何だかいろいろありました

 さきほど、絵を一点描き上げました。個展をした(あ、会期は今月末までだから、まだやってるのか)パリのギャラリーの依頼による、注文制作の絵です。
 オーダー内容は、「ドラゴンと闘う聖ゲオルギウスのイメージで、HIV/AIDSドラゴンと闘うキャプテン・ベアーの姿を、浮世絵調で」っつー、けっこうワケワカメなものだったんですが、ルーベンスの絵をベースイメージにして、そこに北斎や芳年をミクスチャーしてみたら、けっこうスラスラと楽しく描けました。
 描き上がった絵は、限定生産のエスタンプになって、来月10日頃から始まるギャラリーの企画展で、展示販売される予定です。流石に今回は渡仏はしませんが、サイン入れとナンバリングはしなきゃならない。DHLか何かを使って、刷り上がったものを日本に送ってもらい、サインとナンバーを入れて、アーティスト・プルーフを手元に置いて、残りをフランスに送り返す……ってな、ちょいと面倒なやりとりです。
 今回は完全な企画モノで、ゲイものだけどエロ抜き、コンセプト重視なのにコマーシャル・マーケット向けではないという、過去にやったことのないタイプの仕事。ちょいと戸惑いもありましたが、未体験だったぶん、新鮮な気持ちで絵を描けたような気もします。
 個展用に描いた「七つの大罪」連作同様に、日本での発表予定がないのは残念ですが、ま、そのうちどこかでお見せする機会もあるでしょう。
 どーでもいいことですが、パリ滞在中にオリヴィエのマシンガン・トークには、だいぶ慣れたはずだったんだけど、やはりブランクを挟んで、しかも国際電話越しの会話だと、そんな慣れなんてすっかりすっ飛んで、またアタフタ状態に逆戻りです(笑)。

 さて、これと関連したイベントで、六月の頭にパリで開かれるParisBearsなるベア・イベントにも、ちょっくら関与してます。まあ、関与っつーか、イベントのキー・ヴィジュアルに絵を提供した……ってな程度ですけど。
 こっちは旧作の流用。パリの個展にも出品したもので、だいぶ昔に『薔薇族』で描いた絡み絵の一部分。デザイン処理の関係なんでしょうね、画像の天地が90度回転していて、しかも左右反転されている。ひぃ、デッサンが……(笑)。どんな感じかは、ParisBears のサイトで見られます。
 このイベント、フランスのみならずヨーロッパ近郊諸国も集客対象らしく、去年だか一昨年だかに開催されたBarcelonaBearsのときは、かなり大規模に盛り上がったそうな。この時期に渡欧予定のある方、または欧州在住の方、よろしかったら遊びに行ってみては?
 私も行きたいけど、経済的にも時間的にも、さすがにそうそう渡航ばっかしてられないからなぁ。

 フランス絡みだと、ちょうど先週、ジャーナリストのアニエス・ジアールが、新しい本の取材のために来日したので、新宿で会ってゴハン食べました。
 でも、会話がフランス語になると、完全にオイテケボリ状態なので、うむむ、こうフランス絡みのあれこれが多いと、少しはフランス語も勉強しなきゃいけないかしらん。因みに私、先日のフランス行きで最初に覚えたフランス語は「ラディシォン・シルブプレ!(お勘定お願いしま〜す!)」というヤツでした(笑)。
 アニエスの来日に伴って、ちょいと彼女から頼まれごともされまして、そのために動いたり人を紹介したりもしました。これがきっかけで、また何か面白いことに繋がるといいな〜と思います。逆に、私のほうもアニエスから面白い方を紹介して貰ったので、これまた何か新しいことに繋がるかも……と、ちょっとワクワクしてます。

 更にこれらとは別件で、先週から今週にかけて、複数の話がドドドッと動き出しました。ほぼ決定したものから、まだまだ先が遠そうなものまで様々ですが、確定したものから順次発表できると思います。まぁ、全部ポシャっちゃって、発表することが何もなくなった……なんてことも、全くないとは言い切れませんが(笑)。
 そんなこんなで、現状は特に忙しいってほどでもないのに、気持ちだけが何だか忙しい気分になった二週間でした。