雑記」カテゴリーアーカイブ

つれづれ

 会社員時代の友人夫妻二組と連れだって、リンゼイ・ケンプ・カンパニーの公演『エリザベス1世〜ラストダンス〜』を見物。生のリンゼイ・ケンプを見るのは、これが初めて。
 思いの外、ダンスよりも演劇的要素の比重が高かったのと、演出自体も比較的オーソドックスだったことに、ちょっと肩すかし感もありましたが、とにかくケンプ老の存在感が圧倒的。他のパフォーマーとレベルが違いすぎると感じてしまうほどで、なるほど、こりゃ唯一無二の人なんだな、と実感。
 そして、カーテンコール。
 パフォーマンス中の重々しい所作とは、うって変わった軽やかな足どりで、白いローブを翻しながら颯爽と会釈するケンプ老。その姿は神々しいほどに輝いており、思わず拍手にも力が入ってしまいました。
 いや〜、ご健在なうちに生のパフォーマンスが見られて、ホント良かった。

 その数日後、家の近所で大学時代の友人二人とランチ。
 互いの近況や共通の知人の情報などで、話に花を咲かせていると、誰それのご母堂が亡くなられたとか、誰それが糖尿病になってしまったとか、以前と比べて健康絡みの話題が多くなってきて、「お互いに歳をとったんだね〜」なんて笑い合ったり。
 ただ、二人とも子持ちの既婚女性なので、話題が子育てとかPTAとかになると、私は完全に置いてきぼり状態(笑)。

 家では、相変わらずDVDで映画鑑賞三昧。
 で、ここんところ数日連チャンで、『木靴の樹』『シベリアーダ』『ペレ』と続けて見ていたら、相棒から「ヨーロッパの貧しい農村の映画は、ここいらへんでやめにして、そろそろ豪華で派手なヤツが見たい!」とクレームが(笑)。
 そんじゃあ、歌と踊りとアクションがあるインド映画にしようと、『アルターフ 復讐の名のもとに』を鑑賞。社会派なテーマを、見事に大衆的な娯楽作に昇華していてお見事。
 相棒も、おおむね満足はしてくれたものの、主演のリティック・ローシャンの顔を、「目はいいんだけど、この鼻と鼻の穴はありえない。クリスチャン・ベール(どうやら、今現在これが相棒にとって「変な鼻の男優」の代名詞らしい)もビックリ」と、手厳しい評価(笑)。
 ただまあ、相棒がインド映画の二枚目男優に手厳しいのは、今に始まったことではなく、サルマーン・カーンのことは「ヒキガエルみたいな目」とか言っていたし、シャー・ルク・カーンに至っては「余りにもイヤな顔だから、顔は見ないようにしている」などと、インド映画ファンが聞いたら殴り殺されそうな暴言を吐いております(笑)。
 まあ、確かにインド映画の男優って、正直私も「う〜ん、これのどこが二枚目なんだ……」とか思うことが多いですけどね(笑)。好きな顔の男優って、アニール・カプールくらいしか思いつかないし(笑)。

 そして『アルターフ』の翌日は、何だかアジアな気分が続いていたので、タイ映画『わすれな歌』を鑑賞。で、見てから気が付いた。ヨーロッパからアジアに変わっただけで、また「貧しい農村」に戻っちゃってました(笑)。
 そうそう、その『わすれな歌』の中に、主人公の男が芸能界デビューの代償として、エロ社長に言われるままにヌード写真を撮られたあげく、男色関係を強要されそうになるシーンがあるんですけど(因みに、主人公は脱走兵という設定もあって、なかなか良い身体をしています)、その写真撮影のシーンが、履いているカラフルなビキニといい、腰に手を当てたり腕を伸ばしたりする、ミョ〜に気取ったヘンなポーズといい、相棒と二人で「まるで昔の『薔薇族』や『さぶ』のグラビアみたい!」と大ウケ(笑)。ホント、懐かしの岩上大悟先生の写真みたいな雰囲気でした。

木靴の樹 [DVD] 木靴の樹 [DVD]
価格:¥ 2,625(税込)
発売日:2008-09-26
シベリアーダ [DVD] シベリアーダ [DVD]
価格:¥ 9,240(税込)
発売日:2007-09-21
ペレ [DVD] ペレ [DVD]
価格:¥ 3,990(税込)
発売日:2000-11-24
アルターフ 復讐の名のもとに [DVD] アルターフ 復讐の名のもとに [DVD]
価格:¥ 3,990(税込)
発売日:2003-03-26
わすれな歌 [DVD] わすれな歌 [DVD]
価格:¥ 4,935(税込)
発売日:2003-05-30

nihonkacchushi01
 本は、大日本絵画・刊の『日本甲冑史 上巻』を購入。弥生時代から室町時代までの日本の甲冑や武具を、少年雑誌で活躍した挿絵画家、中西立太(小林源文のお師匠さんなんだそうです)がカラーとモノクロのイラストで、詳細に図解している好著。
 甲冑の全体像から細かな構造、更には、その着用手順から下に着る衣のことまで、実に見やすく図解されているので、これは今後、時代物を描く際には手放せない資料になりそう。
 因みに、同じ出版社と著者による、『日本の軍装 幕末から日露戦争』『日本の軍装 1930~1945』の二冊は、以前から自分が軍人ものを描く際に、いつも手元に用意する本だったりします。
 この手の本は、図解だったり写真だったり、他にも色々と出ておりますが、このシリーズは、内容・使い勝手・値段など、様々な点からオススメです。写真ものだと、質感や雰囲気は掴めるけれど、構造とかが判りにくいことがままあるんですが、このシリーズは、カラー・イラストで全体像を見せて、細部の構造や階級章の色々など、データ的な部分はモノクロの図解で説明してくれるので、作画資料としては本当に使いやすい。

 音楽は、特に目新しいものは聴いてないですね〜。
 ここんとろ、ちょっとザラついた音が欲しい気分が続いているので、HangedupとかSilver Mt. Zionとか、それ系のポスト・ロックの旧譜を、引っ張り出してきて良く聴いています。
[amazonjs asin=”B00006L3YX” locale=”JP” title=”Kicker in Tow”][amazonjs asin=”B00005Q62R” locale=”JP” title=”Born into Trouble as the Sparks Fly UpwardCD”]
 あとはまあ、サンマが安くて美味しいので、そればっか喰ってます(笑)。
 そんなこんなが、最近のワタクシ(笑)。

“Queens of Langkasuka”とか”Stara Basn”とか”Alatriste”とか

Adboard 先日、ここで予告編を貼ったタイ映画”Queens of Langkasuka”ですが、バンコク在住の旧友が「街中にはサインボードが出てるよ〜」と、写真を撮って送ってくれました。(サンキュー、せいたろー!)
 う〜ん、いいな〜、バンコク行きゃ見られんだよな〜……って、そのためだけにホイホイ渡航できるほど、あたしゃリッチじゃゴザイマセンが(笑)。
 願わくば日本公開、それが無理ならDVDスルーを望みたいところですが、2000年の“Bang Rajan”といい、2001年の”The Legend of Suriyothai”といい、タイの大作史劇系は全く公開もソフト化もされなかった現状を鑑みると、やっぱり期待薄だろうなぁ……。
【追記】日本盤DVD出ました!

ランカスカ海戦 ~パイレーツ・ウォー [DVD] ランカスカ海戦 ~パイレーツ・ウォー [DVD]
価格:¥ 3,990(税込)
発売日:2011-10-07

 因みに、”The Legend of Suriyothai”ってのは、本国では怪物的なヒット作だったそうで、十六世紀中頃のビルマとの戦いで、自ら象に乗って戦ったスリヨータイ女王の生涯を描いた伝記ドラマです。
 私が見たのは、フランシス・フォード・コッポラが米国公開用に再編集した142分版(オリジナルは185分)だけなんですが、とにかくインテリアやエクステリア関係がスゴい。何でも監督が王族の人らしく、普段は撮影できないような宮殿だか何だかの中も、この映画には使われているらしく、タイの古典的建築美術の豪奢さがタップリ堪能できる。
 モノガタリの方も、バトルあり、ロマンスあり、宮廷内のドロドロ劇ありの、盛りだくさんの面白さ。バトルシーンが、物量は充分なのに不思議と迫力に欠けるのは残念だったけど、象に乗って戦う時とか、その操り方を見たのは初めてだったし(具体的には、メインの輿を挟んで前後に操象師が乗り、頭側の人が手旗みたいので方向を示すと、尻側の人がそっちに象を動かす)、そーいったディテールのアレコレだけでも面白かった。
 こういった大作が、いずれも日本語字幕付きで見られないのは、ホント残念。
 とはいえ、個人的に嬉しいニュースも、最近二つほどありました。
 まずは、前に何度か触れたことのある、ポーランド製ファンタジー映画”Stara Basn”が、『THE レジェンド 伝説の勇者』(言いたかないけど、ヒドい邦題……)っつータイトルで、11月に日本盤DVDが発売されるってこと。
 これ、中盤の見せ場とクライマックスに出てくるCGがショボショボなのが、ほんっと〜に残念なんだけど、基本的には、ジョン・ブアマンの『エクスカリバー』みたいな、渋くて重厚なエピックものだし、主演の(っても、これはヒーローものというよりは、様々な人物が絡む宿命劇といった内容なので、必ずしも出ずっぱりってわけじゃなんですけどね)ミハウ・ジェブロフスキーはカッコイイし、ヒロインはキレイだし……と、個人的にお気に入りの一本だったので、日本語字幕付きで見られるのはホントーに嬉しい。
【追記】後に何と500円DVDになってしまった……。

THE レジェンド -伝説の勇者- [DVD]
価格:¥ 500(税込)
発売日:2011-11-21

 もう一つは、ヴィゴ・モーテンセン主演のスペイン映画”Alatriste”が、これは幸いタイトルも『アラトリステ』のまんまで、ようやく12月に公開されるということ。
 え〜い、いつまで待っても公開されないもんだから、今年の頭にシビレをきらして、スペイン盤DVDを買っちまったい(笑)。ただ、私の頭では英語字幕についていけない部分がアレコレあって、いまいちヨーワカラン部分が多々あったから、無事に日本公開が決まって万々歳(笑)。
 とゆーわけで、内容よりも映像ばっかが印象に残ってるんですが、これがまた渋い色調の画面構成が重厚で、美術関係が大いに見応えがあって、しかも出てくる男どもが、モーテンセンを筆頭に、いい具合にバッチくて(笑)実にカッコいい。
 そんなこんなで、この調子で”Queens of Langkasuka”と、あと“1612”も、何とか日本公開されないかな〜、と祈る、今日この頃です。

クマとかカワウソとか

 先日、Myspace経由で、来年の1月にローマで開催されるベア・ミーティング(ノンケさん向けに解説しますと、ベア・ミーティングってのは、クマ系およびクマ系好きのゲイたちの集い、ってことです)のご案内をいただきました。
Bears Empire 2009
 バナーをクリックすると、公式サイトに飛べます。まだ、情報はほとんどないけど、クマとマッチョとローマン・コスプレ、私の好物が三つ揃い踏み。
 う〜ん、こりゃ行ってみたいわ(笑)。
 クマ系というと、先日それ系のサイトで、”Bears, Wolves and Otters” という文を見つけて、ビックリしちゃいました。
 いや、前にここで、「日本でも『オオカミ系』なんて言葉がありますが、外国でも『ウルフ系』ってのがあったんですな」などと書きましたけど、今度はotter、つまり「カワウソ系」って……(笑)。
 オオカミ系は、詳細を知らなくても何となくニュアンスが判るような気がしますが、このカワウソ系は、正直言ってサッパリ見当がつかない。まさか、胴長短足とかいう意味じゃないだろうし(笑)。
 で、ちょっと調べてみたら、このカワウソ系とは、「毛深いんだけど、クマ系ほどデカくなくて、かといってオオカミ系ほどスジ筋でもなく、云々」みたいな解説が出てきました。こ……細かい(笑)。
 まあ要するに、体脂肪の多い順に「クマ>カワウソ>オオカミ」ってことみたい。
 なら、日本のクマ系のほとんどは、このカワウソ系かしらん……などと思っていたら、そっちはそっちで、「パンダ系〜アジア人のクマ系。通常は体毛なし」なんて解説が。なるほどね(笑)。
 もう一つ、面白かったスラングが、Goldilocksってヤツ。
 これ、絵本などでお馴染みのロシア民話『三びきのくま』に出てくるオンナノコ、「金色巻き毛ちゃん」のことなんですけど、ベア・コミュニティーのゲイ・スラングだと、「クマ系好きのオコゲ」のことなんですとさ。上手い、上手い(笑)。
 あ、別にネガティブなニュアンスではないようで、解説には「多くはクマ系の友」とも書いてありました。ミソジニー(女性嫌悪)的ではないベア・コミュニティー内での、親しみを込めた愛称なのかな?
 ただまあ、これらの解説はWikipediaのものなので、信頼性のほどは確かじゃないですよ(笑)。
 さて、クマ系ネタで、もう一本。
 これまたMyspaceで、私のページのコメント欄に貼られたYouTube動画。Madものなので、埋め込みはやめてリンクだけにしときませう。
 この動画
 Colt studioの”Open House”というヴィデオから、キスシーンだけをエディットしたものです。
 いやぁ、濃厚、濃厚(笑)。パフォーマンスが良いので、下手なホンバンよりよっぽどエロティック。

古墳とか夕焼けとか

Hodota01
 保渡田古墳群を見に、群馬県の高崎へ行ってきました。
Hodota02
 火山の噴火で埋もれてしまった、五世紀の遺跡群です。
 古墳のある広々とした公園は、よく手入れされていて気持ちよいし、博物館も、小粒ながらしっかりと見応えあり。
 展示されている埴輪や、復元模型などが気に入ったので、売店で迷わず図録を購入。
Hodota03
 お天気も良く、満足満足。
Kusatsu01
 遺跡の後は、草津まで足を伸ばすことに。
 その途中、夕焼けがキレイだったので写真をパチパチ。仏画にでも出てきそうな茜雲。
Kusatsu02
 草津に着いたときは、もうすっかり夜に。
 宿も空いていなかったので、賽の河原の露天風呂に入って、帰ることにしました。

つれづれ

 アメリカ人から「日本はそろそろボン・フェスティバルなんだろ? ハッピー・ボン!」というメールが来ました。え〜、ハッピー・ボンって……(笑)。
 お盆ってのは、いわゆるフェスティバルとはちょっと違うんだよ、と説明しようと思ったんだけど、はて、じゃあどう説明したらいいかが判らない。祖先の霊が云々という意味では、ハロウィンに近いような気もするけれど、雰囲気はぜんぜん違うだろうし。
 だいたい、お盆ってのは、果たして「目出度い」ものなんだろうか? 個人的な感覚だと、お祝いをするようなものとは趣が異なるような気がするけど、「盆と正月が一度に来たような」なんて慣用句から考えると、やっぱ目出度いものなんだろうかとも思えるし。
 けっきょく、お盆というものの意味合いを、自分自身も正確に把握していないことが、改めて判ってしまいました(笑)。
 このメールに限らず、最近は外国とのやりとりが何かと多いです。
 ここ一ヶ月の間だけでも、イギリスとフランスからそれぞれ取材が一件ずつ、企画展に出品中のスペインのギャラリーとは、引き続き十月からの別展示に関する打ち合わせをあれこれ、来年に向けて、アメリカとオーストラリアの企画がそれぞれ一つずつ、まだ海のものとも山のものともつかない企画が、イタリアとスペインで一つずつ……ってな具合です。
 イギリスとフランスの取材は、どちらも日本のエロティック・コミックに関するもので、まあ自分のことやゲイマンガについては、何を聞かれてもそれなりにお答えできるんですが、何故か決まって、日本のHENTAIマンガやYAOIマンガについても、オピニオンを求められるのが困りもの。
 触手もののエロマンガとかフタナリとか、やおいやボーイズラブとかって、趣味的に楽しむことがあるだけで、ジャンル全般に関して意見や考えを述べるほどは、読み込んでもいないし知識もないしねぇ(笑)。
 ただまあ、こんな取材が続けて来ると、なるほど、確かにヨーロッパでは、日本のマンガがブームなんだなぁ、とは感じます。
 さて、外国ネタで続けますと、フランスとスペインから、ソード&サンダル映画の新しいDVDが、何枚か届きました。
Dvd_longride_es スペインから届いたのは、まず、スティーヴ・リーヴスの『地獄の一匹狼』”Vivo per la tua morte (A Long Ride from Hell)”。
 これは、ソード&サンダルではなくマカロニ・ウェスタンですが、これでアメリカ盤とヨーロッパ盤を合わせれば、リーヴスの主演作は全てDVD化されたことになります。パチパチ〜。
 まだ再生チェックをしただけで、中身をちゃんと見ていないので、映画の内容についてはコメント不能(笑)。IMDbによると、リーヴスは「刑務所で過酷な扱いに耐える」らしいので、ちょっとは責め場もあるのかな? あるといいなぁ(笑)。
 画質は、いささか退色気味ではあるものの、ディテールは良好。ビスタの非スクィーズ、レターボックス収録。音声はスペイン語とイタリア語で、残念ながら英語はなし。
Dvd_king_of_slaves それから、ゴードン・スコット主演の “L’Eroe di Babilonia (The Beast of Babylon Against the Son of Hercules a.k.a.Goliath, King of Slaves)”。
 これはおそらく、初DVD化かな? 米盤でも、他の欧盤でも見た記憶なし。
 これまた画質良好でスクィーズ収録。やはりイタリア語とスペイン語のみ。
 後半でダンジョンに入れられて、鎖と金属枷で岩壁に手足と首を繋がれ、延々と悶えるシーンが続くのが美味しい(笑)。責めとしては平手打ちくらいだけど、ちゃんと(何がだ?)上半身裸だし、ヒゲ付きです(笑)。パターンとしては、前に紹介したこれと同じなんだけど、こっちの方が尺が長く、撮り方もねちっこいので、なかなかそそられました(笑)。
Dvd_maciste_enfer フランスからは、まず、リッカルド・フレーダ監督、カーク・モリス主演の “Maciste all’inferno (The Witch’s Curse)” と、前にもここで紹介した、レジ・パーク主演の “Maciste nelle miniere di re Salomone (Samson in King Solomon’s Mines)” の、2 in 1ディスク。
 カーク・モリスのヤツは、ソード&サンダル meets ホラー映画の、まあ珍品に類する内容なんですが(笑)、マチステの地獄巡りのシーンに、ときどきドキッとさせられる妙な迫力があって、けっこうお気に入りの一本。米盤DVDがあるんですが、いかんせん画質がズタボロなのを残念に思っていたところ、この仏盤を発見。期待に違わず、傷なし、退色なしの、状態の良いマスターを、スクィーズ収録という、高品質DVDだったので大喜び。レジ・パークの方も同様ながら、これは既に持っているスペイン盤も高品質なので、さほど有り難みはなし。フランス語音声&字幕なしと、イタリア語音声+フランス語字幕が選択可能。
Dvd_giant_metropolis もう一枚、同じシリーズで、これまた前に何度か紹介している、ソード&サンダル meets SciFiのやはり珍作、ゴードン・ミッチェル主演の “Il Gigante di Metropolis (The Giant of Metropolis)” と、これまた、ソード&サンダル meets ホラー映画の珍作、レジ・パーク主演の『ヘラクレスの怪獣退治』”Ursus, il terrore dei kirghisi (Hercules, Prisoner of Evil)” の2 in 1。
 こちらも同様の高画質で、ゴードン・ミッチェルの方は、画質が悪かった米盤や、それよりいささかマシだった独盤と比較しても、フィルムの状態が遥かに美麗。レジ・パークの方は、おそらくDVD化は初だと思うんですが、やはり同様の品質。ただ、これはいかんせん、映画の内容そのものがヒドいのだ(笑)。私もおそらく、2 in 1じゃなかったら買っていなかったと思う(笑)。音声と字幕の作りは、前のと同じ。あと、双方に共通して、同系映画のオリジナル予告編(イタリア版もあればフランス版もあり)が、6本ほどオマケで入ってます。
 今回はお試し購入でしたが、この2 in 1シリーズ、他にもいろいろ出ているので、高品質に味をしめて、また幾つか買ってみる予定。他のラインナップに興味のある方は、メーカーのサイトへどうぞ。
 とりあえず、今回はうっかり見落としてしまっていた、スティーヴ・リーヴスの『怪傑白魔』は、すぐに買わなきゃ(笑)。高画質ノートリミングで、あのボンデージと鞭打ちシーンが見られるかと思うと、もうウキウキです(笑)。カップリングされている、ヒルデガルド・ネフ主演のエカテリーナの映画には、あんまりそそられないけど。裸のマッチョは期待できないし、監督もウンベルト・レンツィだし(笑)。
 フランスといえば、先日、レンタルで『ナルコ』というフランス映画を借りて、なかなか面白かったんですが、これに、こないだここで書いたばかりの、『ゴールドパピヨン』でベス役を演じていたザブー(ザブー・ブライトマン)が出ていたので、ちょっとビックリ。あれから20年も経ってるのに、面変わりはしていても、たいして老けてもいなかったなぁ。
 主演男優に影響されて、ちょいと自分も薄汚い長髪にしてみたくなりましたが(ゲイ受けは悪いけど、個人的にはトラッシュな感じの長髪って、けっこう好きなんですよね)、相棒に猛反対されて断念しました。……まぁね、私の面相と髪質じゃ、長髪は似合わないのは判ってるけどさ(笑)。でも、昔のヒッピーとか、昨今のルーザーとかホワイト・トラッシュのスタイルって、けっこう憧れてるんだよなぁ……(笑)。

追悼、Greasetank

 アメリカの友人から、アーティストのグリースタンク(Greasetank)が、去る8月1日に亡くなったとの知らせを受けた。
 寝耳に水の驚きだった。
記事中にグリースタンクの作品を掲載していますが、中には残酷な内容も含まれているので、苦手な方は拡大画像を見ないように注意してください。
Greasetank01 2001年に、グリースタンクと私は、ウェブを通じて知己を得た。
 彼が私の作品に惹かれたのと同様に、私もまたすぐに彼の作品の熱烈なファンになった。
 我々はメールで互いの作品を称賛しあい、互いのサイトにリンクを貼った。それが縁で、彼の作品が「G-men」や「SM-Z」で紹介されたこともあるので、ご記憶の方もおられるかも知れない。
 残念ながら、彼のサイトは数年前に閉鎖されてしまったが、その後も我々は、頻繁ではないにせよ、互いにコンタクトを取り合っていた。今年の正月も、私は彼に恒例の年賀メールを送り、彼からも返信があった。亡くなった原因は心臓発作であり、今年の1月にもそれは起きていたそうである。
 しかし私は、彼のプライベートについては何も知らず、また、その訃報も、ネットのオンライン・グループ内で回ってきたものを、人づてに受け取っただけなので、彼の死については、具体的にはこれ以上のことは何も判らない。
Greasetank03 グリースタンクの作品は、セックスと暴力と殺人に満ちていた。それは暗く、残酷で、アモラルなものだったが、同時に恐ろしいほど美しかった。
 彼の作品は、ドローイングでもペインティングでも写真でもなく、Poserによる3DCGをメインに用いたものだが、数多いそういったアーティストたちの中でも、彼は作家の個性を明確に作品に刻印できる、紛れもなく最も優れたアーティストの一人だった。
 彼は、自分のイマジネーションを具体化する手段としてPoserを用い、出来上がった作品は、フォトリアルな3DCGに見られるような現実の模倣ではなく、3DCGによるフィギュア遊びの延長でもない。そこには、恐ろしいほど研ぎ澄まされた作家性だけが、技法の如何とは関係のない、極めて高いレベルで結晶している。
 その個性や作家性の高さは、禍々しくエクストリームな幻想を描くときでも、シンプルなポートレイトめいた作品を作ったときでも、決して揺るがず常に変わらない硬質な美しさに満ちていることからも明瞭である。
 3DCGやPoserといった手法の如何に関係なく、彼は間違いなく、21世紀に生きる比類ないゲイ・エロティック・アーティストの一人だった。
Greasetank04 今回の記事のために、手元にあった彼の作品を幾つかアップしてみたが、これはブログということもあり、彼の作品の中でも、特に大人しめでソフトなものを選んでいる。そのくらい、彼の作品はエクストリームだった。
 彼の作りだす世界は、荒々しく暴力に満ち、その中で、拷問、殺人、戦争、ナチス、差別、フリークスなどが、サドマゾヒズム的な視点で描かれている。そのファンタジーの過激さは、作品中にタブーではない要素を見つける方が難しいくらいである。彼の世界では、現実的なモラルやタブーは、その鮮烈な美学と強固な作家性の前に、脆くも吹き飛び踏みにじられるのだ。
 因みに、左上の青みを帯びた作品には、”Coming for you, fag!”というタイトルが付けられている。「てめェのために来てやったぜ、オカマ野郎!」といったとこだろうか。ヘテロのみならず、同じゲイにとってすら、彼の作品がいかに「神経を逆撫でする」か、これ一つでもお判りになるだろう。ここに描かれているのは、暴力と殺人の予兆でしかないが、その実これは、ヘイトクライムとポルノグラフィーの合体なのだ。
 しかし、そんな過激な内容でありながら、最終的に提示される作品群は、まるで透明な結晶のように静かで美しい。その硬質で凍り付いた世界は、さながら、ポール・デルヴォーの絵やアンナ・カヴァンの小説のようである。
Greasetank02_2 彼のモチーフの過激さは、彼の作品がオーバーグラウンドな場に出ることを、おそらく阻んだでいたと思われる。
 実際、敵や批判も多かったでようである。これは伝聞でしかないが、彼がサイトを閉じた直接の要因は、自らを「良識派」だと自認する者たちからの、攻撃があったせいだとも聞いている。
 もちろん、その作品はインターネット上だけではなく、幾つかの出版メディアなどにも紹介はされていたが、その作家性と作品性の高さから考えると、それらの露出は余りにも少なすぎるし、そして過小評価であったように思われる。
 正直なところ、このブログでもそうなのだが、タブーを避けて彼の作品を選び、紹介することは、まるで作品を「去勢」してしまうようなものである。こういった紹介の仕方では、残念ながら彼の作家性は、その実像と比べると、だいぶ矮小化してしまうだろう。
 今回、彼の訃報を届けてくれた友人も、「グリースタンクのアーティストとしての勇敢さは、本当に驚くべきものだった。しかし、君(田亀)と違って、彼にとって不幸だったのは、彼はついに、彼に正当な評価をくれる鑑賞者(注・ちょっとどう訳したものか悩んだんですが、参考までに原文では『”legitimate” audience』となっています)を得ることはできなかった。彼は、君がその美学と作家性ゆえに孤独であるように、それ以上に孤独な存在だった」と書いている。
 そんなグリースタンクが亡くなってしまった。
 私は、彼については、その作品と、取り交わしたメールを知るのみで、彼がどんな容姿であるかすら知らない。実のところ、今回の訃報で初めて彼の年齢を知り、それが作風から想像していたよりもずっと上だったので、驚いたほどだった。
 顔も知らない人の死を悲しむのは、いささか奇妙なようでもある。
 それでも私は、とても悲しい。
 心から、その才能を惜しみ、その死を悼む。
 享年59歳だったそうである。
 一つ余談。
 閉鎖された彼のサイトでは、彼自身の作品だけではなく、彼同様に、作品をオーバーグラウンドで発表するには、余りにも過激であったり、タブー的な要素が多すぎるような、そんなアンダーグラウンドなゲイ・エロティック・アーティストたちが、世界中から集って絵や小説を発表していた。
 巧拙は別にしても、その、アートとしての純粋さとパワフルさを持ち合わせ、エロティック・アートの真髄を見るような、そんな魅力的で個性的な作家たちの数は、総計60人以上にも及んでいた。
 しかし、現在はそれらを見ることができず、作家たちの消息も、残念ながら殆どが不明である。

スペインの企画展、プレスシートが公開されました

 先日ここで書いた、私が出品しているスペインはバルセロナの企画展ですが、プレスシートが公開されました。
 ARTZ21のサイトの”visit the gallery”から入り、ENGLISH > EVENTS > Love Pryde Showと辿って、FOR MORE INFO CLICK HEREをクリックすると、英語版プレスシートのPDFファイルがダウンロードできますので、興味のある方はどうぞ。
 因みに、掲載されている作品は、もちろん無修正版(笑)。

愛しのヒゲモジャ城卓矢

 前にこの記事でもちょっと書いたんですが、アタクシ城卓矢の歌と顔が両方好きであります。
 で、久々にふと動く城卓矢が見たくなって、とはいえもちろんDVDとかは出ていないので(いませんよね?)、YouTubeでちょいと検索してみたら、ヒゲ面の城卓矢の映像があったもんだから、キョーキランブしちゃいました(笑)。
 い、色っぽい〜! 2コーラスめのサビで見せる、泥臭いアクションのカッコヨサとか、も〜タマリマセンわぁ。
 ってなわけで、その映像を貼っつけてみます。

 う〜ん、こーゆーの見てると、昔の『さぶ』誌をイメージさせるような、レトロで泥くさ〜い男のマンガ、描いてみたくなるなぁ……。
 ほれぼれ(笑)。
 あ、城卓矢の顔を知らない若人の方々は、終わった後に下に出てくる、赤いバックのバージョンも見てね。フツーは城卓矢っつ〜たら、たぶんこっちのイメージだと思うから(笑)。
 う〜ん、ヒゲがなくても、やっぱり好みのいい男。
 再度、ほれぼれ(笑)。

HOUSEとバイオニック・ジェミーとゴールドパピヨン

 児雷也画伯のブログで、大林映画の最高峰『HOUSE』のサントラがCDになっていたことを知り、急いで購入。すると、それを見た熊が「自分も買う」と言うので、一緒に新宿のディスクユニオンへ。
 渋谷から新宿へ行くのに、初めて副都心線に乗ってみた。JR新宿駅の混雑を通らずに、ダイレクトに新宿三丁目に出られるので、実に快適。これから新宿に行くときは、これを使おう。
 ディスクユニオンで、テレビ『バイオニック・ジェミー』のサントラを見つけたので、大喜びで購入。しかし、後から良く見たら、『バイオニック・ジェミー』の中の「ゴールドマン暗殺指令」の第一話と第三話のBGM集という、えらいニッチなシロモノだった(笑)。しかも、テーマ曲は収録されておらず、テーマ曲の没バージョンが収録されているというマニアックさ(笑)。
 とはいえ、テーマ曲だけだったら、別のコンピレ盤に収録されているのを持っているし、音楽そのものもラロ・シフリンとバート・バカラックとレーナード・ローゼンマンが混じったみたいでカッコイイし、聞き覚えがある曲もあるし、満足のいく一枚でした。作曲者のジョー・ハーネルのサイト(既に故人のようですが)で、少し試聴できるので、興味のある方はどうぞ。
 でも、どうして『バイオニック・ジェミー』のDVDは出ないんだろう? 出たら即買いなのに……。
 因みに、私の「恥ずかしい過去」の中に、「マルベル堂の通販でリンジー・ワグナーのブロマイドを買ったことがある」というエピソードがあるくらい、バイオニック・ジェミーは好き(笑)。「♪わたしのからだを〜かけぬ〜ける〜ばいお〜にっくの〜」とかゆーヘンな日本語版主題歌だって、ちょっとだったら歌えるぞ(笑)。
 同じくディスクユニオンで、ジュスト・ジャカンの映画『ゴールドパピヨン』の「ディレクターズカット版」なる輸入DVDも発見。個人輸入で取り寄せようか、ちょっと悩んだ後、ついでなので購入することに。
 ところが帰って鑑賞してみたら、尺は日本盤DVDと同じで、特にどこも増えているシーンはなくて、ちょいとガッカリ。どうやらアメリカ公開版はかなりカットされたものだったらしく、それと比べてのディレクターズ・カット版だったみたい。因みに日本公開時にもカットされていたシーンはあって、LDでも同様だったんだけど、それは日本盤DVDで既に復活済みだったので、あまり内容的なありがたみはなし。
 ただ、日本盤には仏語音声しか収録されていなくて、LDで親しんでいた英語音声が聞けなかったのが残念だったんだけど、この米盤は英仏二カ国語収録なのは嬉しかった。特に、ウィラード役のブレント・ハフの声は、やっぱ吹き替えられた仏語じゃなくて、ご本人の喋る英語がヨロシイ。
 いや、好きなんですよ、このときのブレント・ハフ。セクシーだし、カワイイし、カッコイイし。でも、この映画以外だと、B級ベトナム戦争映画の『ストライク・コマンドー2』とか、B級ファンタジー映画の『ストーム・クエスト』とか、けっこうしょーもない映画でしか見たことがない(笑)。あ、でも『ストライク…』の方は、劇中で『レイダース/失われた聖櫃<アーク>』のアクション・シーンを完全コピーしていたり、上半身裸での電気拷問シーンがあったりで、嫌いじゃないけど(笑)。改めて調べてみたら、現在まで途切れずに出演作があるし、監督業にも進出していたりと、お元気なご様子。
 特典は、ジャカン監督のオーディオ・コメンタリーとインタビュー、トーニー・キテインのグエンドリン写真ギャラリー、キンゼイ博士が語るジョン・ウィリー(音声のみ)、米国版と国際版の予告編とか(国際版の方は、予告編というかプロモーション・フィルムっぽかった)……と、なかなか本格的。
 というわけで、期待していた未公開シーンはなかったものの、この映画をこよなく偏愛する私としては、満足のいくお買い物でした。
 そうそう、この米盤DVDを出しているメーカーですが、「セヴェリン」っつー、いかにもマニア御用達の会社名でした(笑)。
 というわけで、何だか個人的な偏愛モノが三つ重なった、そんな一日でした。

トロイのトイレ

 前回の記事に絡めて、私が実際にトロイアの遺跡(現トルコのトゥルヴァ)に行ったときの写真なんぞを、いくつかアップしてみませう。
Troy001 私がトロイアを訪れたのは、1991年から92年にかけて、インドからエジプトまで陸路横断旅行をした途中のことででした。
 この写真は、トゥルヴァの街の全景。
 92年の元旦、イスタンブールに宿をとっていた私は、長距離バスに乗ってトロイア遺跡の観光に行きました。ところが元旦というせいもあって、遺跡まで行くバスがなく、国道だかハイウェイだかで途中下車して、あとは遺跡まで雪道を、えっちらおっちら1時間ほどかけて歩くはめになりました。
Troy004 遺跡の入り口では、こんな感じで「トロイの木馬」がお出迎え。もちろん観光用に新たに作られたものなので、私が行ったときには、まだまだ真新しい感じでした。
 いちおう脚の間の梯子を登って、木馬の中に入れるようになっています。窓がついていることからもお判りのように、ちょっとした展望台になっているというわけ。この写真でも、てっぺんからどなたかの顔が覗いていますね(笑)。
Troy002 トロイアの遺跡は、こんな感じで石組みが残っているくらいで、いわゆる遺跡遺跡した美しい建造物とかは残っていません。何かの工事現場だと言われたら、そう信じてしまいそうなくらいで、スケールもさほどない。
 歴史や神話にある程度の思い入れがないと、観光してもさほど楽しめないかもしれません。
Troy003 ただ、その「何も残っていない」ことが、逆に「兵どもが夢の跡」といった情緒もかき立ててくれるという側面もあります。
 しかも私が訪れたときは、ご覧の通りのかなりの荒天だったので、その荒涼としたムードも、いや増しに強調されました。個人的には、けっこうロマン気分に浸れた印象の深い場所です。
Troy005 で、遺跡の中にはお便所もあるんですが、これがそのサインボード。
 男女の表示が、ちゃんとパリスとヘレネーになっているという、洒落っ気が楽しかった(笑)。
 身体が冷えたのでここでオシッコして、その後は、雪道を再度えっちらおっちらと戻り、バスを摑まえてベルガマ(ペルガモン)へと移動しました。