前回の記事に絡めて、私が実際にトロイアの遺跡(現トルコのトゥルヴァ)に行ったときの写真なんぞを、いくつかアップしてみませう。
私がトロイアを訪れたのは、1991年から92年にかけて、インドからエジプトまで陸路横断旅行をした途中のことででした。
この写真は、トゥルヴァの街の全景。
92年の元旦、イスタンブールに宿をとっていた私は、長距離バスに乗ってトロイア遺跡の観光に行きました。ところが元旦というせいもあって、遺跡まで行くバスがなく、国道だかハイウェイだかで途中下車して、あとは遺跡まで雪道を、えっちらおっちら1時間ほどかけて歩くはめになりました。
遺跡の入り口では、こんな感じで「トロイの木馬」がお出迎え。もちろん観光用に新たに作られたものなので、私が行ったときには、まだまだ真新しい感じでした。
いちおう脚の間の梯子を登って、木馬の中に入れるようになっています。窓がついていることからもお判りのように、ちょっとした展望台になっているというわけ。この写真でも、てっぺんからどなたかの顔が覗いていますね(笑)。
トロイアの遺跡は、こんな感じで石組みが残っているくらいで、いわゆる遺跡遺跡した美しい建造物とかは残っていません。何かの工事現場だと言われたら、そう信じてしまいそうなくらいで、スケールもさほどない。
歴史や神話にある程度の思い入れがないと、観光してもさほど楽しめないかもしれません。
ただ、その「何も残っていない」ことが、逆に「兵どもが夢の跡」といった情緒もかき立ててくれるという側面もあります。
しかも私が訪れたときは、ご覧の通りのかなりの荒天だったので、その荒涼としたムードも、いや増しに強調されました。個人的には、けっこうロマン気分に浸れた印象の深い場所です。
で、遺跡の中にはお便所もあるんですが、これがそのサインボード。
男女の表示が、ちゃんとパリスとヘレネーになっているという、洒落っ気が楽しかった(笑)。
身体が冷えたのでここでオシッコして、その後は、雪道を再度えっちらおっちらと戻り、バスを摑まえてベルガマ(ペルガモン)へと移動しました。