地震とかDVDとか

 夕方の地震、けっこう大きくてビビりました。
 とりあえずタバコを消して、スリッパはいて(何かで地震の時はスリッパ必須と聞いたので)、本棚が倒れても下敷きにならなさそうな位置に移動したら、台所の方から何かドザドサ落ちる音が。
 後で落ち着いてから確認したら、DVDラックの上に横積みにしていた古いVHSテープが落っこってました。MTV関係(The OrbやらClannadやらブリジット・バルドーやら)とか、中古屋のワゴンセールで買った珍品映画(『犯(や)られた刑事(デカ)』やら『マルキ』やら)が、床に散乱(笑)。
 実際、我が家には、いたるところに本やらビデオやらDVDやらCDやらが、林立する蟻塚の如く突っ立っておりまして、地震の後、そんな状態を良く知る友人から「大丈夫? 本の下敷きになってない?」という、ご心配の電話が掛かってきたくらいで(笑)。
 そんな状況にも関わらず、やっぱり好きな映画がソフト化されると買わずにはいられないわけでして、しかも最近は、ネットショップで予約しておくと割引だったりもするもんですから、地震があった今日も、『サスペリア アルティメット・コレクションBOX』と『映画はおそろしいBOX』と『ドリームチャイルド』と『日本のいちばん長い日』が、ドドドッとまとめて届きました(笑)。
『サスペリア アルティメット・コレクション』は、事前に告知されていた「温度で色の変わるアウターケース」ってのが、いったい何のこっちゃいと思っていたんですが、届いた現物に触ってみて……納得!
 いやぁ、こりゃいいわ! こーゆー遊び心は大歓迎であります。嬉しくなって、相棒が仕事から帰ってきたら、さっそく「ね、ね、触ってみ!」とBOXを押しつけたりして。
 これを読んで「何のこっちゃい」と思われた方は、ぜひ店頭で現物に触ってみてくださいな。あ、でも『サスペリア Part 2』を見ていないと、この感激は判らないかも。
 で、今夜はさっそく『サスペリア』を鑑賞したんですが、うわ、画質がいい! 以前に出ていたDVDとは段違い! ひ〜、買い直して良かった!
 この『サスペリア』、昔は恐い映画が大の苦手だった私が、一気にホラー映画好きになってしまった思い出の一本だったりするもんで、このクオリティ・アップは実に嬉しい限りでした。
『映画はおそろしいBOX』の収録作の方は、浅学にして『生き血を吸う女』ってのはよー知らんのですが、残る『白い肌に狂う鞭』と『回転』は、もう念願のDVD化でしたから、もう嬉しくて嬉しくて。
 あ〜、あとは『血とバラ』や『チェンジリング』も出ないかなぁ。
 念願のDVD化というと、今回の『ドリームチャイルド』もそうでして、いやあ、よくぞ出してくださった!
 公開当時に劇場で一回見たきりなので、細部は良く覚えていないですが、小品ながら心に残る思い出の一本であります。
「不思議の国のアリス」の作者ルイス・キャロルの生誕百年祭に、かつてアリスのモデルであった老婆が呼ばれ、キャロルの思い出を語るという内容を、小説を再現した幻想シーン(『ダーク・クリスタル』『ラビリンス 魔王の迷宮』『ストーリーテラー』なんかのジム・ヘンソンが担当)を交えながら綴っていくんですが、キャロルのペドフィリアという部分にもしっかり触れつつ、最後にはしみじみとした余韻が残る。
 再見しても、そういった好印象が変わらないと良いんですけど。私の心の中では、現在、楽しみと不安がちょっと同居中。
『日本のいちばん長い日』も、これまたむか〜しテレビ放送で一度見たきりなんですが、暗い重い長いと三拍子揃いつつ、でも面白いかったし見応えあったし、特に緊張感とかスゴかった記憶があるし、三船敏郎の切腹シーンも脳裏に焼き付いている。
 今度はぜひ『血と砂』(やはり岡本喜八+三船敏郎+軍人モノ)をDVD化して欲しい。
 昨日は昨日で、ロシアに注文していたアレクサンドル・プトゥシコの『イリヤ・ムウロメツ(豪勇イリア/巨竜と魔王征服)』が届いたんで、早速鑑賞しました。
 イリヤ・ムウロメツと言えば、お好きな方なら「筒井康隆+手塚治虫」を思い出されるでしょうし、監督のプトゥシコも、人形アニメーション好きなら、人形アニメによるモブシーンが有名な『新ガリバー』、普通の映画ファンなら、ソ連初のカラー映画にして日本で最初に公開されたカラー映画『石の花』、カルト系やホラー好きなら『妖婆・死棺の呪い』でお馴染みでしょう。
 で、この『イリヤ・ムウロメツ』、私は初見だったんですが、ラストに出てくるドラゴン、怪獣世代の日本人なら間違いなく「あ、キングギドラ」って思いますね、きっと(笑)。ひょっとして、本当にこれが元ネタなのかしらん。
 モブやセットのスケールは惜しみなく、画面はそういった映画的なスケール感と、舞台的な様式美が美しく混淆し、ファンタスティック映画的な楽しさも満載。物語やキャラクターが、あくまでも民話的なシンプルさから逸脱しないのは、私的には楽しめたんですが、物足りなさを感じる方もいそうではあります。
 主人公のイリヤが、少なくとも最初は若者のはずなのに、どう見てもオッサンなのはご愛敬。まあ、こーゆーヒゲ熊オヤジが主演を張るファンタジー映画ってのは、私としては嬉しいけど(笑)。ラストのまとめが、いかにも「社会主義国家的」になってるのも、まあいたしかたなし。
 あと、ちょっと「SM的興趣」を擽られるシーンがあったのも、個人的にはお得感(笑)。
 嫌な方は、この段は飛ばすように。
 えーとですね、この映画ではロシア(キエフ)が蛮族(モンゴル人かタタール人か…とにかくアジア系)に襲われるわけです。で、その蛮族の首領が座している椅子が、いわゆる「人間椅子」なの。
 どーゆーものか説明しますと、鎖に繋がれた逞しい裸のロシア人奴隷(しかもヒゲ面)が、10人くらい円座になっていて、その肩の上に大きな円盤が乗っていて、首領はその上に胡座かいているんですな。で、首領はそこし座りながら、踊り子のダンスなんぞを鑑賞するんですが、その舞台も同じく「人間舞台」でね。裸の奴隷が身体で支えている。しかもこっちは、板の縁にはグルリと燭台が突き出ていて、そこに蝋燭が燃えてたり。
 こーなると私の頭は、「踊り子が踊るたびに、その動きと重みに背骨が軋み、しかも揺れる蝋燭から熱涙が、裸の肌に降り注ぐ……」なんての、自動的に脳内補完しちゃうもですから、もうムラムラでゴザイマス(笑)。
 まあ、もちろんそんな描写はないですけど、カラーの実写映画で、しかもけっこうなスケールでこーゆー絵を見せられるとね、なかなかくるものがあって、すっげー「得した感」アリでした(笑)。
 因みにこの『イリヤ・ムウロメツ』のDVD、ロシア盤とはいえ日本語字幕もしっかり入っています。
 版元のRUSCICOというところは、日本のIVCと提携しているらしく、このRUSCICO盤はけっこうIVCからコンスタントに国内発売されるんで(同じプトゥシコ監督の『サルタン王物語』は既に発売済み)、これも待てばそのうち日本盤が出るかも。あ、でも、だいぶ前にロシア盤が出た、初の米ソ合作映画『青い鳥』(光の女王がエリザベス・テイラー、夜の女王がジェーン・フォンダ、「贅沢」がエヴァ・ガードナーっつー豪華キャスト……なんだけど、映画自体は凡作。私は嫌いじゃないけど)とか、まだ日本盤が出る気配がないから、本当に出るかどうかは判りません。
 ただ、このIVCの出す国内盤って、ジャケが日本語になってるだけで、ディスクの中身はロシア盤と一緒。ロシア盤で日本語字幕が付いていない映像特典とかは、日本盤になっても字幕なしのまんまなので、私はたいがい待ちきれずに、ロシア盤を買っちゃってます(笑)。

巨竜と魔王征服 イリヤ・ムーロメッツ[DVD] 巨竜と魔王征服 イリヤ・ムーロメッツ[DVD]
価格:¥ 4,935(税込)
発売日:2006-04-26
青い鳥 [DVD] 青い鳥 [DVD]
価格:¥ 4,935(税込)
発売日:2006-06-30

 そうそう、あと個人的な偏愛映画の一つ、ルー・フェリグノのB級ファンタジー映画『超人ヘラクレス』も、続編と併せて2in1で、ようやくアメリカでDVD化されまして、注文してたのが数日前に届いたんですが、まあいいかげん長くなったので、その話はまたの機会にということで。

地震とかDVDとか” に1件のフィードバックがあります

  1. 円盤ゴミブログ

    『巨竜と魔王征服』

     田亀先生のblog(田亀源五郎's Blog)で、ロシアで『巨竜と魔王征服』DVDが出ていることを知る。
     田亀先生はインターナショナルな人なので、ヨーロッパだろうとロシアだろうと注文しちゃうぜ!な人なのだが、僕はチキンなのでそういうことはできない。せいぜいアメリカから買うくらいで、となるとIVCから日本版が出るまで待つか…、いや米Image Entertainment からも『ソラリス』や『水棲人間』『ドウエル教授の首』等ロシア映画は出ていた筈じゃないか。使ってる通販HPでロシアシネマで検索し…

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