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何だかいろいろありました

 さきほど、絵を一点描き上げました。個展をした(あ、会期は今月末までだから、まだやってるのか)パリのギャラリーの依頼による、注文制作の絵です。
 オーダー内容は、「ドラゴンと闘う聖ゲオルギウスのイメージで、HIV/AIDSドラゴンと闘うキャプテン・ベアーの姿を、浮世絵調で」っつー、けっこうワケワカメなものだったんですが、ルーベンスの絵をベースイメージにして、そこに北斎や芳年をミクスチャーしてみたら、けっこうスラスラと楽しく描けました。
 描き上がった絵は、限定生産のエスタンプになって、来月10日頃から始まるギャラリーの企画展で、展示販売される予定です。流石に今回は渡仏はしませんが、サイン入れとナンバリングはしなきゃならない。DHLか何かを使って、刷り上がったものを日本に送ってもらい、サインとナンバーを入れて、アーティスト・プルーフを手元に置いて、残りをフランスに送り返す……ってな、ちょいと面倒なやりとりです。
 今回は完全な企画モノで、ゲイものだけどエロ抜き、コンセプト重視なのにコマーシャル・マーケット向けではないという、過去にやったことのないタイプの仕事。ちょいと戸惑いもありましたが、未体験だったぶん、新鮮な気持ちで絵を描けたような気もします。
 個展用に描いた「七つの大罪」連作同様に、日本での発表予定がないのは残念ですが、ま、そのうちどこかでお見せする機会もあるでしょう。
 どーでもいいことですが、パリ滞在中にオリヴィエのマシンガン・トークには、だいぶ慣れたはずだったんだけど、やはりブランクを挟んで、しかも国際電話越しの会話だと、そんな慣れなんてすっかりすっ飛んで、またアタフタ状態に逆戻りです(笑)。

 さて、これと関連したイベントで、六月の頭にパリで開かれるParisBearsなるベア・イベントにも、ちょっくら関与してます。まあ、関与っつーか、イベントのキー・ヴィジュアルに絵を提供した……ってな程度ですけど。
 こっちは旧作の流用。パリの個展にも出品したもので、だいぶ昔に『薔薇族』で描いた絡み絵の一部分。デザイン処理の関係なんでしょうね、画像の天地が90度回転していて、しかも左右反転されている。ひぃ、デッサンが……(笑)。どんな感じかは、ParisBears のサイトで見られます。
 このイベント、フランスのみならずヨーロッパ近郊諸国も集客対象らしく、去年だか一昨年だかに開催されたBarcelonaBearsのときは、かなり大規模に盛り上がったそうな。この時期に渡欧予定のある方、または欧州在住の方、よろしかったら遊びに行ってみては?
 私も行きたいけど、経済的にも時間的にも、さすがにそうそう渡航ばっかしてられないからなぁ。

 フランス絡みだと、ちょうど先週、ジャーナリストのアニエス・ジアールが、新しい本の取材のために来日したので、新宿で会ってゴハン食べました。
 でも、会話がフランス語になると、完全にオイテケボリ状態なので、うむむ、こうフランス絡みのあれこれが多いと、少しはフランス語も勉強しなきゃいけないかしらん。因みに私、先日のフランス行きで最初に覚えたフランス語は「ラディシォン・シルブプレ!(お勘定お願いしま〜す!)」というヤツでした(笑)。
 アニエスの来日に伴って、ちょいと彼女から頼まれごともされまして、そのために動いたり人を紹介したりもしました。これがきっかけで、また何か面白いことに繋がるといいな〜と思います。逆に、私のほうもアニエスから面白い方を紹介して貰ったので、これまた何か新しいことに繋がるかも……と、ちょっとワクワクしてます。

 更にこれらとは別件で、先週から今週にかけて、複数の話がドドドッと動き出しました。ほぼ決定したものから、まだまだ先が遠そうなものまで様々ですが、確定したものから順次発表できると思います。まぁ、全部ポシャっちゃって、発表することが何もなくなった……なんてことも、全くないとは言い切れませんが(笑)。
 そんなこんなで、現状は特に忙しいってほどでもないのに、気持ちだけが何だか忙しい気分になった二週間でした。

再び個展とか画集とかサイン会とか

 ポートフォリオ『七つの大罪』の、カバー・デザイン用に頼まれていた、筆文字や日本語のパーツを、メールに添付してフランスに発送。これで、渡仏前の個展用準備は全て完了。
 某誌用のマンガのネームも、ファックスしてOK貰う。
 あとは、バディの連載「外道の家」の原稿を、数日中に仕上げて渡せば、出発前の用件は全て終了です。
 個展もサイン会も開催が目前になってきて、それぞれのサイトに情報がアップされたようです。興味のある方は、下のリンクからどうぞ。書店のサイトでは、画集 “The Art of Gengoroh Tagame” の表紙画像も見られます。
・個展をするギャラリーはこちら
ArtMenParis
・サイン会をする書店はこちら
BlueBookParis
 フランス在住の方、あるいは、開催期間中にフランスもしくは近隣諸国に行かれる方は、ぜひぜひ足をお運びくださいませ。

準備ほぼ完了

 個展用の描き下ろし連作「七つの大罪」、彩色完了。ちょいと一部分をプレビューしてみませう。
gulaira
 エスタンプ制作用のデータもフランスに送ったし、これで、個展の準備はほぼ完了かな。後は、細かな用件が幾つか残るのみ。額装とかエスタンプへのサイン入れとかは、渡仏後の作業だし。
 とはいえノンビリもしておられず、出国までに今月の仕事をキレイに片づけていかなきゃ。
 昔、サラリーマンやってた頃、夏休みに仕事が食い込んじゃって、インドネシアはバリ島のウブドゥ村と東京間で、指示書をファックスしたり、送られてきた原稿に朱入れして返したりしたことがありますが、あーゆー事態はできれば避けたい(笑)。オマケにこのときは、夏休みが終わって成田に着いて、そのまま会社に直行、12時間後くらいには再び成田に行き、今度はロケでハワイに飛んだ……なんてスケジュールだった(笑)。
 あ、そーいえばフリーになってからも、マレーシアはペナン島のホテルで、「PRIDE」だったか「銀の華」だったかのネームをきったこともあったなぁ(笑)。プールサイドで、はしゃぐリゾート客を横目で見ながら、エロマンガのネームをきるってのは、なかなか辛かった記憶があります。しかし、そのぶん「さっさと終わらせて遊びてェ〜っ!」とエンジンがかかり、普段の半分くらいの時間で仕上がったけど(笑)。
 まぁ今回は、半年以上前からこれに併せて予定を組んでいるので、毎日きちんきちんとノルマをこなしていれば、無理なく仕上がるスケジュールです。風邪ひいて寝込んだりしなければ、大丈夫でしょう。

サイン会とか画集とか禁書とか

 前回の記事で「いつの間にか、パリの本屋でサイン会をすることになっていた」と書きましたが、メールをやりとりするうちに、もう一つ新事実が発覚。
 ギャラリー・オーナーのオリヴィエ・セリにメールして、サイン会の予定が入っていることを確認しましたが、そのメールを良く読んでみたら、「サイン会は、H&Oから出る君の新しい本の発売にあわせて開催する」と書いてある。
 ……新しい本?
 実はH&Oとは、次のフランス語版コミックに関する契約を、既に交わしています。翻訳やレイアウト作業も、昨年暮れから進行中ではありますが、今度は短編集ではなく長編なので、いくら何でも3月発売には間に合いそうもない。だいいち、私はまだ表紙イラストのラフすら上げていないし。
 そうなると、残る可能性は一つ。一昨年に契約書を交わし、去年の頭にはレイアウトもでき、PDF校正も済ませたものの、発売が延び延びになっていた、”The Art of Gengoroh Tagame” というタイトルの画集。
 で、今度はH&Oのアンリに、「オリヴィエ・セリが、H&Oから私の新しい本が出ると言ってるんだけど、そうなの? 本当なら、どの本を出すの?」とメールしました。すると「”The Art of Gengoroh Tagame” を、君の来仏に併せて出すことにしたよ」とゆー返事。
 いや、いいけどね、画集が出るのは嬉しいし。でも、発売決定したんなら知らせろよ! って感じではあります(笑)。
 そんなこんなで、ここしばらくフランス絡みで、「本人が知らないことを、第三者からの伝聞で知る」ことが、二件連続発生(笑)。
 さて、アンリからのメールには、それ以外にも「bad news がある」と書かれていました。カナダ向けに出荷した私の仏語版単行本が、輸入禁止品扱いになってしまったそうな。
 調べてみると、カナダはポルノグラフィに関する法規制が厳しく、日本のアダルト・コミックスが、チャイルド・ポルノに引っかかってしまった例が見つかりました。だとすると、”Gunji” には「TRAP」が、”Arena” には「非國民」が収録されているので、それが原因か。
 ……と思ったんですが、もうちょい調べてみたら、2004年度と2005年度のカナダの輸入禁止品目リストみたいなのを見つけて、それの COMIC BOOKS / Prohibited リストの中に、日本版の『嬲り者』『柔術教師』『銀の華(中・下)』『PRIDE(1・2・3)』を発見。
 まぁね、表題作と「俺の先生」で高校生が出てくる『柔術教師』、子供が男女郎を買いにくる『銀の華』、「TRAP」と「非國民」が収録されてる『PRIDE』は判る。しかし『嬲り者』は、チャイルド・ポルノにはかすりもしなさそうなんだが……。
 とにかく、どんな理由かは知りませんが、カナダでは私のマンガは禁制品のようです。う〜ん、昔「さぶ」に書いた小説で、伏せ字をくらったことはあるけれど、禁書扱いは初めてかも(笑)。でも、本家サイトのアクセス解析を見ると、カナダからの訪問客数は、日本、アメリカ、フランス、ドイツ、イタリアに次いで、今月もちゃっかり6位にランクインしていますが……。
 所変われば品変わる、とは言いますが、つい先日新聞の件があっただけに、フランスとフレンチ・カナディアン、ご先祖様は一緒だろうにここまで違うものか……と、何だか驚きも新たです。

イベントのご案内/伏見憲明さんがゲイバーのママに!?

 評論家&作家の伏見憲明さんが、リアルゲイバァを開店することになったそうです。
 とはいえこれは、伏見さんの新刊『欲望問題』の刊行記念イベントとして、2月の週末にゲイバー「アイランド」さんのパーティルームを借りての、述べ5日だけ営業だそうです。
 では、以下はいただいたメールからの引用。
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●伏見憲明が二丁目でゲイバーを開店!?
 新刊『欲望問題』(ポット出版)の刊行を記念して伏見憲明が2月、新宿で「昭和のゲイバァ」を臨時開店します。新宿3丁目のゲイバー、アイランドの4Fを借りた週末のみの営業ですが、伏見ママとお酒を呑みながらおしゃべりしたい人は、老若男女どなたでも大歓迎! 一見さんウェルカム!
 古式ゆかしいゲイバーにちなんで、営業ポリシーは「毒舌」「くっつけ」「エロ」の三本柱。昭和の気分を存分に味わってもらいます。
 今回は「昭和」をコンセプトに、店内にはまだゲイがアンダーグラウンドだった時代をなつかしむ品々が展示されます。
「薔薇族」以前に一部で流通していた「アドニス」「薔薇」「同行」などのミニコミ誌、初期の「薔薇族」や「青年画報」、伝説のゲイカルチャー誌「MLMW」などの雑誌類、初期のホモ単行本、新聞記事、三島剛などの絵画、地下でやり取りされていたエロ写真、スライドなど、レアなゲイカルチャーを取り揃えた、回顧展でもあります。
 伏見憲明が「ゲイの考古学」を執筆するにあたって収拾したものを初公開。温故知新、ぼくらがどこから来たのか、に興味がある人にはうってつけのイベントでもあります。
日時:オープニングパーティ 2/2(金曜日)
以後、2/3(土)、2/10(土)、2/17(土)、2/24(土)
20:00〜
場所:ゲイバー、アイランドのパーティルーム(4F)
03−3359−0540
http://www3.alpha-net.ne.jp/users/islands/
料金:3000円(焼酎割り・ソフトドリンク飲み放題)
*食べ物持ち込みOK
*先着順に古いゲイビデオのプレゼントもあります!
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 ……ってな感じらしいですが、ノリエ姐さんの色白で柔和な顔に似合わない毒舌シャワーを浴びたい方はもちろん、個人的にはやはり展示物の数々が気になるところ。「アドニス」や「薔薇」や「同行」の現物を見る機会なんて、そうそうあるもんじゃないですよ。
 また、伏見さんご所蔵のアンダーグラウンドな写真など、過去のゲイ・エロティック・アートは、私はそのごく一部を拝見させていただく機会がありましたが、これまた時の流れに埋もれてしまった貴重な資料です。過去の日本のゲイ文化史に興味のある方は、足をお運びになってはいかがでしょう?
 さて、このイベントのきっかけとなった、伏見さんの新刊『欲望問題』とは何か、というと、これまた頂いたメールから以下引用させていただきます。
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●『欲望問題』専用サイト、「欲望問題プロジェクト」が始動
伏見憲明著『欲望問題』の刊行に合わせて、ポット出版のサイト内で「欲望問題プロジェクト」が公開になります。
『欲望問題』の書評が一ヶ月、毎日アップされていくという、出版界はじまって以来の企画です! 書評執筆者も、中村うさぎ(作家)、遥洋子(タレン ト)、黒川創(作家)、永江朗(ライター)、加藤秀一(社会学者)、橋爪大三郎(社会学者)、藤本由香里(評論家)氏など40名以上の錚々たるメンバー が予定されていて、そこでいったいどんな議論が巻き起こるのかに注目が集まっています。
また「欲望問題プロジェクト」の一環で、すでに伏見憲明サイトなどでネット向けのCMもオンエアされています。
「欲望問題プロジェクト」 2月1日より公開
http://yokuboumondai.pot.co.jp/
伏見憲明サイト
http://www.pot.co.jp/fushimi/
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 というわけで、こちらもよろしく。
『欲望問題』伏見憲明(amazon.co.jp)

『300(スリーハンドレッド)』日本語サイトオープン

300_desktop 前にここで、「もうガチで楽しみにしてるんだが……ちゃんと公開してくれるんでしょうね?」と書いた、フランク・ミラー原作、ザック・スナイダー監督、ジェラルド・バトラー主演の『300』ですが、無事に「2007年初夏ロードショー!」とのことで、日本語サイトがオープンしていました。
 これでホッと一安心(笑)。
 さっそくサイトからステキ壁紙をダウンロードして、デスクトップ・ピクチャに設定してみました。左上の画像がそれ。クリックすると、ちょっと大きくなります。
 ……うふん、なかなかいい感じ。いつものスティーヴ・リーヴス様には少しお休みいただいて、しばらくこっちに浮気しようかな(笑)。
 テルモピュライの戦いの映画というと、過去にも『スパルタ総攻撃』(”The 300 Spartans”/1962年/ルドルフ・マテ監督)があります。
 これは私も、ちょっと前に日本盤DVDが出て初めて見たんですが、いささか地味ではあるものの、真面目に作られた佳品という印象でした。
 正直、俳優にはあまり華はないし、スパルタ軍の格好とかも、古代ギリシャというよりはローマ風に見えるとか、気になる部分もあるんですけどね。でも、風景のスケール感や軍勢の物量感なんかは決して悪くないし、舞台やタイムスパンを拡げすぎないモノガタリは、娯楽作的に骨太で手堅い。マノス・ハジダキスによるちょっとエキゾチックなスコアも、ムード演出に一役買っている感じ。
 史劇好き、男のドラマ好きなら、見て損はないと思うので、よろしかったらご覧あれ。
『スパルタ総攻撃』DVD(amazon.co.jp)
 さて、今度の『300』は、どんな感じになるのかな。
 予告編を見る限りでは、けっこうパンキッシュな感じですけどね、楽しみ楽しみ。

『キングダム・オブ・ヘブン』ディレクターズカット版

Kingdomofheaven 劇場公開時にここで、条件付きながら絶賛したリドリー・スコット監督の『キングダム・オブ・ヘブン』ですが、劇場公開時に削除された本編50分を復活させたディレクターズ・カット版のDVDが、昨年暮れに出たのをお正月のお楽しみにとっておいたんですが……もう大傑作 だった〜!!
 
 前回の記事で「多少の瑕瑾」として挙げた気になるポイントは、ことごとくクリアです。
 まず、導入部のエピソードの増加が嬉しい。これによって人物の因果関係がクリアになり、同時に主人公バリアンの心情も、より切実なものに感じられます。おかげで、前に書いたような「こちらの感情が置いてきぼりにされてしまう感じ」は、きれいに払拭されました。……まあ、欲を言えば、もっと長くてもいいと思うけど(笑)。エルサレム以前2時間とエルサレム以降3時間で計5時間とか、セルゲイ・ボンダルチュクの『戦争と平和』並みの、全7時間とかでも良くってよ(笑)。
 エルサレム以降も、様々なちょっとしたエピソードが追加されて、それによってキャラクターたちの「魅力的ゆえに『もっと見たい』感が強くなるのに、前述の時間不足もあって描き込み不足」といったポイントもクリア。特に、ヒロインのシビラと、劇場版では完全にカットされていたシビラの息子のエピソードの復活は大きい。
 劇場版だと、シビラというキャラクターの心情がいまいち掴みにくく、モノガタリへの絡み方にも少々ぎこちなさがあり、同時にバリアンにも、内面の深さに物足りなさを感じる部分がありました。そのせいもあって、ついこの二人の動き方を見ていて「……もうちょっと別の手段もあったんじゃない?」なんて感じてしまう部分もなきにしもあらずだったんですが、前半のバリアンの描写と中盤のシビラの描写が共に増加したことで、それらの瑕瑾や違和感がキレイに払拭されています。
 こうして、メインのキャラクター二人にしっかり芯が通ったことと、その他のキャラクターたちも軒並み描写が深くなったことで、基本的に群像劇であるモノガタリが、もう文句なしの内容になった。オマケに、他の美点は前回述べたように数知れずですから、もう怖いモンなしの出来映えです。
 しかし、改めて見ても映像の深い美しさには惚れ惚れするので、こーなるとブルーレイ・ディスクの再生環境が欲しくなっちゃうなぁ(笑)。でも、我が家は狭いし、予算もない(笑)。
 そうそう、字幕の情報不足って点は、前に通常の劇場公開盤DVDが出たときから、ある部分は改善され、ある部分はそのままでした。例えば、「サラディン」表記はそのままですが(要だけ「サラーフ・アッディーン」に「宗教の救い」というルビがあったか)、New Jerusalemはちゃんと訳されてたり。
 DVDソフトとしては、本編のみになってしまったのは、ちと残念。
 とゆーのもこの映画は、時代背景の知識がそれなりにあるとないとでは大違いで、まあ、歴史映画ってのは概してそうですが、この映画の場合、扱っているテーマが現代にそのまま通じているものでもあるので、尚更そういう感が強くなる。「遠い昔の、知らない世界の人々のモノガタリ」ではなく、確実に「現在の世界と繋がった世界、繋がった人々のモノガタリ」なんですな。
 で、前に発売された「二枚組<特別版>」ってDVDには、特典ディスクにそこいらへんを絡めたドキュメンタリー番組が入っていて、これがそれなりに鑑賞の助けになった。ウチの相棒は、劇場で一緒に見たときは「面白いけど、正直ちょっとピンとこない部分あり」ってな反応だったけど、「二枚組<特別版>」を買って、特典ディスクを先に見て、それから改めて再び本編を見たら「すごい、感動倍増!」ってな反応になったんで。
 で、今回の「ディレクターズ・カット版」DVDですが、北米盤には、日本盤にはない特典ディスクが二枚ついているようです。どうやらこれはメイキングらしく、歴史背景の開設があるかどうかは判りませんが、内容はどうあれ、好きな映画だと特典映像も見たくなるのがファンの常(笑)。削られてしまったのは、やっぱり残念。
 かと思えば、前の「二枚組<特別版>」には、日本盤オリジナル特典とかで、オーランド・ブルーム来日写真集なる小冊子が付いていたんですが、これがまた「……(苦笑)」ってな感じでねぇ(笑)。来日記者会見とかのプレス用のスナップショットを集めただけのシロモノで、工夫もへったくれもありゃしない内容だった(笑)。『トロイ』のときの、オリジナル・メモパッドとかの方が、実用的なだけまだマシだったかも(笑)。
 つくづく、日本盤DVDは不幸な映画です。
 ただまあ、歴史背景云々は、『キングダム・オブ・ヘブン 公式完全ガイド』って本がなかなか好著なので、そっちで補完する手もアリ。
 まあ、そんなこんなはありますけど、だからって映画の品質に変化があるわけじゃないし、私は劇場公開版も「その年に見た映画のベスト1」でしたが、今回のディレクターズ・カット版で、もう「エバーグリーンの名作!」に昇格。……あ、でもこれ、シビラ役のエヴァ・グリーンと紛らわしいな(笑)。素直に「歴史に残る傑作!」にした方が良かったか(笑)。
『グラディエーター』で史劇ブームの再来の口火をきった監督が、そのブームの終わり(……史劇好きとしては認めたくないけど、終わりっぽいよね、こーゆー大作ブーム)に、これだけの作品を再びモノにしたのは、改めてスゴイ。
 さて、今年も何か面白い史劇映画は見られるかな。
 とりあえず、フランク・ミラーの『300』は、モノガタリは「スパルタ vs ペルシャ」のテルモピュライの戦い、主演は筋肉増量半裸ヒゲつきのジェラルド・バトラー、他にも裸のマッチョがウジャウジャ、しかも血まみれ、監督はザック・スナイダーってだけで、もうガチで楽しみにしてるんだが……ちゃんと公開してくれるんでしょうね?
 『キングダム・オブ・ヘブン』ディレクターズカット版DVD(amazon.co.jp)

サイトの引っ越しとか改装とか

 本家サイトのサーバを引っ越しました。
 これに際して、コンテンツを全て再アップロードしなきゃならないんで、ちょうどいい機会だと思って、前々からしたかったサイトの改装もすることにしました。
 
 とはいえ、大々的な改装というわけでもなく、サイト開設当時の考え不足で、コンテンツの増加と共にゴチャゴチャになってしまった階層構造を、もうちょいスッキリと整理したいというのと、今まで文字の大小や色はfontタグに、レイアウトはtableタグに頼っていたんですが、それらをcssによるコントロールに変えたい、という二点がメイン。
 そんなわけでブラウザで見る分には、大して変わっていないように見えると思いますが(笑)。
 残念ながらスキル不足で、tableタグの完全排除はできませんでしたが、表組み以外のシンプルなレイアウトに関しては、だいたいcssでのコントロールに変更できました。
 fontタグは、ほぼ完全に排除完了。書体や大きさをcssでの一括管理に切り替えたので、ブラウザごとの見た目はより統一されたかと思うんですが、環境によっては、前より文字が小さくなって見づらくなったと感じられる方もおられるかも。ここは思案のしどころだったんですが、それは個々のブラウザの文字サイズの変更で対応していただくことにしました。
 で、cssを導入したので、全てのHTMLファイルをそれにあわせて修正しなきゃならず、また階層構造に手を加えたので、あちこちリンクも修正しなきゃならない。ところが、何しろファイル数が1000以上あるし、私はサイトをテキスト・エディタでhtmlをチマチマ手打ちしていく……とゆーやり方で作ってるもんで、この作業がえらい厄介でした(笑)。もう、この厄介さゆえに、改装に手を付けていなかったくらいで(笑)。
 でもまあ、私が使っているエディタJeditには、マルチファイル対応の検索置換機能があるから、共通した変更点は、それで一気にできました。ただ、全てのファイルを全く同じように記述しているわけでもないので、置換できなかったり、置換したら逆にヘンなことになっちゃったりと、やっぱりチマチマと手修正が必須(笑)。
 とりあえず、全体の80%ほど修正したところで、アップロードすることにしました。まだ改築中のコンテンツも残っていますが、おいおいやっていくことにします。

年末進行とか『トランスポーター2』とか

 年末進行、無事終了。今年の仕事、全て完了。
 ……とはいえつい数日前に、年明け早々にラフ出しのお仕事が一件入ったので、寝正月ってわけにはいかなさそうですが(笑)。
 さて、昨日は仕事あけで久々に家の外に出た(笑)ので、レンタルビデオ屋さんに寄ってみましたところ、『トランスポーター2』が「準新作」落ちしてたので、さっそく借りて相棒と一緒に鑑賞。
 で、相棒との会話が以下のごとく。
 まず、映画が始まる前。
相「『トランスポーター』って、あれだっけ、最初にビーチでパーティ中に、一族郎党皆殺しにされちゃうヤツ?」
私「ちゃうちゃう、それは『パニッシャー』」
 そして、タイトルバックのあたり。
相「ああ、あれか、ボロいアパートに、デブやピアス男と一緒に住むヤツ」
私「それは『パニッシャー』」
 そして、主人公が男の子を迎えに行って、車に乗せたあたり。
相「親子かな、あれ、でもこの男の奥さんと子供は、前作で殺されちゃってるよね?」
私「それは『パニッシャー』」
 う〜ん、確かに見た時期は近いような気もするけど、混同するほど似てるか? 『トランスポーター』と『パニッシャー』(笑)。
 いちおう「トラボルタと『マルホランド・ドライブ』の女が悪役だったのが『パニッシャー』で、平幹次郎みたいな顔した、すっげ〜変テコな髪型の東洋人が悪役だったのが『トランスポーター』」と説明してみました。
 まあ、「ヒロインがレベッカ・ローミン・ステイモス(あ、今はステイモスは取れたんだっけ?)が『パニッシャー』で、東洋人がヒロインなのが『トランスポーター』」でもいいんだけど、うちの相棒は、なぜかレベッカ・ローミンとケイト・ベッキンセールがゴッチャになる奇癖の持ち主なので、この説明だと更に事態が悪化しそう(笑)。
 ちなみに『パニッシャー』、個人的には大好きな一本でゴザイマス。
 で、この説明で納得してくれたのかどうかはともかく、以降の会話では『パニッシャー』の名は出ず、ロシア人科学者を見て、
相「あ、こいつ、また出てるよ」
私「誰だっけ?」
相「ほら、『フロム・ヘル』の御者」
私「あ、そーかそーか」
 とか、男の子の母親を見て
私「何か、キャメロン・ディアスが値崩れしたみたいな女じゃない?」
相「自分は一瞬、梅宮アンナに似てると思ったけど、よく見たらそーでもなかった」
 とか、まあ他愛のない無害な会話が続きました(笑)。
 で、『トランスポーター2』、肝心の映画の中身はどうだったかというと……う〜ん、前作の方が面白かったね(笑)。
 ジェイソン・ステイサムの脱ぎ場が減ってるとゆー欠点(笑)を抜きにしても、全体的に大味だったので、ちと残念。
 

まんまる

 前回の記事を読んだJ画伯から、こんなメールが。
>まさか本当に気づいてなかったんですか?
>己の顔面が真ん丸だってことに。
 ……放っとけ(笑)。「丸い」自覚はあるが、「まんまる」だとは思ってなかったんだよ!(笑)