本家サイトの方にも書いたんですが、ここでも再度ご案内。
明日23日から、中野ブロードウェイ内の書店「タコシェ」にて、林月光こと石原豪人の原画展が始まります。
石原豪人といえば、妖美かつ精緻な画風で、少年誌から少女誌、文芸誌からSM誌、はたまた劇画や絵物語まで手掛けた、その圧倒的な画業の数々を指して「昭和の画狂人」と呼ぶ方もおられるほどの、戦後の大衆文化における一大絵師のお一人であります。
そんな『石原豪人』が、ゲイ雑誌およびノンケ向けSM雑誌に作品を発表なさる際のペンネーム、つまりエロティック・アートを手掛ける際の筆名が『林月光』です。
『石原豪人』の画業に関しては、昨年、弥生美術館で展覧会が開催されたり、また河出書房新社から画集が発売されたことが記憶に新しいですが、残念ながらどちらも『林月光』に関しては、キャリアの一つとして軽く触れられただけに留まり、その作品や芸術については、全くと言っていいほど取り上げられていませんでした。
今回の展示は、その『林月光』の画業にフォーカスを絞ったものであり、展示される作品もエロティック・アート、すなわち「さぶ」に発表された男絵や、ノンケ向けSM雑誌用に描かれた美女の責め絵などに絞り込まれています。
卓越した技術で描かれる、夢見るような瞳の美青年。肌を艶やかに光らせて、しなやかに伸びる裸身。耽美と怪奇とユーモアが混在する、独特にして濃密なエロティシズム。まるで、キャムプやクィアといった感覚を先取りしていたかのような、時としてキッチュなまでに飛躍するアイデア。
そんな貴重かつ美麗な原画を見ることができる、またとないチャンスです。
「さぶ」や初期の「バディ」で月光先生のファンだった方や、「June」で豪人先生のファンだった方はもちろんのこと、エロティック・アートを愛される方であれば、老若男女セクシュアリティを問わず、ぜひお出かけくださいませ。
展示に併せて制作された、図録の販売もあるそうです(因みに、私もちょっぴり寄稿させていただいております)。
また、この原画展に併せて、5月11日には高円寺の『円盤』にて「月光夜話」と題されたトーク・イベントも開催されます。これまた私、ちょっとしたお土産を持って参加させていただく予定です。
こちらの方も、興味とお時間のおありの方は、ぜひ足をお運びくださいませ。
以上二つ、期間・場所・時間等の詳しい情報は、主催の「タコシェ」のサイトへどうぞ。