明日10月12日、オークラ出版さんから単行本『ウィルトゥース』が発売されます。収録作品は「雄心〜ウィルトゥース」「雪原渺々」「誰にも言えない」の三本。
版形は、一般の青年コミックなんかと同じB5版。これまでの私の単行本と比べると、一回り小さなサイズ。お値段も、648円+税というお手ごろ価格。
装丁の方も、アクアコミックスというレーベルなので、その基本フォーマットは決まっているんですけど、その中での自由度はけっこう高かったので、デザイナーさんにお願いして、カバーの折り返しとか口絵とか、いろいろ楽しんで凝らせていただきました。
表題作でもある『雄心〜ウィルトゥース』は、古代ローマを舞台にした、二人の剣闘士のお話。アンソロジー「激男」で連載していたものの、諸般の事情で中断してしまった作品です。自分では、かなり「意欲作」のつもりでしたから(まあ、どこがどう意欲的なのかは、言わぬが花ですけど)、未完になってしまったときは、本当に悔しかった。
それを今回、最終章を描きおろし、無事完結させることができました。他にもちょこちょこ手を入れていて、総加筆枚数は42枚、総計は124ページという、内容もヴォリュームも、読み応えのある中編になったと思います。
繰り返しになりますが、とにかく、無事に完結できたこと、そして単行本として世に出せたことが、本当に嬉しい。しかも、中断〜未完といった経緯も、今となっては災い転じて福となった感があり、連載の制約から離れた描き降ろしという形で完結させることによって、当初予測していた以上に、作者として満足度の高い作品になりました。
同時収録の『雪原渺々』は、アンソロジー「肉体派」に描いたもので、日露戦争を舞台にした軍人もの、『誰にも言えない』は、雑誌「Super SM-Z」に描いた、現代もののソフトSMです。
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