昨日のイベント、無事終了しました。……って、十二時過ぎちゃったから、もう一昨日か(笑)。
まずは、簡単な御報告をば。
第一部の原画展は、会場5分前に最初の来客があり、以降途切れることなく、第二部スタートの夕刻が近付くにつれ、客足も増えていきました。
第二部のトークショーは、予約段階で既に満席。キャンセルが幾つか出たこのと、会場の席をちょっと増やしたことで、当日飛び込みも受け付けることができました。トークを始める前、村上さんと軽く打ち合わせをしたんですが、その段階でついつい話に熱が入ってしまい、側にいたポットの沢辺社長から「ちょっと待った、続きは会場で!」と、ストップが入るという一幕も(笑)。
なお、トークショーの模様は、村上隆さんがレギュラーで持っておられるラジオ番組で、紹介していただけるようで、終了後の控え室で、それ用の追補トークも幾つか収録しました。詳細はこちら。
第三部のフィルム上映も、三本ともほぼ満席。雨も降ってきたことだし、遅い時間は人出が少なくなるのではないかと思っていたんですが、会場をお借りしたアップリンクの方からも「この時間帯で、これだけ入るのはすごい」とのお言葉が出る盛況振りでした。
そうそう、前説のときに言い忘れましたが、米盤DVDが出ていると言った『巨根伝説・美しき謎』ですが、「欲しい!」という酔狂な方(笑)のご参考までに、英題は “Beautiful Mystery” です。amazon.comで入手可能。
ご来場くださった皆様、ありがとうございました。
それと、ポットさんとアップリンクさん、そして、実はこの原画展の最大の功労者である城平ちゃんに、大感謝。皆さんが「良い内容にしよう!」と、常に前向きで頑張ってくださったので、私にとっても特別に記憶に残るような、良い一日になりました。
以下は、プライベートな雑感。
私の知人友人関係では、古くは大学時代の友人や会社員時代のOL仲間から、ゲイ雑誌関係者、画業の先輩諸氏、そして近年お付き合いのある一般誌の編集者の方々まで……といった具合に、「二十年間の交友関係総まくり!」といった感じの面子と一日のうちにで会うことができて、何だか感慨深いものがありました。でも、その属性ごとで私の呼び方が違うのが、何だか面白かったなぁ(笑)。
今回初めてお会いした方々もいろいろでして、一番濃かったのは、どのグループだろう、やっぱ「女王様&ゲイ雑誌&ゲイビデオ&ショタアニメ」の、あのグループかな(笑)。
また、来年になりますが、アジアのゲイ映画にテーマを絞ったという映画祭なんて企画もあるそうな。
セクシュアリティやジェンダーの研究をなさっている若い方々が、お二方ほどいらしたのも、今後のゲイ文化の発展を考えると頼もしい限り。
研究といえば、とてもアカデミック方面の三島研究の方が、『愛の処刑』をご覧にいらしていて、いやいや、別に自分が制作に関与した映画でもないのに、お見せするのに何だか緊張しちゃいました(笑)。
そうそう、本の中で「これは本当に天堂寺慎の絵か?」とペンディングにしていた作品が、当時の雑誌『裏窓』の編集をなさっていた方から、「間違いないです」と御確認いただけたのは、大きな収穫でした。ご紹介くださった風俗資料館の女史とは、船山三四の消息を未だ掴めないでいることを、互いに嘆きあったり。
そんなこんなで、終了後の深夜に帰宅して思ったのは、「疲れた」ではなく、「面白かった」「やって良かった」。一時期は開催を断念しかけた原画展なだけに、成功した嬉しさも倍増です。
「雑記」カテゴリーアーカイブ
明日は原画展&イベント
さて、明日はいよいよ日本のゲイ・エロティック・アートvol.2 発刊イベント〜原画展+トークショー+フィルム上映〜です。
……今さらながら、ちょいと緊張してきました(笑)。
私は原画展スタートから最後のフィルム上映まで、終日会場に詰めておりますので、御用の方はお気軽にお声をお掛けくださいませ。姿が見えない、どの人だか判らないなんて場合も、これまたお気軽にスタッフにお問い合わせを。
では皆様、渋谷でお会いしましょう。
さて、朝から会場の設営があるから、今日は早寝しなくては(笑)。
AnimeStudio II とかアニメーションとか
先日のFLASHのハナシに引き続き、趣味でシコシコ作ってみたアニメーションの話なんぞを。
今年の春頃、大きな仕事が一段落したときに、ふと「そういえば、Painterのムービー機能って、一度も使ったことがないなぁ」と思い、ちょいと何か作ってみようかと思ったのが最初のきっかけ。思い立ったが吉日で、幸い時間もあるし、さっそくPainterのマニュアル片手に作業を開始。
前にも書いたように、切り絵風なら比較的手早くできそうだったので、レイヤーをセル代わりに使って制作開始。しかし、Painterのムービー機能はけっこう制限が多く、動きの仕上がりをテストしたりとか、一度作ってからタイムラインを遡って修正したりとか、そういった細かな調整ができない。
そんなこんなで、頑張って全体の3/4くらいまでは作ったものの、そこで挫折しちゃいました。
で、何かアニメーション制作に特化した手頃なものがないかと、探して行き当たったのがぜんまいハウスの AnimeStudio というソフト。これを使えば、やってみたいことは一通りできそうだったので、思い切って購入してみました。
このAnimeStudioは、パソコン上でセル・アニメーションを制作するためのソフトで、ワークフローも一般的なセル・アニメーションの手順に準拠しています。つまり、動画用のセルを用意して、それをタップにセットし、カメラで撮影するという概念。
単純な歩行アニメーションを例にとると、まずPhotoshopのレイヤーを使って、歩行の動作に必要な枚数の画像を用意して、それをAnimeStudioにセルとして読み込む。で、タイムラインに沿って、一つのタップ上に各々のセルの表示順番を割り振れば、同一地点で動き続ける基本的な歩行モーションになる。で、その歩行モーションを、セルをセットしたタップごと左に動かせば、キャラクターが画面右から左へ歩行する……ってなわけです。
後はこの応用で、セルやタップやカメラを必要なだけ追加して、それぞれ目的に従った別々のモーションを振り分けていけばよろしい。セル・アニメーションの概念を把握していれば、ソフトの機能の把握や操作自体は、かなり簡単で馴染みやすい。また、マルチ撮影みたいにフォーカスを外したり、透過光合成なんかもできるし、乗算やスクリーンなどPhotoshopでお馴染みの合成モードもあります。
また、ムービーファイルを読み込むことも可能なので、単純なセル・アニメーションだけではなく、例えば実写のムービー上にキャラクターを合成して動かすなんてこともできます。インポートやエクスポートも、標準的なフォーマットはカバーしているし、別アプリケーションへのデータの受け渡しも問題なし。因みに私の場合、iMovieでは合成機能が足りない場合、FinalCutを購入するかわりにAnimeStudioを使ったりしてます(笑)。
このソフト、かなり気に入りました。
ぜんまいハウス AnimeStudio(amazon.co.jp)
そして、中断していたアニメーション制作を、AnimeStudioを使って再開、残りの1/4を仕上げました。あと、Painterで作ったものの、イマイチ納得がいかなかったカットを、AnimeStudioで手直ししたり作り直したり。
そんなこんなで、できあがったアニメーションがこれ。
QuickTime版
WindowsMedia版
長さは5分54秒、秒5コマ(笑)くらいの、パタパタ切り絵アニメーション。
QuickTimeはバージョン7。WindowsMedia版は、それ用のデータを作るのは初めてで、しかもWindowsマシンがなくて動作確認ができないので、もし上手く再生できなかったらゴメンナサイ。
ところで、最近になって、アメリカで同じAnime Studioという名前のソフトがあることを知りました。
もとは「モーホ」とかゆーちょっとイヤな(笑)名前のフリーソフトらしいんですが、これが2Dにボーンを仕込んで動かせるらしく、「あらやだ、じゃあ切り絵アニメにはうってつけ?」と興味シンシン。
リリース元は米 e frontier なんだけど、イーフロから日本語版も出るのかなぁ?
『日本のゲイ・エロティック・アート vol.2』刊行記念イベント、明日から予約受付開始です
先日ここでお知らせした、『日本のゲイ・エロティック・アート vol.2』発売記念・原画展&トークショー&フィルム上映イベントですが、有料&定員制のトークショーとフィルム上映の予約が、明日11:00から受付開始します。
タイム・スケジュール等、イベントの詳細、および予約はポット出版の該当ページからどうぞ。
会場およびプログラムの詳細については、アップリンク・ファクトリーの該当ページもご参照ください。
トークショーに関しては、前回お知らせした通りです。
ただ、フィルム上映は、当初は日本のものを一本と、アメリカのゲイ・ポルノ映画も一本上映したいと思っていたのですが、やはり洋モノは、局部描写等セクシャルな描写に関して難しい問題があり、残念ながら断念せざるをえませんでした。
できればこの機会に、私が個人的に敬愛している、アメリカ・ゲイ・ポルノ映画の伝説的カルト監督、Joe Gageの作品を、どれか一本紹介したかったんですけどね。個人的には、初期三部作の中の一本で、アメリカン・ニュー・シネマ系のロードムービー的な魅力もある、”El Paso Wrecking Corp” (1977) を候補として考えていました。
モザイクを入れての上映という案もあったのですが、Joe Gageの作品は、とにかく「性行為をいかにエロティックにフィルムに定着させるか」に徹しているので、修正を入れてしまうと、ナニガナンダカワカンナイ部分が殆どになってしまうことと、同時に作品的な真価が全く伝わらなくなってしまうだろうということで、涙をのんであきらめた次第です。リスクも大きいしね。
エロティック・アート関係に係わっていると、とにかくこの性器の露出やら性行為の直接描写といった、日本の法律の壁にブチ当たります。いいかげん、ウンザリ。
しかし、そのかわりといってはなんですが、上映する日本製ゲイ・ポルノ映画(二本に増えました)に関しては、なかなか面白い充実したラインナップになりました。
まずは小手調べ、『巨根伝説・美しき謎』(1983)監督:中村幻児。
俗に「薔薇族映画」の呼称で知られる、上野や梅田の専門映画館で上映されているゲイ・ピンク映画の、黎明期に制作された力作かつ怪作です。
三島由紀夫の自決事件や「楯の会」をパロディにした内容なんですが、黎明期ということもあってスタッフにゲイが一人もいないのか、「ノンケさんが考えた勘違いゲイ描写」が、全編に渡って炸裂。バック掘られながらオネエ言葉で熱演する大杉蓮さんとか、紙吹雪舞い散る中で集団切腹ごっこする褌男たちとか、見どころ(ツッコミどころとも言うが)いっぱい! ……とはいえ、ロッテルダム国際映画祭正式招聘作品でもあるんですけど(笑)。
ゲイでもヘテロでも楽しめますが、キワモノ好きの方には特にオススメしたい逸品。目くじらたてずに、ツッコミ入れながら明るく楽しく鑑賞しましょう。
もう一本は真打ち、『愛の処刑』(1983)監督:野上正義。
これも「薔薇族映画」の一本ですが、こっちは実際に伊藤文學先生のお名前も制作クレジットに入っています。
内容は、もう知る人ぞ知る……って感じですが、ゲイ雑誌誕生前夜、同好の士に向けて出されていた同性愛者向け会員誌に発表された、某文豪の匿名による作と伝わる、同性愛と切腹を描いた、日本のゲイ史上に残る伝説的地下文学の完全映画化。内容的には、取り組んだ原作が巨大過ぎるがゆえに、頑張っている部分もあり、力及ばずの部分もあり、といった感じですが、往年の日本映画を彷彿とさせる雰囲気自体は、決して悪くないです。
諸般の事情から、めったに見る機会がない幻の映画なので、ヘテロもゲイも関係なく、とにかく「この映画を見る」ということ自体が貴重な体験になると思います。また、日本のゲイ文化史を俯瞰するにあたって、日本でもかつては即物的なゲイAVだけではなく、こういったフィルムが制作されていたこともあったのだという、そんな時代的な意義も体感できると思います。
あ、もちろん前座の『Desert Dungeon』(2006)監督:田亀源五郎もよろしく(笑)。
一人の作家が趣味にあかせて、こんなバカなものをマジメに作ってるんだ……ってなことで。
ご予約&ご参加、お待ちしております。
モデリングの練習とか
ふと思い立って、モデリングの練習を兼ねて、フィギュアの頭を作ってみることにしました。
六角大王を立ち上げて、対象モードでポリゴンをペタペタ貼っていきます。
イメージしたのは文楽人形。文楽の人形の首(かしら)って、個人的には何となくセクシーに感じるもので。ただ、ベースはそれにしつつ、あちらこちらは自分の好みにアレンジしていきます。具体的には、顔全体のシルエットをゴツめに四角くしたり、顎を出し気味にしたり、耳の位置を変えたり。
形が出来たら、ポリゴンを色分けして、とりあえず完成。
別アプリでレンダリングするとどうなるか、ちょっと見てみたくなったので、3DSで書き出してCarraraにインポート。ライティングしてレンダリングしたら、こんな感じに。
坊主頭のせいか昔の軍人さんのようで、なかなか凛々しげで気に入りました。これにガチムチのボディを付けてあげたら、けっこうカッコよくなるかも。
そう思い付いたら、ちょいと試してみたくなったので、再び六角大王を立ち上げます。
さっき軍人っぽいと感じたので、その印象をベースに、越中褌(昔の軍人さんの下着は、越中と決まっていたのですよ)が似合いそうな、少しお腹周りに肉が付いた、恰幅のいい体型にすることにしました。とはいえ、私はデブ専ではないので、せいぜい堅太りくらいで。
あと、あくまでも「人形っぽい」感じにしたいので、ディテールはあまり細かくせずに、デフォルメの雰囲気を頭と合わせて作っていきます。まあ、もっとも私には、リアルな人体をモデリングするほどのスキルもないんですが(笑)。
トルソを作ったところで、再びCarraraにインポート。今回は色分けはせずに、素焼きや常滑焼きで作った塑像みたいにしてみました。
これはこれで、何だか面白い雰囲気になったような。
こんな感じで全身仕上げて、ボーン仕込んでポーズとらせて、『夏祭浪花鑑』みたいな絵を作ったら面白そうだな……とか思いつつ、そこに至る作業の面倒くささを思って、とりあえずはここで中断。
という感じで、トレーニングを兼ねたお遊びのようなモデリングでしたが、こういうのを作っていると、改めて自分の中の人形愛、ピグマリオニズム的な嗜好を感じますね。
FLASHとかアニメーションとか
FLASHてのは、私にとって「興味はあるんだけど触りそびれている」アプリケーションだったんですが、ひょんなことから「体験版は30日間無制限で使用可」だと知って、これ幸いとダウンロードして使ってみることにしました。
アニメーション好きな人間の例に漏れず、私も趣味のアニメーションを作ってみたいな〜、なんて想いはありまして。で、動画を一枚一枚描くのは、技術的にも時間的にもハードルが高いけれど、切り絵みたいな手法ならば、比較的短期間で作れるかも知れない。
また、ウェブ上で見られる各種のFLASHアニメーションには楽しませていただいているし、テレビでやっていた『アークェとガッチンポー』もけっこう好きだったし、そんなこんなでFLASHは、一度いじってみたいアプリケーションだったわけです。
というわけで、何か一本作ってみたいと考えていたところ、ちょうどその頃、趣味で作った音楽で、自分で聞いていて「何だかコブタがキーキー騒いでるみたいだ」と思った曲があったんで、よし、これにコブタのアニメーションを付けてみようと思い付いた。
で、出来上がったのがコレ。
上のブタさんをクリックすると、別ウィンドウが開いてアニメーションがスタートします。
ま、内容はブタが走り回ったり飛んだりするだけですけど、画面構成のシンプルさとテンポの良さにはこだわったつもり。自分では、ちょっとオスカー・フィッシンガーの影響があるかもと思ってます(どこが!)。
MTV風にしたかったので、曲との同期を優先しましたから、CPUのパワーによってはコマ落ちする部分もあるかも知れませんが、そこはご容赦を。因みに私の環境だと、1.42GHzのMac miniでは問題なかったんですが、350MHzのPower Macだと部分的にコマ落ちしちゃいました。
因みに曲の方は、ハイテンションでミニマル・ミュージック風味のテクノです。
PoserとかCarrara 5とか
久々にCarraraをバージョンアップしてみました。Carrara Studio 2からCarrara 5へ。
私の場合Carraraは、スプライン・モデラーかPoserのレンダラー用途がメインでして、今まで使っていたCarrara Studio 2では、データのインポートはWavefront OBJファイル経由でした。
しかし、マテリアル設定をCarrara上でやり直さなければいけないのと、にも関わらず透明マップ関係が、設定をどういじっても不要なシャドウが出てしまったりエッジにフリンジのようなものが出てしまったりと、どうしても上手くいかないので、絵を描く際のシミュレーション以外の用途では、あまり使っていませんでした。
後にCarraraのバージョンが上がり、加えてTransPoserという、Poserデータをそのままインポートできるプラグインも発売されました。これにはかなり食指が動いたんですが、OSのバージョンとCPUパワーの兼ね合いで、今度はCarraraそのもののバージョンアップを断念。で、今日に至ります。
今回は、幸いにしてOSもマシンも新しいから(……っても、OSはPantherだし、ハードもMac mini 1.42GHz+メモリ1GBですから、既に古いスペックですけど)、新しいCarraraも問題なく動きそうなので、思い切ってバージョンアップ。
Carrara 5はネイティブでもPoserデータのインポートは出来るらしいですが、ダイナミック・クロスを使うには、やはりTransPoserプラグインが必要。Carraraは廉価の機能限定版にして、TransPoserはバージョンアップを待って別購入、という手も考えたんですが、プラグイン関係のバージョンアップやリリース情報がどこにもなかったので、ここは思い切って最初からTransPoserがバンドルされているCarrara 5 Proに。……と思ったら、早々とTransPoserもバージョンアップしやがりました。クソ(笑)。
使用感は、何しろ2バージョンとばしなのでウラシマタロウではありますが、うん、使いやすくなってます。
重さに関しては、環境自体が違うので何とも言えませんが、以前のPower Mac G4 350Mhz + Carrara Studio 2のときは、なにをするにもモッタリモッタリしてストレス溜まりまくりでしたが、今回はサクサク……とまではいかないものの、まあ重い軽いという点では、Vueとさほど変わらぬ操作感。
2と比べると、ブラウザのレイアウトが大幅に変わっていますが、これはかなり機能的で使いやすくなった。オブジェクトの移動・拡大縮小・回転といった操作も、2のときはコツを掴みにくくて失敗もままあったんですが、今回はポインタの場所でカーソルの形が変わってくれるので無問題。ホットポイントをいじるにはCapsLockをオンにするとか、ちょいと馴染みがなく直感的ではないようにも感じますが、まあこれも慣れの問題でしょう。右クリックで出すゴーストメニューとかも同様。
あ、一つバグみたいなものも発見。Carraraではカメラビューとレンダリング画像枠がイコールではないので、最終的なレンダリング画像の構図を決めるには、カメラビューの中に「制作フレーム」という別フレームを表示する必要がある。ところが、これがマニュアル通りに「表示メニュー>制作フレームを表示」としても、何だかメッセージが出てきて、それにOKしてもしなくても、カメラビューに変化はなく制作フレームは表示されない。これは困りモンではありますが、とりあえずショートカットのCommand + Option +Fを試してみたら、今度は無事に表示できたのでホッとひと息。
モデラーに関しては、スプラインはともかく、正直ポリゴン・モデラーの方は、やっぱどうもよーワカラン(笑)。頑張ってマスターすればいいんだろうけど、ついつい面倒くさくて、使い慣れた六角大王を立ち上げちゃう(笑)。
しばらくご無沙汰していた間に、Carraraでは風景関係や植生関係の機能がアップしたらしいので、試しにサンプル・ファイルをレンダリングしてみる。
……うわ、けっこうリアル。
植生関係はともかく、地形や空はかなりいい感じ。空と雲は、マンガの背景用にも使えそう。でも、リアルな風景は、やっぱレンダリングにも時間がかかるのね(笑)。アニメーションに使ったら、大変なことになりそうだ(笑)。
プリセットに月や太陽系の惑星といったオブジェクトやシーンもあったので、そっちもレンダリングしてみる。……うん、使える。特に月が嬉しいなぁ。過去に何度か、天文写真的な月の画像が欲しいと思ったことがあるんだけど、使えるものを探すのにけっこう苦労したので。でもCarraraを使えば、プリセットのシーンをちょちょいといじるだけで、ほらこの通り(笑)。
プリセットにはそれ以外にも、ロゴだの商品写真だの室内風景といった、デザイナーさんにとっての実戦向けなシーンもあり。カンプとかに便利かも。
さて、ようやくお目当てのTransPoserを使ってみると……うわ、すっげー便利!(笑)
マテリアル等、何のプラスアルファの必要もなく、そのままスムーズにインポート。マテリアルの再現性もPoser上のイメージと近いので、BryceやVueでレンダリングするときのような、レンダリングするアプリに合ったマテリアル設定を、あらかじめPoser上でしておくといった手間もいらず。
Poserからはライティングもインポートできるので、「別アプリでレンダリングすると、Poserで見ていたときとフィギュアのイメージが違う」なんてお悩みをお持ちの方にも親切設計です。
インポートにあたって、PoserとCarraraのサイズ換算を指定できるのもグー。つまり、別々のファイルで用意した複数のフィギュアを、Carraraで一つのシーンに読み込みたい、なんてときも、このサイズ換算を合わせておけば、Cararra上で大きさ合わせをする必要は一切ない。BryceやVueだと、これは手動で直感的にやるか、もしくはサイズの大きい別オブジェクトをテンプレートとするといった裏技を使う必要があったので、これも便利。
インポート時に元のPoserのシーンファイルとリンクしておけば、修正をしたくなった場合も、Poserのオリジナル・ファイルに手をいれれば、それが自動的にCarraraのシーンにも反映されるのも便利。(ただ、制限はあって、Poser上で新たにオブジェクトを追加とかしても、それは反映されない)
そんなこんなで、Poserとの連携という点では、正直Vue + Moverを上回ってますな、Carrara + TransPoserは。(Shadeは持ってないんで、よーワカラン)
実は、TransPoserを使わなくても、CarraraにはネイティブでPoserファイルをインポートできる機能がありまして、これだとダイナミック・クロスやダイナミック・ヘアーは使えませんが、そのかわりボーンやモーフの情報をインポートできるので、仮にPoserアプリ自体を持っていなくても、PoserフィギュアをCarrara上で編集・アニメート等することが可能です。
ただ、これでインポートすると、めちゃめちゃ重い(笑)。試しに10秒程度のアニメーション付きデータを、このPoserネイティブインポートで読み込んでみたら……フリーズしやがりました(笑)。アニメーション情報を持ち込まないなら、それほど重くはならないのかなぁ。
あと、この方法だと、例えばPoserのテクスチャがRuntimeの中の複数フォルダに分散している、とかいう場合、テクスチャの場所がどこかとか聞いてくるので、いちいち手動で指定しなきゃならない。これが、思っくそ面倒(笑)。TransPoserでは、こーゆー手間もいっさいなしなので、Poserとの連携を考えている方は、やはりプラグインの使用をオススメしたいかな。
さて、Carraraの魅力と言えば、価格のわりに機能が豊富だということと、レンダリングが早いということ。
これを生かして、Poser + Carraraでアニメーションも作ってみたい、というのが今回の購入動機の一つ。Carraraの炎オブジェクトを使えば、Vueではちょっと難しそうな「火あぶり」とかも簡単にできそうだし(笑)、パーティクルを使えば「放尿」なんてのも作れるかもしれないし(笑)。
でまあ、ぼちぼち作ってみると、うん、やっぱレンダリングは早いですね、Carrara。というわけで、ちょいとムービーのワンフレームを、原寸でご紹介。ヤバい部分はマスキング(笑)。
ピクセル比は、DVのワイド画像。レイトレーシングで、パラメーター設定はだいたいデフォルトですが、オブジェクトの精度を1px、アンチエイリアス品質を中に変更。動画なら、この程度で充分キレイだと判断。で、レンダリング所要時間は、1フレームあたり40秒足らずと、かなりストレスなくサクサクいけちゃいます。
まあ、地形のような大量のポリゴンは使っていないし、大気設定もなしなので、Vueとの単純比較はできません。でも、例えば画面左側のスポットライトで使っている、3Dシャドウ付きのボリュームライト。Vueでこれをやると、いきなり処理が重くなって、レンダリングも桁違いに遅くなってしまう。また、Vueのレンダリングは透明マップがあると、これまた劇的に速度が遅くなる。
しかし、Carraraだとそこまでの変化はなく、この程度のシンプルなボリュームライトだったら、レンダリング速度の変化も殆ど気にならないし、透明マップ関係(このシーンだと、左の男の髪、眼球、ヒゲ、あと隠しちゃったけど陰毛など)も、Vueほど極端に遅くなったりはしない感じ。
今後ムービーを作る際は、室内シーンはCarrara、屋外はVueという使い分けになりそう。
そんなこんなで今回のCarrara 5、かな〜り気に入ったので、今後出番が増えそうであります。
Carrara日本語版公式Webサイト。
GarageBand Jam Pack World Musicとか
前にここで「もう絶対に買っちゃうもんね」と書いたGarageBand Jam Pack World Music、だいぶ使い慣れてきたんで、使用感のレポなんぞを書いてみませう。
まず、収録音源のリスト。
Bass〜ラテン・ベイビー・ベース/ギタロン/バラライカ
Choir〜南アフリカのクワイア/南アフリカのクワイア(ヴォイス・エフェクト)
Guitar〜月琴/ウクレレ/ブズーキ/中世のリュート/フラメンコ・ギター/ウード/サズ
Mallet〜カリンバ/アフリカン・マリンバ/ガムラン/チベットのシンギング・ボウル
Piano & Keyboard〜アフロ・キューバン・アップライト・ピアノ/ポルカ・アコーディオン/タンゴ・アコーディオン
Strings〜ハンマー・ダルシマー/ケルティック・ハープ/二胡/古箏/シタール/フィドル/琴/サントゥール
Woodwinds〜ティン・ホイッスル/笛子/洞簫/バグパイプ/バンスリ/シャナイ/尺八/中世のリコーダー/ネイティブ・アメリカン・フルート/パンフルート
Drum〜アフリカン・キット/アジアン・キット/ヨーロピアン・フォーク・キット/インディアン&ミドル・イースタン・キット/ラテン・キット
……とまあ、これだけの音源がマルチサンプルで収録(つまり、好きなように演奏できるってことね)されていて、加えてループも3000以上入っていて、それで\10,800というのは、いつものことながらコストパフォーマンスは良いのでは。
それぞれの音源は、ベロシティの強弱やモジレーションで奏法が変化するものが多いです。
自分がよく使う楽器を例にとると、バンスリはモジュレーションでビブラートの有無、スライドアップ、フラッター・タンギングといった奏法が制御でき、シャナイはモジュレーションで音の長短、ベロシティで音の揺れやトリルなどが変化する……といった感じ。ここいらへん、上手く使うとけっこう生っぽい「味」になるので、ソフト同梱のPDFマニュアルは目を通しておいた方がいいでしょう。
ドラム・キットはそれぞれパーカッションもセットなので、例えばアフリカン・キットにはジェンベやトーキング・ドラム、インディアン&ミドル・イースタン・キットにはタブラやドゥンベック(ダルブッカ)などが、キーの違いや奏法のバリエーションも含めて、キーにマッピングされています。
音色はさほど押しが強くなく、存在感はいささか控えめではありますが、逆に極端に浮くこともないので、アンサンブルとしては使いやすいです。ただ、強烈なリードとして欲しい場合は、ちょっと物足りない場合も。
また、Jam Packシリーズは一様にそうですが、本来の楽器の出せる音域を越えて、低音から高音までくまなく音が入っています。楽器本来の音域を意識して使わないと、音が不自然になってしまう場合もありますが、それを逆手にとって、現実にはありえない楽器として使うのも面白いかも。例えば、ウードをうんと高音にしてみたら、エキゾチックなギターともハープともつかない音になって面白かった。
楽器によっては、キーの高低で音色そのものが異なってマッピングされているものもあります。例えば、南アフリカのクワイアでは、高域は女声、低域は男声に振り分けられていますし、ガムランでは高域はガンサ、低域はレヨンゴングになっています。
というわけで、全体的には「安価・使える・いじれる」と、三拍子揃った好印象。
ループも、リアル音源に加えてソフト音源も多く、後者はピアノロールや楽譜表示を見れば、どういう楽器がどのような使われ方をして「それっぽさ」を出しているのか、目で確認することができるので、なかなか楽しいし参考にもなる。もちろん、違う楽器に演奏させることも可能。
まあ、それでもぜいたくを言い出せばきりがないもので、例えばフィドルの音は、ちょいと擦弦感というかギコギコ感に乏しいのが物足りないし、ガムランもこれだと必要最低限でしかなく、例えばゴン・クビャールとドゥグンとグンデル・ワヤンとかの違いは出せない。
楽器の種類も、これだけあってもまだまだ欲しいものはあるのが人の性で、例えば笛ものだと、アラブのナイやアルメニアのドゥドゥクやインドネシアのスリン、弦ものだとアラブのカーヌーンやミャンマーのサウンなんかが欲しい。アンクルンやジョゲッ・ブンブンやジェゴグやパッタラーといった、竹素材のマレットものも、何か一つ欲しかった。あと、日本の笙かタイのケーンも。
まあ、そんな無い物ねだりはともかく、GarageBandやLogicのユーザーで、ワールド・ミュージック系のインストゥルメンツのコレクションを何か一つというんだったら、充分元を取れておつりもくる内容ですから、最初の購入物としてオススメです。
で、せっかくなので、自分の手による使用例も一つ。
“Steppe” (MP3 file / 4.4MB)
この曲で、Jam Pack World Music収録の音源のうち、パーカションのアフリカン・キット、アフリカン・マリンバ、ウード、チベットのシンギング・ボウル、カリンバ、ケルティック・ハープ、ティン・ホイッスル(登場順)を使っています。
お暇とご興味がおありの方、よろしかったらお聴きください。
展覧会『ポンペイの輝き』
渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで開催されている『ポンペイの輝き』展に行って参りました。
とにかく、キュレーションが興味深かった。
展示内容を種類別に分けるのではなく、それが出土したエリア(建物)ごとに分けている。そして、そこから出土した品物や、型どりされた犠牲者の姿を展示すると同時に、解説文で、その地域(建物)がどういうもので、どんな人々が居住しており、どんな風に災害に巻き込まれて亡くなったのかを説明するという構成です。
普通の美術展やコレクションの展覧会だと、主役は「芸術的あるいは考古学的に価値の高い」美術品や出土品になることが多いと思いますが、この展覧会の場合はこの構成法によって、「人々の生活そのもの」を展覧会の主役として見せることに成功しています。
それは、例えば宝石細工師であったり、船倉庫で働く労働者であったり、裕福な解放奴隷であったり、幸せであったであろう一家であったり、つまり、歴史の表舞台に出るわけではないが、それでも確実にその時代に生きていた「市井の人々」です。そして、彼らが日常的に使っていた品物(装身具であるとか家具であるとか台所用品であるとか)を見ることによって、どういった暮らしをしていたかということに思いを馳せ、同時に災害時の状況の解説を読むことや、その遺体の型どりを見ることで、その死の様子にも触れることができる。
つまり、会場を巡って展示品を見るという行為が、すなわち「そこにどういう人々が暮らし、いかに生き、そして、いかに死んだか」ということに触れるということになり、例えて言うならば、体感するドキュメンタリー番組といった味わいです。
展示されている日用品の、現代のそれと変わりのない構造を見ると、同じ人間がそこに生活していたんだなと尚更に感じますし、壁画等で建物の一部を再現しているコーナーでは、本来であれば現地を訪れなければ触れることができない、その生活空間そのものの一端も垣間見ることができる。
それと同時に、美しい細工の宝飾品に感嘆したり、大理石の彫像や色鮮やかな壁画といった、美術鑑賞的な面白さもあります。
個人的には、ヘレニズム調ではないアルカイック調の彫像というのが、興味深かったですね。ああ、レトロブームみたいな流行って、2000年前にもあったのか、なんて面白く思ったり。あと、自分はここんところコンピュータ作画ばかりなので、2000年前に描かれた壁画の生々しい筆のタッチを見て、ああ、久しぶりにアナログで大きい絵も描いてみたいな、なんて思ったり。あ、あと、居酒屋の壁画というのも面白かった。二人の客が「俺の方が先に注文したんだ」と争っている続き絵で、まるで4コママンガみたい(笑)。そうそう、剣闘士の兜とか肩当て、脛当てなんかを見られたのも嬉しかった。
ってなわけで、展示内容は見応えがあります。ただ、前述したように主役はあくまでも「人々」の方なので、それを意識せずに漫然と見てしまうと、似たような品々がエリアごとに繰り返し出てくることに退屈するかも。鑑賞者にも、受動的であるだけではなく能動的な想像力を要求する展示法ですが、ハマればすごく面白いはずです。
そんなこんなで、かなり満足して会場を後にし、出口でカタログを購入。展示品には小さくてディテールが良く判らないものもあるし(ところどころにルーペは備えられているんですが、それでも限界あり)、テキストの重要性もあるので、後々にもじっくり楽しむためにも、私的には「買い」でした。
展示品のレプリカを使った、キーホルダーやらマグネットといった小物などもあり、その中からデザインが気に入った「ブッラ」を模したキーホルダーを購入。あとは金貨のレプリカとか、定番の絵葉書や一筆箋、オリジナルのチョコレート、Tシャツ、スカーフなんかも売られていました。最近の展覧会は、昔と比べるとこういったオリジナル・グッズが充実してきているのは、何かと楽しいですね。
隣のミュージアム・ショップでは、関連したポンペイやイタリア関係の書籍なんかも平積みになっていました。ただ、ポンペイ関係だけでは足りなかったのか、ギリシャものもけっこうあったけど(笑)。
展覧会の後は、隣のカフェでお茶。ポンペイ展に併せたオリジナル・ケーキが二種類あったので、ケーキセットを注文。このセット、展覧会の半券があれば割引になりますので、喰ってみたいという方はなくさないように(笑)。
サーバの移転とG-men祭 in 大阪
本家サイトの方、サーバ移転にともない、ここ数日アクセスできない状態が続いておりましたが、無事再開できたようです。
……と思いきや、一時間後にまたダウン。メールの挙動も不安定。もうしばらく、時間がかかるかも。
さて、明日はG-men祭 in 大阪。
トークショーに出るので、さっき自分でバリカン使って髪を刈っていたら、途中で充電が切れてしまい、現在モノスゴイ頭になってます。なんか、焼き畑農業の跡みたいな(笑)。明日の朝までには、何とか整えなきゃ。
会場で売られる記念同人誌の方にも、3ページほど描かせていただきました。
あと同ブースにて、自主制作の音楽CDも、委託で置かせていただく予定です。試聴用のポータブルCDプレーヤー持参で行きますので、宜しかったらお立ち寄りを。新譜(笑)もありますぜぃ。
では、おいでになる方、会場でお会いしましょう。
G-men祭の詳細情報はこちら。