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ちょっと気になる『MW』の話

 手塚治虫原作の映画『MW』が現在公開中だそうな。
 映画そのものについては、プロットから同性愛の部分が完全にカットされたと知った段階で、興味ナシになってしまったので、映画そのものは未見です。ですからこの文章は、映画の内容を論じたものではありません。
 ただ、主人公二人が同性愛の関係にあるかという設定が、なぜ映画では排除されたのかという、その理由について、ちょっと気になる記事を読んだものだから、自分の考えを書いておこうと思った次第。

 その記事とは、こちら。
 週刊シネママガジン/玉木宏の同性愛描写、事務所はOKしていた 
 これによると、

 松橋プロデューサーは(中略)、出資者側から「ホモの部分を出すんだったら金は出せないよ」と言われてやむなく同性愛の描写ができなくなったことを明かした。
 実は玉木宏も山田孝之も、事務所側は同性愛の描写をOKしていた。岩本監督も撮影中は玉木と山田にホモを演じるように毎日のように話していたという。

 ……という事情があったんだそうな。
 う〜ん、作り手(プロデューサーや監督)も演じ手(俳優や所属事務所)も、原作と同じく、同性愛を映画の主要なモチーフとして取り上げたい気持ちがあったのに、出資者がそれを阻害した……ってのは、こりゃかなり根深い問題のような気がする。
 それに加えて、ここにはもっと深刻な問題も潜んでいる。これについては、後ほど詳述します。

 まず、なぜ「ホモの部分を出すんだったら金は出せない」という発想が出てくるのか。
 金にならない、という理由は考えにくい。日本でゲイ・マーケットを期待するのは、以前この記事の後半部分で論じたように、残念ながらあまり現実的ではないが、しかに日本にはゲイ・マーケットより遥かに大きい、やおいとかボーイズラブとかいった、流行り言葉で言えば「腐女子」マーケットがあるのだ。
 じっさい、現在のようにBLというものがオーバーグラウンドな存在ではなかった時代でも、『魔界転生』の沢田研二と真田広之のキスシーンは、マイナスイメージどころか、逆に宣伝になっていたように記憶しているし、『戦場のメリークリスマス』も、またしかり。まあ、いくら腐女子というものは「火のないところに煙を立てる」のが好きなのであって、あからさまに「狙った」ものは逆に萎える(らしい)とはいえ、それでも当代人気の二枚目スターが同性愛のシーンを演じるのだったら、見てみたいという人は多いだろう。
 では、逆に「ホモが出てくる映画は見たくない」層というのが、問題視されるほど多いのか、ということを考えると、これはそもそも「マンガ作品の映画化」なので、取りざたすること自体がナンセンスだ。当然ターゲットとされるであろう、原作マンガのファンが、「同性愛描写があるから見に行かない」なんてワケはないのである。
 そんなことを考えていると、どうしてもこれは、同性愛を扱った映画に出資することが、スポンサーとなる企業にとってマイナスイメージになる、と考えているのではないか、と疑りたくなる。だとすれば、これは立派なホモフォビアである。

 そう仮定すると、ここには問題点が二つある。
 まず一つは、ホモフォビアの存在そのものである。これ自体が、充分にゲイに対して差別的ではあるのだが、まあ、心の中でそう思っているだけで、表出しないでいるのなら実害はない。私が自分で望むと望まざると関わらずゲイであるように、世の中には、とにかくナンダカワカラナイけどゲイが苦手って人がいたって、別に不思議はないかもな、とも思うし。
 ただ、その「表出」というのが、第二の問題点であり、これが前述した「もっと深刻な問題」。
 というのも、残念ながら日本社会においては、ホモフォビアの存在そのものもさることながら、それが表出するのを止めるというストッパーも、ほとんど機能していないように思われるからだ。
 いささか小さな例ではあるけど、例えば松沢呉一さんの記事で知った札幌ラヂオ放送のWikipediaというヤツ。相手を貶めるつもりで「同性愛」という用語を使い(つまりホモフォビアの存在が見られる)、それをパブリックな場で平然と発信する(つまりホモフォビアの表明に全く躊躇がない)、という、二つの姿勢が同時に見られます。
 ホモフォビアを表明することに躊躇いがない、ということから、もうちょっと視点を拡げて、ゲイに対する無知や不見識、あるいは、意識的にせよ無意識的にせよ差別的な言動に対して、そもそもの発言者も、それを伝播するメディアにも、全くストッパーが働いていない例として挙げたいのが、ジャーナリストの北丸雄二氏が「バディ」誌上に書いた記事。
 内容は、日本のテレビドラマで男同士のキスシーンだか何だかを演じた俳優の、記者会見での言動とマスコミのとりあげ方について批判したものでしたが、日本の社会では、こういったことが一般常識レベルでは全く機能していないという、実に判りやすい好例でした。確か、ネット上でも同趣旨の記事を読むことができたような気がしたので、ちょっと探してみたんですが、残念ながら見つけられませんでした。リンク貼りたかったんだけどな。

 つまり、何が言いたいかというと、ホモフォビアの存在も問題だが、それを平然と公言してしまう、ということが、社会通念的にまかりとおってしまう、というのは、もっと大問題なのではないか、ということです。
 自分のホモフォビアやゲイ差別的な姿勢を、宗教組織内や思想団体といったクローズドな場ではなく、パブリックな場で平気で表明するということは、まるで「自分は人種差別思想の持ち主だ!」と胸を張って言っているのに等しい、大いに恥ずべき行為だということが、日本社会の共通認識としては全く機能していない。
 で、ようやく話を戻しますけれど、つまり「ホモの部分を出すんだったら金は出せないよ」という発言は、ホモフォビアの所産ではないかと疑われると同時に、それが問題視されずに平然とまかり通っているのなら、その状況自体が更に大問題だ、ということです。
 本来ならば、そんなことをすれば、それこそ企業のパブリック・イメージを損なうのが、社会のあるべき姿だというのに、現状ではそうはなっていない。それどころか、報道もそれを問題発言として取り上げていない。
 つまり乱暴に言うと、このことからは、日本の社会では、「個人(や企業)がホモフォビアを持つ(表明する)こと」を、「社会も容認している(問題視しない)」という、二重のゲイ差別が伺われるわけです。病巣としては、かなり根深いと言わざるをえない。

 記事では、この出資者というのが何処の誰なのか、具体的には書かれていませんが、これははっきりと公表すべきでしょう。それくらい、問題視すべき発言だと思います。出資者なんだからデカい会社のエラい人なんでしょ? だったら、発言にはそれなりの責任を負ってしかるべきでしょう。
 少なくとも私は、そんなスタンスの会社とか、そんな発言を平気でする人を重役として重用するような会社には、ビタ一文、自分の金は落としたくはないからね。
 政治家の失言とかだけじゃなくて、こういう問題も叩けよな、マスコミ……と思うけど、その肝心なマスコミ自体が、前述したように「無知で差別的であることを恥じないどころか隠そうともしない」状況、更に言えば「何が問題であるかすら気付いていない」状態なわけですから、また堂々巡りになっちゃう。

 まあ、そんな状況下でも

「日頃たまってるうっぷんをこの場を借りて晴らさせてもらうと、出資者には同性愛の描写はありませんよといいながらも、暗喩するように描いているんです。体をタオルで拭いてあげる2人の関係がゲイじゃなくて何なんでしょうか」

 ……と、精一杯の抵抗を見せたらしいプロデューサー氏には、まあその人なりの想いがあるんだろうけれど、しかし、『セルロイド・クローゼット』に出てきた映画の時代じゃあるまいし、21世紀にもなって、今さら「同性愛」を「暗喩」で描いた映画なんて……ねぇ。
 それどころか、《明示されていた同性愛を暗喩に変えて描く》という行為自体が、実はゲイに対して差別的なことなのだ、という自覚は、果たしてあるのだろうか、という疑問が持ち上がってくる。いくら「本当は隠したくなかった」んだとしても、同性愛を「意図的に隠して」描いている以上、それは結果として、前近代的の差別的な同性愛の扱い方と、何ら変わりはないのだから。
 まあ、私も作家の端くれだから、クライアントの意向は大きいというのは判るし、愚痴りたくなる気持ちも判るけど、だったら「同性愛というプロットが排除されたのは、出資者の意向だった」と言った後、「描けなかったけど暗喩云々」と言い訳めいたことを言うのではなく、ただまっすぐに胸を張って「でも、この映画の主人公は、原作マンガと同様に、同性愛関係にあるんです」と言えばいいのに。
 ついでに、主演俳優の方々も一緒に、「僕たちの演じた役はゲイです」と言ってくだされば、もっとヨロシイ。それがスポンサーを怒らせちゃうんなら、そこであらためて議論するなり戦うなりすればいい。
 それが、同性愛者に対して誠実である、ということだと思いますよ。

 まあ、こういった問題の病巣の根深さを、メジャーなレベルで明らかにした、という功績はありますけれどね。
 しかし同時に、発言者も報道者も、多かれ少なかれ同じ病根を共有している、ということまで見えてしまったのが残念でした。
 とりあえず、Gay Life Japanさんの記事など、幾つか物議はかもしているようなので、これをきっかけに、社会全体レベルで少しでも前進してくれるといいんですが……。

 あ〜あ、せっかく昨日、エジプト展のことを書いたから、それつながりで、今日は大好きなエジプトの歌をYouTubeで見つけたので、それを紹介しようと思ってたのに……。
 ま、それは明日にします。久々に長い論考を書いて、疲れちゃった(笑)。

『エロスの原風景』

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『エロスの原風景 江戸時代〜昭和50年代後半のエロ出版史』/松沢呉一(ポット出版)

エロ本は遠からず消えると言っていい。そんな時代だからこそ、こんな本を出す意義もあるだろう──(「はじめに」より)
エロ本173冊! フルカラー図版354点収録!!
稀代のエロ本蒐集家・松沢呉一による日本出版史の裏街道を辿る男子必携のエロ本ガイド!!

 ポット出版さんからいただきました。
 江戸時代から綿々と続きながら、文化史的には黙殺されてきた「エロ本」の歴史を、豊富かつ貴重な図版とテキストで紹介する本です。

 いやぁ、面白かった〜!
 まず、とにかく「エロ本」をキーワードに、江戸時代の遊郭ガイドから戦後のカストリ雑誌、おフランスの美麗なヴィテージ・ヌード絵葉書から、自販機で売られていた即物的なエロ本まで、紹介されている書籍の、時代やジャンルの幅広さがスゴい。
 加えて、それを解説するテキストが面白い。風俗産業の変遷や印刷技術の発展と絡めた、硬派な論考がされるかと思えば、ユーモアたっぷりの語り口もあり(読んでいて何度か噴き出しました)、面白いわ勉強になるわ、もう夢中で読んじゃいました。
 でも、何がスゴいって、これらが全て「一次資料」によるものだってことだよな〜。
 こういうことを、孫引きでアレコレ書く人は多い(私も他人のことは言えません)だろうけれど、全て自分で蒐集されているということは、ホント、もっと衆目を集めてしかるべき偉業だと思います。
 私も見習わなくちゃ。
 現在、『日本のゲイ・エロティック・アート vol.3』の作業中(牛歩ですけど……)なので、ピシッと襟を正す気持ちにさせられました。

 さて、ゲイ関係もちゃんと、「ホモアルバム」という一章が入ってます。ゲイ雑誌誕生前夜、およびその黎明期に、通信販売などで販売されていたエロ写真の紹介。
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 こういう写真を撮っていた人では、「大阪のおっちゃん」という人が有名なんですが(ゲイアートの家さんが、まとまった数を所蔵・保管なさっています)、このジャンルのものは、ゲイ雑誌上ですら殆ど紹介されたことがないので、これは貴重。
 因みに、こうして販売されていたプリントには、男のヌードや絡みの写真だけではなく、男絵の複写プリントも存在していたんですが、それもしっかり、大川辰次と三島剛の二点が、この本には掲載されています。
 余談ですけど、掲載されている三島剛のプリントは、実は私も同じものを持っているので、ちょっと嬉しくなったり(笑)。
 そして実は、著者の松沢呉一さんは、私にとっての恩人でもあります。
 松沢さんなくしては、私は『日本のゲイ・エロティック・アート』シリーズを、出版することはできなかったでしょう。そこいらへんの経緯は、前述の「ホモアルバム」の章に書かれているので、ぜひご一読あれ。
 ご本人は、さらりと謙遜して書かれていますけど、ホント大恩人ですよ。私個人のみならず、日本のゲイ文化史に興味を持つ人、全てにとって。
 ゲイ・エロティック・アート絡みでは、『日本のゲイ・エロティック・アート vol.1』で取り上げた、小田利美の描いたノンケ向けカラー・イラストが、一点だけですけど掲載されているのも嬉しいところ。ただ、「山田利美」と誤植されてるのが……ポットさん、しっかりして〜!

 個人的な趣味では、その小田利美も参加していた、「創文社グループ ”ニセモノ”だから持ち得た特異な魅力」の、キッチュさがたまりませんでした。
 陽気でカラフルな表紙といい、正気を疑うような珍奇なヌード写真といい、もう、ステキすぎ! 古書市で『奇抜雑誌』(ってゆータイトルの雑誌を出していたんです)を見かけたら、思わず買っちゃいそう(笑)。
 イラスト関係だと、「カストリ雑誌 敗戦直後の日本に咲いた徒花」が良かったな〜。
 淫靡でイカガワシイ雰囲気なんだけど、でもオシャレでもある、表紙画像の数々がステキ。竹中英太郎や水島爾保布なんかを思わせる絵があるかと思えば、マティスもどきやタマラ・ド・レンピッカもどきまであったり。
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 テキスト方面では、「吉原細見 江戸時代に生まれた風俗誌の原型」や「オッパイ小僧 日本初の巨乳アイドル・川口初子」なんかが、特に興味深かった。因みに、学究的に「ふむふむ」と読みながら、その語り口に、つい噴き出してしまったのも、この二章だったりします(笑)。

 そんなこんなで、実に面白く、しかも「他に類がない」ことは間違いなしの本なので、皆様、ぜひお買い求めあれ。
 とゆーのも、この本に対する唯一の不満が、「もっと読みたい!」ってことでありまして、まだまだ未収録原稿(および未紹介コレクション)はあるようなので、これが売れれば続刊もされて、私の「もっと読みたい!」欲も満たされるわけで(笑)。
『エロスの原風景』(amazon.co.jp)
 出版社による紹介ページ(購入も可能)はこちら
 著者の松沢呉一さんのブログ(『エロスの原風景』関係のコンテンツ豊富、および最近のエントリーでは、出版における部数と印税や、書籍の価格などに関する記事が、実に興味深いのでオススメです)はこちら

ちょっと宣伝、展覧会『伊藤文學コレクション』とトークショー

Buncolle_omote 今度の月曜日、6月1日から13日まで、銀座のヴァニラ画廊で企画展『伊藤文學コレクション 薔薇族周辺のゲイ・エロティック・アート』(特別展示・入場料500円)が開催されます。
 で、この展覧会なんですが、私めも及ばずながら監修という形で関わらせていただいております。
 まあ、監修といっても、そんな大層なものではなく、展示の中心は伊藤文學氏ご所蔵の『薔薇族』に掲載された男絵の原画であります。私の役割は、展示の主旨および全体の構成を考えることと、文學氏のお手元にはない作家の原画を集めるためのお手伝いをすること、そして、自分自身の作品を展示用に提供する、といったところです。
 企画をしてくださったのはマルプデザインさん。
Buncolle_ura 展示作家は、三島剛/船山三四/小田利美/遠山実/児夢(GYM)/長谷川サダオ/木村べん/平野剛/大川辰次/稲垣征次/三上風太/田亀源五郎という顔ぶれを予定しています。
 文學氏ご所蔵分と、私が所蔵・保管しているものに加えて、稲垣征次さん、STUDIO KAIZの城平海さん、ゲイ・アートの家の荻崎正広さんに、それぞれご協力いただきました。
 歴史的なゲイ・エロティック・アートの展示としては、文學氏も私も過去に何度か行ってきましたが、これだけの作家が揃う展示というのは、ちょっとなかったのではないかと思います。
 貴重な日本のヴィンテージ・ゲイ・エロティック・アートの数々が、美麗な原画のまま一堂に会するこの機会、アートやサブカルチャーやゲイ文化やエロティック文化に興味のある方は、ゲイもヘテロも関係なく、ぜひ足をお運びください。
 また、展示期間中の6月7日(日)には、イベントとして画廊内で、「伊藤文學氏・田亀源五郎氏による特別トークショー」も開催されます。時間は15時から、入場料は1500円(1ドリンク付き)になります。
 文學氏とは、もちろんこれまでお会いしたこともお話ししたこともありますが、トークショーという形では初めてなので、今からいささか緊張気味(笑)。司会進行をやってくださるのは竜超さん。
 また、会期中にはポット出版さんにご協力いただき、私の編纂した画集『日本のゲイ・エロティック・アート vol.1 ゲイ雑誌創生期の作家たち』と『vol.2 ゲイのファンタジーの時代的変遷』を、画廊で直接お買い求めいただけるようになっております。
 展覧会のお土産に、トークショーのついでに、二冊揃いでぜひどうぞ。
7sins_superbia さて、最後に私の出展作ですが、2007年のフランス個展用に制作した連作、『七つの大罪』を揃いで出させていただきます。
 これまで、書籍やイベントで、一、二枚が公開されたことがありますが、ほとんどは日本国内では未発表。もちろん、七枚セットでは本邦初公開となります。
 なかなかお見せできるチャンスもないので、皆様、この機会にぜひご覧ください。自分で言うのもナンだけど、美麗かつエロいという自信作ですぞ(笑)。

“Outside/Inside” by Bruce Of Los Angeles

Bruceoflosangeles_outsidein ヴィンテージ・メールヌード写真集のご紹介。
 ブルース・オブ・ロサンジェルスことブルース・ベラスは、1940年代から70年代にかけて活躍した、アメリカの写真家。当初は、当時アメリカで流行していたボディービル・ブームの中で、ビルダーの写真などを撮っていましたが、56年に自らフィジーク雑誌「メール・フィギュア」を創刊することによって、その作品はゲイ・エロティック・アートに接近していきました。
 このフィジーク雑誌というのは、いわばボディービル雑誌のふりをしたゲイ雑誌のようなもので、トム・オブ・フィンランドやジョージ・クエインタンスといったゲイ・エロティック・アーティストたちも、こういった雑誌を経て世に出ています。
 ブルース・オブ・ロサンジェルスの成功は多くの模倣者を生み、更に後世には、ロバート・メイプルソープやブルース・ウェーバーやハーブ・リッツといった、コマーシャル/ファインアートの写真家にも影響を与えました。
 そんなブルースの写真集ですから、当然のことながら、エロティック・アートとしての表現は、時代に即したごく控えめのものです。
 下にリンクを貼った日本アマゾンの商品ページに、内容のサンプルが少し掲載されていますが、それをご覧になればお判りのように、その写真には、現在に生きる我々の感じるところの、ポルノグラフィー的な過激さというのは、ほぼ皆無と言っても良いでしょう。これらの写真が、当時のゲイたちにとってどれだけ「扇情的」なものであったかは、これは想像を逞しくするしかありません。
 とはいえ、ではこれらの写真が、今となってはノスタルジーの対象にしかならないものかというと、決してそうではないのが、このカメラマンのスゴいところ。ギリシャ彫刻的な「男性美」にフォーカスを絞り、ただそれのみを、堅牢なコンポジションと共に捉えた作品の数々は、被写体と画面双方の美しさによって、今なお新鮮に映ります。それらをご覧になれば、前述した後世の写真家への影響というのも、良くお判りいただけるはず。
 また個人的には、シンプルなメールヌード以外にも、数は少ないながら鞭打ち人間馬といったサドマゾヒズム的な要素が見られるのも興味深いところ。こういった傾向は、同時代のトム・オブ・フィンランドやジョージ・クエインタンスの作品でも見られます。以前こちらの記事で少し書きましたが、暴力性や被虐性といったものが、古くからマッチョイズムの表現手法の一つとして存在しているということが、この写真集でも改めて確認できます。
 本のサイズは、アナログLPジャケットくらいの大判。頑丈なハードカバーで、同じく頑丈な外箱入り。この外箱は、写真のプリントを入れるラボ袋を模したデザインになっていて、なるほど、当時ナマ写真を注文すると(フィジーク雑誌ではプリントやムービーの通信販売も行われていました)、きっとこういう袋に入ったものが送られてきたんだろうなぁ、などと偲ばれる作りになっています。
 本文の方は、屋外で撮られたもの(Outside)と屋内のもの(Inside)の二部構成。上質な紙に上質の印刷。ブルースのモデル・リストや、そのパーソナル・データを完備(本書収録作だと、有名どころでは、ジョー・ダレッサンドロの背面からのフルヌードあり)。
 そんな感じで、所有欲をしっかり満足させてくれるような、上質な造本の写真集になっています。
 それと、もう一つ特筆したいのが、これはアマゾンの商品説明には何も書かれていないんですが、オマケとしてDVDが一枚付いています。
 収録されているのは、(おそらく)当時販売されていた、ブルースが撮影したメールヌードのショートフィルム12本。内容はというと、健康的な肉体美の青年たちが、ビーチや牧場などで裸になり、ポージングしたり水遊びをしたり男同士で戯れたりする……といった、ごく他愛もないものなんですが、これが何ともノスタルジックな美しさがあってヨロシイ。
 フィルムはレストアされているらしく、多少の傷やゴミはあるにせよ、画面の揺れや明滅、トビやツブレはほぼなく良好。音声はBGMのみ。音質の良さからして後付でしょうが、画面のノスタルジックなムードともマッチしていて佳良。ヴィンテージ・ゲイ・アートのファンやメールヌード好きはもちろん、環境映像的にも楽しめそうな、なかなか優れモノの内容です。
 ご参考までに、キャプチャ画像を幾つか。こちらこちら
 そんなこんなで、決して安価ではないですけれど、豪華写真集にレアもののDVD付きなので、写真集好き、メールヌード好き、ゲイアート好きだったら、買って損はないマストな一冊ですぞ。
 あ、でもオカズを期待する人には不向きですからね(笑)。
“Outside/Inside” Bruce Of Los Angeles (amazon.co.jp)

ちょっと宣伝、東京プライドフェスティバルでサイン本販売

 今年は東京のゲイパレードはありませんが、そのかわり、5月23日(今週の土曜日)に代々木公園イベント広場で、「第1回 Tokyo Pride Festival」が開催されます。
 イベントの内容等は公式サイトをご覧いただくとして、トークショーやコンサートといったイベントと共に、会場には様々な企業や団体のブースが出展されます。
 その中の、ゲイ雑誌「バディ」のブースで、拙著『外道の家』(上中下巻)の著者直筆サイン本が販売されます。昨日、それぞれ10冊ずつ×3で、合計30冊にサインを入れました。
 一般書店の店頭で見つけられず、ネット書店でも入手できず、ゲイ・ショップに行く機会もなくて……と、これまで入手しそびれていた方、本とサインを一緒にゲットできるチャンスですぞ〜(笑)。
 また、詳細は確認していないんですが、編集さんの説明によると、「バディ」にコミック連載している作家さんのサイン本をブースの目玉商品にしたい、とのことでしたので、おそらく小日向先生や大久保ニュー先生のサイン本も、同様に販売されるんだと思います。
 さらに伏見憲明さんが、御自身で「バディ」のブースにいらして、近著『MILK 写真で見るハーヴィー・ミルクの生涯』の即売会をなさるということで、こちらもサイン本ゲット(&ナマ伏見センセー拝見)のチャンス(笑)!
 私自身は、ちょっとスケジュールの関係で、会場に行けるかどうか微妙なところなんですが、皆様、ぜひ「第1回 Tokyo Pride Festival」にお出かけのうえ、イベント参加・見物・お買い物など、存分にお楽しみくださいませ。

映画『MILK』と伏見憲明さん絡みで、あれこれ

 伏見憲明さんから、監修で関わられている映画『MILK』に関する、諸々のご案内をいただいたので、以下、引用でご紹介します。
 自分としては『MILK』はぜったい見に行きたい……んだけど、時間がなくって、ウガガガガ状態。個展も渡航も、まだぜんぜん準備が終わってないよ〜、ひぃ(泣)。
 でも皆様は、映画はもとより、イベントの方も「これぞ!」というヤツに、ぜひご参加くださいませ。

映画の関連本『MILK 写真で見るハーヴィー・ミルクの生涯』(AC Books)がゴールデンウィーク明けに刊行されます。伏見も監修で関わっていて、映画もこの本も応援しております。本書ではミルクと同じ時代を過ごした人々の証言とともに、70年代のゲイコミュニティとミルクの実際の写真が収録されています。ぜひ愛蔵版として家の本棚に飾ってみてください。
● 伏見がママになるゲイバー、エフメゾでも4/29と5/6(ともに水曜祭日)は開店を17:00に早めて、本の先行発売会?を兼ねた営業になります。映画「MILK」のことなどあれこれ話しながらゴールデンウィークのひとときをいっしょに過ごしませう。営業時間は17:00ー04:00。通常料金。
場所は→で確認 http://www.g-token.com/bars/mf/main.html
以下、版元よりのパブです。
●『MILK 写真で見るハーヴィー・ミルクの生涯』
序文:アーミステッド・モーピン
まえがき:ダスティン・ランス・ブラック
監修:伏見憲明 訳:安齋奈津子
\1,995(本体\1,900+税) A4変、136ページ、並製
2009年5月1日発売 ISBN:978-4-904249-06-2
発売:AC Books http://www.ac-books.com/
この本の刊行を記念して、5/21にはジュンク堂新宿店でトークライブも行われます。
● MILK 写真で見るハーヴィー・ミルクの生涯』出版記念トークセッション
「私は私。でいいじゃない?」 伏見憲明氏×中村うさぎ氏
70年代の終わり、ゲイであることをカミングアウトして選挙によって公職に就いたものの、1年もたたないうちに暗殺されたハーヴィー・ミルク市政執行委員。21世紀の今も、アメリカのみならず全世界で、「生きづらさ」を抱える人は絶えない。
愛するってどういうこと? ありのままの私ってだれ? 生きるってどういうこと? 幸せってなに?
日本におけるゲイリブのフロントランナー伏見憲明氏と、現代女性と社会を鋭く問う中村うさぎ氏が、「私を生ききる」ことについて語る。
日時:2009年5月21日(木)18時30分〜20時
料金:1,000円(1ドリンク付き)
定員:50名(定員になり次第しめきり)←早めの方がいいみたい
会場:ジュンク堂書店 新宿店8階喫茶コーナー
予約先:ジュンク堂書店新宿店7階カウンターにて。電話予約も承ります(03-5363-1300)
http://www.junkudo.co.jp/event2.htm

つれづれ〜フリーペーパーとかゲイアートとか

 締め切りラッシュの間に、溜まりに溜まってしまったメールの返事をせっせと書き、それが終わって、これでようやく渡航&バカンスの準備に入れる……と思いきや、新たなアレコレがイロイロと。
 そんなわけで、現在、日本とイタリアとスペインとベルギーで、イロイロな話が進行中。
 ハッキリした結果が出たら、おいおいご報告します。
Sexsexwork そんな最中、シモーヌ深雪さんから、”セックスの安心と安全を考える情報誌”、フリーマガジン『SEX & SEXWORK』の001号をいただきました。
 企画編集で名を連ねているシモーヌさんを筆頭に、松沢呉一、張由紀夫、マーガレット、ゴッホ今泉、オナン・スペルマーメイド……などなど、錚々たる面子が揃い踏み。
 デザインも誌面もとっても美麗で、これが無料だなんてビックリ。これに限らず、最近のHIV関連のフリーペーパー等は、ほんとクオリティ高いですよね。将来の文化史的な体系化に備えて、どなたかがきちんと収集保存していらっしゃればいいんですけど。
 この冊子がどこで配布されているのか、ちょっと判らないんですけど(新宿aktaや堂山distaなんかにあるのかな?)、問い合わせ先がせくすばっとなっていたので、興味のある方はぜひどうぞ。
Alexeyalexey かたや先日、アレクセイ&アレクセイ(Alexey and Alexey)という、ロシアの二人組ゲイ・アーティストから、ファンメールと彼らのサイトの案内がきました。「暮らしをゲイ・アートで飾る」というコンセプトで、作品を制作・展示・販売しているそうな。
 ペインティングやドローイングもあるんですが、個人的には左上のサンプル画像のような、ガラス細工のシリーズが気に入りました。ポップでカラフルで、造形的にはフォークアート風の魅力があって、それでいて同時に、しっかりエロティック(かつマッチョ)というのが良い感じ。
 ロシアというと、ソビエト時代からゲイに対しては抑圧的だという印象がありますが、そんな中で、こうしてゲイ・アーティストとして頑張っている人たちがいることを知るのは、何だか嬉しいですね。
 よろしかったら、ぜひ一度、彼らのサイト(ちょっとサーバが重いですけど)で作品をご覧あれ。露英二ヶ国語表記です。
Patrick_poivre もう一人、パトリック・ポワヴル(Patric Poivre)という、フレンチ・カリビアンのサン・マルタン在住の、フランス人アーティストからも、ファンメールとサイトの案内を貰ったので、ご紹介。
 熱帯地方と旅の記憶をテーマにした、ペインティングがメインで、ダイナミックな筆致と美麗な色遣いがステキです。詩的でロマンティックなメールヌードがあるかと思えば、古典絵画の引用もあり。水兵を描いた作品なんかを見ると、いかにもジュネやコクトー直系の、フランス的ホモエロスって感じがするのが面白い。あと、いかにもトロピカルなお宅の壁に描かれたトロンプルイユ(騙し絵)作品なんてのは、もうその制作環境が羨ましい限り(笑)。
 アダルト・ギャラリーもありますが、こちらはパスワード制(メールで貰えます)になってます。これまた、コクトーの「白書」を更にコッテリさせた、みたいな感じの、いかにもファイン・アーティストの描く「秘画」といった感じで、イラストレーション的なエロティック・アートとは、また違う味わいがあります。
 サイトは仏英二ヶ国語表記。こちらも、よろしかったら是非ご覧あれ。
 あと、品切れになっていたフランス語版”Gunji”ですが、版元のH&Oから、増刷したという連絡があり、第二刷の著者謹呈分コピーが送られてきました。
 内容的には初版と何も変わっていませんが、造本のみ、表紙のフラップ部分がなくなっています。先日出た”Goku – L’ile Aux Prisonniers vol.1″も、同様の造本だったので、H&Oの方針なんでしょうけれど、フラップ部分に載っていた著者紹介文が、丸々消えちゃったのは、ちょっとウムムな感じ。

ちょっと宣伝、フランスで三回目の個展やります

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 パリのギャラリーで、今月末日から個展が始まります。場所は、前の二回と同じくArtMenParisギャラリー。期間は、4/30〜5/30。
 去年の個展では現地には行きませんでしたが、今回は、作品と一緒に私自身も渡仏します。オープニング・パーティーは、4/30(木)の17:00〜22:00。もちろん、私自身が作品と一緒にお迎えしますので、パリ在住の方、ゴールデンウィーク旅行でちょうどパリに滞在中の方、などなど、いらっしゃいましたら、お気軽に遊びに来てください。
 また、5/2(日)には、パリ市内の書店LES MOTS A LA BOUCHEで、サイン会をしますので、こちらもお気軽にどうぞ。時間は16:00〜17:30。
 因みに、LES MOTS A LA BOUCHEは、ポット出版さんから出ている、我が『日本のゲイ・エロティック・アート』シリーズも、ここで輸入販売していただいているんですが、実は前々から、タコシェの中山さんから大推薦されていた書店さん。果たして、どんなディープなお店なのやら、今から行くのが楽しみです(笑)。
 パリでの滞在は一週間程度ですが、その後、またちょいと寄り道して、休暇を兼ねて別の国に遊びに行こうと思っているので、帰国は5月中旬を予定しています。
 さて、そんなこんなで、月末からしばらく国外脱出する予定ですが、ちょいと自分の携帯を調べてみたら、どうやら国際ローミング対応とやらで、海外でも使える機種みたい。
 というわけで今回は、これをあっちに持って行って、現地からこのブログを更新してみようかな〜、なんて企んでおります。オープニング・パーティーやサイン会の様子を、写メール使って現地からレポ、みたいな(笑)。
 とはいえ、私は超がつくほどの携帯オンチで、なにしろ電源を入れることすら、一年に数回あるかないかくらい、ってな、ていたらくなので、果たして上手くいきますかどうか。正直、イマイチ自信がない(笑)。携帯のメールって、ロクに使ったことがないからなぁ。前に、試しに使ってみたときには、一行の文章を打つのに、10分くらいかかった(笑)。
 ま、そういう事情もありますので、あまり期待せずにお待ちくださいませ。

やっぱり…

 先日紹介したこの本、悪い予感が当たって、やっぱり取り扱いがなくなっちゃったようです。商品ページがなくなってるし、検索してもヒットしない。
 というわけで、早めにオーダーして無事に買えた方は、ラッキーだったということで。
 アメリカのアマゾンだと、問題なく売られているので、リンクを貼っておきますね。
“XXL” Tom of Finland (amazon.com)
 しかし、どーも日本のアマゾンは、TaschenとBruno Gmunderの扱いには厳しいなぁ。
<続報>
 と思ったら、マーケット・プレイスですけど、日本のアマゾンでも復活しました。
“XXL” Tom of Finland (amazon.co.jp)

“XXL” Tom of Finland

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 ゲイ・アートのマエストロ、トム・オブ・フィンランドの新しい画集が、TASCHEN社から出ました。
 トム・オブ・フィンランドの作品集としては、同じTASCHEN社から、既に”The Art of Pleasure”という分厚い画集や、”Kake”などのコミックス集などが出ており、また、Tom of Finland Foundationからも、画集”Retrospective”シリーズ(全三巻)が出ていて、それらを既に所持している自分としては、この新しい画集”XXL”を買うのは、悩ましいところではありました。値段もけっこうするし、中身も、ひょっとして”The Art of Pleasure”の焼き直しかも知れないし……。

 しかし、思い切って購入してみたところ、これがスゴい画集だった!
 何と言っても、本のサイズがデカいのにビックリ! 横29センチ×高さ40.5センチ……なんてスペックだとピンとこないかもしれませんが、まあこの比較画像(笑)をご覧あれ。
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この大きさで、厚みも8センチ近くあるもんだから、まあ持っていて重いこと重いこと(笑)。

 流石にこれだけ大判だと、絵の方もド迫力です。
 1ページ1点、あるいはドカンと見開き1点の掲載は、例えそれが既に見知っている作品でも、受けるインパクトが段違いで、ページを開いた瞬間「ひゃ〜っ!」ってな感じです……って、何のこっちゃい(笑)。しかも、折り込みページもあったりして、それを拡げるともっとスゴいことになって、レザーマンたちのデュオのポートレイトが、6組12名、幅1メートル以上の横長の画面に、ずらりと並んで立っている(ま、跪いている人もいますけど)様は、もう圧倒されちゃって溜め息もの。
 中身のサンプルは、いちおうTASCHENの商品ページにありますが、それ以外にも、下絵と本描きの比較とか、
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“Kake”のような連作画とか、
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ポートレイトと春画のコンビネーションとか、
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同一テーマのバリエーションとか、
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とにかく全ページが見応えあり。
 こんな感じで650ページ以上続くんですから、もう大満足。お腹一杯、ごちそうさま(笑)。

 印刷は、極めて良好。前述の”Retrospective”シリーズや”The Art of Pleasure”と比較すると、それらを遥かに凌ぐ高品質で、原画の再現性はバッチリ。私は、以前トムの原画を、Tom of Finland FoundationやニューヨークのFEATUREギャラリーで目にしたことがあり、以来、あの原画の美しさと比べると、世に出ている印刷物の品質には、どうしても不満があったんですけど、この”XXL”は、そういう意味でも、これまでのベスト。
 全体の構成は、総論を冒頭に置き、以下、世に出る以前の40年代、初期スタイルの50年代、スタイルが確立された60年代、円熟の70年代、ポートレイト群などで更なる高みに達し、そして亡くなるまでの80年代、と、編年体になっていて、それらに様々な各論が、それぞれ英独仏の三ヶ国語で付いています。
 巻末には、原画の所在が行方不明になった作品リスト(図版付き)、グリーティングカード、展覧会の記録などが付属。
 造本も、高級感のある凝ったもので、カバーの絵の部分がバーコ印刷になっていて、ツヤツヤとレリーフ状に盛り上がっています。カバーを外すと、本体は黒いマットなクロス装のハードカバーで、そこにタイトルやシンボルが、黒のグロスでエンボス箔押し。本体には、リボン状の栞も付いています。そして、ご覧のようなキャリング・ケース入り。
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 というわけで、内容、品質、共に価格に見合った高品質でした。円高の今だと、逆に、これでこの値段は安く感じるくらい。
 幸い、日本のアマゾンでも取り扱っています。現時点では、まだ発刊前の予約状態になっていますが、私はそこで予約していたのが今日届いたので、そろそろ入荷するのでは。
“XXL” Tom of Finland (amazon.co.jp)
 ただ、ちょっと気になることがあって、実は以前、同じTASCHENから出た、トムの”The Complete Kake Comics”という本が、日本のアマゾンで予約を受け付けていたにも関わらず、発売直前になって、急に取り扱いがなくなってキャンセルされたことがあったんです。その例を考えると、ひょっとしたらこの”XXL”も、後になって取り扱いがなくなったりもしかねないので、入手は早めの方がいいかも知れません。
<続報>
 やっぱり、なくなっちゃいました……。
<続々報>
 と思ったら、また復活しました。
“XXL” Tom of Finland (amazon.co.jp)
<続々々報>
 と思いきや、また消滅したり復活したりの繰り返しで、もうワケワカラン状態。