明日8月5日から15日まで、渋谷の画廊「美蕾樹」で、画家の稲垣征次さんの個展『少年艶姿』が開催されます。
稲垣さんは、精緻極まる鉛筆画で、幻想的でエロティックな少年の絵を描き続けていらっしゃる画家。雑誌「薔薇族」をご覧になっていた方なら、その美しくも時に妖しい素晴らしい作品は、もうお馴染みのはず。
雑誌ではモノクロがメインでしたが、今回の個展は色鉛筆によるカラー作品がメイン。昨年の個展でも、やはり色鉛筆や油絵によるカラーの作品を出展しておられましたが、モノクロ画のあの精緻さはそのままに、色とりどりの宝石を散りばめたような、色彩のあでやかさ。おもわず息をのむほどでした。今回もおそらく、その絢爛たる幻想美を、再び披露してくださることでしょう。
作品には、描写の緻密さと完成度の高さもあいまって、エロティック・アートとしての魅力と同時に、例えて言えば石版画によるアンティークな博物画のような、硬質で凛とした工芸品的な美しさもあります。エロティック・アートのみに限らず、幻想美術全般がお好きな方、また、澁澤龍彦の『フローラ逍遙』とかエルンスト・ヘッケルの博物画とかがお好きな方にも、ぜひ一度ご覧いただきたい。
画廊の場所や開館時間、休日等の情報は、伊藤文學さんのブログに詳細があります。
現役の日本のゲイ・エロティック・アーティストの中では、間違いなくトップクラスの作家の個展、お見逃しのなきよう!