最近知ってお気に入りになった、アメリカのミニマル・ミュージック(米Wikipediaによれば、ポスト・ミニマル世代に属するらしい)の作曲家による、お気に入りのアルバム二つ(まだそれだけしか見つけられない)をご紹介。
“Pulse Music III / Vanishing Points / A Cappella” John McGuire
電子音のミニマル・ミュージック。
とにかく、1曲目の”Pulse Music III”が気持ちいい! キラキラした電子音が光の粒のように空間を飛び交い、反復とズレを繰り返しながら、綾織りのように楽曲を埋め尽くしていく。
現代音楽好きのみならず、テクノやエレクトロニカ好き、古いところだとクラウト・ロック好きにも、ぜひオススメしたい逸品。
2曲目の”Vanishing Point”は、同じ電子音ながら”Pulse Music III”とはうって変わって、音の間合いをたっぷりとった導入から始まり、その隙間をアルペジオがスピードを変えながら埋めていく。ちょっと、ダニエル・レンツを思い出させる雰囲気で、これまたかなりキモチイイ。
3曲目”A Cappella”は、サンプリングされループする人声に、ソプラノのヴォカリーズが寄り添う、これまたちょっとダニエル・レンツっぽい美曲。レンツの”Missa Umbrarum”がお好きな方、せひお試しあれ。
CDは、アマゾンだとプレミア付いてるのか、スゴい値段になっちゃってるので、リンク先は私も利用したMeditationsのサイト。試聴もできる親切設計です。
“Works for Instruments” John McGuire
上のアルバムがすっかり気に入ったので、他にはないかと探して見つけた、二枚組CD。今度は、アコースティックの管弦楽曲集です。
1枚目の1曲目、28分近い”Cadence Music”は、スティーヴ・ライヒの直系といった感じの、陶酔的で楽曲としても美しい、21の楽器による堂々たる管弦楽曲。演奏もアンサンブル・モデルンなので、極めて高品質。ちょい、バロック的な典雅さも感じられるあたりは、マイケル・ナイマンに似た感触も。
2曲目”Exchanges”は、弦楽四重奏とソプラノのヴォカリーズによる16分半の曲で、さながら、先の”Vanishing Point”や”A Cappella”の人力版といった趣。目まぐるしくテンポを変えながら、掛け合いのように繰り返される演奏が、かなり聴き応えあり。
2枚目の1曲目”Decay”は、8つの金管楽器のための楽曲で、不協和音を多用した、ちょっと不穏な感じがする曲。
2曲目の”Frieze”は、4台のピアノのための曲。曲調は前の”Decay”と似た感じで、さながら人力サンプリング・ループといった味わいも。この二曲は実験性が前に出ている感じ。
3曲目の”Music for Horns, Pianos and Cymbals”は、いや〜、これは素晴らしい! 先の”Exchanges”同様に、シンプルなフレーズが、掛け合いのように絡み合いながら展開していくんですが、その酩酊感と高揚感が実に美しく、かつドラマチック。かなり感動しました!
そんなこんなで、こちらもまた、ミニマル・ミュージック好きだったら聴いて損はない内容です。上のリンク先はMeditationsの商品ページですが、日本のアマゾンでも入手可能。