの滝と私(アン撮影)。
TCAFNiagaraAnn
 ついでにこれも(笑)


 滝に行く前にはワイナリーに寄って、そこでワインの試飲や購入もできたんですが、残念ながら私は完全な下戸。そこで見つけたのが、これ。
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 蜂が集めた(んだと思う)花粉の瓶詰め。こんなものは見たことがなかったので、ジョスリン(カナダ人)に「カナダ人は花粉を食べるの?」と訊いたら、「私も見たことない!」とのこと。というわけで、好奇心に負けて購入。
 帰国後に調べてみたろころ、どうやら健康食品の類らしく、一日にティースプーン一杯を牛乳などに混ぜて云々という食べ方をするらしい。食べてみたけど、これといって味はなく、微かに苦みがあるパサパサしたものというだけでした。手塚治虫『ミクロイドS』のマンガ版に出てきた、アゲハちゃんの作るお団子みたいのを期待したんだけど、あっちの方が美味しそうだなぁ(笑)。

 ナイアガラ観光を終えてホテルに戻ったところで、またインタビュー一件。確か、ランダムハウスかどっか大手出版社の、ウェブ媒体用だったと思う。
 現れたインタビュアー氏は、ピンクのタンクトップに短パンという、いかにもゲイゲイしい方。細身の、ちょっとイライジャ・ウッドみたいな顔をした御仁ですが、でもタンクトップから除く肌には胸毛がモジャモジャと。
 日本のゲイ・カルチャー史におけるアメリカからの影響の話をする中で、「フリードキンの映画『クルージング』が公開された際、レザーカルチャーが《ハードゲイ》という名称で紹介され……」と言ったら、「ハードゲイ!!!」と爆笑される(笑)。ハードゲイは和製英語なので、この反応も当然か(笑)。
 受けた質問の中には、ドゥルーズ/ガタリに絡めた内容のものもあったんですが、ぶっちゃけそんな難しいこと訊かれても判らないってばさ(笑)。
 後日アップされた記事は、こちら

 インタビューを終えた後、アンとクリストファーと3人で、ジャパン・ファウンデーションで開催される、松本大洋さんの原画展の内覧会へ。『竹光侍』の原画が素晴らしく美麗。
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 その後、アンの友人(名前失念)のイラストレーター男性も加えた4人で、彼の案内でリトル・イタリーのレストランへ。で、このレストランが、雰囲気といい味といい、もう最高でした。激しくオススメしたいところですが、残念ながら場所も店名も覚えておらず(笑)。
 リトル・イタリーのコミック書店で、こんな本を見つけ、絵が気に入ったので購入。
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 ホテルに戻ってページを開いたら、何と責め場もあったので得した気分(笑)。
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 さて、明日からTCAF本番スタートです。

ちょっと宣伝、ニューヨークで個展やります

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 外遊からは無事に帰国しましたが、入れ替わりに今月末から、ニューヨークのギャラリーで私の個展が始まります。
 場所はチェルシーにあるファインアート系のMartos Gallery内にある、Shoot the Lobsterというポップカルチャー系の展示スペース。
 何でもギャラリーのオーナーは、かつてキース・ヘリングを扱って三本の指に入る方なんだそうな。……とてもそうは見えなかったけど(笑)。第一印象が「酔っぱらったフランス人?」って感じだったので(笑)。
 入り口は共用で、入るとすぐにMartos Galleryの展示スペースになり、そこをまっすぐ突っ切ると、奥に別スペースのShoot the Lobsterがあります。
 ドアが通りに面しているので、場所は見つけやすいはず。私も先日、展示用の打ち合わせに行くのに、Google Maps頼りでしたが、1人でちゃんと行けました(笑)。
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Shoot the Lobster @ Martos Gallery
540 W. 29th Street
New York, NY 10001
212.560.0670
 期間は5月30日から6月15日まで。オープニング・レセプションは5月30日の午後6時〜8時になります。
 展示内容は、雑誌表紙などのカラー・ペインティング、英語版単行本”The Passion of Gengoroh Tagame”のカバーデザイン等にも使われた『銀の華』の扉絵などモノクロのドローイング、マンガの原画、スケッチや下絵、それと多分トロントのChurch on Churchで展示されたカラーのジクレー・プリントなどを加えた、20点強になるはずです。
 販売もいたします。
 残念ながら私本人は、オープニングにも展示にも顔を出せませんが、近郊にお住まいの方や渡航予定がある方など、いらっしゃいましたら是非お立ち寄りくださいませ。