単行本『ウィルトゥース』発売記念……ってなわけでもないですが、古代ローマつながりで、春にカルタゴに行ったときに撮った、ローマ遺跡(とフェニキア遺跡)の写真を、スライドショー仕立てにしたムービーをアップいたしませう。遺跡とか旅とか歴史とかに興味のある方、よろしかったらご覧くださいませ。
例によって、ビデオ編集と音楽も手作りでゴザイマス(笑)。
古代ローマ帝国の遺跡というと、本家本元のローマには、もうかれこれ20年以上前に一度行ったきりなんですが、初めての海外旅行だったせいもあって、コロッセオのスケールには圧倒されたし、フォロ・ロマーノを散策したのがすごく楽しかったことは、今でも良く覚えています。
イタリア本国以外では、トルコで見たベルガマ(ペルガモン)の円形劇場が、山の斜面に作られていて、急勾配の上に反対側には何にもないもんだから、今にも転がり落ちてしまいそうで超怖かったのと、同じくトルコのエフェス(エフェソス)のやはり円形劇場が、もう余りの巨大さにカメラのフレームにもぜんぜん収まらなかったことなんかが印象深いです。
そのとき撮った写真。左がペルガモン、右がエフェソスです。
あと、ヨルダンのジェラッシュに行ったときは、とにかくどこもかしこも柱だらけで、何だか建物を建てるために柱を立てたんじゃなくって、まるで柱を立てるために建物を建てたみたい……なんて思ったっけ(笑)。
左がジェラッシュの列柱通り、右が大神殿(……だったかな?)
カルタゴのように、ローマに滅ぼされた遺跡や、あるいはローマの支配下にあった遺跡というと、これはやはりシリアのパルミラとヨルダンのペトラが最高だったなぁ。ただ、パルミラでは、砂漠のド真ん中だというのに雨に降られてビックリしました(笑)。
これは、二枚ともパルミラ。右の写真、雨で路面が濡れています。
ペトラは、何と言ってもエル・カズネが有名なので、お目当てはもちろんそれでしたけど、いざ行ってみたら、その奥にまだまだ山ほど遺跡があり、山の上に上るとエル・カズネよりもずっと巨大なエド・ディルなんてものもあるし、山頂から周囲の山々を見回すと、砂漠のあちこちの岩壁に、風化して半ばとろけたような岩窟遺跡が点在してるわで、そのスケールに大興奮しましたっけ。
左から、有名なエル・カズネ、その奥の遺跡群、エド・ディル、山頂から見た遺跡群。
あと、ここいらへんをウロウロしていたときは、私は貧乏気ままなバックパッカーだったもんですから、遺跡とかでボケ〜ッとしていると、現地の人たちに声を掛けられて、ひととき仲良くなったりもするんですな。で、パルミラに行ったときも、そんな感じで、地元のトラック野郎の集団に声を掛けられて、お昼ご飯(アラビアパンと何かの実の漬け物だった)をごちそうしてもらいました。
これがそのシリアのトラック野郎どもなんですが、確か「お前の仕事は何だ」と聞かれて、「画家だ」とテキトーに応えたら、「俺の顔を描け」「俺も描け」ってな具合で、こいつら全員の似顔絵を描かさる羽目になってしまった。で、アラブ人って似たような顔つきだから、描きわけが難しくってねぇ(笑)。
しかし、こうして改めて写真を見ると、自分の若さと細さの方がビックリですな(笑)。誰だこりゃって感じ(笑)。まぁ、まだ20代だったし、体重に関しても、このときは長期の貧乏旅行のおかげで、日ごと自己最低体重を更新してましたから。
因みに、一番右の写真で私が頭にかぶり物をしているのは、これはこの中の一人が、自分の頭のやつを解いて、「お前もかぶってみろ」と巻いてくれたんです。