『ジーザス』

ジーザス [DVD] ジーザス(1999)ケヴィン・コナー
“Mary, Mother of Jesus” (1999) Kevin Connor

 物語は、イエスの誕生以前から復活に至るまでを、マリアの視点をメインに、一時間半足らずという、ものすごいスピードで展開。
 見所は、特になし(おい)。まあ、洗礼者ヨハネとマグダラのマリアと盗賊バラバを同一シーンに登場させて処理するとか、山上の説教もなしにエルサレム入城してから磔刑までがビックリするほど猛スピードとか、アレンジや省略具合を楽しむといった意味なら、それなりの見所がないわけじゃないけど。
 しかしまあ、そもそもTVムービーだし、お手軽な絵解きやちょっと豪華な再現ドラマだと思えば、それなりに楽しめないわけでもない。固いこと抜きにすれば、ね。
 役者は、イエスがクリスチャン・ベイル。老いてからのマリアがシミ・スカイウォーカー……じゃなくて、ペルニラ・アウグスト。洗礼者ヨハネの母エリザベト役がトーニャ……じゃなくて、ジェラルディン・チャップリン。かつて『クリスタル殺人事件』『愛と哀しみのボレロ』『モダーンズ』あたりで親しんでいたお顔なので、元気でご活躍なだけで何だか嬉しい。
 監督はケヴィン・コナー。……って、どっかで聞いたことあると思ったら、よく考えたらローティーンの頃に見た『恐竜の島』(大好きなE・R・バローズの「キャスパック」シリーズの映画化と聞いて、ヨロコビ勇んで見に行って……ガックシ)、『地底王国』(これまたバローズの、しかも自分が一番好きな「ペルシダー」シリーズの映画化と聞いて……以下同文)の監督じゃんか! うっわ〜、なっつかし〜(笑)! 『アトランティス 七つの海底都市』とか『地獄のモーテル』とか『豪華客船ゴライアス号の奇跡』とかも、この監督だったよな〜。そうと判ると、この『ジーザス』も何となく愛おしくなってくる(笑)。
 で、私がコレを借りたのは、ずばりクリスチャン・ベイルがお目当てでゴザイマス。いや、『サラマンダー』と『リベリオン』で、思いのほか逞しいスジ筋ボディに惚れちゃいましてね(笑)、イエス役なら絶対責め場もあるだろうと、もう下心丸出しで(笑)。
 というわけで、以下は「不謹慎」な感想になりますんで、お嫌な方は読まれないように。
 一番楽しみにしていたのは「笞打ち」なんだけど、これはなくってガッカリ。え〜い、省略すんな!
 でも十字架の道行きは、なかなかグッドです。まず、珍しく上半身裸というスタイルなんですな。おかげで背中の笞跡も鮮やか。お次にこれまた珍しく、十字架を担ぐのではなく、外した横木に両腕を縛られたスタイル。こーゆー姿での引き回しってのは、けっこうマイ・フェイバリットの一つ。とどめは、首に縄を掛けられて、それ持って犬みたいに引きずり回し。いやぁ、こりゃあかな〜りオイシイ。ここだけでも借りた甲斐があった(笑)。この部分の尺が短いのは残念で、この調子で『パッション』みたいに延々とやってくれたら、もうヌレヌレだったのに(どこが?)。
 磔シーンは、特筆するほどのものはないけれど、とりあえず「髭面のクリスチャン・ベイルが腰布一丁で磔にされる」ってだけで、私的には既に目的達成(笑)。流血が控えめなので、無惨味よりは単なるボンデージっぽいですが。
 とゆーわけで、半裸のクリスチャン・ベイルの責め場を見る分には、それなりにお楽しみドコロが。
 こーゆー重厚感や悲壮感のカケラもない、お手軽でスピーディな展開ってのも、罪悪感なく下心に浸りやすいって意味では、あんがい悪くないのかも(笑)。