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シャワールームで石鹸を落としてはいけないということ

 ……どーでもいいことだけど、このタイトルって、何だか『今昔物語』や『宇治拾遺物語』の章題みたいね(笑)。
 さて、英語の慣用句なのか、定番ジョークなのか知りませんが、”Don’t drop the soap(石鹸を落とすな)”ってのがあるようです。
 どういうことかというと、これは刑務所ネタなんですな。
 刑務所に入れられて、もしシャワー室で石鹸を落としてしまい、それを拾うために屈んだら、つまり、素っ裸で膝を曲げて尻を突き出す格好になると、それを見た周囲の囚人どもが欲情して、そのままレイプされちゃうぞ、ってことなんだそうな。
 で、この警句(?)は、メジャーなものらしく、ひょんなことからYouTubeでそれ関係のクリップを見つけたら、まあ芋づる式に出るわ出るわ(笑)。
 だいたいはジョークなんですけど、いかんせん、どれもこれも、デカい強面ども(しかもたいていマッチョ)の集団がシャワーをあびていると、そこにレイプの予兆が……ってな展開なもんだから、私なんかは、笑うより先に欲情しちゃいます(笑)。
 というわけで、そんな「野郎系凌辱モノ好き」にはタマランワイな、”Don’t drop the soap”映像を、まとめてご紹介。
 どうやら、液体石鹸のCMらしいです。

 お次は、何かのコメディ映画からのワンシーンっぽいんですが、詳細は不明。誰か知ってたら、教えてください(笑)。これは刑務所じゃないですね。体育会系?

 追記。さっそく情報をいただきました(「まこと」さん、ありがとうございます)。これは、”Now I Pronounce You Chuck and Larry”という映画だそうです。何でも、二人の消防士が家族のためにゲイとして偽装結婚するコメディだそうな。う〜ん、消防士かぁ、エロいぞ(笑)。
 も一つ追記、邦題は『チャックとラリー おかしな偽装結婚!?』だそうです(「武士」さん、ありがとうございます)。DVD出てたんですね、面白そうだから今度見てみよう(笑)。
 しかし、ノンケどもが相手がゲイだと知ると、勝手に「襲われる!」と怯えるのは、洋の東西を問わず一緒なんだなぁ。私も、かれこれウン十年前、新入社員のとき上司と二人で飲み屋に行き、ガールフレンドの話題を振られたときに、自分はゲイだと言ったら、ビビッて椅子一つ飛び退かれました(笑)。ったく、誰もテメエのケツなんか狙ってねーっつーの(笑)。で、翌朝出社したら、私がゲイだと、もうフロア中に知れ渡ってた(笑)。
 次は、ビールのCM。スペイン語かな? これも刑務所じゃないけど、ラグビー・チームってとこが、またエロい(笑)。

 最後は、アニメーション版。ぱっと見、日本のアニメかと思いましたが、アメリカの風刺漫画『ブーンドックス』のアニメ版でした。

 いかがでござんしょ、欲情しました?(笑)探せば、他にもまだありますよ。
 因みに私はこれを見て、プリズン・レイプのマンガを描きたくてたまらなくなった(笑)。

画集の在庫情報とか

 フランスで出版された私の画集”The Art of Gengoroh Tagame”ですが、日本で輸入販売をしてくださっているタコシェさんが追加注文をしたところ、フランスの版元でも品切れになっているそうです。
 というわけで、タコシェさんには、まだ少し在庫があるそうですが、それがなくなれば、入荷は当分見込めないだろう、とのことです。また、このまま再刷がかからなければ、そのまま入手不可能ということになります。
 もし、欲しいとは思っていたんだけど買いそびれていた、という方がいらっしゃいましたら、お早めにご入手なさる方がよろしいかも知れません。
 タコシェさんのネットショップへは、右側のリンク集からどうぞ。
 なお、やはりタコシェさんで扱っていただいていた、フランス語版マンガ単行本二種のうち、”Gunji”がフランスの版元で品切れ状態だそうです。こちらは、タコシェさんにも在庫がないので、再刷がない限り、このまま入手不可能となります。
 ”Arena”の方は、そういった情報は入ってきていないので、そのうち再入荷すると思います。
 それと、ちょっと前にお伝えした、『外道の家・上巻』が在庫切れになったという件ですが、こちらは再刷されたらしく、現在では、タコシェさん、各ゲイショップさん、版元のバディJPさんなどで、取り扱いが再開されています。
 ただし、流通コードの関係で、一般書店やネット書店では取り扱いがないのは変わりませんので、ご注意ください。
 また、一時期在庫薄になっていた『田亀源五郎[禁断]作品集』も、先日第三刷が出来上がったとご連絡をいただきました。今なら、お待たせすることなくお買い求めいただけます。
 こちらは、タコシェさん、各ゲイショップさん他、一般書店でも取り扱いがあります。
 さて、そんなこんなでタコシェの中山さんとメールをやりとりしていたんですが、その中で、先日の箱根の話絡みで「原宿でもお休み中のサンタさんを発見!」と、写真を送ってくれました。
Santa
 ……う〜ん、やっぱり不気味(笑)。
 中山さん曰く「ちょっとお歳暮のハムみたい」確かに(笑)。それも昔風の、外側が赤いヤツ(笑)。
 まったく、日本中でサンタクロースが、いったい何人このパターンで寝ているんだ。不気味だから、やめなさいって(笑)。

デカい面

 前にここここで書いた、次のフランス語版マンガ単行本ですが、第一巻の発売日(今回は全三巻の予定なのだ)が、今月22日に決定したみたいです。
 で、版元のH&Oのサイトのトップページが、私のイラストに変わったんですが……おいお前、脇役のクセに、そんなところで何デカい面してんだよ(笑)。
 そんだけ(笑)。

フィギュアとか

 日頃、フィギュアを買う趣味はないんだけど(部屋せまいし置き場所ないし、掃除片づけ大嫌いなので、どうせすぐに埃まみれになったうえに、落っことして手足がもげちゃうのがオチだし……)、たまにDMとかでこーゆーのとかこーゆーのとかこーゆーのを見ると、ちょっと欲しくなっちゃいます(笑)。

マンガとか

 宝島社・刊『このマンガがすごい! 2009』で、拙著『外道の家』が、オトコ編36位にランクインしておりました。
 確かこのシリーズでは、以前にもピックアップコーナーみたいなとこで、拙著『男女郎苦界草紙 銀の華』を取り上げていただいたことがありますが、ランキングに入ったのはおそらく初めてです。嬉しい、嬉しい(笑)。
 因みに、選者による個別ベストの方には、児雷也画伯の『仰ゲバ尊シ』と大久保ニューさんの『坊やよい子だキスさせて』という、ゲイ雑誌発のマンガが二冊入っていまして、これまたなんか嬉しいですね。
 さて、これだけではなんなので、ついでに自分が今年買って、印象深かったマンガについても、ちょっと列記してみましょうか。
 あ、でもベストとかそーゆーんじゃなくて、個人的に「これ、好き!」ってヤツを。
暁星記』菅原雅雪
 これが無事完結したってのが、私にとって、今年最大のニュースかも。いやホント、雑誌で第一話を読んで夢中になってから、掲載誌変更や単行本描きおろし形態への移行も含めて、ず〜っと、ず〜っと、続きを心待ちにしながら追いかけていたもんで……。無事完結なんて、ホント、夢じゃなかろか。
 あ、因みに半裸のガチムチキャラも、いっぱい出てきます(笑)。
天顕祭』白井弓子
 帯の「古事記ロマンファンタジー」という言葉に惹かれ、書店に備え付けられていた立ち読み用のサンプル小冊子を開いたら、主人公がカッコイイ無精ヒゲの鳶職だし、絵柄もステキだったので、そのままレジへ。実は、やはり帯に元来は同人誌発のマンガとあったので、ひょっとしてやおい風味もあるのかとヨコシマな期待感もあったんですが(笑)、そうではありませんでした。でも、そんなこととは関係なしに、内容に大満足。
 え〜、前述のヨコシマな期待感に関して、ちょっとイイワケさせていただくと、何も「女性作家の同人誌=やおい」という思いこみがあったわけではないんです。ただ、マンガの鳶さんの絵を見たら、ふと、むか〜し同人誌や「June」に、ガテン系のオッサンたちのやおい(これ、やおいやBLが「美少年マンガ」とか「耽美マンガ」とか呼ばれてた当時は、すごく珍しかったんです)を描かれていた、まのとのま(……だったと思う)って作家さんのことを連想しちゃったのだ(笑)。
らいでん』塚脇永久
 雑誌で見た新連載予告カットで一目惚れ。日頃買ったことのない月刊少年誌を買いに、思わず本屋に走りました。以来、単行本を心待ちにしており、めでたく第一巻発売時にも即購入。というわけで、「この絵、好き!」ってのがきっかけで、読んでみたら話もキャラも好きだった、というパターン。
 あ、筋肉絵好きの方にもオススメです。
夜長姫と耳男』近藤ようこ
 単行本『月夜見』で知って以来大好きで、特に『妖霊星』は、確実に、我が生涯通じてのマンガベストテンのうちの一本なんですけど、坂口安吾原作の本作もまた、やっぱりクライマックスで鳥肌が。
錆びた拳銃』谷弘兒
 かつて「ガロ」や「幻想文学」あたりで拝読して以来、好きな作家さん。寡作な方(たぶん)なので、近所の本屋さんで、この新作単行本を見つけてビックリ、即購入。『薔薇と拳銃』の印象が強いせいか、レトロと猟奇とエログロナンセンスとラヴクラフトが、渾然一体となった作風の作家さんという印象でしたが、本作では、猟奇とエログロはなし。
 表題作は、均整の取れた肉体美の二人のマドロス青年というキャラクターのせいか、どことなくコクトーやジュネの描くホモエロティシズムに通じるものを感じます。
童貞少年』やながわ理央
 ノンケさん向けエロマンガですが、この作家さんの描く少年キャラは、カワイイながらもちゃんとオトコノコオトコノコしていて、かなり好き。そんな少年たちが、ボイン(死語)なお姉さんたちに、あの手この手で筆おろしされる短編集。
 あ〜、この少年キャラで、以前ロリキャラで描いていたみたいな、「公園のホームレスに輪姦されたあげく、全員から小便を引っかけられる」話を描いてくれたら、もうサイコーなのに……って、いくら何でもそれは無い物ねだりですな(笑)。
愛玩少年』水上シン
 以前、献本でいただいた雑誌で拝読して以来、続きが気になっていた作品で、偶然アマゾンで単行本が出ているのを見つけて購入。いわゆるBLですけど、まだ「美少年マンガ」とか「耽美マンガ」とか呼ばれてた頃みたいな、ナルシスティックでお耽美な雰囲気があるところが好き。
 あと、レトロだし、軍服だし、加虐と被虐もあるし、少年は坊主頭だし……と、好きツボもイッパイ。
 う〜ん、しかし改めて最後の二つを見ると、果たして自分が本当にマッチョ系ゲイマンガ描きなのかどうか、我ながら自信がなくなってきた(笑)。

箱根とか

 家族旅行で箱根に行ってきました。
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 紅葉が真っ盛りで、実に美しかったです。
 箱根ガラスの森美術館というところに、初めて行きました。
 ヴェネツィアン・グラスの数々とか、ヨーロッパ調の庭園とか、なかなか美しかったんですが、敷地内に「この奥で、サンタさんが寝ています! 起こさないでね!」なんつー、メルヒェンな表示があったもんだから、どんなもんじゃい、と見に行ったら……
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 ……。
 え〜っと、何か死体みたいで、ちょっとコワイです、これ(笑)。
 仙石原のススキも満開(……ってゆ〜のか??)でした。
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 ススキというと、何となく「銀」というイメージでしたが、こうして見ると「黄金」な感じです。
 ススキを見た後は、元箱根石仏群へ。
 ひっそりとした池の周囲に、鎌倉時代の石仏や石塔が点在している史跡です。
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 前にも一度来たことがあり、その時も、その荒涼とした佇まいが、何だかあの世ちっくだな〜、なんて感じたんですが、今回、そのときには閉じていて入れなかった隣接の資料館に入ったところ、「かつて箱根は地獄だった」とゆーあおり文句と共に、地獄のパノラマ展示がありました。
 う〜ん、やっぱりそれ系だったか。
 旅行の手配は兄夫婦が全てしてくれたんですが、家族旅行にこーゆー場所を選ぶセンスがステキ(笑)。
 資料館を見た後は、池に沿って地獄巡り。
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 六道地蔵だの八百比丘尼の墓だの、ステキポイントがいっぱい。
 歴史好きの父は大喜び。同じく歴史好きの母も、口では「気味の悪い場所ねぇ」とか言いつつ、しっかり写真は撮りまくっていました(笑)。
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 とまあ、和やかに楽しく巡っていたんですけど、その途中、遊歩道の砂利の上に、トンデモナイモノを見つけてしまいました……。
 これ(微グロ注意)なんですけど……え〜っと、これはもしかして、流産した犬の胎児……?
 ビックリして皆を呼んだら、家族中から「お前は何てものを見つけるんだ!」と責められてしまった……。
 でも、このまま放置されているのは可哀想なので、ティッシュに包んで、近くの草むらに埋葬してきました。

 というわけで、とんだオチのついた霊場巡りでしたが、その後はお蕎麦なんぞを食べて、実家にもちょっと立ち寄り、ついでに兄夫婦の家にも寄って猫と遊んだりしてから、夜には帰宅しました。

続・finetuneとか

 前回のエントリーで書いたfinetuneですが、今度はもうちょっとジャンルを絞ったプレイリストを作ってみました。ノスタルジックをキーワードに、トラッドを中心にして、プラス映画のサントラなんかも、ちょっと混ぜてみたり。

 スティーライ・スパンやジョン・レンボーン・グループがちゃんとあったのは嬉しいけど、でもカパーケリー(カパケリ)の『クロスウィンズ』やジューン・テイバーの『アカバ』がなくて残念とか、アンディ・スチュアート&メイナス・ラニーの『ダブリン・レディ』もなかったけど、表題曲だけはオムニバスに入っているのを発見できて嬉しかったとか、でも、ザ・コリーズの「グレンリヨンの悲歌」やプランクシティの「タイム・ウィル・キュア・ミー」といった、死ぬほど好きな曲がなくって残念とか、いろいろとデータベースを掘っくりかえしているだけで、けっこう楽しいです(笑)。
 それに、データベースに入っている曲は、それぞれ30秒ずつ試聴ができるので、今まで名のみ知るのみで実際に曲は聴いたことがなかったアーティストを、いろいろ発掘できるのも嬉しいですね。
 気に入ったアルバムが見つかれば、そこからダイレクトにアマゾンの商品ページへ飛べるんですが、これは残念ながら、当然アメリカのアマゾンです。ただ、同様にiTuneミュージックストアへも飛べるので、ダウンロード購入をする方だったら便利なのでは?
 あと、このBlog絡みで言うと、前にここで紹介している、『オリバー・ツイスト』や『ケリー・ザ・ギャング』のサントラなんかも、今回のプレイリストには入れてみました。
 また、掘っくりかえしているうちに、やはり前にここで「ハマっている」と書いた、18世紀アメリカの宗教合唱曲のSocial Harp(Shape notes)の、なかなか良いヤツを見つけたので、これもCDは持ってないけど追加。
 そんなこんなで、よろしかったらお聴きあそばせ。

finetuneとか

 finetuneという音楽ベースのSNSが、ちょっと面白そうだったので覗いてみました。
 登録(無料)すると、200万曲のデータベースの中から、自分で選曲したプレイリストを、ストリーミング配信できます。全米レコード協会が設立した、SoundExchangeという機関を通しているので、著作権的にも合法。
 イマドキの洋楽はもとより、クラシック・ロックからプログレ、テクノやハウス、フォークやトラッドやカントリー、ワールド・ミュージックに民族音楽、クラシックから現代音楽……などなど、ジャンルの幅が広いのも嬉しい。ま、流石にJ-Popは少ないし(それでも、あるだけでもスゴいけど)、ヨーロッパ系も弱い印象はありますけど。
 プレイリストを公開するには、一つのリストに45曲以上含まれていることと、一アーティストにつき三曲までという条件をクリアすることが必要。また、再生はランダムで、数曲以上は続けてスキップできない、という制限もあり。
 というわけで、ちょっくら自分でもプレイリストを作ってみたので、公開してみませう。

 曲のジャンルは、現代音楽に民族音楽にテクノに……とゴチャマゼですが、個人的に「クラクラするくらい気持ちいい〜ッ!」ってな曲を集めたもの。ひょっとしたら、聴いているとトリップできるかも(笑)。
「そーゆー、ワケノワカンナイのはイヤ!」な方には、こちらをどうぞ。

 これまた、時代もジャンルもゴチャマゼですが、Pop寄りで大好きな曲ばかり集めてみました。中には「どこがポップなんじゃい!」ってな曲もあるかも知れませんが、ま、私にとってはPopに感じられるということでご勘弁を(笑)。
 こーゆーのって、個人のホームページのプロフィールに、「好きな音楽」って感じで貼っ付けても面白そう。現に、プレイリストにはMySpace用のembedコードとかがあったし。
 音楽好きの方、よろしかったら一度お試しあれ。

ベーゼとファック

 前回のエントリーで、今度出る予定のフランス語版マンガ単行本の、カバーイラストについて書きましたが、表紙廻りのレイアウト・チェックも無事に済み、数日前に、本文の校正用PDFデータが送られてきました。
 まあ校正ったって、こちとらフランス語はさっぱりなので、文字校をするわけじゃなく、作業としてはレイアウトの確認程度なんですが、それでもいちおう、読めないながらも全ページ目は通すわけです。

 そうしたら、気付いたことが一つ。
 このマンガでは、主人公が素っ裸で四つん這いになり、尻を振りながら繰り返し「ファック・ミー、サー!」と言わされる……ってなシーンがあるんですけど(これで、ファンの方ならどのマンガの仏語版が出るのか、お判りですね?)、このセリフがフランス語版だと、「ベーゼ・モア、シェフ!」になっている。
baisez-moi
 ……あれ? ベーゼ(baisez)って「キス」のことでしょ? 「熱きベーゼを云々」とか言うし(ま、ホントに言うかどうかは別として)。
 で、試しにbaisez-moiを、オンラインの仏英翻訳(因みにBabel Fishを使いました)にかけてみた。するとやっぱり、kiss meと出てくる。
 むむむ、こりゃちゃんと確認せにゃならんぞ……と思い、フランスに「ねえ、ひょっとしてXXページの『ファック・ミー、サー!』を『キス・ミー、サー!』に変えた? もしそうなら、どうして変えたの?」と、メールを出しました。

 すると、こんな返事が。
「あははは、それってフランス語を勉強している外国人が、よくやっちゃう間違いなんだよ。
 ”baiser”にはね、『キスする』って意味(すごく時代遅れな言い方だけどね)と、『ファックする』って意味の両方があって、文脈によって変わってくるんだ。
 僕たちは普通『キスする』ってときには、”embrasser”か”donner un baiser”を使う。
 で、”baiser”を単独で、しかも動詞として使うと、それはもっぱら『ファックする』って意味になるんだ。
 もちろん『ファックする』は、他にも色々な言い方があるけどね!;)」

 ひえ〜、ベーゼって、そーゆー意味だったんですか! もう、ビックラギョーテンでゴザイマス(笑)。
 しかし、使い方一つで、同じ単語がキスからファックに、意味が変わっちゃうなんて……フランス語、おそろしい子!(ベーゼつながりで、少女マンガ風に)
 というわけで、フランス人に「ねえ……キスしてよ」とねだるつもりで、うっかり「ベーゼ・モア!」とか言っちゃうと、キスをすっ飛ばされてファックされちゃうようなので、フランスにお出かけの皆様は、充分お気をつけあそばせ。
 ……ま、その方が手間が省けていい、なんて方もいらっしゃるかも知れませんけど(笑)。

写真撮影と『アイアンマン』とLarkin Grimmと『ラビナス』

 先日、イタリアの出版社の人と会って、自宅近郊のカフェでインタビューを受けました。日本語ペラペラの方なので、インタビュー自体は苦もなく終わったんですけど、問題は、その後の写真撮影。
 撮影の場所が、そのカフェの入っているビル内や、近くの路上だったんですが、人通りが多い場所の上に、カメラマンがガイジンさんだってのも悪目立ちするのか、道行く人にジロジロ見られる。
 いや、もともと写真を撮られるのには慣れていないけど(いつもシャッター降りる直前に、自分の軀が緊張でブルブル震えるのが判るんですよ)、地元で写真を撮られるのが、こんなに恥ずかしいとは……(笑)。
 この写真やインタビューは、来年イタリアで刊行される予定の、私のマンガ単行本と出版社のウェブサイトなんかに掲載される予定ですが、まぁ、過去の経験から言って、海外での出版は予定が遅れて当たり前なので、果たして日の目を浴びるのはいつになりますやら(笑)。

 海外出版の刊行の遅れというと、一昨年だったかに契約書にサインした、次のフランス語版単行本なんか、諸般のトラブルで遅れに遅れまして、もう半分諦めかけてたくらいなんですが、先日ようやく、翻訳が完了したので出版準備に入りたいという連絡がありました。
 で、急遽カバー画なんかを描くことになったんですが、この単行本の表紙廻りの打ち合わせをしたのは、もう去年の夏のこと。もともと整理整頓が苦手な私なので、ラフ画がファイルの奥底に埋もれてしまっていて、それを発掘するだけで一苦労(笑)。
 しかも、いざ発掘したら、それはラフではなく下絵段階まで進めていたものだった。というわけで、一年以上前に描いた下描きにペン入れをするという、前代未聞の体験をすることに(笑)。

 さて、件のイタリア人との打ち合わせの翌々日、今度は日本の一般誌の取材を受けました。
 で、またまた写真撮影があって、これまた場所が路上(笑)。まあ、今度は幸い人通りがあまりなかったし、シューティングの時間も短かったので、地元でもないので、前回ほどは恥ずかしくもなかった(笑)。
 こちらは、確か来月発売と伺ったので、また発売日前後になりましたら、改めてお知らせします。

 さて、そんなこんなで外出ついでに、映画『アイアンマン』を見ました。
 なかなか楽しい映画ではあったんですけど、それでも野暮を承知で、「そもそも『正義』とか『悪人』って、何よ?」とか、「自分が過去、無責任に製造販売していた兵器を叩き潰すといっても、そのためのアーマーを作る金が、そもそも軍需産業で儲けた金だってのがなぁ……」とか、どうしてもチラチラと頭をよぎってしまったなぁ。
 でも、ストーリーの進行と共に話のスケールがどんどん小さくなってってるのに、テンションはそれに反比例してグイグイあがっていくのは、何とも愉快で痛快でした。
 あと、思いのほかロバート・ダウニー・Jrがカッコよくて、「アンタ、ヒゲと筋肉がありゃ、何でもオッケーなのかい!」と、我ながら自分の節操のなさが可笑しくなったり(笑)。それと、ジェフ・ブリッジスとニック・ノルティとカート・ラッセルとパトリック・スウェイジが、皆さん歳をとったら見分けがつかなくなってきた……とか(笑)。

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 映画の後でレコ屋に寄ったところ、店内で流れていたCDが気に入ったので、購入しました。
 Larkin Grimmという女性の“Parplar”というアルバムで、昔のアシッド・フォークみたいな、サイケ寄りのトラッド・フォークみたいな、ちょっと不思議なねじれ感のある、アコースティックな歌ものです。
 家に帰ってから、ちょっと検索してみたら、最近は「フリー・フォーク」なんてゆージャンルがあるんですな。ぜんぜん知らんかった。ここんところPops & Rock関係には、すっかり疎くなっちゃってます。
 個人的には、ちょっとアメリカ南部のルーツ音楽っぽかったり、東欧っぽかったりするチューンが、特にお気に入り。声色を使い分けながら、エキセントリックになる直前で寸止めしてるみたいな、ヴォーカルのバランス感覚の良さも好みです。あと、ジャケットやブックレットに使われている、Lauren Beckという人の絵も、かなり好き。

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 そんなこんなで、これを聞いていたら、そのルーツ音楽がコンテンポラリー的にねじれているような感覚に、ジャンルはぜんぜん違うんだけど、Michael NymanとDamon Albarnがやった、映画『ラビナス』のサントラ
を思い出しました。
 いや〜、これ、大好きでしてね、一時期狂ったように聴きまくってました(笑)。
 因みに映画本編も、実は個人的に偏愛対象でして、観るといつも泣きそうになる。それも、満身創痍のガイ・ピアースが、穴から這いだして雪の中を彷徨うシーンと、ラストシーンの二回。
 ただし、これで泣くってのは、自分でもかなりヘンなツボを押されているせいだという自覚はありまして、間違っても「泣けるよ」とか「感動するよ」と、他人様にオススメはいたしません。ウチの相棒に言わせると「泣けるどころか、ぜんぜん面白くない映画」だそうだし。
 因みに、映画のテーマはカニバリズム。なのに、描き方とかは、カニバリズムに珍奇設定が加わって、まるで吸血鬼映画みたいなノリ。
 ……ま、有り体に言って「ヘンな映画」ではあります(笑)。でも、大好き。