個展〜2014・ベルリン(&サイン会)」カテゴリーアーカイブ

無事帰国

 ベルリンから無事帰国しました。
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 個展は無事終了。急なスケジュールな変更などもあり、ほとんど在廊できませんでしたが、それでも幾つか、面白い出会いあり、取材あり。

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 サイン会も無事終了。書店も出版社も、当初の想像以上の集客だったと喜んでくれたので、おそらく成功といって良いかと。上の写真は、書店前のポスターとショーウィンドウ。
 時期的にイースター(ベルリン・レザー・ウィークエンド)だったこともあり、かつてフランスの個展等で会った方々とも、何名か再会。色んな方が来てくれましたが、一人ものすごくタイプの大男がいまして、もう惚れ惚れと顔や身体を眺めてしまったくらい。イベントを手伝ってくれていた女性書店員も「絵から抜け出したみたい!」と驚いたほど。
 そしてこの女性が差し入れてくれた、近所のアイスクリーム屋のアイスが激ウマ! なんかミルクとジンジャーが入ったやつと、酸味のあるベリー系のやつの二段重ねだったんですが、さっぱりめなんだけど実に美味しかった。特にジンジャーが絶品!

 サイン会をやった、このPrinz Eisenherzという書店なんですが、何でも去年この場所に引っ越したばかりとのことで、明るくてクリーンでスペースはゆったりとしていて、奥にはギャラリー・スペースもある、とても素敵なお店でした。なんでも歴史は古く、おそらくヨーロッパで一番古いゲイ・ブック・ストアだとのこと。
 サイン会に来てくれた人の中には、例によって自分の蔵書を持って来てくれた方もいて、今回出た”Endless Game”や”Gunji”の他にも、日本語版やフランス語版単行本にもサインしました。中でも個人的に印象的だったのが、ベルリンのゲイ・ミュージアム、Schwules Museumのスタッフが、同館所蔵の拙単行本二冊、『嬲り者』と『柔術教師』にサインを入れて欲しいとやってきました。
 そうそう、会場に来られなかった方たちのための、お取り置き分へのサインというのもあって、今回のサイン会を知って、わざわざカナダから注文してくれた方もいたりして、ありがたい限りであります。

 ベルリン滞在中、大小あれこれミーティングなどがあったので、フルのオフ日はなく、結果観光などはあまりできず。とはいえ、昨年に主だったところはだいたい廻っていたので、それもさほど苦ではなし。
 前回行きそびれていた場所では、前述のSchwules Museum(ゲイ・ミュージアム)に、今回は行くことができました。すると、以前からネット等の情報で気になっていた、19世紀末に同性愛を公言しながら社会的なステータスも得ていたドイツの画家、サシャ・シュナイダーの展覧会をやっていたので大喜び。
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 売店には、以前探したときにはなかった画集などもあったので、これもホクホクして購入。
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 展覧会自体は、どうやらニューヨークのレスリー・ローハン・ゲイ・ミュージアムから廻ってきたらしく、ベルリンでは6/30まで開催。貴重な機会だと思うので、期間中に在ベルリンの方は是非どうぞ。ペインティングやドローイングといったオリジナルはもちろんのこと、複製された挿絵作品の精緻なウッド・エングレーヴィング(木口木版。ギュスターヴ・ドレの『神曲』などと同じ技術です)にも眼を奪われること必至。

 Bruno Gmünderから出た二冊の英語版単行本の方は、おかげさまで売れ行きも良いらしく、特に去年の暮れに出た”Endless Game”の方は、同社にとって日本のゲイマンガの翻訳出版は初めてだったということもあり、比較的おさえた初版部数だったんですが、発売一ヶ月で売り切れて第二版を刷ったそうな。
 まだ実際に本が出ていなかった去年のミーティング時よりも、今回はより良い手応えといった感じがあり、今後のあれこれなどについても色々と打ち合わせしてきました。果たして何がどれだけ実現するかは判りませんが、上手くいったら色々と面白いご報告ができそうです。
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 上の写真は、同系列のゲイ・ショップBrunosの店頭にあるブルーノベアと、お店のショーウィンドウ。二枚目の写真で私と一緒に移っているのは、Bruno Gmünderアートブック部門チーフエディターのミーシャ。

 後は、以前からメールやFacebookでコンタクトがあった、ベルリン在住のフェティッシュ系の写真家ユーリ・リヒターと会って、とても良い時間を過ごせたとか、ちょうど滞在中にオープニングがあった春川ナミオさんの個展に行ったとか、そのオープニング会場で私をナミオ先生だと勘違いしたお嬢さんがいたとか、そのギャラリー・オーナーからマヴァド・シャロンのジンを貰って大喜びしたとか、
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 ちょうどベルリンで大規模なアイウェイウェイ(艾未未)の展覧会をやっていたせいで、街中でアイ・ウェイウェイと勘違いされたり(しかも二回)、私のサイン会ポスターにデカデカと顔が出ていたせいか、駅やらバスの中やら道端やらでいきなり見知らぬ人から「田亀源五郎さんですか?」と声を掛けられたり(計三回)、色々と楽しい体験がありました。
 そこいらへんはツイッターであれこれ呟いていたので、興味のある方はそちらでご確認を(笑)。

ベルリンでサイン会&個展最終日に在廊します→最終日が変更、在廊は中止

ベルリン個展、最終日は4/20とアナウンスされていましたが、今日(4/20・木)ギャラリーオーナーから急に「最終日は土曜日(4/19)、日曜(4/20)はギャラリーは閉じる」と言われました。というわけで、最終日が4/19の土曜日に変更、そしてその日はサイン会とバッティングしているので、残念ながら私は在廊できません。急な変更で申し訳ありませんが、私自身とまどっております。
【ベルリン個展】
・3月7日〜4月20日(最終日に在廊予定)
xavierlaboulbenne galleryにて
  Schoenleinstrasse 5 10967 Berlin
・オープニングは3月7日(金) 18:00〜21:00 <詳細>
・期間中、画廊のオープンは毎週火曜日〜土曜日、午後2時〜6時となります。
【ベルリンでのサイン会】
・4月19日(土) 15:00〜17:00
Eisenhertzにて
 Motzstr. 23, 10777 Berlin

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・Facebookのイベントページ:https://www.facebook.com/events/1429217567317220/

ベルリン個展&サイン会&英語版新刊”Gunji”のお知らせ

 3月7日からドイツのベルリンで個展をやります。
 お話し自体は一昨年からいただいていたのですが、昨年は既にトロント&ニューヨーク行きとパリ個展の予定があったために、色々あってこのタイミングでの開催となりました。
 で、この話が本決まりになった昨年の秋の段階で、拙英語版単行本”Endless Game”の版元であり、ベルリンに拠点を置く出版社Bruno Gmünderが、それならばそのタイミングに合わせて、同社からの二冊目の単行本を出そうという話になりました。
 そして今回、個展のオープニングに合わせてベルリンに行くよと、同社に知らせたところ、同社のアレンジでベルリンとロンドンでサイン会も行うことになりました。 トラブル発生のため渡航は急遽中止、個展のスケジュール自体に変更はありませんが、オープニングに出席はできず。会期末の4月後半に改めて渡航し、サイン会もその時期に合わせて延期となりました。詳細はまだ調整中。
 サイン会は4月20日。キャラリーのクロージング、4月20日には在廊します。
 というわけで、それらの詳細情報をまとめてアップします。
 海の向こうのことなので、お気軽にとは申しづらいんですが、ベルリンおよびロンドン在住の方、および期間中に渡航予定のある方は、是非いらしてください。

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【ベルリン個展】
・3月7日〜4月20日
Xavierlaboulbenne Galleryにて
  Schoenleinstrasse 5 10967 Berlin
・オープニングは3月7日(金) 18:00〜21:00 <詳細>
・期間中、画廊のオープンは毎週火曜日〜土曜日、午後2時〜6時となります。

 ゴリゴリのコンテンポラリー・アートのギャラリーで、過去には有名どころでは、ロバート・メイプルソープや、映画『シェイム』『それでも夜は明ける』等のスティーヴ・マックイーンなどの展示を開催。
 というわけで、オープニングにどんな人が集まるのか、ちょっと不安だったり(笑)。ゲイ・コミュニティー向けの宣伝とかも、全くやっていない様子なので……。

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【ベルリンでのサイン会】
3月8日(土) 15:00〜17:00 4月に延期、日程は調整中。
 4月19日(土) 15:00〜17:00
Eisenhertzにて
  Motzstr. 23, 10777 Berlin

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・Facebookのイベントページ:https://www.facebook.com/events/1429217567317220/
 クィア書籍を扱う本屋さんだそうです。

【ロンドンでのサイン会】
3月14日(金) 18:00〜20:00 4月に延期、日程は調整中。 中止決定。

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【新刊英語版単行本”Gunji”】
・3月初頭発売
・出版社:Bruno Gmünder
・160ページ/17 x 23.8 cm
・ISBN 978-3-86787-675-9
・収録作:『軍次』四部作+『大江山綺譚(2014年改稿版)』
・見返し部分にカラーイラスト4点収録

『軍次』四部作に関しては、基本的には日本で出たバージョンと同じ。ただし、当然のことながら性器修正はありませんし、またフランス語版のときと同様に、キャラクターの年齢を調整するために、あちこちセリフをいじっています。
『大江山綺譚(2014年改稿版)』は、絵を全面的に手直ししています。旧版との最大の違いは、キャラ(スヴェン)の体毛。
 これは、当時自分のイメージではスヴェンは赤毛であり、身体にも赤い体毛がモジャモジャ生えている感じだったんですが、それを上手く絵的に表現する手段が思いつかず、結果的に無毛にしてしまったという経緯がありまして。ところが、ちょっと前にCLIP STUDIO PAINTをいじってみたところ、このペンを使えばグレースケールで自分の意図する効果が出せるのではないかと思い、実験してみたところ満足のいく結果を得られたので、今回の英語版出版を機に、思い切って全面改稿することに。
 その絡みで、最終的な仕上げをいつもような白黒二値化ではなく、グレースケールのまま完成させることにしたので、それに併せてトーン効果もあちこち手直し。結果、情感の描出も向上したと思います。
 また、冒頭と末尾のト書きを、日本の昔話に馴染みがない外国人向けに、より判りやすく噛み砕いた内容に変えてあります。
 この新バーションは本邦未公開ですし、今のところ国内での発表の予定もないので(なにしろオリジナル版収録単行本がまだ現役ですので)、レアものとして入手の価値大かも知れませんよ?
 ……などと販促を試みる(笑)。
 内容見本は、こちらで。

 残念ながら日本のアマゾンでは取り扱っていませんが、アメリカやイギリスのアマゾンなら既に予約受付中なので、よろしかったら是非お買い求めを(”Endless Game”のときの経験から言うと、同じヨーロッパということなのか、アメリカよりイギリスの方が発売が早く、在庫切れもありません)。