前回に引き続き、今回も前々回に紹介したCDの追補で、シャハラーム&ハーフェズ・ナーゼリー編。
YouTubeにライブ・ビデオが幾つかあったので、二つほど見繕って貼ってみます。
CDと同じく、ペルシア古典楽器のみによるアンサンブル。
ケマンチェ(胡弓みたいなペルシアの擦弦楽器)がチェロとヴァイオリンに置き換わった、少し西洋寄りのアンサンブル。
改めて調べたところ、件のCD”The Passion of Rumi”の収録曲は、シャハラーム・ナーゼリーのMySpaceで、2曲が試聴可能でした。変拍子に乗せて9分以上繰り広げられる表題曲は、まさに圧巻。プログレ好きにもオススメです(笑)。
さて、これらが気に入った方には、こっちのアルバムもオススメ。
“The Book of Austerity” Shahram Nazeri + Farrokhzad Layegh
シャハラーム・ナーゼリーが、Farrokhzad Layegh(えーっと……ファロゥザード・ライェー? ははは、読めやしない)という、若手(46歳だから、古典音楽の世界だと、たぶん「若手」なんだと思う……)作曲家と組んだアルバム。
この作曲家は、ハーフェズ・ナーゼリー同様に、やはりペルシア古典音楽と西洋音楽を共に学んだ人のようです。こちらは、ルーミーのような古典ではなく、現代の詩人の作品をベースにしたもの。
アンサンブルは、ペルシア古典楽器による六〜七人編成。”The Passion of Rumi”では使われていなかったサントゥール(ツィンバロムやダルシマーみたいな打弦楽器)が加わり、この楽器の音が好きな私には嬉しいポイント。
知識がないのでアバウトな印象ですけど、音楽としては、ハーフェズ・ナーゼリーよりも伝統寄りな感じ。それとも、ひょっとしてこれは、クルド的な要素が希薄ってことなのかしらん……。う〜ん、ヨーワカラン(笑)。
エグゼクティブ・プロデューサーにハーフェズ・ナーゼリーの名があり、彼のMySpaceで4曲が試聴&ダウンロード可能。構成も複雑で聴かせる長尺の曲がないのが残念だけど、とりあえず、ダイナミズムやミニマル的な酩酊感なら”Ardor”、ECMとかの内省的な雰囲気な曲が好きな人だったら”Oceanic Chant”なんか、いかがでしょう。
“The Book of Austerity” Shahram Nazeri + Farrokhzad Layegh(amazon.co.jp)