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2010年下半期のハマりもの、ヴィクラム(Vikram)

vikram
 今年の夏に、ふとしたきっかけでインド/タミル映画のスターだという、ヴィクラム(Vikram)という男優さんに、スッポリはまってしまいました(笑)。
 まあぶっちゃけ最初のきっかけは、スチル写真を見て「何てカッコいい殿方!」とシビれちゃっただけなんですけど(笑)、ちょいと調べてみたら、タミル映画のDVDって個人輸入でけっこう安価に入手できる。んじゃちょっくら見てみんべい……と手を出したのが運の尽き。
 ヴィクラムにもタミル映画にもズッポリとハマってしまい、今年の夏以降に見た映画の四分の一は、タミル映画のDVDだったんじゃないかっつ〜くらい、中毒症状になりまして(笑)。
 そんなこんなで、ヴィクラム出演作も15本見てしまった(笑)。
 で、その都度Twitterの方であ〜だこ〜だ呟いていたんですが、まぁ、今年下半期の私的事件の1つとして、ブログの方にも纏めて載せることにします(笑)。
 というわけで、おそらく誰も興味がないであろう(笑)、タミル映画スター、ヴィクラムの出演作15本連続レビュー、いきます!
 因みに、並び順は私が見た順番そのまま、☆の数も独断です(笑)。

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“Bheema” (2008) N. Linguswamy
(☆☆☆☆)
 基本的にインドの男優さんの顔はちょい苦手な私が、おそらく初めて心底「かかかカッコイイ!」と思ったw、ヴィクラム主演のクライム・アクション。
 二つのギャングが対立する街で、突如現れたムチャクチャ強い男を軸に、親分子分の絆、無邪気な娘との恋、連鎖する暴力の悲劇などを描いたシリアス作品。
 プロット的には東映ヤクザ映画にも似た、ある種の定番ストーリーなのだが、単にそのテのクリシェを繋ぐだけではなく、ヒーロー映画的なカッコいいアクションをたっぷり見せながらも、やがて暴力の無常さという悲劇へと至るストーリーがお見事。クライマックス、まさかこんなハードな展開になるとは…。
 演出は基本的にリアル志向。ユーモラスな描写もあるけれど、それもアメリカ映画とかと同じような程度で、インド映画にありがちな、コントめいたお笑いシーンではない。インド映画らしく歌と踊りもあるのだが、それも極力ストーリーから浮かないように工夫されているのが判る。
 情緒描写も過剰になりすぎないように抑制されているし、極端にトゥーマッチな演出もなく、インド映画的なエグ味はほとんど感じられず。ミュージカル・シーンを除けば、インド映画に馴染みのない人でも、面白いクライム・アクションとして、違和感なく普通に楽しめるのでは。
 まあ、とにかく主役のヴィクラムが、ムチャクチャ強いけど不器用な男を好演していてカッコいい。アクション・シーンも、ワイヤーワークなどを使いつつ、馬鹿馬鹿しくなるギリギリ手前で踏みとどまり、煩くならない程度の画面効果も交えて、アクション的にも映像的にも見応えあり。
 というわけで、インド映画云々を抜きにして、普通に男のドラマ好きにオススメできる内容。ただし前述したように、かなりハードな結末が待ち構えているので、カッコいいアクション映画なんだけど、鑑賞後の爽快感はないのが諸刃の剣かも。私は好きだけど、見る人によっては後味が悪いかも…。
“Bheema”から、新生活を始めた主人公とヒロインを、BGM的に挿入歌を使って表現したシークエンス。
http://www.youtube.com/watch?v=h8FuT2LknZ0

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“Kanthaswamy” (2009) Susi Ganesan
(☆☆)
 インド製のマスクド・ヒーローもの。
 カンダサーミーという鶏の化身のような神様に扮した男が、悪人から闇金を巻き上げて貧乏人に施しており、警察はその正体を追い、悪党の親玉も、自分の悪事を知らない美人の娘を使って、カンダサーミーだと思われる男を罠にかけようとする…といった内容。
 ストーリー的には、バットマンみたいな感じで始まるんですが、ヒロインとの騙し合いや恋の駆け引きにフォーカスが移ったり、インド社会の経済格差を問題にする社会派っぽい要素があったり…と、いかにもインド映画らしい盛り沢山さなので、マスクド・ヒーローものにしてはスピード感に欠けるのが痛い。
 全体のテイストは、極めてアメリカ映画風。コマ落としやらチカチカする画面効果などを多用した画面は、良く言えばスタイリッシュだけど、多用しすぎでウンザリする感も。ミュージカル場面もMTV風、音楽もヒップホップをベースにしたミクスチャー感のあるもので、設定以外にインド風情はあまりなし。
 映像自体は今っぽいんですが、本筋と全く関係ない漫才みたいなお笑いシーンがしつこく入るとか、クライマックスで緊迫感が欲しいシーンなのに、変なお色気サービスみたいなミュージカル・シーンを入れるといった感覚は、完全に古いタイプのインド映画と同じなので、ちょっとイライラさせられます。
 主演は、最近のご贔屓ヴィクラム君。スタイリッシュなビジネスマン風情がメインですが、怪人姿になったり老人に化けたり、はたまた女装までしてくれたりで、コスプレ七変化をタップリ楽しませてくれました。でもやっぱ、もっさい髭面のときが一番ステキw
“Kanthaswamy”主題歌。このタミル語ラップの主題歌は、かなりカッコイイ ^^
http://www.youtube.com/watch?v=g70WjKYtJG8

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“Pithamagan” (2003) Bala
(☆☆☆☆☆)
 ヤバい…これはかなり凄い。主演のヴィクラム目当てで注文したDVDが届いたので、ちょっと再生チェックのつもりでプレイヤーに入れたのだが、その映画力に引き込まれてついつい最後まで通して見てしまった…ど〜すんのよ、仕事w
 墓地で産み落とされ火葬係の行者に拾われた、火葬以外のことは何も知らず野生児のように育った青年が主人公。行者の死後、彼は初めて墓地から出て村へ行くのだが、村人たちから忌み嫌われる。そんな中、1人だけ彼をまともに扱ってくれた大麻を売りの娘に懐き、彼女の世話で大麻畑で働くようになる。
 しかし大麻の輸送中に警察に襲われ、独り取り残されて囚われ、牢屋に入れられてしまう。言葉もロクに喋らず、何かあると野獣のように暴れ回る彼は、警官たちからは虐待され、囚人仲間にも敬遠されるのだが、やがて自分に良くしてくれた同房のチンケな詐欺師に懐くようになる。
 やがて釈放された主人公は、詐欺師・麻薬売りの娘・旧習に反発する女学生といった、社会からはみだした者たちと一緒に、穏やかで楽しい共同生活をするようになり、次第に人間らしさも芽生えてくる。しかし、大麻畑を潜入捜査していた警察官が殺されたことを契機に、一同は悲劇へと巻き込まれていく…
 とにかくしょっぱな、主人公が墓地で産み落とされるシークエンスから、もう圧倒されてしまった。それまでモノクロだった画面が、巧みな移動撮影で人物がフレームアウトし、レンズフレアが入ると同時に産声が上がり、その瞬間、画面がカラーに切り替わる、そのワンショット撮影の見事さ!
 作劇もお見事。一見、いかにもインド映画のお約束的なお笑いシーンっぽいものもあるのだが、それが中盤以降に見事な効果となるし、やはりインド映画に付きものの歌と踊りも、メタフィクション的に扱うことで、インドの大衆にとって映画とは何であるかという部分までもが浮かびあがってくる。
 ストーリー的なクライマックスは、構造そのものは良くあるクライムもののパターンなのだが、特異な設定の主人公とヒンドゥー教的な要素を絡ませることによって、まるでギリシャ悲劇でも見ているかのような、神話的な力強さへと転換する。娯楽映画として成立させつつ、思索性や芸術性もある見事な内容。
 主役のヴィクラムは、台詞も表情もほとんどない(笑うことも泣くこともないという設定)にも関わらず、無垢な穏やかさと野獣的な獰猛さの緩急が素晴らしく、堂々たる存在感。(おまけにカワイイw)終盤の狂気をも感じさせる演技は、バイオレンス描写とも相まって圧巻。
 そんなこんなで、とにかく見事な出来映えなので、インド映画に興味がない方でも、これは大いに一見の価値あり ^^ いや〜、ちょっと感激。
“Pithamagan”から、主人公の誕生から成長を、歌に乗せて、生と死のイメージのモンタージュで描くシークエンス。
http://www.youtube.com/watch?v=UCZuS1Ziv04

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“Anniyan” (2005) S. Shankar
(☆☆☆)
 監督は「ジーンズ」や”Nayak”、そして最近は「インド初のSF超大作か?」とあちこちで話題の”Enthiran (Robot)”を撮ったS・シャンカール。
 バラモンの出で弁護士の主人公は、生真面目で善良ななのだが、ちょっとした不正も許せず、しかも気が弱い。ところが交通事故にあった老人の死に立ち会ったことで、彼の中にアニヤン(異邦人)という別人格が生まれ、不正を働いた者を処刑する仕置き人となり…というサイコスリラー。
 更に主人公は、幼馴染みのヒロインに自分の堅物さが原因で振られたことにより、イケメンのファッションモデルという人格も生み出してしまう。そのイケメンにヒロインは次第に惹かれていき、一方警察は現場に残された謎のサンスクリット語の意味を手がかりに犯人を追い…といった展開。
 全体としては、細かいことは気にしちゃダメ、これでもかこれでもかのサービス精神で突っ走って、アクションもスリラーも愛も人情もギャグも歌も踊りも、全てコッテリ半端なくテンコモリ…とゆー、典型的なインド映画の楽しさを満喫できる仕上がり ^^
 マジメな見所として興味深いのは、普通仕置き人といったら、巨悪とか極悪人が対象ですが、この映画の場合は、誰でも身に覚えがあるような「まあ、このくらいはいいか、皆やってることだし」といった程度の、ちょっとしたルール違反や、市民の責務を怠った人間が、仕置きの対象になっているところ。
 そういう「こんなことで?」という要素を、主人公の過去とリンクさせることで観客にシンパシーを与えつつ、更にそれを社会的な問題提起へと繋げて見せるあたりは、なかなかお見事な手綱捌き。痛快娯楽作でありながら、物事を紋切り型の善悪二元論で片付けていないのは、かなりの高ポイント。
 主演のヴィクラム君は、三重人格の役ということで、その芸達者ぶりを存分に発揮。いかにもインド映画らしいオーバーアクト気味ながらも、ワンカットで人格がコロコロ切り替わるシーンなんかは、迫力もあってやっぱり上手い。3人ともあんまり私のタイプじゃないのが残念だけど、半裸拷問シーンもありw
 とにかく何でもかんでもテンコモリなので、見所は色々あるんですが、後半に出てくる変な空手(カンフー?)道場でのアクションが、その「ありえね〜!」感タップリのド派手さで、特に楽しかったw 2005年の映画なのに「マトリックス」やっちゃうダサさも含めて愛おしいです ^^;
“Anniyan”予告編。
http://www.youtube.com/watch?v=fTD3O4m8WuI

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“Saamy” (2003) Hari
(☆☆☆)
 街に現れた酔いどれ男。実は新任の警察署長で、街の様子を調べるための芝居だった。新人署長は着任後さっそく手腕を発揮して、街の諸悪を掃除していくのだが、街のビジネスを裏で一手に握り、政治家とも癒着のある巨悪と対立していき…ってな内容。
 まあストーリー的には、「熱血警察署長もの」と聞いて想像される、そのまんまの内容。正義漢で熱血漢、身体を張って悪と戦い、ときには違法スレスレの手段(てか「違法だろう、それ!」ってのもありw)も駆使して、弱気を助け強きを挫く、クリシェ通りのヒーローもの痛快アクション。
 盛り沢山でドラマチックだけどディテールのない展開、美人ヒロインとの恋模様、人死にを使ったエモーショナルな展開、定期的に挿入されるどうでもいいお笑いパート…と、表現面もストーリーテリングも、もうコッテコテのインド映画。とはいえさほどぶっ飛んだ展開ではないので、安心して楽しめます。
 全ての要素がひたすら「主人公カッコイイ〜!」ってことに奉仕しているので、主演のヴィクラムのファンとしてはウハウハw この人は下積みが長くて、マイナー映画で注目された後、今回の「Saamy」のヒットなどを通じてスター街道を駆け上ったらしいけれど、それも納得のカッコよさ ^^
 というわけで、古き良き(って2003年製作なんだけどw)インド大衆娯楽映画のお手本みたいな映画でした ^^
“Saamy”から、冒頭の飲んだくれに扮している主人公を囲む、見応えのある群舞シーン。
http://www.youtube.com/watch?v=wLDt22Xw6lI

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“Dhill” (2001) Dharani
(☆☆)
 主人公は警察官を目指す正義漢。無事に一次試験に通ったところで、街で出会った娘に一目惚れ。いろいろあって無事お付き合いすることになるのだが、デートの最中に酔漢に絡まれ、ついそいつをブチのめしてしまった。ところがそいつは何と非番の警察官で、しかも悪徳政治家と手を組む悪い奴!
 騒ぎで顔に大きな傷を負った悪徳警官は、主人公への怨嗟に燃える。果たして主人公は無事警察官になれるのか、そして悪人どもに打ち勝てるのか? ってな、正義漢の主人公およびその周囲の人間が、悪人たちにあの手この手で酷い目にあい、最後に逆襲! とゆーセオリー通りのパターンのアクションもの。
 まあ、これまた例によってコッテコテのインド映画。ヒーローはカッコ良くヒロインは美しく、アクションはド派手で、身近な人の死を使ってエモーショナルに盛り上げ、お笑いシーンがしつこく挟まり、もちろん何かあると歌って踊り出す。一から百までお約束通りの内容w
 ただ、今回は私的には特筆すべきものがあって、それは主人公を演じるヴィクラムの…ヴィクラムの… 責 め 場 キタ━(゚∀゚)━!!!!! ってことだったりwww
 とゆーわけでヴィクラム君、恋人を救うために悪徳警官に囚われ、警察署の拷問部屋で、上半身裸で逆さ吊りのタコ殴り、棒縛りで足の裏をメッタ打ち、フラフラするところをこづき回されガットパンチング…ってな、嬉しい嬉しい展開にw あ〜生きてて良かった ^^
dhill_scene_edit
 まあ責め場以外にも、悪人どもが主人公を陥れるためだけに爆弾テロ事件をあちこちで起こしちゃうとか、前半に主人公がバーベルを持ち上げるシーンがあるんだけど、それがビックリギョーテンの伏線だったとか、いろいろトゥー・マッチな楽しさもありました ^^
 とゆーわけで、典型的なインド映画のアクション物とゆー枠を出る要素は何もないけれど、主演男優のファンだったら文句なしに楽しめる上々の出来映え。わりと肉体派を強調した作りなので、脱ぎ場もそこそこあるし ^^
 因みにタイトルの意味は「根性!」だそうな ^^

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“Majaa” (2005) Shafi
(☆☆☆☆)
 タイトルの意味は「Fun」らしいので、映画の内容に併せて考えると「楽しくいこうぜ!」って感じかしらん。
 父1人息子2人の泥棒一家(兄貴が主演のヴィクラム)が、泥棒から足を洗い、家を売り払ってトラックを購入し、かたぎの新生活目指して出発! ところがトラックがエンコしてしまい、しかも弟が近在の家から貰ってきた食べ物(実は貰ったのではなく盗んでいた)には、何と毒が盛られていた!
 それを契機にこの一家は、立ち退きを迫られている農民一家と、あたり一帯の地主との争いに巻き込まれていく。しかし実はこの二つの家族には、土地代云々以前からの因縁があり、しかも真の悪人は別にいて…ってな内容の、コメディータッチの痛快アクション。
 学もなく貧しく、でも心は純な田舎の暴れん坊一家が、恋にケンカに大暴れ! ってな感じの世界ですが、いや、これはスピード感満点で痛快至極。コメディタッチのためセリフが早口で、字幕についていけないところや、何が可笑しいんだか判らない笑いどころも多々あるんですが、でも思い切り楽しめる。
 コミカルな日常描写とカッコいいアクションシーンの対比もバッチリ、しかも途中から、泥棒一家が実は血の繋がった家族ではないことも明かされ、家族の絆を問う泣きのシーンもあるし、キャラクターも紋切り型と思わせておいて、実はそうではないというドンデンがあったりとか、上々のストーリー。
 ヴィクラムはシリアスからコミカルまで相変わらずの芸達者だし、弟役の男優もルックス演技共に上々。農民一家も地主一家も配役にぬかりはなく、コミックリリーフも話から浮きすぎず、勧善懲悪のスカッと気分と切れのあるアクションと家族愛も堪能できて、後味のハッピーさも抜群。
 度を超した破綻もなく、でもインド南部の田舎の風物詩はたっぷり堪能できるし、インド映画好きにも初心者にもオススメできるクリーンヒット。しかも男臭さというかチョンガー臭もムンムンで、男のカッコよさも可愛さも馬鹿さもタップリ堪能、私的にはかなりの高得点でした ^^
“Majaa”から、農作業しながらみんなでダンスの音楽シーン。こーゆー感じの土臭い威勢の良さがタップリ楽しめる映画 ^^
http://www.youtube.com/watch?v=bgH77XWoqqE

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“Arul” (2004) Hari
(☆)
 正義漢で腕っ節の強い主人公が、選挙に向けて支持者を集めるためには殺人も辞さないという大物政治家に立ち向かう…という話に、主人公と父親の相剋とか、お向かいのおきゃんな娘との恋なんかが散りばめられ、歌と踊りとトゥー・マッチにバイオレントなアクションシーンで彩られる内容。
 う〜ん、これはちょっと… ^^; テンコモリはインド映画の特徴だけど、どうもそれぞれがバラけてしまっていて、おかげで最後のハッピーエンドの強引さが際だってしまう感じ。後半になって、話を盛り上げるために人死にをバンバン使う感覚も、行き過ぎ感アリアリでイヤ〜ンな感じ。
 主人公は汚い言葉(音声字幕共に規制で消されているので、どんな言葉なのかは判らず)を許せないという設定なんだけど、それを言った相手をボコボコに殴るのは、何だかキレやすい人みたいで好感度が低下。アクションも「いくら悪人相手でも、何もそこまで…」と、ちょっと引いてしまう感じ。
 というわけで、古風なインド映画の特徴が、悉く裏目裏目に出てしまった感じで、見終わった後は「あちゃ〜…」な印象でした (´・ω・`)

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“Gemini” (2002) Saran
(☆☆)
 主人公はストリート・ギャングのボスで、ライバル組織と抗争中。そんな中、夜学に通う美少女に一目惚れして、彼女の気を惹くために正体を隠して自分も入学。見事イイ感じの関係に持ち込むが、そんな最中、新任の警察署長が就任して、ライバルのボス共々パクられてしまう。
 人格者の署長に感銘を受け、主人公は更正を決意して無事釈放。これからはかたぎでいこうとするが、子分はそれを受け入れられず、ライバルのボスも相変わらずのワル、しかも彼女も離れていってしまった。果たして主人公は、無事に真っ当な道を歩めるのか? ってな内容。
 まあ例によって、恋にケンカに人情に笑いに歌に踊りに…と、ひたすらテンコモリの内容。ストーリーテリングは乱暴だけど、度を超した破綻はなく、ビックリ伏線もそこそこあったり、プチ社会派な要素もあったりで、飛び抜けたものはないけど、標準的に楽しめました。
“Gemini”から、更正しようとする主人公の恋路を、ビッチ系ライバルキャラ(踊ってる太目の女子)が邪魔しようとする音楽シーン。何となく80年代テイストだけど、いちおう2002年の映画です ^^;
http://www.youtube.com/watch?v=eplwi9crf-k

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“Sethu” (1999) Bala
(☆☆☆☆)
 監督は”Pithamagan”、”Naan Kadavul”で個人的に大注目中のバラ。
 主人公セトゥは大学の生徒会会長で、正義漢はあるがカッとなりやすく、男尊女卑的な部分もあるマッチョ・ガイ。生徒会のライバルを腕力でブチのめし、弱い者いじめをする者には天誅を下し、新入生に先輩風を吹かしているが、新入生のおどおどとしたバラモン出の女子と出会い、次第に惹かれていく。
 しかし今まで本気で人を愛したことのない彼は、自分の恋情を持てあまし、そのせいで何かと極端な行動に走ってしまう彼の気持ちを、彼女も受け止められずにいる。あれこれあった挙げ句、ようやく彼女の気持ちがこっちを向き始め、彼が有頂天になったところに、過去の因縁で闇討ちにあってしまう。
 その襲撃で、脳に損傷を受けた主人公は、正気を失ってしまう。そして現代医学からは見放され、精神病患者にインド古来の治療を施す寺院に収容されてしまう。周囲が嘆き心配する中、やがて彼は正気を取り戻すのだが、その寺院からでることは出来ず…といったストーリー。
 う〜ん、実にハードな内容。暴力や恋愛を「激情」の産物として捉え、そこにインド古来の伝統や宗教的モチーフを絡めつつ、それらの坩堝と化した「人の世の哀しさ」を描くという内容は、「Pithamagan」「Naan Kadavul」と同じ。バラ監督、実に作家性がはっきりとしています。
 これがこの監督の処女作ということもあり、流石にいささかまだぎこちなかったり垢抜けない部分は散見されますが、しかし力強さは桁外れ。悲劇へと雪崩れ込む後半の怒濤の展開は、伏線の生かし方やパワフルな演出などなど、もうとにかく圧倒されました。
 主演のヴィクラムも、この映画撮影時には、まだ無名の端役時代。新人監督が撮った無名俳優主演のこの映画、悲劇的な内容ということもあって、数多の会社から悉く配給拒否され、ようやく配給が決まっても宣伝も何もなく、ひっそりと上映が始まったんだそうですが、口コミで大ヒットしたんだそうな。
 というわけで、この映画によってバラ監督もヴィクラムも、共々スター街道を駆け上るきっかけとなったんだそうですが、それも納得の内容。才気迸るバラ監督の作品世界にも、陽気なマッチョから悩める青年へ、そして廃人と、見事な演技力を見せるヴィクラムにも、共に拍手。いや、満足満足 ^^

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“Saamurai” (2002) Balaji Sakthivel
(☆☆☆)
 タイトルの意味は文字通り「サムライ」です ^^
 主人公は居を転々としながら、身体を鍛えたり子供たちに無償で学問を教えている謎の男。しかし彼の正体は、謎の新聞広告で仲間達と連絡を取り合っては、病気療養などの名目で法の目を逃れている、貧困層を苦しめた悪徳政治家でを、巧みな手口で次々と誘拐していくグループの首魁。
 そんな主人公が、ある日バスの中で出会った快活な女学生に目を奪われる。しかし女学生の父親は、彼を追う立場にある警察官だった。果たして誘拐団の目的は何か、そして彼はなぜ彼女に目を奪われたのか、それは全て彼の過去に端を発していた…ってな内容です。
 これはなかなか見所いっぱいで面白い出来映え。根っこはまあありがちな「弱きを助け強きを挫く」ヒーローものなんですが、ミソは処刑ではなく誘拐というあたり。それによって、動機はともかく目的に謎が残るので、作劇的にクライマックスまで上手く興味を引っ張っていくことに成功している。
 加えて、行動とヒロインとの関係、両方の動機になっている主人公の過去のエピソードを、上手い具合に映画中盤に挟み込み、しかもそれがかなりエモーショナルな内容なので、そこから先、ストーリーが一気に加速していくダイナミズムへと繋がり、エンディングまで目が離せなくなる。
 見所はいっぱい。まず、主人公が仲間達と行う謎のトレーニング。ビニール袋をかぶって水中で息を止めたり、ワイヤーで吊られて焚き火の上に落下したり…と梶原劇画か小池一夫ばりの特訓シーン。何じゃこりゃと思っていると、後にそれが実際の誘拐にどう使われるかを見せてくれるので納得 ^^
 ヒロイン部分も、快活な女学生の生活を最初にじっくり描いているので、前半の後半部で貞操の危機に遭うあたりからは、ど〜なっちゃうことやらとハラハラドキドキ。ただ、回想シーンに出てくる過去のヒロインが、美貌といいエピソードといい強力すぎるので、後半は影が薄くなっちゃうのが惜しい。
 それ以外にも、あの手この手で要人の居所に潜入して誘拐をする、昔のスパイ映画みたいな楽しさとか、とうぜんそこで繰り広げられる飛んだり蹴ったり殴ったりのアクションとか、職務と正義感で煩悶する警察官とか、例によって盛り沢山なんですけど、繋がりが自然で無理がないのが良い。
 ネタバレになりますが、クライマックス、主人公が捕らえられて誘拐の目的を明かし、それが報道されることによって民衆の支持を得て、司法や行政サイドとの対立を経て、暴動〜リンチへと雪崩れ込むんですが、そこいらへんのパワフルさも見所。まあ、倫理的にはちょっとどうかという気はしますけど…。
 主演のヴィクラムは、自分のためではなく社会正義を動機として、世の不正を正すために暗躍する、ストイックな、でも文武両道のヒーローで、その精神を「サムライ」になぞらえているんですが、まあ相変わらずカッコイイのと演技達者で魅せられます。チビっとですけど、責め場もアリ ^^
 そんなこんなで、いかにも現実でもありがちな権力者の不正に対して、カッコいいヒーローが立ち上がり、更には社会の抱える矛盾を突きつけながら、最終的には勧善懲悪ものとして終わるので、そんな真っ直ぐさと、インド映画的な盛り沢山さとパワー感が、上手い具合に噛み合った好作でした ^^

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“Kadhal Sadugudu” (2003) Durai
(☆)
 孤児の主人公は、友人に誘われて一族が集まる田舎の祭りへ出掛け、暖かく歓待され一族の娘の一人と恋に落ちる。しかし、主人公は実はその娘の父親と、それと知らずに何度か出会っていて、しかも度重なる不幸な偶然のせいで、父親は主人公を悪い人間だと思い込み悪感情を抱いていた。
 主人公と娘は互いに深く愛し合い、娘の一族もそれを応援するのだが、父親だけは頑として二人の仲を認めようとはしない。果たして二人は無事結ばれることができるのか? …といった内容。
 …う〜ん、これはちょっと… ^^; しょっぱなの、主人公と娘のロマコメめいた展開はけっこう好調なんだけれど、娘の親父さんのキャラがマズい。愛娘を溺愛する昔気質の頑固親父…なんだろうけれど、余りにも意固地に過ぎるのと、その言動が極端すぎるせいで、単なる馬鹿にしか見えないのだ。
 例えばこの親父さん、自分の娘が言いつけを破って、交際を反対している男と会ったのを知って、ガソリンかぶって焼身自殺しようとするなんて、いくら何でもトゥーマッチ過ぎてついていけないし、いくら不幸な偶然による誤解とはいえ、ここまで重なると単に見る目のない馬鹿としか思えないし… ^^;
 つまり、厳格な家父長や頑固親父ならではの魅力というものが、全く伝わってこないんですな。加えて他の登場人物たちが、この親父さん以外はほぼ全員、実に善良で思いやりのある人たちばかりなので、なおさらその意固地さや頭の固さがマイナスの印象になってしまう。
 演出や作劇も、悪い意味で実にインド映画的なもので、強引なストーリー展開、トゥーマッチにエモーショナルな盛り上げ方、しつこく挿入される本筋とは全く無関係のお笑いシーン、話の腰を折るみたいなタイミングで出てくるお色気サービスのダンスシーン…ってなパターン。
 とゆーわけで、特に印象に残るシーンもなく、ちょっとウムムな出来。唯一、インド映画では基本的に御法度だったキスシーンを、はっきり明確に描いているところに驚いたくらいかなぁ… ^^;

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“Raavanan” (2010) Mani Ratnam
(☆☆☆☆☆)
 監督は「ボンベイ」のマニ・ラトナム。ヴィクラム&アイシュワリヤ・ラーイ主演。東京国際映画祭で上映される「ラーヴァン(ヒンディー語版)」のタミル語版。

 南インドのとある地方、何人もの警察官が襲撃&惨殺され、警察署長デーヴの妻ラーギニーが誘拐される。彼女を攫ったのは無法者ヴィーラ(主人公)率いる山賊のような一団。彼らは、行政側からは悪党・テロリストとみなされているが、実は土地の人々には義賊的に慕われている面もある。
 当初ラーギニーは、何らかの報復か見せしめのために処刑されるはずだったが、ヴィーラは彼女の秘めた「強さ」に惹かれ、生きたまま自分のアジトへと連れて行く。一方、夫デーヴは妻を奪還するために、警察の一団を率いて山狩りを開始する。
 密林と山中の道行き中に、ヴィーラはどんどんラーギニーに惹かれていき、ラーギニーもヴィーラの中に、単なる悪党ではない人間性を認めていく。その反面、警察の山狩りを通じて、法の下での正義に隠れされていた、デーヴの妄執や非情な側面が浮かびあがっていく。
 そんな中、ヴィーラがなぜ警察官の殺害やラーギニーの誘拐を実行したのか、その理由が明かされる。自分の知らなかった過去の経緯と、夫の一面を知って、ラーギニーの心はますます揺れ動き、そしてついにヴィーラとデーヴは対峙するのだが…といったストーリー。

 いや〜見応えあった〜! テーマはおそらく二本柱。まず、どれが善でどれが悪と単純には言えない、人間や人間社会の多面性。そしてもう一つ、ズバリ「愛」。いやぁ、すごいラブストーリーだわぁ、思わず泣いちゃったなり 。・゚(゚⊃ω⊂゚)゚・。
 善悪の問題に関しては、これといった回答が提示されることはなく、これはおそらく監督の視線が「人間(社会)とはそういったものである」というスタンスにあるからではないかと。そんな中で、愛ゆえに生まれる、怒りや赦しといったものが描かれていく。
 あんまり詳しく書くとネタバレになっちゃうので控えますけど、とにかく、そういった「人間(社会)」における「愛」の意味が、様々に形を変えて問われるという意味で、これは「ラブストーリーである」と断じる次第であります。
 技術も見事。前半部、現在と過去二つの時制を交錯させて語ることによって、事件の全容が浮かびあがっていくのと、キャラクター造形が次第に深くなっていく前半、そして全てが明らかになり、血肉を与えられたキャラクターの心理ドラマとなる後半、作劇として実に見事な構成。

 撮影の美しさも素晴らしい。密林や山岳地帯といった自然の姿と、そこで蠢く人間達の心理を描く、スケール感タップリの風景描写、表情のクローズアップ、湿度などの空気感が伝わってくるシズル感、印象的なスローモーション…などなど、もう文句なしの出来映え。
 役者も、ヴィーラ役のヴィクラム、ラーギニー役のアイシュワリヤ、共に文句なしの素晴らしさ。このストーリーのキイとなるのは、ヴィーラというキャラクターの複雑さに、どこまで説得力と共感を与えることができるかに尽きると思うんですが、ヴィクラム、過剰になり過ぎない演技で見事にクリア!
 アイシュワリヤ・ラーイも、キレイなおべべを着ているシーンなんかホント数えるほどしかなく、ひたすらズブ濡れドロドロ状態なのに、まあ何とも輝くばかりの美しさと、その凛とした佇まいときたら…元々好きな女優さんですが、今まで見た彼女の中でも、これはベストかも。
 デーヴ役のプリトヴィラージ(…でいいのかしらん?)は、いささか弱い気はするんですが、これは役者のせいというよりも、他の二人に比べると、デーヴの描写が少し浅いせいだという印象。このデーヴのキャラクター造形不足とラストの性急さは、この映画自体の瑕瑾かも。ちょっと惜しいです。

 さぁて、こうなると今度見に行くヒンディ語版「ラーヴァン」がますます楽しみになってくる。果たしてヴィーラ役のアビシェク・バッチャンは、どんなキャラクター造形を見せてくれるのか、そして今度はデーヴ役になるヴィクラムは? ふふふ、楽しみ楽しみ ^^
“Raavanan”予告編。
http://www.youtube.com/watch?v=1L6b5JJShrU

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“Dhool” (2003) Dharani
(☆☆☆)
 とある田舎の村で、工場の廃液が水を汚し、家畜が死んだり人が病気になったりしている。学はないが腕っ節と根性はある村の男(主人公)と、彼といつも反発し合っている勉強のできる幼馴染みの村娘、そしておばあちゃんの3人が、村の窮状を知事に陳情するために都会へと向かう。
 都会で無事知事に会い、前向きな返事を貰えたものの、主人公とヒロインは始終衝突してばかり。そこに、ガタイ専の色っぽいオネエチャンが主人公に惚れてしまい、更に厄介なことに。また、都会には人々が怖れているギャングがいて、そいつらとも揉め事を起こしてしまう。
 しかも、善人に見えた知事も実は悪徳政治家で、件のギャングと裏で繋がっていた。知事とギャングは邪魔な主人公を消そうとし、主人公はそれに立ち向かう。果たして彼は無事に敵を倒して、公害から村を救うことができるのか…? ってな内容。
 これは上出来 ^^ まあ、弱きを助け強気を挫き、現実にありがちな社会問題に立ち向かう強いヒーロー、ロマコメタッチの恋愛騒動、歌とダンスとド派手なアクション、コテコテのお笑いパート…と、典型的なインド大衆娯楽映画ではありますが、そんな映画ならではの味で、タップリ楽しませてくれます。
 出来の良さには幾つかポイントがあって、まずキャラクターの良さ。主人公はもとより、おばあちゃん、セクシーねえちゃん、見方してくれる警察官、ギャングの首魁のババア(ボスキャラが女なのは珍しいかも?)…などなど、メインから脇までキャラが良く立っているので、楽しさも倍増。
 話も良くできていて、前半のコメディ展開、後半の怒濤のアクション展開、どちらも面白い。伏線も上手く使っているし、悪徳知事を追い詰めていくアイデア等にも工夫があり、安易に人死にを使ってエモーションを盛り上げようとしたりしないのも良い。
 加えて音楽もゴキゲン。昔ながらのインド映画の枠をはみ出すようなものではないけれど、ジャンル映画として上々の出来映え。主演のヴィクラムも、コメディ演技もアクションもバッチリ決まって、相変わらずのカッコよさ。いや、満足満足 ^^

Raavan
『ラーヴァン』(2010)マニ・ラトナム
“Raavan” (2010) Mani Ratnam
(☆☆☆☆)
 東京国際映画祭でヒンディー語版「ラーヴァン」を見たので、先日見たタミル語版「ラーヴァナン」共々、両バージョンを無事鑑賞終了。
 で、結論。これは明らかにタミル語版の方が良い!
 前に呟いたように、この物語の鍵を握るのは、ビーラという複雑な人物の表現如何。ヒンディー語版のアビシェク・バッチャンは、熱演はしているものの、10の顔を持つと謳われるような、複雑な多面性にまでは至っておらず、サイコさん風味がキツ過ぎる印象。
 秩序と混沌、論理と野蛮の対比も、この物語の肝なのだが、混沌・野蛮の体現者であるビーラというキャラを演じるにあたって、アビシェクはいささか線が細い。肉体的な存在感も繊細な表現力も共々、これはタミル語版ヴィーラを演じたヴィクラムが圧勝。
 ヒンディ語版デーウを演じるヴィクラムは、この役柄にはいささか男っぽすぎ、ストーリーと共にキャラクターの印象が変化していく驚きに欠ける。いささか弱いと感じられたタミル語版のプリトヴィラージが、この点ではその人畜無害感が逆に効果的だったのだと判る結果に。
 事件の発端となる、ビーラの妹が一目惚れする腰抜け若造も、ヒンディ語版では、う〜ん、これはちょっと…というお顔。まあ、ここいらへんは色男の基準の違いもあるんでしょうが、少なくともこの違和感も、タミル語版では感じられなかったポイント。
 ビーラの兄弟二人も、これまた神話的世界のキャラクター造形的な強さという点で、やはりタミル語版に軍配を上げたい。こういった諸々が合わさり、タミル語版「ラーヴァナン」で感じられた力強さが、ヒンディ語版「ラーヴァン」ではかなり薄まってしまっている印象でした。

 とはいえ、これはあくまでも2つのバージョンを比較すると…という話であって、単体で見れば、ヒンディ語版「ラーヴァン」も、大いに見応えのある作品であることは確か。
 細かな差異では、歌詞の翻訳が異なっている部分があった(これは意訳によるものなのか、それとも音韻などの理由で歌詞そのものが異なるのかは判らず)のと、タミル語版で見られたビーラの妹が警察署で輪姦されるのを暗示するカットが、ヒンディ語版では全て台詞で説明されていたくらい?
 ただ、基本的には完全に同一と思ってよい感じで、ちょっとした印象的なカットまで、俳優だけが変わって、他は全く同じに撮られているのに驚いたほど。
 一例を挙げると「うわ、このトンボ、またここにいるよ。ってことは、作り物かCGか、それとも足を接着してるのかしらん ^^;」なんて思ったほどwww

Blu-ray_raavanan
 昨年末に発売された”Raavanan”のBlu-rayも無事ゲット。
 文句なしのHD画質(1080p High Definition 16×9 / 2.35:1 AVC-4)。
 映像の迫力と映像美が見所の1つなだけに、やはりこの高画質は嬉しい ^^
 音声はタミル語 5.1 DTS HD Master Audioと、タミル語 5.1 LPCM Uncompressed – Studio Masterの2種。字幕は英語のみ。リージョン・オール。
 特典等は何も付いていませんが良く確認したら、30分のメイキングが付いてました。ただし英語字幕なしで、表示されるクレジットもタミル文字。
 アイシュワリヤとプリトヴィラージは英語で喋っていますが、マニ・ラトナム監督やヴィクラムはタミル語。
 というわけで、語られている話の内容は良く判らないんですが、それでもアクション・シーンや歌舞シーン、大規模セットの造営など、撮影裏の映像は、動画スチル取り混ぜて、色々と見られます。
 あと、ジャケットが<リバーシブル仕様になっています。 Blu-ray_raavananR

【追記】その他のヴィクラム主演作のレビュー
“King” (2002)
“Deiva Thirumagal (God’s Own Child / 神様がくれた娘)” (2011)
“Rajapattai” (2011)
“David” (2013)

気になる映画予告編、”Estigmas”

 Adán Aliagaという監督の、”Estigmas”(2009)というスペイン映画の予告編。
 主演男優のルックスといい全体のムードといい、すっごく惹かれて気になっています。

 IMDbによると「飲んだくれで乱暴者の巨漢ブルーノの唯一の望みは、普通の人間になることだった。しかしある日、彼の両手に聖痕が顕れ出血し始めた。そしてそれは、苦難、痛み、死へと続く、彼の贖罪の旅の始まりを示していた…」ってな内容のようです。
 う〜むむ、かなり好みの予感(笑)。
 ティーザー予告はイメージ・ショットを使ったものですが、こっちも実にいい感じ。

 ポスターとかスチルとかもいい感じなので、興味のある方は映画の公式サイトをご覧あれ。
 どっか買い付けて公開してくれないかしらん?
 ……それにしても主人公の熊男クンがカワイイ(笑)。

“Magadheera”

Blu-ray_magadheera
“Magadheera” (2009) S.S. Rajamouli
 インド(テルグ)映画、輸入盤Blu-ray(英語字幕)で鑑賞。

 インド映画ってのは、使用言語によって様々種類があるそうで、過去に私がこのブログで何度か紹介してきたのは、いわゆる「ボリウッド」と呼ばれるヒンディー語映画、日本でも以前話題になった『ムトゥ 踊るマハラジャ』なんかはタミル語映画(コリウッドとか言うらしいです)、テルグ語の映画はトリウッド、他にもマラヤラム語映画とかカンナダ語映画とかがあるんだそうな。
 で、この”Magadheera”は、私にとって初テルグ映画。この後、マラヤラム映画も1本見たけど、カンナダ映画はまだ未体験(笑)。

 ストーリーの大筋は、こんな感じ。
 400年前、マハラジャの姫君と側近の戦士が、互いに愛し合ってはいるものの、結ばれることなく死んでしまう。その今際のきわに、主人公である戦士は、せめてひとたび姫の手に触れたいと願うのだが、それも果たされなかった。
 舞台変わって、現代の南インド。生まれ変わって、現世ではアクロバティックなバイク乗りになっていた主人公は、ある日偶然、やはり現世に生まれ変わっていた姫の手に触れたことで前世の記憶が蘇り、再び運命の恋に落ちる。
 しかし、生まれ変わった姫に前世の記憶はない。更に、400年前の恋敵であり極悪非道の裏切り者でもあった男が、彼女の従兄としてやはり現世に生まれ変わっており、しかも彼女の美貌と財産を目当てに結婚しようと画策中だった。
 主人公とヒロインが、生まれ変わった恋敵の存在や、その思惑を知らぬまま、恋敵だけが行者の占いによって過去の因縁について知り、主人公とヒロインを引き裂こうと企む。結果、主人公はヒロインの父親殺しの濡れ衣を着せられてしまい、ヒロインもそう誤解したまま、ヘリコプターから落とされて湖に沈んでしまう。
 ここで、舞台は再び400年前に戻り、この三人の経緯が改めて語られる。
 姫と戦士は互いに愛し合っていたものの、そこに例の恋敵が求婚者となって現れる。姫との結婚を賭けて二人は勝負をし、見事戦士が勝つのだが、実は彼は、代々「戦いで死ぬ前に100人の敵を斃す」という勇猛果敢な一族の出であり、若死にしやすい家系だった。そのため父王は、愛娘が若くして寡婦になってしまうことを恐れ、「娘を愛しているのなら身を退いてくれないか」と戦士に頼み、戦士もそれを承諾してしまう。
 そんな最中、恋に破れた例の恋敵が、王座と姫の身を狙って、敵国に寝返って侵略に手を貸す。その最中で父王は殺され、生き残った者たちはシヴァ神の神殿に追い詰められ、そして主人公は姫の身を守るため、たった一人で百人の敵に立ち向かい……ってな内容。
 この後ストーリーは、過去編を終えて現代に戻り、主人公はヒロインの前世の記憶を呼び戻すことができるのか、そして無事に裏切り者の恋敵を斃すことができるのか……といった展開になります。

 で、これがメチャクチャ面白かった!
 まあインド映画らしく、アクションも歌舞もテンコモリ。別になくてもいい漫才めいたお笑いシーンも挟まるし、細かいことを気にしちゃいけない強引なストーリー展開もあり、キャラクター造形もまあコテコテでベタベタの判りやすさ。こういう作劇法とかに関しては、昨今の洗練されたヒンディー映画に比べると、まあ何とも前時代的で泥臭いのは否めません。
 ところが、ストーリーといい絵面といい、そのパワフルさがハンパない。内容が実にオーソドックスかつドラマチックな、古典的な伝奇風味ラブロマンスということもあって、前述したコテコテ感とベタベタ感、そして後述する画面やセンスのトゥー・マッチさが、いずれもプラスの相乗効果になって、ものすごいプラス方向のパワーになっている。
 そのパワフルさにグイグイ引き込まれ、3時間の尺も全く苦にならず、ヒーローとヒロインには思いっきり感情移入できるし、加えてあれもこれものテンコモリで楽しませてくれるもんだから、スタッフ一同歌い踊る楽しいエンドクレジットでは、もう満足感でイッパイに。
 いや〜、こんなに多幸感と満足感に満たされた後味の映画は、久しぶりかも。

 トゥー・マッチさに関しては、この映画では全編にわたってCGIが多用されているんですが、これがまた、かなり色んな意味でスゴい。
 過去編のスペクタキュラーな見せ場では、そういうのがふんだんに登場するのはまあ判るんですが、なんとゆ〜かその、「スゴいものを見せてやろう!」っつ〜心意気の、そのスゴいものがスゴすぎて、おかげで衣装やセットや小道具なんか凄く豪華なのに、そこにミョ〜なCGIが絡むせいで、ゴージャスなんだかチープなんだか判らないカオスな絵面になっている(笑)。
 まぁぶっちゃけ、現代編のダンス場面でも、オンナノコの揺れるオッパイから「かめはめ波」みたいのが出て男どもが石化する……なんてシーンが出てくると、CGIも半分くらいは使い方を間違ってる気がするんですが(笑)、とにかく、良くも悪くも「ハンパはしねぇぜ!」ってなサービス精神満点な心意気なもんだから、もう見ていて楽しいのなんのって。

 こんな風に言っていると、何だかネタ映画みたいな感じを受けるかもしれませんが、確かにネタ的なオモシロ要素も多々あれども、しかし見終わったときには、ネタとかじゃなくてきちんと映画として「面白かった!」と思わせてくれるのがスゴい。
 というわけで、映画好きなら一見の価値ありの力作。
“Magadheera”予告編。

 あと、個人的に最大の収穫だったのは、過去編に出てくる”Dheera Dheera Dheera”というミュージカル・シーン。
 以前から何度か、「こんだけCGIが発達してきたんだから、いつも大戦闘シーンとか壮麗な異世界とかだけじゃなくて、マンキウィッツ版『クレオパトラ』のローマ入城シーンみたいな、ハレの祝祭空間としての一大スペクタクルとかも見せてくれないかしらん……」とか言っているのですが、これぞまさに「それ」でした。
 まあ、真っ当な意味では、前にここで紹介した”Jodhaa Akbar”の”Azeem-O-Shaan Shahenshah”の方がスゴいとは思うんですが、この”Magadheera”の”Dheera Dheera Dheera”も、その美麗さとイキ過ぎ感共々、拍手喝采でゴザイマス。
 曲自体も実に好みで、脚韻を踏んだリズミカルな歌詞、民族音楽要素と西洋音楽的和声のブレンド具合、加えて戦士役のラーム・チャラン・テージャ君のカッコヨサもあいまって、もう何度リピート鑑賞したことか(笑)。当然サントラ盤も探し出してゲットしました(笑)。

気になる未公開映画予告編あれこれ

“Valhalla Rising”

 マッツ・ミケルセンが隻眼で唖のヴァイキングを演じる、デンマーク/イギリス合作映画。
 イギリス盤DVDとBlu-rayが出ているのを確認済み。どうせならBlu-rayで見たいので、やはりBlu-rayプレイヤーもマルチリージョン機を導入すべきか、真剣に悩み中(笑)。
“Janosik”

 愛しのミハウ・ジェブロフスキー様が出演している、ポーランド/スロバキア/チェコ合作映画。東欧版ロビンフッドのような、義賊伝説を映画化したものらしい。
 ジェブロフスキー様は髭モジャだし、何としてでも見たい……と調べたところ、(おそらく)ポーランド盤のBlu-rayとDVDを発見。しかし、私が以前利用していた、英語表記のあるポーランドの通販サイトは、久々にページを開いてみたら消滅してしまった模様で、ぐっすん。
 YouTubeでは、ミハウ・ジェブロフスキーのインタビュー動画も発見。

 ……ま、ポーランド語なんて、ナニガナンダカサッパリワカンナイんだけどさ(笑)。
“Centurion”

 前にここでも予告編を貼りましたが、2世紀の初め、ブリテン島でピクト人に敗れたローマ軍団の生き残り7人が、囚われの将軍を救出するアクション・アドベンチャーっぽい映画の、予告編第二弾がアップ。
 前のと比べると「へへへ、血がいっぱい出ますぜ〜」みたいな仕様になっている感じなので、ますます楽しみに。少なくとも、セミヌードの野郎ボンデージがあることは確かだしね(笑)。

『アバター・オブ・マーズ』

アバター・オブ・マーズ [DVD]
『アバター・オブ・マーズ』(2009) マーク・アトキンス
“Princess of Mars” (2009) Mark Atkins

 前に予告編を紹介した、エドガー・ライス・バローズの古典SF「火星シリーズ」の第一作、『火星のプリンセス』のアメリカ製Vシネ版。
 ヒット作『アバター』のバッタモンっぽい邦題になっていますが、実際『アバター』のイメージソースにはバローズ作品があるそうで(肝心の『アバター』見てないんで、よーワカランのですが)、この邦題もそこそこ理由はあるんだとか(笑)。

 で、前にも書いたように制作が、B級バッタもんビデオ映画専門のアサイラムだっつーんで、かなりオッカナビックリだったんですが……意外とマトモでした。
 原作では、主人公のジョン・カーターは南北戦争の南軍の士官で、ちょっとスピリチュアルな感じの精神移動で火星へ行くんですが、それを現在の中東で闘っているアメリカ人兵士という設定に変え、精神移動も一応科学っぽいガジェットを噛ませつつ、行き先も我々のいる太陽系の火星ではなく、もっと遠くの別の太陽系の「火星(マーズ)」にアレンジしてあります。
 火星に移動した後のストーリー展開は、基本的には原作を踏襲。まあ、かなり大幅に省略されて刈り込まれていますし、一つ原作にない大ネタもあるんですが、それでもまあ、全体としては原作に沿っていると言って差し支えない範囲ではないかと。

 はい、褒められる要素ここまで!
 いくら「マトモ」だっても、それは単に比較論の問題で……ぶっちゃけ映画の出来の方はというと……いやそのなんだ、まあ予測通りの安さと言うか酷さというか……(笑)。
 とにかく、よっぽどバローズ愛や腰布男愛に溢れている方でもないと、マトモには見ていられないかと(笑)。

 演出はというと、背景やセットがいらないバストアップと、粗の見えにくい超ロングのCG切り返しだけで進む、94分が3時間にも感じられるタルッタルのシロモノだし、火星一の美姫デジャー・ソリスは、プロポーションはともかくとしても、アップになると薹が立ちすぎて肌の弛みが目立ちまくりだし、4本の腕を持つ巨体のはずの緑色人は、フツーに人間サイズで腕も二本、露手している顔だけが特殊メイクで、あとは腕の先から爪先まで衣装でしっかりカバーされてるし……。
 でも、そーゆーのをニッコリ笑って許せる方なら、もう大丈夫!
 火星の住人が全部合わせても20人もいなさそうだとか、ただの窪地を闘技場だと言い張る強気さとか、火星の大気製造工場の内部が、どっかの浄水場か廃工場にしか見えないとか、マヨネーズの容器ですかってな虫とか、「もう、何が出てもぜんぜん気にしないもんね、私の心は宇宙より広い!」ってな気分にさせてくれます(笑)。
 因みに、一緒に鑑賞していた、バローズ愛も腰布男愛も持ち合わせていない相棒は、もう退屈さに死にそうになってました。

 主演の腰布男は、アントニオ・サバト・Jr。名のある俳優さんのご子息らしい(相棒がそんなこと言ってました)んですが、私は浅学にしてお父君のことはよく知らず。
 まあ、マスクも身体も、そう悪くはないです。肌のタトゥーが変に悪目立ちしてますが、まあ今どきのアメリカ兵なら、それもリアルってもんだし。
 火星に着いたときには全裸で、それから腰布一枚で、首輪はめられて鎖で引きずり回されるあたりは、そこそこそそる感じなんですけど、残念ながらわりとすぐ服を着てしまうし、それ以上の責め場とかもなし。
 
 ま、そーゆーわけなんで、私同様に物好きな方のみ、どうぞ(笑)。

気になる未公開映画&TVの予告編あれこれ

 最初はトルコの連続TVシリーズ(らしい)”Adanalı”。刑事ドラマみたいです。

 コレを見つけたきっかけが、先に私がアップしたCDケースの分解動画の関連動画だったので、思わず笑ってしまった。「ヒゲ男の拷問」だから、確かに「私」には関係あるけど、CDケースとは無関係だろう、と(笑)。
 でまあ、責め場とゆーのもさることながら、このヒゲ男クンのルックスに、かなりツボの真ん中を突かれちゃいまして。で、調べた結果、Mehmet Akif Alakurt(メフメット・アキフ・アラクルト?)という、モデル出身の男優さんらしい。調査途中にFacebookも発見。いや〜、いい男だわ。
 因みにこの”Adanalı”34話は全編YouYubeにアップされちゃってるので、この責め場もノーカットで鑑賞可能。けっこうネチっこく責められていて滋味ありなので、興味のある人は探してください(笑)。
 スロバキア、チェコ、ハンガリー、イギリスの合作映画、”Bathory”。

 タイトル通り、自分の若さと美貌を保つために、処女の生き血を絞って浴びたという、エリザベート・バートリーの映画らしいです。
 コスチューム・プレイだし、猟奇ネタだし、ご贔屓のフランコ・ネロも出てるし…と、見たいポイントは数多くあれど、ドイツのアマゾンでDVDに星一つレビューが付けられちゃってるのが、ちょっと気になるところ(笑)。
 ロシア映画、”Поп”。

 前にここで紹介した「1612」を撮った、ウラジミール・コチネンコ監督の新作。
 この監督は、つい先日DVDで見たロシア製潜水艦映画「72M」もとっても良かったので、この新作も何とかして見たいところ。内容は、ちょっと重そうですけど…。
 インド映画、”Raavan”。

「ボンベイ」のマニ・ラトナム監督の新作。
 主演は、このブログでも何度か出てきているアイシュワリヤ・ラーイと、先日ここで紹介した「ボリウッド好きゲイならマスト!」な”Dostana”のアビシェク・バッチャン夫妻。
 予告編に使われているA・R・ラフマーンの”Beera Beera”という曲が実に良くって、アビシェク・バッチャンの表情とかも迫力があるし、実にカッコイイ予告編。
 ロシアのTV映画(?)”Паршивые овцы”。

 予告編の最後にも出てきますが、DVDのジャケが余りにもヤバかっこよかったので探してみたヤツ。
 何でも、タイトルが「カサブタだらけの羊」とかゆー意味だそうで、これまたちょいとキツそうなんですが、重いシリアスなのか、バイオレントな娯楽作系なのか、ちょっと判断できず。
 オマケ。
 映画じゃないけど、BARB@ZULというグループの”I Don’t Care”という曲のミュージック・クリップ。

 熊系ペット・ショップ・ボーイズ? ってな感じの、スペインのゲイ・ポップ・デュオ。
 ドラマ仕立てになってるんですが、これがまあ、どこの少女マンガだよってな感じの、乙女とゆーか女々しいとゆーか、そーゆー恋の物語になっています(笑)。恋愛シーンでこーゆー態度は、あんま男らしくないよーな気はするんですが、そこいらへんもある意味リアルっちゃあリアルかも(笑)。
 でもセクシー・ショットとかもあるし、バルセロナ・プライドとかでも活動しているようなので、同じゲイとしては、応援したい気持ちになりますね。
 因みに、上のクリップの後半に、Metroというバルセロナの老舗ゲイ・ディスコが出てくるんですが、実は私も15年ほど前に一度だけ行ったことがあったり(笑)。

5月下半期に家で見た映画(from Twitter)

 先日上半期分をやったので、今回は下半期分。5月16日〜31日までの分。

Blu-ray_ElephantMan
『エレファント・マン』〜イギリス盤Blu-ray
 これまた公開時に劇場で見て以来だから、30年ぶりくらい。長らく再見してなかったのは訳があって、これみてコワイキモチワルイオッカナイと思ってしまった自分に自己嫌悪があったのと、自分の中の(当時は)認めたくない部分をえぐり出されてしまった感じがして、それがトラウマだったから。
 要するに、見せ物に群がる醜悪な人間像をイヤ〜ンと感じながら、でもこの映画を見に来た自分も彼らと相通じる部分がある…なんて思って、ハイティーンの頃の自分はけっこう落ち込んでしまったのですよ。でも今は、自分は聖人君子ではないと既に知っているから、再見しても大丈夫だった。
 今回鑑賞したStudio Canal Collectionのブルーレイ(英盤)は、日本語字幕も入っていてメニューも日本語化されてるし、リージョンもフリーだし、フィルムの粒状感を残しながら高精細な画質も文句なし!
 とゆーわけで、同時購入した「去年マリエンバードで」と「カタリーナ・ブルームの失われた名誉」も、見るのが楽しみなり。^^
 これに味をしめて、次はブニュエル「昼顔」とヴィスコンティ「夏の嵐」とロージィ「恋」を、ポンドが安いうちに注文だッ!…と思ったのに、この3つには日本語字幕が付いてないみたいで、ガッカリ。 (´・ω・`)

厳戒武装指令 [DVD]
『厳戒武装指令』〜国内盤DVD

 …こーゆーどれがどれだかワカンナクなる戦争映画の邦題って何とかして欲しいw
 で、印象は「変な映画!w」いちおう、チェチェン紛争に赴き友人と一緒に捕虜になってしまった若いロシア兵が主人公なんですが、次から次へと色んなエピソードが出てきて「お、これから面白くなるかな?」と思ったところ、どれもこれもショボ〜ンと収束して…の繰り返しとゆー内容。
 まあ、こんなにとっちらかった映画も珍しいw ある意味、現在のロシアの混乱が、そのまま作劇に出ているような…と言ったら褒めすぎかw おそらく様々な点景を配して「今わが国はこういう状況にあるのだ」とゆー感じにしたかったんだと思うけど、肝心の技量も感覚もB級以下なので、何ともはや…
 そんなこんなで、見ていて「…へっ?」てな感じの連続なので、ヘンな映画好きの方はどうぞ。もはや出来が良い悪いとゆーレベルを超越した、ストーリーのとっちらかり具合が見物です。透けチクビで馬に跨る美少女のイメージショットとか、クライマックスの三文青春ドラマとか、ホントビックリよw
 因みにDVDは、ドンキとかで500円で売ってます。^^
 この手の500円戦争映画では、セルゲイ・ボンダルチュクの「バトル・フォー・スターリングラード(祖国のために)」、ニコライ・レペデフの佳品「東部戦線1944」、ダニエル・クレイグやキリアン・マーフィが塹壕を舞台に繰り広げる密室劇「ザ・トレンチ」なんかが、掘り出し物なのでオススメ。
 チェチェン紛争関係のロシア映画でマジメにオススメなのは、セルゲイ・ボドロフの「コーカサスの虜」とアレクセイ・バラバーノフの「チェチェン・ウォー」、あと前につぶやいたアレクサンドル・ソクーロフの「チェチェンへ アレクサンドラの旅」かな。

カティンの森 [DVD]
『カティンの森』〜国内盤DVD

 この題材でアンジェイ・ワイダだから、それなりに身構えていていたつもりだけど…うわぁ、それでもまだ甘かった…。色々感じるものは多々あるんだけど、とにかくラスト10分ほど、胃がキリキリするようなクライマックスに茫然自失、それまでの全てが吹き飛んでしまった感じ…。
 それまでにも、動的と静的のカメラワークの対比の見事さとか、抑制された語りすぎない語り口とか、最小限にして効果的なペンデレツキの音楽とか、いわゆる映画的な素晴らしさはいっぱいあるんだけど、終幕、映画から現実に、唐突に放り出されてしまうので、それが一番こたえる。
 ビックリしたことが一つ。昨夜見たヘンテコ映画「厳戒武装指令」に出てたヒロインの父親役の人が、今夜の「カティンの森」でもチョイ役だけどヒロインを助けるソ連将校というけっこう印象的な役で出ていた。偶然なんだけど、映画の内容も出来も天と地ほど違うだけに、何ともミョーな感じ。
 アンジェイ・ワイダは「パン・タデウシュ物語」の日本盤DVDが出ないかと、ずっと期待してるんだけど、望み薄なのかなぁ…。劇場公開もされてるし、VHSは出てるのに…。
 「カティンの森」予告編、何か情緒的なヒューマン感動作みたいになムードだけど、トンデモナイっす…。 (´・ω・`) http://youtu.be/tzZG5KjlA8s

GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊2.0 [Blu-ray]
『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊2.0』〜アメリカ盤Blu-ray

 既存の完成品に手を入れて今様にするというのは、なかなか難しいものがありますね…。キャラクターが3DCGになっているカットは、オリジナルの方が良かったと思うけど、ラストカットなんかは2.0の方が効果的…なんて感じで、正直あんまりニュートラルな気持ちでは楽しめなかった。
 まあ、どっちを先に見ているかで、それぞれ印象も変わってくるんだろうし、あんまりアレコレ考えないで、バージョン違いを楽しむつもりで気軽に見た方が良かったのかも。だから、得たモノもあれば喪われたモノもあり。
 原作マンガだと、ラストで素子が入ったのが実は男の義体だったというトコで、性別の無効化まで示唆されてたのが面白かったけど、映画だとそれがなくて残念だった代わりに、人形使いの見た目と声のギャップが、そこを補ってるように感じられて良かったんだけどな〜…(注・人形使いの声優が男性から女性に変わったことについてのつぶやき)

玉割り人ゆき [DVD]
『玉割り人ゆき』〜日本盤DVD

 まぁ判る人にはお判りでしょうが、ええ、ええ、川谷拓三のチ×切りシーン(あ、×ン切られシーンか)目当てですとも!w 折檻されて傷だらけの拓ボン、越中が良く似合っててステキ。後半の乞食ルックも良く似合っていてステキ。あ〜…ステキ。
 映画自体もしっとり叙情的で面白かった。でもピンクシーンになって女優さんがアンアン喘ぎだすと窓を閉め、終わると開けて、またアンアン始めるから締めて…と、鑑賞しながら立ったり座ったり、かなり忙しかったw
 政治がロマンやセンチメンタルの色を帯びているというのは、自分には全くない感覚なので、ちょっと不思議な感じがする。少し羨ましい気も…。

Blu-ray_Saawariya
『Saawariya』〜米盤Blu-ray
 期待通りの超高画質で、映像の美麗さにますますウットリ。DVDで欠けていた歌の歌詞の字幕も、ブルーレイではちゃんと入っていた。
 しかしこの字幕、英仏独西あたりはもちろん、ギリシャ語やアイスランド語やブルガリア語などヨーロッパ各言語に加え、中国語や朝鮮語やタイ語やトルコ語やアラビア語まで収録されているのに、しかもソニー・ピクチャー・エンタテイメント製なのに、何で日本語はないんだよッ! ヽ(`Д´)ノ

キッスで殺せ [DVD]
『キッスで殺せ!』〜日本盤DVD

 ビックリした〜!フィルム・ノワールだっつーから、てっきり技巧的でロマンティシズムのある世界なのかと思ってたら、ドライでパワフルな演出と破綻すれすれのギリギリ感で、有無をいわさず映画に引きずられていく感じ。荒削りなところも、また良きかな。

ロシアン・ブラザー [DVD]
『ロシアン・ブラザー』〜日本盤DVD

 社会主義崩壊後のロシア社会の混迷を背景に、兵役を終えた純朴な青年が、ペテルブルグ裏社会の抗争に巻き込まれて殺し屋に…ってな感じで、ストーリーだけ抜き出すとハードな感じがするけど、実際は細やかな人間模様とオフビートなユーモアが散りばめられた、実に「面白い」映画。
 殺し屋としての腕は抜群ながら無邪気で純真、なのに屈折もしていなく男根主義的でもなく、少年の爽やかさすら漂わせる、天然ボケすれすれの主人公キャラの魅力と、それを演じるセルゲイ・ボドロフ・Jrの魅力が絶品!つくづく早逝が惜しまれる。未ソフト化の続編があるらしい。見てみたいなぁ。

Blu-ray_Dostana
『Dostana』〜アメリカ盤Blu-ray
 前半見終わった。ボリウッド映画は長いので、半分ずつ。 ^^;
 同性愛が非合法のインドで2008年に作られた「ゲイ映画(?)」。ぶっちゃけ主人公達はゲイではなく、米国のマイアミで住居やビザのためにゲイカップルのふりをする男2人組とゆー「チャックとラリー おかしな偽装結婚!?」タイプの話ですが、ゲイの観客もきちんと意識した作り。
 まだ後半を見ていないので何とも言えませんが、同性愛差別が根深いインドで、ゲイを扱った映画をコマーシャルベースで作るという、背景事情などを鑑みると、前半を見る限りでは、その頑張りは称賛に値するのではないかと。明日見る予定の後半が楽しみ。
 後半見終わった。
 意外なことに、ゲイ関係のネタは昨日の前半部分で終了して、後半はそこから発展した「男と女の友情」というテーマに。ボリウッドらしい盛り沢山さと、いささかの強引さを含みつつ、全体的にはウェルメイドな味わいで、しっかり楽しめる内容になってます。
 さて、主に前半に見所が集中している「制約がある中でのゲイを扱った映画」としては、まず、ゲイであること自体(行動とか素振りとか)で笑いをとろうとはせず、あくまでも、ゲイ・カップルを偽装したために起きるアクシデントをコメディにしているのが気持ち良い。
 この点に関してはかなり良く考えられており、例えば「ノンケの主人公が咄嗟に自分たちの出会いとロマンスをでっちあげた回想シーン」では、いかにもなオーバーアクトのオカマ演技を見せつつ、ストーリー中で本当にゲイである登場人物の演技は、より自然な抑えたオネエ演技という具合。
 また、前述したゲイを偽装したことによるトラブルによって、例えば主人公の母親がそれに悩んで、しかし結局は受け入れるとか、逆に息子がゲイであることを母親に隠し続けていた苦悩を、第三者が想像して母親に語るとかいった具合に、現実の問題をサラリと、しかもユーモアたっぷりに含めている。
 こういったことは、インドのようなホモフォビアの強い社会において、ゲイに対して夢を、ヘテロに対しては啓蒙を、という制作者の姿勢が見られるようで気持ち良い。そしてクライマックスにもう一つ、大きな仕掛けが用意されている。
 詳細は省くが主人公たちは、最終的には皆の前で、男同士でキスをすることになる。おそらくインドではタブーでありショッキングなことなのだろうが、この映画ではそれがハッピーエンドへ向けた喝采と共に行われる。制約の中、同性間のキスを祝福ムードで描けたこと自体が、称賛に値するだろう。
 他にもゲイの観客に向けたサービスとしては、カップルの片方をモデル出身のハンク男優にして、しかもしょっちゅう脱がせてマッチョなセミヌードを披露させるとか、マイアミという地で繰り広げられるオシャレで楽しそうな同棲生活を見せるとかいった点も挙げられるだろう。
 というわけで「Dostana」は、ゲイ映画ではないけれど、インド映画でタブーとされていたゲイという要素を作中に盛り込み、ゲイの観客もしっかり視野に入れつつ、同時に一般向けの娯楽作としても着地できているという、なかなか見所の多い映画でした。ボリウッド好きのゲイ(いるのか?)は必見。
「Dostana」から、息子がゲイだというのでパニクる母親の姿を、ユーモアたっぷりに描いたミュージカル・シーン。歌詞は「ママの坊やがヘンになっちゃった/息子は花嫁の輿に乗るの/何てこと!?」てな感じ。 http://youtu.be/nTcwRjlWx9M
 因みにこの後、ママは息子の同性愛を受け入れるんですが、結果、古式ゆかしきインド風の花嫁を迎え入れる儀式で息子のボーイフレンドを招き入れ、しかもそれが、身分違いの恋で勘当された息子と親の和解を描いた国民的大ヒット映画「家族の四季」のパロディーという、ボリウッド好きには爆笑展開にw

まぼろしの市街戦 [DVD]
『まぼろしの市街戦』〜国内盤DVD

 戦争で住民が逃げ出してカラッポになった街で、残された精神病院の患者たちと、街にやってきた若い兵士が繰り広げる、カーニバルのようにカラフルな寓意劇。…なるほど、こりゃカルトだわ。エミール・クストリッツァの映画のご先祖様を見た気分。
 期待していた映画が、いざ見たら期待以上の内容だったときって、ホント嬉しいな〜。シュールな絵面にステキな衣装、ちょいと切なくて風刺の効いた内容、いやぁ素晴らしかった。愛しのアラン・ベイツ様も、まだお若いけど、最後の最後でしっかりかましてくれたしw

蜘蛛女 [DVD]
『蜘蛛女』〜国内盤DVD

 悪徳警官だけど小物のゲイリー・オールドマンが、ファム・ファタールに出会って自滅していく様子を、シャープだけどムードもたっぷりの演出で描いた、今様フィルム・ノワール。…いやぁ、ツボった。どーして私はこう、しょーもない男の話とか、男が尾羽打ち枯らしていく話が好きなんだろう。
 オープニングとエンディングが絶品。特にエンディング、切なさにマーク・アイシャムの音楽が追い打ちをかけて、ちょっと泣きそうになった… 。・゚(゚⊃ω⊂゚)゚・。 このテのムードがあるクライム映画は大好きなので、最近だと「ソルトン・シー」なんかがお気に入り。
 監督のピーター・メダックは、どにかく傑作「チェンジリング」(最近のじゃなくて昔のオカルト映画ね)を、何とかソフト化してくれ〜!…ってワシしょっちゅう言ってるな、コレw
 マーク・アイシャムの映画音楽では、何と言っても「モダーンズ」が大好き。特にこの「聞かせてよ愛の言葉を」のカバーは絶品。もう、泣ける泣ける。 http://youtu.be/A95f74Kvsq8

副王家の一族 [DVD]
『副王家の一族』〜国内盤DVD

 19世紀半ば、イタリア統一に向かう激動の時代を背景に、シチリアの名門貴族の父子の確執や利権を巡る争いを描いたドロドロ劇。なんか山崎豊子のイタリア版みたいな印象。衣装や美術が重厚で絢爛豪華…なのにDVDとしては画質がイマイチなのが残念。
 キャラクターが掘り下げ不足だとか、厭世的なテーマなので共感しづらいとかカタルシスに欠けるとか、いろいろと不満点はあるけれど、贅沢を言わなければ、ストーリー自体の起伏は充分だし、エモーショナルに盛り上がるシーンもあるので、史劇好きなら充分に楽しめるかと。

ポー川のひかり [DVD]
『ポー川のひかり』〜国内盤DVD

 イタリアの大学図書館で、貴重な古書の数々が太い釘で床や机に打ち付けられるという事件が発生。犯人の若い哲学教授は人里を離れ、河畔の廃墟に住み着く。彼はその風貌から、近隣のホームレスたちから「キリストさん」と呼ばれて慕われるようになるが、そこに開発による立ち退き要求が…といった内容。
 現代の文明や人間社会に対する疑問といったテーマが、重かったりシビアになりすぎたりせず、詩情豊かなスケッチのようにサラリと描かれるのがすごく魅力的。ただ、ヨーロッパにおける「文明と人間社会」なので、それがキリスト教と密接に結びついてくるあたりは、ちょっと観る人を選ぶかも。
 個人的には、寓意性と人情話が同居したような話法が、とても魅力的だった。監督は「木靴の樹」のエルマンノ・オルミ。劇中とエンドクレジットで使われる「忘れな草(私を忘れないで)」のメロディが、作品のテーマをスッと押していて、その優しいさりげなさが心に沁みる。
 実際の映画の印象より、予告編がアグレッシブに感じられるけど、それだけ「欧米的にはかなり涜神的なテーマ」だってことなんでしょうね。 http://youtu.be/_DrhuLuYxDo

Blu-ray_FolsomPrison
『Folsom Prison』〜アメリカ盤Blu-ray
 買っちまったよ、初ゲイポ×ノBlu-ray…が届いたなう。
 ひゃ〜っっっ!!!ディテールが!毛の一本一本が!液体や粘膜のシズル感がっっっ!!!! …うむむむ、意外なソフトでハイビジョンの実力を思い知ってしまった…ヤバいわ、これw

dvd_DobunezumiSakusen
『どぶ鼠作戦』〜国内盤DVD

 やっぱりこの一連の中では最初の「独立部連隊」が一番好きという感想に変わりはないけど、でもたっぷり楽しませていただきました。相変わらず良く立ったキャラに加え、今回はちょっとずらしたキャスティングが効果的。チョイ役で大御所お馴染み色々と顔を出してくれるのも楽しい。
 藤田進が良かったな〜。水野久美と田崎潤はチョイ役すぎてビックリw 中谷一郎、今回は髭がなかったのは残念。正直、ガキの頃から見ていた風車の弥七をイイと思ったことはないんだけど、この頃の髭付きの中谷一郎って、なんかスゴく好きなんだよねw
 あら、部連隊とミスタイプしてたw(注・正しくは『独立愚連隊』)「西へ」も「どぶ鼠」も面白かったけど、やっぱ最初の無印の方が好き。あんま見たことないんだけど谷口千吉も好きなので、「やま犬作戦」も見てみたい…
 あ、「やま猫作戦」だったw

 以上、2010年5月に家で見た映画でした〜。

5月上半期に家で見た映画(from Twitter)

 ふと思い立って、Twitterで呟いていたことの中から、その日に見た映画の感想だけを抜き出してまとめてみました。とりあえず、5月1日〜15日の分。
 ……でも、やってみると、けっこうメンドクサイな、これ(笑)。

スーパーマン ディレクターズカット版 [Blu-ray]
『スーパーマン(ディレクターズ・カット版)』〜国内盤Blu-ray

 公開時に見た後は、ソフト購入はせず、テレビのエアチェック(ベータだ!)を数回見たくらいだから、20年ぶり以上だろうか。よってディレクターズ・カット版を見るのは、もちろん初めて。
 うん、やっぱスーパーマンはシンプルで明快に限る!色のくすんだジャージ生地のコスチュームで、精神年齢の低い恋愛劇で悩んでちゃイカンのだ…と、改めて思ったりして。職人芸に支えられた堂々たる娯楽大作で、32年の風雪に立派に耐えている。ノスタルジーも混じって、ところどころでウルウル。

Blu-ray_QueenOfLang
『Queens of Langkasuka』〜台湾盤Blu-ray
 17世紀末、ランカスカ王国(現マレーシア、ランカウイ島)の覇権と、勝敗の鍵を握る海に沈んだオランダ製の巨大な大砲を巡って、様々な勢力と人々の思惑が入り乱れる一大伝奇ロマン。監督は「ナンナーク」のノンスィ・ニミプット。いろいろ思うところはあるけれど、力作には間違いなし。
 設定よし、世界観よし、キャラクターよし。話も面白いし、繰り出されるアイデアの数々も良い。ただし、描かれる「憎しみや戦争は破壊の連鎖しか生まない」というテーマや、それに則したビターな結末は、実にリアルではあるんだけど、カタルシスにはほど遠いので、後味も厭世的な気分に。
 そういった予定調和を排したシビアな視点と、アクション・スペクタクル映画的な要素が、いささか相反してしまっている感はあり。あと、基本的に群像劇なのだが、ちょっと2時間ではそれが描き切れていない感も。ただし、見応えは大いにあります。
 個人的には、戦争を描きながら敵味方という視点を排し、善悪の問題は常に個人単位での問いかけとして描かれ、キャラクターも善玉や悪玉といった様式では描かれないといった、世界観の深さは素晴らしいと思います。
【追記】日本盤DVD出ました!

ランカスカ海戦 ~パイレーツ・ウォー [DVD] ランカスカ海戦 ~パイレーツ・ウォー [DVD]
価格:¥ 3,990(税込)
発売日:2011-10-07

クォ・ヴァディス [Blu-ray]
『クオ・ヴァディス(51年版)』〜国内盤Blu-ray

 相棒と「長いからインターミッションまで見て、残りは明日にしようね」と言っていたのに、インターミッションがなかったもんだから、うっかり全編通しで見ちまったいw ニュー・デジタル・トランスファーと謳っているものの、レストアではないらしく、色のズレとかがそのままの部分も多少あり。
 IMDbを見ると、「クォ・ヴァディス」の映像化って、9バージョンもあるのね。この51年版とJ・カヴァレロヴィチ監督の2001年版しか見たことないから、他のも見てみたいな。因みに、2001年版は個人的にオススメ作品。

NO RULES ノー・ルール [DVD]
『ノー・ルール』〜国内盤DVD

 失職した元警察官が、別居中の妻と息子のために、違法格闘賭博が行われている刑務所に、囚人になって潜入捜査する…って話。どっかで見たような要素のオンパレードではあるけれど、RHIエンターテイメント製らしく手堅くまとまっていて、そこそこ楽しめます。
 主人公はトーマス・ジェーン似のマッチョ君。フツーにフィットネス雑誌のカバーをとかを飾っていそうなハンク系ビーフケーキで、なかなかイケてる。ただ、基本タンクトップで脱ぎ場がないのは残念。せっかく水責めや電気拷問されるシーンもあるのに、シャツくらい脱がせて欲しいもんだ。
 メインの地下格闘賭博シーンは、アクションを見せるというよりは、暴力性を見せることにフォーカスを合わせているので、ベア・ナックルだけでなく、鉄パイプやらバールやらで殴り合うあたりが佳良。前述の基本タンクトップも、血糊の効果を高めるためと思えば、まあ納得か。
 まあム所ものなんで、イケてる男はイッパイ出てきます。個人的には、サド看守がタイプ。ただまあ全般的に、演出が良くあるタイプの、手持ちカメラの揺れる画面をチカチカと切り替える系で、いーかげんこーゆーのは、それが出てくるだけでイラっとするくらい食傷気味w

Mr Leather (Unrated) (Unrated) (Full) [DVD] [Import]
『Mr Leather』〜アメリカ盤DVD

 ミスター・レザーLA 2003のコンテスト模様を通じて、レザーカルチャーについて触れたドキュメンタリー。
 もともとがフェティッシュな所産であるものなのに、登場するレザー・コミュニティの人々が、自分たちのコミュニティがソーシャルなものに対して果たす役割まで、それぞれきちんと考えているあたりは、流石アメリカといった感じ。
 わりと「この人たち、何でこんなことしてるの?」的な、一般視線からの質問等もあるんだけど、それをサラリと流したり、ドシンと構えて受け止めてみせる様子には、かなりカッコイイし、ちょっと感動もする。
 とはいえ、コスチューム・フェチのコンテスタントが自分のコレクションを披露している際に、「スタートレックのユニフォームはないの?」とか質問するのは、ちょいとビッチだと思うがw
 小ネタでは、ミスター・シスター・レザーの受賞者のバイカーキャップに、ティアラが付いているのに大ウケしてしまいましたw

ミッドナイト・エクスプレス [Blu-ray]
『ミッドナイト・エクスプレス』〜国内盤Blu-ray

 考えてみると、私は中学生のときに見たこの映画で、初めて「裸の男同士がキスをする」シーンを見たような気がする。それに加えて「裸の男が拷問される」とか「男が男に強姦されかかる」なんてシーンもあるもんだから、もう、ものごっつうショーゲキ的であったことよ。
 ただ、この映画ではまだキスどまりだったので、その寸止め感にも悶々としたもんです。後で原作(主人公の自伝)を読んで、実はホントはいくとこまでいっていたのだと知って、「だったらちゃんとそこまで描いてくれよ〜」なんて恨めしく思ったりしたなぁ。
 うろ覚えではあるけれど、実際に彼が性交渉を持った相手は、確か黒人男性だったような。78年当時では、男性同士の性交渉と異人種間の性交渉というダブルの要素で、そのままの映画化は難しかったのかも。今だったら、そのまま事実通りに映像化されるのかなぁ。
 しかし改めて再見してみると、私が主に自分の長編作品で、主人公を徹底的に追い詰めるのは、この「ミッドナイト・エクスプレス」の影響も大きいのかも知れない…なんてことを、ふと思った。少なくとも、指針の一つにはなっていそうだ。
 さて、今回はブルーレイで見たのだが、やはり画質の良さに感激。光と影の演出を多用しているがゆえに、なおさらシャドウ部の階調やディテールが、潰れずに再現されているのがありがたい。逆光のロングでも、表情のニュアンスが見えるもんなぁ、ビックリ。
 そういえば、まだホームビデオですら夢だった時分に、この映画が名画座で掛かると、再見したくて何度か見に行ったものだけど、その中の一回で、同時上映が「タクシー・ドライバー」だったことがあり、2本続けて見たらヘビーさにグッタリ疲れてしまった、なんてこともあったっけw
 というわけで、好き嫌いは別にしても(実際、当時でも批判はあった)、見て損はない1本ですから、お若い方で未見でしたら一度お試しあれ。
 因みに中学の同級生たちは「男が恋人のパイオツをガラス越しに舐めながら、センズリかくシーンがある!」ってな感じでコーフンして盛り上がっていた記憶がw 私はコーフンするよりも「デカい乳輪!」の方が鮮烈だったけどw
 今回再見しても「やっぱ乳輪デカいわ〜」って思ったw
 そう言えば今回初めて気がついたんだけど、このガラス越しの面会シーンで、主人公は恋人(アメリカ人)に、最初トルコ語で話しかけ、それが途中から英語になるんだけど、最期だけ「シルブプレ」とフランス語になってしまう…ということで、主人公の精神状態が限界にあることを表現してるのね。
 特に、この最後の「シルブプレ」は、このちょっと前、狂人から「シガール、シガール、シルブプレ」と仏語で葉巻をせびられるシーンと呼応しているので、それだけ主人公の精神状態が正常と狂気のギリギリの狭間にあることを良く表している。上手いな〜、って感心。

宇宙大戦争 [DVD]
『宇宙大戦争』〜国内盤DVD

 いしかわ先生は正しかった。安西郷子、エキゾチックな美女だけど、もみあげ太ッ!
 というわけで、これからサントラ盤聴くなう。♪ヾ(。・ω・。)ノ゙

風と共に去りぬ [Blu-ray]
『風と共に去りぬ』〜国内盤Blu-ray

「美麗画質で見たい!」という相棒のリクエストで鑑賞。結果、笑っちゃうくらいに画質がいい。クラシック映画が全部この画質になればいいのに。
 内容を良く覚えているのに、それでもやっぱり引き込まれてしまう、つくづく力強い映画だなぁ。
 ただ、自分が年を重ねるにつれて、黒人奴隷制度の上に成り立っていた白人社会の繁栄とその文化を、黄金時代の理想郷のように懐かしむという視点や、明示はされないものの、KKKをヒロイズム的に捕らえているような部分に、見えない不気味さを感じるようになってきた、というのも正直なところ。
 まあ、こういった「その時代における視点の限界」といった要素には、この「風と共に去りぬ」に限らず、クラシック映画ではちょくちょく遭遇するので、いちいち気にしていたらきりがないってな感じではあるんですが。

シーウルフ [DVD]
「シーウルフ」〜国内盤DVD

 ジャック・ロンドン「海の狼」のドイツ製テレビ映画2008年版。ストーリー面白い、画面の雰囲気上々、海のシーンは迫力もあり…なのだが、ドラマ部分の演出がイマイチで、全体的にはエピソードの数々がつらつら流れるだけという、平坦な印象になってしまっているのが残念。
 剣呑な人間関係の緊迫感とか、地獄のような遠洋漁業船という閉鎖空間の圧迫感などが、あまり出せてない感じ。それと役者さんが、皆さんいかにも一筋縄ではいかない海の野郎どもといった感じで、かなり良い雰囲気なのだが、ストーリーの要でもあり、作品を支配する実質的主人公であるラーセン船長が…
 演じるトーマス・クレッチマンは、好きなタイプだし「ゴッド・ディーバ」のニコポル役なんて特に好印象だったのだが、いかんせんラーセン船長役としては線が細すぎる。知的な部分はOKなのだが、悪魔的な存在感とか野獣的な生命感には甚だしく欠けるので、ストーリーの核として弱い。
 とはいえ、全体のクオリティとしては、テレビ映画や未公開映画としては、決して低いものではないので、古典アドベンチャー好き、帆船好き、むさ苦しい野郎どものバーバリックな男のドラマ好き…等々だったら、たっぷり楽しめるのではないかと。
 ところでこの「シーウルフ」、2009年にも同じくドイツでTV映画化されているらしい。そっちのラーセン船長役はセバスチャン・コッホ。「ブラックブック」や「善き人のためのソナタ」などで「いやン、セクシーなおじさま!」と思った方なので(笑)、ぜひ09年版も見てみたいもの。
 更にこの「シーウルフ」、71年版のやはりドイツのTVシリーズもあり(どれだけこの話好きなんだドイツ人)、そのときの船長はご贔屓のライムンド・ハームストロフ。私は字幕なしのDVDで見ただけですが、これがなかなか良かったので、機会があればせめて英語字幕ででも見直したいところ。

西部開拓史 [Blu-ray]
『西部開拓史』〜国内盤Blu-ray

 まあぶっちゃけた話、水平方向の拡がりと奥行きを強調したパノラミックな画面で、スペクタキュラーな見せ場を取り混ぜながら大味な話を綴っただけの映画…という気もするけど、画面のレストア技術がスゴいこともあって、画面は呆然とするほど精彩で美麗。
 元々がシネラマ映画なので、テレビのフラットな画面で見ると、消失点が複数あったり、水平が湾曲していたり、構図的にも中心点が複数あったり…と、見ていて何だか騙し絵でも見ているようで、ちょっとクラクラしてきたりもしますw
 特典ディスクに入っている、シネラマを擬似的に再現したスマイルボック版で見た方が、映像的には自然に見られるってのが面白い。
 画面がスゴいってこと以外には、内容的にはあまり特筆するようなものはないんですが、まあとにかく画面のスゴさは、ホント半端なくスゴいですw
 スペクタクル面だと、バッファローの暴走シーンが、そのド迫力に圧倒されつつ、同時に「お〜、ひょっとして『風の谷のナウシカ』の王蟲の暴走とか『もののけ姫』の猪の暴走とかって、これが元ネタ!?」って感じで面白かった。^^
 役者さんは、豪華キャストなんだけど、サービスで顔出すだけといった感じが殆どだし、ジェームズ・スチュワートとヘンリー・フォンダがワイルドな猟師ってのは、ちょっとどうよ…とかあるんだけど、個人的にはセルマ・リッターが良かった。^^
 あと、この映画って基本的に「我らの勇敢な先祖が、拳銃と鉄拳で西部を征服し、偉大な国アメリカを作ったことを讃えよう!」みたいな内容なんで、当然それ相応の不快さはあります。差別的な要素がさほど見られないのは、救いではありますが。
 私、子供の頃は西部劇って嫌いだったんですが、その理由は「ヒゲ・強面・薄汚れ」が三種の神器だった自分にとって、昔の西部劇で「あ、ステキ!」って思う男は、ほぼ100%ドーデモイイ脇役だったから。もう、ツバ付けた次の瞬間には撃たれて死んじゃうんで、それに懲りて見なくなったw

エスター [Blu-ray]
『エスター』〜国内盤Blu-ray

 いや〜面白かった。この監督、以前の「蝋人形の館」が良かったので期待はしてたんだけど、にぎにぎしいエンタメ系ホラーだった「蝋人形…」に対して、この「エスター」はじっくり描いたスリラーものと、方向性はかなり違うんだけど、どっちもなかなかの腕前。こりゃますます今後が楽しみに。
 もうちょっとだけ刈り込んでタイトにすると、もっと良くなりそうな気はするけど、じっくり描くところは腰を落ち着けて、派手な見せ場は容赦なく…と、ツボはしっかり押さえた作劇。いや、上出来、上出来。 ^^

フロム・ヘル [Blu-ray]
『フロム・ヘル』〜国内盤Blu-ray

 相棒の大好き映画ということもあり、もう何度見たことか。そして今回、アマゾンでブルーレイが約半額だったので再購入。暗いトーンと凝った映像美が見所のひとつなだけに、効果は絶大。アンバーとグレイを基調にしつつ、そこに炸裂する鮮やかな血の赤とアブサンの緑という色彩効果に、改めて感心。
 キャラクターの立ちっぷりと役者さんのハマり具合も良く、この映画を見て以来我が家では、ビアンの娼婦を演じたスーザン・リンチが一躍人気者にw 個人的にはグロテスク美という面でも大いに惹かれる映画。切ない後味も好き。
 ただ原作と比較してアレコレ言われてもいるようなので、う〜ん、やっぱ一度ちゃんと読んでおくべきか。

アズールとアスマール [Blu-ray]
『アズールとアスマール』〜国内盤Blu-ray

 何度見ても、この色彩美には陶然。今回は字幕に邪魔されたくなかったので、吹き替えで鑑賞してみた。なかなか良きかな。主言語(オリジナルは仏語、吹き替えだと日本語)とアラビア語の対比なんかは、その違いが良く判る分、吹き替えで見た方が効果的かも。

パフューム ある人殺しの物語 [Blu-ray]
『パフューム ある人殺しの物語』〜国内盤Blu-ray

 我が偏愛映画の一本。世評はともあれ、これは自分にとっては完璧な映画。汚穢にして美麗、エンタメにして芸術、ヘンタイにして崇高、もう何から何までメチャンコ好きだったりする。幸いにして相棒も大好きなので、我が家でのリピート率は実に高し。
 とゆーわけで、改めてブルーレイで買い直したんだけど、もともと映像のシズル感がスゴいだけに威力も倍増。美麗なシーンは、もちろんより美麗なんだけど、それ以上に、不潔感の表現なんかが更にパワーアップしてるもんだから、思わず見ていて「うぉっぷ」となりそうなくらいw
 それにしても、この「パフューム」と昨夜の「アズールとアスマール」と「300」と「パンズ・ラビリンス」と「ブラック・ブック」が日本公開された2007年は、自分にとって何と至福の一年だったことよw

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『The Siam Renaissance』〜香港盤DVD
 タイ映画。バンコクに来たフランス育ちのタイ人女性が、タイムスリップで現在と100年前のバンコクを行ったり来たりする話。当時のタイ(つまりシャム)は英仏両国の植民地化の危機にさらされており、愛国心に燃える若者たちを見て娘さんは…とゆー展開に、タイム・パラドックスなんかも絡んだり。
 イメージカットを多用した演出が、叙事というよりロマンティック方向に偏っているので、歴史の節目の緊迫感とか、伏線の収束とかパラドックスの解決とかいったロジカルな部分は、正直さほど見応えはない。ただ、叙情的で感傷的なパートは、けっこう盛り上げてくれる。
 映像面では、さほどの予算ではなさそうだけど、100年前のバンコクの風景の古写真に、色が付いて人々が動き始めたりとか、パラドックスの結果、現代のバンコクに巨大なエッフェル塔が聳え立ってしまうとか、わりと面白いイメージが幾つかあった。

“Devdas”のBlu-ray

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 わが偏愛映画の一本、サンジャイ・リーラ・バンサーリ監督の”Devdas” (2002) の、台湾盤Blu-rayを購入したので、そのレポートなんぞを。

 まず画質ですが、残念ながらBlu-rayソフトとしては、決して良いとは言えない内容。
 ただし、この”Devdas”のソフトは、まず正規盤のDVDからして、かなり劣悪な画質でした。私の持っているのは、ボックス入りの限定版なんですが、パッケージのハードケースは豪華だし、美麗カードのオマケなんかも付いているわりには、肝心のソフトそのものの画質がトホホな出来でして。まあ、インド映画のDVDって、こーゆートホホなことって決して少なくはないんですが、その中でも”Devdas”は、最近の映画にしては、ちょっと「う〜ん……」な画質だったんですな。
 そういう事情があるので、このBlu-rayは、一般的に言ったら決して良い画質とは言えないものの、それでも既発のDVDよりはずっとキレイではあります。また色調も、DVDがちょっと暗く沈んでいたのに比べると、Blu-rayの方が明るい。反面、ちょっとハイライトが飛び気味の感はありますけれど。

 ソフトの作りは、音声はオリジナル、字幕は中国語二種と英語から選択可能。
 チャプター分けはされていますが、内容に沿ったものというよりは、全体の尺を機械的に割った、いわばオート・チャプター的なもの。インド映画のDVDにつきものの、歌と踊りの部分だけのチャプター画面なんてゆー、親切な機能は付いていません。
 映画の内容ですが、原作はインドの有名な古典悲恋小説(……らしいです。原作小説は邦訳も出ていますが、まだ読んだことがない)の『デーヴダース』で、過去にも何度か映画化されている定番ネタなんだそうです。ちょうど先月も、大阪アジアン映画祭で『デーヴ D』(2009) というインド映画が上映されたようで、未見なんですけど、あらすじに出てくるキャラクター名からして、どうも同じ『デーヴダース』の現代版らしい。
 ただまあ私としては、この”Devdas”は、ストーリー云々とかよりも(もちろんストーリー的にも切なかったりはするんですが)、何よりかにより、その圧倒的な映像美そのものが一番の魅力でして。どこもかしこも、信じられないような贅沢で豪奢の美の固まり! もう、それ見てるだけでボ〜ッと酔えるくらいで(笑)。で、前にここで書いたように、イッパツでこの監督、サンジャイ・リーラ・バンサーリのトリコになっちゃった(笑)。

 とゆーわけで論より証拠、私の一番好きな場面を貼っときましょうかね。これ見てるだけでイケちゃう、至福の6分間。コレオグラフィー、カメラワーク、編集の見事さをご覧あれ。

 しかし台湾盤とかを買うと、毎度のことながら、「中国語は良くワカンナイけど、とりあえず漢字は読める」ギャップが面白いですな。”Devdas”の中国題は『寶萊塢生死戀』ってらしいんですが、なんだか判ったようなワカンナイような(笑)。
 あと、今回は帯部分のコピーが面白くて「印度第一美女 艾許維亞瑞伊」って書いてある。ふ〜ん、アイシュワリア・ラーイって、中国語だとこう書くのか(笑)。

 最期にご参考までに。
 邦訳が出ている原作小説は、こちら。

デーヴダース―魅惑のインド デーヴダース―魅惑のインド
価格:¥ 2,310(税込)
発売日:2006-04

“Star Wars: Uncut”

 一人15秒間、思い思いの方法で『スターウォーズ』の「あの場面」を「再現」した映像を作り、それをインターネットを通じて繋いでいき、アタマからケツまでの「完成品」を作ろう、というプロジェクトらしいです。
 サンプル動画は、『エピソード4/新たなる希望』後半の「名場面」。

Star Wars Uncut “The Escape” from Casey Pugh on Vimeo.

 いや〜、こりゃ楽しい(笑)。
 詳細を知りたい人は、www.starwarsuncut.comへどうぞ。
 誰でも手軽に動画製作が出来る時代と、インターネットならではの集合知を活かした、ナイス・アイデアなプロジェクト。