“Cantus Buranos II” Corvus Corax |
前にここで紹介した、何故かヘビメタ好きにウケている(らしい)、ドイツの古楽演奏グループCorvus Coraxの、昨年発売されたアルバム。カール・オルフが楽曲化したことで有名な中世詩歌集『カルミナ・ブラーナ』を基に、オルフとは異なった新たなオリジナル楽曲として作曲演奏するプロジェクトの、これが二枚目らしいです。
メンバーによる古楽器の演奏だけではなく、大規模なオーケストラとクワイヤを導入。というわけで、荘厳さが格段にアップ。同時に、大仰さも大々的にアップ(笑)。
感触としては、楽器構成やヴォーカルなんかはクラシック寄りなんですけど、曲のノリは相変わらずロック的なので、オーケストラ曲なのに、ヘドバンしたくなってきます(笑)。
ヴォイチェフ・キラールのオッカナイ系楽曲好き、エピック映画のバトルシーンみたいな派手目な映画音楽好き、荘厳でゴシックな雰囲気が好き、大仰なプログレが好き……なんて方々にはピッタリかと。
“El Che Vive!” various artists |
チェ・ゲバラへのトリビュート曲を集めたオムニバス盤。カルロス・プエブラ(Carlos Puebla)、ヴィクトル・ハラ(Victor Jara)、アタワルパ・ユパンキ(Atahualpa Yupanqui)、マリア・ファラントゥーリ(Maria Farandouri)なんかの歌を18曲収録。19トラックめには、演説するゲバラの肉声も。
キューバ、チリ、アルゼンチン、ウルグアイといった、ラテン・アメリカ諸国のミュージシャンが主ですが、ギリシャやフランスやロシアといった国のものも数曲あり。
個人的には、マカロニ・ウェスタンの主題歌みたいなPatricio Manns(パトリシオ・マンス?)、切々としたユパンキ、フォルクローレっぽいAngel Parra(アンヘル・パラ?)といった曲が気に入りました。逆に苦手だったのは、ミュージカルの舞台みたいなMiguel Angel Filippini(ミゲル・アンヘル・フィリピーニ?)の二曲。
ハードカバーのデジパック仕様で、本体と一体化したブックレットは、ゲバラのミニ写真集的な趣もあり。ただ、歌詞の英訳が付いていないのは残念。このテの歌は、やっぱり詩を理解しないで聴いても、あまり意味がないからねぇ……。
“Il Ladro di Bagdad” Carlo Rustichelli |
DIGIT MOVIESから出ている、イタリア製ソード&サンダル映画の復刻サントラ第13弾、スティーヴ・リーヴス主演の『バグダッドの盗賊』。
映画の方は、色彩感覚がカラフルでポップで、ファンタジックで愛らしくて、内容もそこそこ楽しめるとゆー、軽〜い娯楽作。音楽の方も似た感じで、軽〜くイージーリスニング的には楽しめます。
ただ、映画が「そこそこ」止まりなように、音楽も、やっぱ「そこそこ」。プラスαの魅力や、特徴には欠けるかな。とはいえ、映画の題材が題材なので、音楽の方にもエキゾチカ風味があるのは、個人的には嬉しいところです。
CDは、いつものようにピクチャーディスク仕様で、ブックレットにもスチル写真がアレコレと。リーヴスの脱ぎ場も責め場もロクにない映画だったハズなのに、裏ジャケとかディスクの下とかいった目立つ場所に、それぞれセミヌードやら首を絞められてる格闘シーンとかが載ってるのは、マニア向けのサービスかしらん(笑)。