5月16日
今日は一日まるごとオフ。
というわけで、メトロポリタン美術館とセントラルパークで一日過ごす。
休日、休日(笑)。
5月17日
Butt Magazineのインタビュー。ただしSkype使用。
チップの家で、アンに横に付いてもらい、パソコン越しにインタビューを受けていたところ、チップの家政婦さんがやってくる。何も聞いていなかったので、私もアンもちょっとビックリ。
家政婦さんが後ろで掃除をする中、インタビュー開始。ところが相手がButt Magazineなので、質問内容がかなりきわどい。で、私がチンコだの肛門だの先走りだのと言うのを、アンが英語で通訳してくれているところに、後ろからガチャンという音。家政婦さんが何かを落としたのか……一瞬凍りつく我々。そして大爆笑(笑)。
その話を後でチップにしたところ「うわ、彼女がくるのは来週だとばかり思ってた!」と青ざめておりました。ごめん、チップ(笑)。
月末から個展をやるチェルシーのギャラリー、Shoot the Lobsterへ打ち合わせに。
アン、ダンと一緒に、日本から持参した原画を並べ、展示のレイアウト等を決める。
このニューヨーク個展の詳細は、こちら。
ダンとはここでお別れ。
打ち合わせを終え、夕方まで時間があるので、グラウンド・ゼロを見に行くことにする。
9/11メモリアムは、予約をしていなかったのでどうしようかと思ったけれど、予約なしでも見られるということで、列に並んでドネーションして中へ。
前に写真で見たときは、正直なんとも思わなかったメモリアムだったけど、いざ実物を見たら、これが実に素晴らしい。シンプルで荘厳、そして恐ろしさを感じさせる、見事な設計。感銘しきり。
夕方、アンとチップと一緒に、彼のパートナー、サンディの家へ。サンディは留守。
これがまた、歴史ある建物を改装した高級集合住宅で、ロビーに入るなり「博物館ですか?」ってな感じだし、サンディの家も「美術館ですか?」ってな具合。
私からすると、今泊めて貰っているチップの家も、充分以上にゴージャスだけど、このサンディの家はそれを上回る豪華さ。チップの趣味がポップカルチャーなのに対して、サンディの趣味は完全にクラシック。部屋中、美術品と骨董品だらけ。エドワード・ホッパーのヌード・デッサンまで飾ってあるし、トイレを借りたら、バスルームのドアが真鍮の枠にマジック・ランタン用の古いガラス製のスライドがびっしりはめ込まれ……といった具合。
なんかチップとサンディが同居しない理由も判るような。これだけ趣味性と美意識がはっきりしていて、しかし方向性が全く違う2人が、同じ家に住んだらインテリアがどうなるのか、見当もつかない。アンにそう言ったら、彼女も同意してくれた(笑)。
遅れて、クリスチャンとクリスチャン兄も合流。
食前の一杯をいただいた後(とはいえ私は飲めないので炭酸水)、皆で揃って夕飯へ。
夕飯は、今ニューヨークでとても人気だというチャイニーズ・レストランへ。
何でも入るのに二時間待ちだとかいうのを、アンの口利きですんなりと。オーナーの奥さんと友人だそうな。ダンが「その日は予定があるから行けない!」と悔しがっていたところを見ると、本当に人気店らしい(笑)。
料理はぶっちゃけ中華ではなく、中華、インド、タイなど様々なエッセンスを取り入れた創作料理といった趣。日本だったら「無国籍エスニック料理」とでも呼ばれそう。いずれもスパイシーで、それがちょっと今までに食べたことがないようなオリジナリティあふれる味。そして美味しい。人気のほども納得。
とはいえ店自体は小さく、内装も下北沢あたりにありそうな、ゴチャッとした穴蔵バー的な雰囲気。店内が暗く、クラブばりの音響でレゲエやメタルがガンガンかかり、更に大声の英会話が飛び交うという環境は、私的にはちょっと辛いものがありましたが、とにかく料理は独特の魅力。
食事の後、どっかに飲みに行こうと誘われたけれど、ちょっと疲れが溜まっていたので、私はパス。
地下鉄に乗って帰宿。
5月18日
夕方までオフなので、グッゲンハイム美術館とMoMAをハシゴ。
そしたら流石に疲れてクタクタに。歳を考えるべきだった(笑)。いったんチップの家に帰って、約束の時間まで仮眠。
アン、チップと一緒に、ヴィレッジのフレンチ・レストランでディナー。
その後、ゲイバー巡りへ。
まず最初に行ったのは、野郎系っぽい店。客は疎ら。
ニューヨーク在住のカズさん、サイン会にも来てくれたレザーシーンに詳しいというソーさんと合流。
場所を変えて、別の店へ。こっちは客でごった返しており、ベア系も多し。
ところがモニターで映画『スーパーマンII』をやっていて、案の定チップの目はそれに釘付けに。私も、数日前に観光に行ったナイアガラとかが出てくるもんだから、つい一緒になって鑑賞。で、ここがどーだ、あそこがどーだ、アメコミ映画で何が好きだ、ウォッチメンをどう思った……などとオタク話をしてしまい、何しにゲイバーに来てるんだ、私ら(笑)。
そこに、カズさん、ソーさん、共通の友人である、アーティストのネイランド・ブレイクさんが合流。
場所を変えることになり、先約があったカズさんは離脱。
お次はピアノ・バー。店の中央にピアノがあり、ピアニストがそれでブロードウェイ・ミュージカル・ナンバーを弾き語りしていて、それに客(男女混合)が大声で合唱しているという、何とも不思議な店。
店に入るなり、チップとアンも大声で歌い出す。曲は『ウェストサイド物語』『RENT』『コーラスライン』等なので(この曲は知らないな〜と思っていたら、アンが『ピピン』だと教えてくれた)私も知ってはいるものの、歌詞までは覚えていないので合唱には加われず。
なんだかとっても「ニューヨークのゲイバー!」って感じ(笑)。
ピアノ・バーには入らなかったソー、ネイランドと、アイスクリーム屋の前で再び合流。その名もBig Gay Ice Cream Shopという店。ネイランドが自分の本をプレゼントしてくれたので、店の前のベンチで互いの本にサイン交換。
そして、せっかくなので記念写真を…とかやっていたら、いきなり通りすがりの女性が飛び入り参加。
この一番左の女性。十年来の仲良しみたいな表情で笑ってますが、まったくの赤の他人です(笑)。う〜ん、アメリカン(笑)。
そして私ら一行も、通行人にカメラをお願いして、花屋の前で記念写真。左から、アン、ソー、私、チップ、ネイランド。
そしてもう一件、ゲイ・ライツの歴史に残る店Stonewall Innへ。ストーンウォール暴動の現場となった店に、自分が来たのかとかと思うと、実に感慨深いものあり。
奥のソファ席に陣取って、じっくり歓談……のはずが、なぜかいつの間にか、きゃりー・ぱみゅぱみゅの話に。う〜むむ、この場所でこの話題は、実にシュール(笑)。しかも、こんな面子で(笑)。
そうこうしている間に、いいかげん深夜もまわったので帰ることにする。遅いから、もうタクシー使用。
5月19日
ハフィントン・ポストのインタビュー。
質問がわりと散漫な感じで、正直これでいったいどんな記事にするんだろう……と思わされましたが、後にアップされた記事を読んだら、なんか取材者の事前印象を確認するみたいな内容だった。
インタビュー中、蒸し暑かったので扇子を使っていたら、写真撮影の際に「さっきの扇子を構えてくれないか」というリクエスト。で、冗談で「こう?」とか変なポーズをとったら、それが記事に使われてしまった。教訓。写真を撮られる際はふざけるべからず。
そんな変な写真が見られる記事は、こちら。
記事に載っていない写真は、またまたグラハムのTumblrで見られます。こちら。
インタビューの後、レザーバーEagleのハッピーアワーに。ここでチップと待ち合わせ。
ハッピーアワーはドレスコードなしなので、すんなり入れた。ミックスもOKらしく、緊張していたアンも無事入店。
内装はSMちっくで素敵だけど、時間が時間なだけに店は空いていて、10人ほどいる客のは、レザーマン2人、警官コスプレが1人いたものの、後はいたってカジュアルな装い。そんな中、サイン会に来てくれた人から声を掛けられる。
やがてチップもやってきて、少ししてからディナーの店へ移動。
ニューヨーク最後の夜は、アンのバースデー・ディナーでメキシコ料理店へ。チップ、アン、クリスチャン、クリスチャン兄、他、アンの友人たち。先日の無国籍チャイニーズ・レストランのオーナー夫妻も。
とてもおしゃれな店で、出てくる料理も、私の知ってる「タコス! チリコンカン!」みたいなメキシカンとはだいぶ違う、凝った味付け&おしゃれな盛りつけ。とても美味しかった。
食事の後、一行はまた別の店にハシゴするのを、私は荷造りもあるので、先に失礼することにする。アンともチップとも、ここでお別れ。
5月20日
朝、タクシーを捕まえて空港へ。行き同様にトロント乗り継ぎなので、空港もラガーディア空港。近くてありがたい。
そして何事もなく飛行機に乗って、21日に無事帰国。
いやぁ、初カナダ&約20年ぶりのニューヨーク、楽しかった!
とはいえ、予想以上に色々と忙しく、せっかく旅行中に読む本をKindle Paper Whiteに3冊入れていったのに、丸々2冊は手つかずのまま帰国してしまった(笑)。