“The Savage Art of Bob Larkin (Volume One)”

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 最近買った画集、その1。
 アメコミのカバー画などを描いてきたアーティスト、ボブ・ラーキンの画集。米ウィキペディアによると、どうやら主にマーヴェルで仕事をしていた方のようですね。
 表紙はご覧のようなセクシーねーちゃんですが、中身は下にあるサンプルでお判りのように、半裸のマッチョや暑苦しい野郎どもばっかです。
 前にここここで書いた、コナンのアメコミ”The Savage Sword of Conan”のカバー・イラストレーションや、ドク・サヴェイジ、パニッシャー、ハルク、スター・トレック、スター・ウォーズから、聖書ネタ、西部劇ネタ、ヴェトナム戦争ネタまで幅広く収録。
 この出版社、女性のセクシー・ピンナップ画集ばっか出してるトコなので、表紙だけで中身を確かめずに買ったアメリカのスケベ野郎どもが、ページを開いて激怒しないか、他人事ながら心配になってしまう、そのくらい男絵ばっかだった(笑)。

 画風としては、コテコテのアメリカン・リアリズム、パルプ風味。
 特に目立った個性はないタイプの絵ですが、とにかくリアリズム的に達者なので、それ系が好きな人だったら、文句なく楽しめるはず。作品ごとに出来不出来もなく、職人芸的なイラストレーションを堪能できます。
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 強いて言うなら、いかんせん画風がクラシカルなリアリズムなので、原色使いの奇抜なコスチュームのアメコミ・ヒーロー系は、ちょっと収まりが悪い感じがする程度。あと、パルプ系の色彩感覚(乱暴に説明すると、ちょっとケバくてドギつい感じ)が、私はそーゆーのも大好きなんだけど、苦手な方もおられるかも。

 画集としては簡素な造りで、サイズはA4強の大判ですが、ソフトカバーで、ページ数も64ページと少なめ。
 テキストも、序文(ジョー・ジャスコ)と後書き(アレックス・ロス)のみで、バイオグラフィーすらないのには、ちとビックリ。
 反面、絵は誌面をフルに使って、ページ1〜4点の割合でふんだんに入っているので、薄さのわりには、満足感はけっこうあります
 高級感はないけれど、画集としては、決して悪くないという感じ。
“The Savage Art of Bob Larkin, Volume One”(amazon.co.jp)
 いちおう日本のアマゾンでも扱っていますが、現状マーケット・プレイスのみ。約20ドルの本なのに、5000円以上ふっかけている業者もあるので、要注意。
 アメリカのアマゾンだと、在庫アリなんだけどなぁ……。

 この画集の序文を書いている、同傾向のイラストレーター、ジョー・ジャスコの画集も、最近購入したので、近日中に紹介記事をアップ予定。
 お楽しみに(笑)。