“Madad” Mohamed Mounir

 一昨日からエジプトつながりで、私が大好きなエジプトのポップスのミュージック・ビデオを、YouTubeで見つけたのでご紹介。
 エジプトのベテラン歌手モハメッド・ムニールが、9.11の翌年、2002年に発表した、”Earth…Peace”というアルバムの一曲目で、世界平和を訴えるメッセージ・ソング(反戦歌でもあるので、プロテスト・ソングといった方がいいのかな?)です。
 モハメッド・ムニールは、1954年生まれのヌビア系エジプト人歌手。オフィシャル・サイトはこちら
 80年代末にワールド・ミュージック・ブームに乗って『オー・ババ』という日本盤が発売されたことがあるので、ご記憶の方もおられるかも。他の日本での紹介例は、日本公開されDVDも出ていた(現在は廃盤)ユーセフ・シャヒーン監督のエジプト映画『炎のアンダルシア』くらいなのかな。これに俳優として出演しており、劇中で歌も披露していました。
 正直、私もそんなにたくさん彼の歌を聴いているわけではないんですが、今様のエジプトのポップスと、ヌビア音楽の要素が混じり、更にエレクトロニクスとかも積極に取り入れた(確か、ドイツのエレクトロニクス系ワールド・ミュージックの、ディシデンテンとも繋がりがあったんじゃなかったっけか)、楽しくてダンサブルなポップ・ミュージックを演る人……というイメージでした。
 そんなわけでしたから、件のアルバム”Earth…Peace”を、たまに利用しているアラブ音楽の通販サイトで見つけて、この一曲目”Madad”を試聴したとき、えらくビックリしました。
 私の抱いていたイメージとは全く違う、ゆったりとした雄大な曲調。もちろん、ムニールの声は素晴らしいんですが、それに加えて、凝ったアレンジと感動的な展開。もうイッパツで魅せられてしまい、即CDを注文しました。
 届いてみると歌詞の英訳がついていて(YouTube映像にも、小さくて読みづらいけど、英語字幕が付いています)、それでメッセージ・ソング(宗教歌でもあります)だというのが判ったんですが、読みながら聞いていたら、また泣けちゃってねぇ……。
 というわけで、よく「埋もれた名曲」だの「誰も知らない泣ける曲」だのという言葉を聞きますが、私にとってこの”Madad”は、まさにそんな曲。
 映像版を見たのは、私もYouTubeが初めてなんですが、皆様にもお楽しみいただければ、と。

 アルバム”Earth…Peace”は、amazon.co.jpでは廃盤らしくプレミア値が付いちゃってますが、HMVオフィス・サンビーニャから購入可能のようです。