「チェレプニン:ピアノ協奏曲第1番, 第3番/祝祭音楽/交響的行進曲」アレクサンドル・チェレプニン
チェレプニンという作曲家については、チェレプニン賞という名前や、伊福部昭や早坂文雄のお師匠さんだということくらいしか知らなかったんですが、CD屋の試聴機で本盤を聴いてみたところ、一曲目の「ピアノ協奏曲第1番」の冒頭だけで、もう虜になっちゃいました。
民俗楽派を思わせるエキゾチックで力強い、ストリングスによる導入部が、もうムチャクチャかっこ良くてツボを押されまくり。そしてピアノが華麗に登場し、曲は時にゆったり、時にグイグイとドラマチックに展開していきます。ちょっとリムスキー=コルサコフみたいだな〜、なんて感じもあり、メロディも良く、久々の大当たり。
「第三番」の方は、もう少しコンテンポラリー寄りで渋め。「祝祭音楽」は、その二つの中間といった味わい。「交響的行進曲」は、再び明快でダイナミックでかっこ良い。
とゆーわけですっかり気に入ったので、これから他の作品も聴いてみることにします。
「ピアノ協奏曲1番、他」アレクサンドル・チェレプニン (amazon.co.jp)
「大草原を耕す鋤/河」ヴァージル・トムソン
これは全く知らなかったんですが、アメリカ近代の作曲家で、この二つはそれぞれ1930年代に制作されたドキュメンタリー映画用に書かれたスコアだそうな。確かにアメリカの農村風景を連想させるような、壮大でありながら、どこかフォークロリックな素朴さも感じさせるオーケストラ曲。
二曲とも、フォスターを思わせるような優しいメロディーや、民謡や賛美歌から引用された懐かしげな主題が、優美に、ユーモラスに展開していく様は、何とも楽しくて愛らしい。近代アメリカらしく、ブルーズの要素なんかも入っていて、そこだけ聴くとムード歌謡みたいな味わいもあったり(笑)。
たまに、恣意的に使用されている現代風の和声が、かえってメロディーの素朴な美しさの邪魔になっていたりもしますが、全般的には、これまたかなり好みの曲調でした。
因みに米ウィキペディアによると、このトムソン氏、ゲイだったらしいです。
「大平原を耕す鋤/河」ヴァージル・トムソン (amazon.co.jp)
「エイジアン・ルーツ」竹竹 with ネプチューン
アメリカ人尺八奏者のジョン・海山・ネプチューンが、竹のマリンバ、竹のパーカションなど、竹製の楽器だけのアンサンブルを率いて演奏しているアルバム。ジャズ&ワールド・ミュージック風味のニューエイジって感じ。楽器は違いますが、雰囲気的にはフェビアン・レザ・パネみたいな感じもある。
柔らかくて、どこか懐かしい感じのする竹製楽器の奏でる音は、それだけでも魅力的。純邦楽やインドネシア音楽がジャズ風にまったり混じり合っていく様は、なんとも自然で穏やか。自然すぎて、ミクスチャー音楽的なスリリングさには欠けるなぁ、なんて贅沢を言いたくなるくらい(笑)。とにかく気持ちの良い音楽。
夏の夕暮れに、まったり楽しむにはうってつけでした。ホクホク(笑)。
「エイジアン・ルーツ」竹竹 with ネプチューン (amazon.co.jp)
「鉄腕ゴライアス 蛮族の恐怖(サントラ)」カルロ・イノセンツィ
これまでも何度か紹介してきた、DIGIT MOVIESから出ているイタリアン・ペプラム映画・アンソロジー・シリーズ第九弾は、あの「鉄腕ゴライアス」が登場。う〜ん、このBlogでこの映画を取り上げるのは、これでもう何回目だろう(笑)。
この映画、アメリカ公開時には音楽をレス・バクスターのものに差し替えられていて、おそらく私がヴィデオやDVDで親しんでいたのもそっちだと思うんですけど、今回のCDは、差し替え前のカルロ・イノセンツィによるものを発掘、復刻したもの。
とはいえ、この映画の音楽で一番印象に残るテーマ曲は、私が覚えているものとメロディーも同じで、唯一違うのは、映画で入っていた男声コーラスの有無くらい。全体的には、正統派史劇映画の劇伴といった感じで、なかなか堂々とした味わい。戦闘シーンはブラスと打楽器でダイナミックに、ヒロイン関係は流れるようなストリングスでロマンティックかつエキゾチックに聴かせてくれます。
ただまあ、レス・バクスターが大好きな私としては、できればそっちの方も復刻して欲しいな〜、というのは正直なところ。
インナー・スリーブには、例によって各国版のポスターやロビーカート、スチル写真などの画像が載ってます。個人的には、ポスターだとこれが好きだなぁ、やっぱ(笑)。
「鉄腕ゴライアス 蛮族の恐怖(O.S.T.)」カルロ・イノセンツィ (amazon.co.jp)