『リディック』デヴィッド・トゥーヒー
“The Chronicles Of Riddick” David Twohy
レコ屋で貰った販促用のDVDを見て、凝りまくった美術にビックリ。加えて、監督さんの「……オカマ?」ってカンジの所作にも惹かれるものが(笑)。
ってなわけで、あわてて前作『ピッチ・ブラック』を借りて見て(小粒ながら、SFものとしてはアイデアを上手く使っていて、いいカンジの佳品でした。あと、ヴィン・ディーゼルの目隠し&猿轡のボンデージ姿がエロい!)予習してから、いざ劇場に。
お目当てだった美術面は、宇宙船や建造物のゴシック的な壮麗さといい、巨大な人面やエンド・クレジットにも出てくる彫像類の造形といい、ちょっとした取っ手やら小道具やらのデザインといい、マクロからほんの些細な細部にいたるまで、もうひたすら凝りまくっていて大満足。スケール感もタップリで、こういった「異世界の構築」に関しては、昨今のCGIの発達は、本当に目覚ましい貢献をしているなぁ〜と再確認。
お話しとしては、次から次へと色んなものを、あの手この手で見せてくれるんで、退屈はしないんだけど、ちょ〜っとまとまりに欠けるかな? 凄まじいヴィジュアル・パワーに圧倒されつつも、ドラマ的に一番引き込まれたのは「夜明けまでに宇宙船の格納庫までたどり着けるか?」という部分だというのが、この映画の特徴を如実に表しているような気が。一つ一つのエピソードは面白いんだけど、それがリンクしてストーリーを構築していくという点が弱い印象。あ、でもラストの落とし方は好きです。
個人的な好みから言うと、どうせならもっともっと大風呂敷拡げて、ハッタリもガンガン効かせて、ナニガナンダカワカンナイくらいのレベルまでいっちゃって欲しかったけど、でもまあ、これだけの美術を見せてくれたという点だけでも、私的には大いに満足。
あと、ヴィン・ディーゼル君。ガタイの良さはもちろんですが、何となく愛嬌があるから好き。ただ、劇中で着ている黒のタンクトップは、もうちょい背中のくりを深くして欲しかった(笑)。