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ちょっと宣伝、男色ヤクザ漫画描きました

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 先日お知らせした、私も参加している、筒井康隆氏の小説を16名の作家がマンガ化したアンソロジー単行本『筒井漫画涜本ふたたび』、本日発売です。
 というわけで、私が担当した「恋とは何でしょう(『男たちの風景』より)」から一コマをご紹介。
 ご覧のように、ゲイのヤクザの話で、濡れ場もアリの内容。

 さて、実は最初に編集の方からこのお話しを伺ったとき、お受けするかどうか、ちょっと迷いました。
 というのも、もし最初から「単なる価値観の違いをネタにする」ような作品を求められているのだとしたら、それはやりたくなかったんですな。自分のマンガが、読者によってネタ的に消費されるのは、それは作者の関わる立場ではないけれど、作者みずから進んで露悪趣味的にネタ的な作品を描くのは、ちょっと私の信義に反するので。
 でも、編集氏から「真っ向からゲイのラブストーリーとして描いて欲しい」(因みにマンガ化する小説は最初からご指定がありました)と伺い、それならば……と、喜んでやらせていただいた次第です。
 結果、この作品は筒井康隆氏の短編小説をマンガ化したものですが、同時に、きちんと100%「ゲイのゲイによるゲイのためのゲイマンガ」にもなったと思います。

 前にも書いたように、小説のマンガ化作品なので、今後、私個人名義のマンガ単行本に収録されることも、まずないと思います。
 つまり、これを逃すと後はない(笑)ので、ぜひお買い求めを!
 因みに、収録作のうちゲイマンガは私の作品だけですが、他の収録作品も、明智抄、いがらしみきお、伊藤伸平、折原みと、雷門獅篭、菊池直恵、鈴木みそ、大地丙太郎、高橋葉介、竹本健治、とり・みき、萩原玲二、畑中純、みずしな孝之、Moo.念平(50音順・敬称略)……と、マンガ好きなら買って損はない、錚々たる顔ぶれです。正直、こんなところに混じっちゃっていいのかしらん、と、ちょっとビクビク気分なくらい。
 あと、私の単行本は本棚に並べられないという方でも、この単行本なら、親兄弟や友だちに見られても、ちっともヤバくないですよ〜(笑)。

筒井漫画涜本ふたたび 筒井漫画涜本ふたたび
価格:¥ 1,680(税込)
発売日:2010-04-09

 さて、ちょっと余談。
 短編集『男たちのかいた絵』は、高校時分に読んだことはあったんですが、拷問され好きなマゾのヤクザの話と、せんずり好きのサドのヤクザの話を覚えていただけで、他の話は忘れちゃっていました。
 で、マンガ化のお話しをいただいて改めて再読するまで、この「恋とは何でしょう」の内容も忘れていたんですが、短編とはいえ文庫で30ページ近くある。でも、マンガは16ページで(最終的にはお願いして18ページで)というお話し。もう、マトモに全部描こうとしたら、どう考えても収まりっこない。
 というわけで、マンガ化するにあたって、原作小説を解体・再構成させていただいております。ストーリーの大筋は同じですし、エピソードやセリフもほぼ原作通りなんですが、全体の構成を「マンガ」と「ゲイ」に併せてアレコレいじくっています。
 この作業、けっこう難儀したんですが、それでもやっていて実に面白かった。メディア翻訳みたいな面白さもあるし、腕試しみたいなやりごたえもあるので。
 原作を未読の方でしたら、読み比べることで二度お楽しみいただけると思うので、興味のある方はぜひお試しあれ。

男たちのかいた絵 (新潮文庫) 男たちのかいた絵 (新潮文庫)
価格:¥ 460(税込)
発売日:1978-10

ちょっと宣伝、単行本『髭と肉体』発売です

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 明日9月12日、最新マンガ単行本『髭と肉体』が、オークラ出版さんから発売です。
 今回は短編集。主にアンソロジー「肉体派」掲載作を中心に、「G-men」掲載作も一本収録。
 因みに、オフィシャルの英題”FLESH + BEARD”は、1985年制作のオランダ映画”FLESH + BLOOD”(邦題『グレート・ウォリアーズ/欲望の剣』、監督はポール・ヴァーホーヴェン。……お願いだから、どっか日本盤DVDを出して!)のパロディ&オマージュ。

 内容は、かなりバラエティに富んだものになりました。
 どのくらいバラエティに富んでいるかというと、例えばメイン・キャラクターを列記するだけでも、一流企業の重役、イケメンホームレス、明治末期の蛮カラ学生、その後輩の優男、日露戦争時の白ヒゲ将校、馬賊、美形ロシア貴族、中世フランク王国のヒゲ熊騎士、記憶喪失の刑事、ガチムチ巡査長、連続強姦犯のマッチョ囚人、下着女装のサラリーマン、高野聖に鬼に妖怪……といった塩梅。
 ストーリーの方も、ラブあり鬼畜あり、ほのぼのありSM調教あり、現代ものから時代もの、西洋ものから近未来ものまで……といった具合の盛り沢山さ。

 収録タイトルは、『神経性胃炎』『稚児』『長夜莫々』『汗馬疾々』『晒し台』『DISSOLVE 〜ディゾルブ〜』『ECLOSION』『「マゾ」』『雨降りお月さん』の、計9本。
 描き降ろしは、表紙や目次カット等のイラストの他、本編加筆あり、制作裏話アレコレなんかもあり。
 装丁は、ブラックにゴールドを効かせて、カッコ良く作っていただきました。表紙と裏表紙のコントラスト(っつーか、イメージ・ギャップとゆーか)も見所かも。
 本体表紙もゴールド系の特色で、カバーイラストの下絵を使って、これまたカッコ良く仕上げていただいております。ご購入の際には、ぜひ一度カバーを外して、中身もご覧あれ。

 なお、出版社のサイトには、期間限定でここだけでしか見られないメッセージ・カードもアップされていますので、こちらもよろしかったらぜひご覧あれ。

 というわけで皆様、お買いあげ心よりお待ちしております。
『髭と肉体』田亀源五郎(amazon.co.jp)

ちょっと宣伝、『外道の家・下巻』発売です

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 3月31日に、マンガ単行本『外道の家』の下巻が発売されました。執筆に七年間を費やした、呪われた旧家を巡る一大男色大河ロマン、ここにいよいよ大団円を迎えます。

 上巻中巻と同様に、雑誌コードでの発売となりますので、流通に制限があります。書店でお見かけの際は、早めのご購入をお勧めします。月刊バディ5月号増刊という扱いなので、一般的なマンガ単行本などとは異なり、所定の期日が過ぎますと店頭から撤去されてしまいますので。
 残念ながら、ネット書店での取り扱いも、ほとんどないと思われます。通販をお考えの方は、版元バディさんの、バディージェーピィ/ビージェイストアや、あとはRAINBOW SHOPPERSさんとか、BIG GYMさんとかいったゲイショップをご利用ください。ゲイショップに抵抗のある方は、サブカル系書店タコシェさんにも、近々入荷すると思います(注/タコシェさんでは、在庫切れになるとカタログから商品が消えてしまいますが、そんなときはまた日を改めて、後日再アクセスしてみてください)。

 さて、この下巻ですが、豪華ゲストによる原稿も同時収録されています。
 まず、ゲストコメントで、児雷也先生と藤本郷先生が、描きおろしのイラスト付きで、それぞれ1ページずつ寄稿してくださっています。この、ゲイ雑誌でも見られない超豪華カップリング、お見逃しのなきように。それにしても、両御大に自キャラを描いていただけるとは、私としても作家冥利に尽きる嬉しさ。お二方とも、ありがとうございました!
 更に、解説文を書いてくださったのが、ライター、原作、評論、復刻などで、マンガ業界を中心に幅広く活躍していらっしゃる、「漫ぶらぁ〜」こと大西祥平さん。書籍『マンガ地獄変』や『官能劇画大全シリーズ』あたりで、初めてお仕事を拝見して以来、個人的に深くリスペクトしている方です。今回、「単行本に解説を」という編集氏からの提案を受け、でしたら是非、と、無理を承知でお願いしたところ、快くお引き受けいただき、これまた作家冥利に尽きる嬉しさです。ありがとうございました!
 ってな具合で、豪華ゲスト寄稿付きの、この最終巻、どうぞお買い逃しなきように! あ、因みに私自身もアッサリとですが、あとがきなんぞを書いています(笑)。

 さて、昨年来から続いた単行本発売ラッシュも、これで一段落。一年間で七冊も単行本が出るなんて、今まで全くなかったことなので、正直かなりテンテコマイでした。
 しかし、これで過去のストックはほぼ出し尽くしたので、仮に次の単行本が出るとしても、それはだいぶ先になるかと思います。でも、懸案だった長編連載の原稿は、既に絶版になっているものも含めて、これで全て単行本化できました。応援してくださった皆様には、深く感謝の意を捧げます。
 とりあえず次は、『バディ』さんと『肉体派』さんに、それぞれ読み切りが載る予定です。時期が来ましたら、このBlogでもお知らせしますので、またお楽しみいただければと思います。

ちょっと宣伝「外道の家」中巻、発売です

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 本日、マンガ単行本『外道の家』中巻が発売です。
 上巻と同様に、雑誌コードでの発売となりますので、流通に制限があります。上巻を書店で購入されたという方は、上手くするとまた同じ書店に入荷するかもしれませんが、ネット書店ではおそらく取り扱いは稀少でしょう。通販をお考えの方は、版元バディさんの、バディージェーピィ/ビージェイストアや、あとはRAINBOW SHOPPERSさんとか、BIG GYMさんとかいったゲイショップをご利用ください。ゲイショップに抵抗のある方は、サブカル系書店タコシェさんでも、おそらく近々取り扱っていただけると思います(注/タコシェさんでは、在庫切れになるとカタログから商品が消えてしまいますが、そんなときはまた日を改めて、後日再アクセスしてみてください)。
 さて、この中巻ですが、上巻から引き続いての横溝正史的な血縁ドロドロ劇(昼メロ風とも言います)が、更に怒濤の展開を見せます。出生の秘密とか、監禁とか、死とか、新たな命の誕生とか、もう、エピソードがテンコモリ(笑)。自分で描いておいてなんですが、けっこう「読み始めたら止まらない」系の話になっていると思うので、ぜひお手にとってお楽しみください。
 完結巻となる下巻は、3月末に発売予定。総ページ数772枚、戦後まもなくの田舎の旧家を舞台に、二十一年間に渡って繰り広げられる、異色の大河ドラマ・ゲイ・コミック、ぜひお付き合いください。

ちょっと宣伝、単行本『君よ知るや南の獄(全二巻)』発売です。

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 今日はクリスマス・イブですね、皆さんいかがお過ごしでしょうか。私は仕事で徹夜明けです。明日も明後日も仕事。「クリスマス? なにそれ、美味しいの?」な気分(笑)。
 でも昨夜一足先に、熊が作ってくれたチキン・カチャトゥーラと、熊が買ってきてくれたマロンケーキと、近場の輸入食材屋で買ったスパークリング葡萄ジュースと、とうちゃんが買ってきてくれたドーナツで、自宅でまったりクリスマス・イベントをしました。
 ゆとりがあったら、飾り付けしたり、音楽選んだり、友達と集まったりとか、そーゆーあれこれも楽しいんですけど、今年はどーにも時間がなくて、お祝いも地味め。
 あ〜、でも、しまった、せっかくだから夕飯食べながら、メル・ギブソンの『パッション』か、ビル・ゴールドバーグ主演の『サタンクロース』のDVDでも見りゃ良かった(笑)……って、嫌がらせかって感じもしますけど(笑)。

 そんなこんなで明日、25日のクリスマスに、単行本『君よ知るや南の獄』が上下巻揃って発売です。
 とはいえ、ゲイショップなどの取り次ぎを通さない直販店では、たぶんもう先週末くらいから店頭に並んでいると思います。ご覧のように、上下巻で赤と緑のクリスマス・カラーなので、プレゼントにも最適(笑)。
 逆に一般書店では、年末で取り次ぎが混んでいるとのことで、下手すると店頭に並ぶのは年明けになるかも、とのこと。
 ネット書店だと、どうなるんでしょうね、アマゾンでは予約が始まっていますが、ランキングを見るとけっこう集中しているようでもあり、もしかしたら品薄で配送が遅くなる、なんてこともあるかも。遅れてしまったらゴメンナサイ。
 ネット注文だと、版元のポット出版さんからも、直接購入できます。国内送料無料なので、こちらもオススメ。版元さんなので、在庫切れの心配もありません。
 まあ、ネット通販に関しては、先日の『外道の家・上巻』とは違って、こちらは一般書籍としての流通なので、一般的なネット書店でも問題なく取り扱われるはずです。

 さて、この長編マンガは、2003年から2006年にかけて、雑誌『G-men』で連載したものです。
 様々な想いを抱いて意欲的に取り組んだ、実に思い出深い一本。そこいらへんの想いについては、例によって後書きで触れています。またこの後書きが長くてね、ほとんどエッセイと化しちゃってます(笑)。
 総枚数は700ページで、『銀の華』の824ページには届かず、『PRIDE』の600ページはオーバー。今回発売の単行本も、上巻300ページ下巻400ページの大ヴォリューム。重ねて測ると、厚さ約5センチ。押し花が作れそうです(笑)。
 装丁や造本は、今年の春に同じくポット出版さんから出た『田亀源五郎{禁断}作品集』と同様に、今回も、好きな方には末永く愛して頂けるような、そんな感じの本作りを心掛けました。
 カバーを付ける代わりに、シンプルなデザインの外箱に入れるというのは、『[禁断]作品集』と同じ。今回の外箱は、ちょっとテクスチャーが入ったオフホワイト。そこに特色で、それぞれ赤と緑の一色刷り。マットなんだけど微かにツヤもあって、素敵な仕上がりになりました。
 中身を出すと、こんな感じに。
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 パキッとした特色三色使いの、ツヤツヤでピカピカな仕上がりです。この本体の装丁に関しては「お任せ!」と言っていただけたので、もう楽しみながら凝らせていただきました(笑)。因みに裏表紙は、こんな感じになっています。
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『君よ知るや南の獄・上巻』(amazon.co.jp)
『君よ知るや南の獄・下巻』(amazon.co.jp)

ちょっと宣伝、『外道の家(上巻)』発売中です

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 11月30日に、バディで7年間連載した長編マンガ『外道の家』の上巻が発売されました。版元はバディ本誌と同じく、発行はテラ出版、発売は技術と人間社です。
 ただこの本、雑誌コードで出されているので(表紙にも「月刊バディ2008年1月号増刊」と入っています)、書店流通はしているんですが、普通の単行本とは扱いが違っていて、たとえば現時点で確認してみたところ、アマゾンとかのネット書店では取り扱いがないようです。お近くの書店で見つかればラッキーなんですが、もし「通販で」とお考えの方がいらっしゃいましたら、とりあえず【楽天市場】中央書店コミコミスタジオってところでは取り扱われていましたが、他のネット書店だと望み薄かも知れません。
 通販で確実に購入するには、版元バディさんの、バディージェーピィ/ビージェイストアから直接購入するとか、あとはRAINBOW SHOPPERSさんとか、BIG GYMさんとかいった、ゲイショップで注文するのが良いかと思います。
 で、この『外道の家』がどんな話なのかと言いますと、出版社さんの宣伝文句を流用しますと「大地主・堀川惣右衛門の一人娘、萩乃の婿として迎え入れられた寅蔵。しかし、その初夜、惣右衛門によって寅蔵は犯されてしまう…。堀川の一族によって運命を弄ばれる寅蔵は一体どうなるのか…。」ってな内容です。
 連載開始時には編集部に、「横溝正史みたいな、田舎の旧家での血縁因縁ドロドロもの」と説明した作品で、終戦後まもなくの昭和の香り漂う、レトロムードなおはなし。装丁も内容に合わせて、ちょっとレトロ感を狙ってみました。ペーパーバックの、それもPP貼りではなくニス引き仕上げってのは、担当編集のみさおはるきちゃんのアイデアですが、いい感じに仕上がりました。描きおろしの口絵も、けっこうあでやかに描けたかな。
 あと、私としては、主人公やその相手といったメインキャラのみならず、サブキャラ、それも女性キャラを描くのがけっこう楽しかった作品で、特に「大刀自様」とか「おまつ」とかいったキャラは、描くのも楽しかったし、一部でオカマウケもしてました(笑)。また、連載中は編集部内でも変なウケ方をしていたとかで、例えば誰かに「あの仕事できた?」とか聞かれると、「さあ…すべきことは、いたしましたけど」と返すのが流行ったとか(読んだ人じゃないと判らないネタ)聞いたことがあります(笑)。
 ちなみに上中下巻の全三巻で、中巻は来年の1月31日に、下巻は3月31日に発売予定。
 連載自体も7年間と長かったですが、モノガタリ内のタイムスパンも21年間、総枚数768枚という大河ドラマなので、この機会にぜひまとめて御通読いただければと思います。

 さて、そして今月は今月で、今度はジーメンでやはり長期連載(5年間)した長編『君よ知るや南の獄』が、上下二巻の単行本として同時発売されます。今年の春に出た『禁断作品集』と同じ、ポット出版さんからの刊行。これまた総枚数700枚というゲイコミックとしては大ヴォリュームです。
 現時点では、いちおう12月25日発売ということになっていますが、店頭に並ぶのは、ゲイショップなど直販店では少し早く、一般書店では少し遅くなるかもしれない、とのこと。こちらは普通に書籍コードでの流通なので、アマゾンとかでも取り扱ってくれるはずです。
 既に、版元のポット出版のサイトでは、通販の先行予約の受付が始まっているので、これまた確実に手に入れたいという方は、ぜひご利用ください。

ちょっと宣伝、単行本『ウィルトゥース』発売です

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 明日10月12日、オークラ出版さんから単行本『ウィルトゥース』が発売されます。収録作品は「雄心〜ウィルトゥース」「雪原渺々」「誰にも言えない」の三本。
 版形は、一般の青年コミックなんかと同じB5版。これまでの私の単行本と比べると、一回り小さなサイズ。お値段も、648円+税というお手ごろ価格。
 装丁の方も、アクアコミックスというレーベルなので、その基本フォーマットは決まっているんですけど、その中での自由度はけっこう高かったので、デザイナーさんにお願いして、カバーの折り返しとか口絵とか、いろいろ楽しんで凝らせていただきました。

 表題作でもある『雄心〜ウィルトゥース』は、古代ローマを舞台にした、二人の剣闘士のお話。アンソロジー「激男」で連載していたものの、諸般の事情で中断してしまった作品です。自分では、かなり「意欲作」のつもりでしたから(まあ、どこがどう意欲的なのかは、言わぬが花ですけど)、未完になってしまったときは、本当に悔しかった。
 それを今回、最終章を描きおろし、無事完結させることができました。他にもちょこちょこ手を入れていて、総加筆枚数は42枚、総計は124ページという、内容もヴォリュームも、読み応えのある中編になったと思います。
 繰り返しになりますが、とにかく、無事に完結できたこと、そして単行本として世に出せたことが、本当に嬉しい。しかも、中断〜未完といった経緯も、今となっては災い転じて福となった感があり、連載の制約から離れた描き降ろしという形で完結させることによって、当初予測していた以上に、作者として満足度の高い作品になりました。

 同時収録の『雪原渺々』は、アンソロジー「肉体派」に描いたもので、日露戦争を舞台にした軍人もの、『誰にも言えない』は、雑誌「Super SM-Z」に描いた、現代もののソフトSMです。
amazon.co.jpで購入

ちょっと宣伝、単行本「田亀源五郎[禁断]作品集」発売です

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 ず〜っと出したかった待望の作品集が、ポット出版から発売されました。
 今まで諸般の事情で単行本化できずにいた、私の作品の中でもコアでディープなテイストの中短編マンガを収録。収録作は、古くは1992年の『さぶ』掲載作から、新しいところで2004年の『Super SM-Z』掲載作までを含む、「闘技場〜アリーナ」「瓜盗人」「KRANKE」「猛き血潮 中里和馬の場合」「猛き血潮 坂田彦造の場合」「NIGHTMARE」「ZENITH」「だるま憲兵」「衣川異聞」の全九編。
 もし、私に作家性というものがあるとすれば、この本はかなり色濃くそれが出ていると思います。そういう意味では、読み手を選ぶタイプの本かも知れません。そのぶん、お好きな方ならば深く愛していただけるような、そんな本になったと思います。
 そういう思い入れの深い本なので、造本や装丁にも凝ってみました。カバーを付けるかわりに、クラフト紙にスミ文字のみという、シンプルな外函入りです。でも、本体を出すとこんな感じに。
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 ポットさんの御協力を得て、私自身、長く手元に置いておきたい本を作ることができました。読者の方にも、数は少なくとも末永く愛していただければ本望です。
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画集『日本のゲイ・エロティック・アート vol.2』、ようやく完成

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 2003年12月に第一巻を発売して以来、長らくお待たせしていましたが、ようやくこの8月21日に、『日本のゲイ・エロティック・アート vol.2』が発売されます。
 実のところ、二巻を発売できるかどうかは一巻の成績次第だったのですが、無事2004年の9月にゴーサインが出ました。で、さっそく動き始めたんですが、収録を予定していた作品の収集に、思いのほか手間取ってしまい、更に予期せぬトラブルも幾つか起き、結局このように、およそ二年遅れの発売となってしまいました。

 今回の収録作家は、長谷川サダオ(さぶ・アドン・ムルム・薔薇族)、木村べん(薔薇族・さぶ・アラン)、児夢/GYM(さぶ)、林月光/石原豪人(さぶ・ジュネ)、遠山実(薔薇族・さぶ)、倉本彪(アドン)、天堂寺慎(風俗奇譚?)という顔ぶれになっています。
 ゲイ雑誌の大御所であった長谷川サダオや木村べん、ゲイ・アートのみならず昭和を代表する挿絵画家としても名高い林月光/石原豪人に加え、児夢/GYM、遠山実、倉本彪といった、知る人ぞ知る「幻の作家」の作品も多く収録でき、一巻に負けず劣らず充実した内容の画集であり、同時に日本のゲイ文化史を振りかえる上での貴重な資料になったのではないかと思います。
 本の総ページ数は220ページ強で、構成は一巻同様に、160点以上の図版(カラー88ページ)に加え、可能な限り調べた結果による各作家のバイオグラフィーや、時代によるゲイ文化史の変遷や作品論といったテキストを、併せて収録しています。

 で、実はこのBlogを始めたきっかけは、この本でして。
 というのも、一巻のテキストを執筆しているとき、慣れないせいもあってひどく手こずり、加えて不眠症になってしまったんですよ。論文とか、生まれてこのかた書いたこともなかったから、書き方そのものからして良く判らなくて(笑)。
 で、少し文章を書くトレーニングをしておいた方がいいな、なんて思っていた矢先に、プロバイダさんからBlogの案内が来たので、ちょうどいいやと乗っかってみた次第でして。
 そんなトレーニングの甲斐あってか、二巻の執筆は、一巻のときよりはスムーズにこなせたような。

 発売は21日ですが、既に版元のポット出版さんのサイトやamazon.co.jpでは、もう予約を受け付けています。
 あと、この本に絡めて、評論家の伏見憲明さん(序文をお願いしました)と私との対談が、既に発売中の雑誌『QJr クィア・ジャパン・リターンズ vol.2』に掲載されてますので、よろしかったら是非そちらもどうぞ。たまに「顔が見たい」なんてリクエストいただくことがあるんですが、ははは、この『QJr』の対談ページに、恥ずかしげもなくイッパイ載ってます、私の顔写真(笑)。

ポット出版のサイト
『日本のゲイ・エロティック・アート vol.2』(amazon.co.jp)
『クィア・ジャパン・リターンズ vol.2』(amazon.co.jp)

ちょっと宣伝。単行本発売されました。

tensyu-cover-t_2 え〜、基本的にお仕事関係は抜きのつもりだった当ブログですが、せっかく単行本が発売になったので、ちょっと宣伝いたします。
『天守に棲む鬼/軍次 田亀源五郎短編集』です。国内で発売される単行本としては、10冊目ですね。短編集は98年の『獲物』以来なので、何と7年振りということになります。

 今回の本は、光彩書房さんから出ていたアンソロに描いていた全作品を一冊にまとめたものなので、私の単行本としては、比較的ソフトめの仕上がりになっていると思います。とはいえ、ソフトとは言ってもね、作者が作者なんで、あくまでも「それなりにソフト」なだけかも知れない(笑)。
 この一連の作品は、当時けっこう自分で楽しみながら、いろいろ試していたようなところがあるんで、こうして一冊に纏まってみると、何だか幕の内弁当的な盛り沢山さになったような気がします。時代物あり、現代物あり、紅毛物あり(お前は明治時代の人間か)、ラブあり、鬼畜あり、私としては稀少なアホエロまで(笑)。
 本文の加筆は、同時収録の短編の一つのラスト2ページ。アンソロ掲載時とはエンディングが変わっており、これは読後感が少し変わっているかも。あとは、ベタの塗り忘れとか、トーンの張り間違いとか、そこいらへんは自分で気が付いたところをチョコチョコ修正入れました。メイキング裏話も、小さなフォントでぎっしり入っています(笑)。
 ご覧の通り、前回の『PRIDE』と違って、今回は表紙がリアル系。反面、描き下ろしのカラー口絵は、「萌え絵」に挑戦……って「どこがじゃ!」って言われそうだけど(笑)。
 昨日はジープロに行って、先行予約特典の「抽選で当たるサイン本30冊」に、サインを入れて参りました。当たった方、お手元に届いたら可愛がってくださいね。外れちゃった方は、本当にゴメンナサイ。でも、わざわざ予約してご購入くださって、本当にありがたく思っております。

 で、帰りがけにレンタルビデオ屋さんに寄って、『レーシング・ストライプス』を借りて、メシ喰いながら鑑賞。
 実はここんところ、毎晩『ライナー・ヴェルナー・ファスビンダーBOX』を見ていて、ちょっと心身共に疲れ切っていたもんだから……いや、面白いんですよ、ファスビンダー。でもね、観賞後のダメージがデカい作品が多くって(笑)。『自由の代償』なんてね、私は再見だから覚悟も出来てたけど、何も知らずに一緒に見ていた相棒は、「何てイヤなラストなんだ!」と憮然としてましたもん(笑)。と、かく言う私も、初見の『13回の新月のある年に』は、「スッゲ〜!」と思いつつも、見終わったらグッタリ、ドンヨリ(笑)。……ってな日々の後だったもんだから、『レーシング・ストライプス』は、何だかえらく楽しく見られちゃいました。
 ただ、『ベイブ』と比較しちゃうと、ちとキビシイんですが……っつーか、『ベイブ』が名作すぎるんだよな、きっと。まあ、比較する必要はないんだけど、話の骨子やキャラ配置に、これだけ共通点が多いとねぇ、イヤでも比べたくはなっちゃいますわ。
 で、『ベイブ』が「動物ファンタジー」として、「動物には動物の、人間の知らない世界がある」というニュアンスを盛り込みつつ、動物をメインにしながら人間とも上手く絡ませて、静かな感動を与える作品だったのに対して、『レーシング…』はどうしても、「擬人化された動物ドラマ」の域に留まっているので、『ウォーターシップダウンのうさぎたち』とか『楽しい川辺』とかを愛好する私とは、ちょっとテイストのずれがありました。
 あと、ドラマが基本的に「青春ドラマ」だから、『ベイブ』みたいな「けなげさ」はないし、人間ドラマと動物ドラマの比重がフィフティ・フィフティになっているのも、個人的には残念ポイント。出てくる人間が多すぎて、どうしてもフォーカスが散ってしまっている感もあるし、話の無理さ加減も、ちょっとギリギリかなぁ。
 反面、全体の何ともアメリカ〜ンなノリとか、かなり派手派手しい演出とかは、ま、これはこれでオッケーかな。詩情とか、印象的な静かな見せ場とかはなかったけど、下ネタを含むくだらないギャグは、けっこうケロケロ笑えたし(笑)。