『青銅の騎士』グリエール

Reinhold Gliere: Bronze Horseman Suite/Concerto for Horn & Orchestra, Op. 91 『組曲 青銅の騎士/ホルン協奏曲』レインゴリト・グリエール
“Bronze Horseman Suite / Concerto for Horn and Orchestra” Reinhold Gliere
(Sir Edward Downes / BBC Philharmonic)

 訳あってプーシキンについて検索していたら見つけたクラシック音楽で、面白そうだったので購入。
 寡聞にして、私自身はこの作曲家の名前は初耳で、つい「何じゃそのチーズみたいな名前は」とか思っちゃったんですが(笑)、この『青銅の騎士』という曲、吹奏楽では有名らしいです。
 Wikipediaによると、グリエールは帝政末期のロシアからソビエト時代にかけて活躍した作曲家で、タネーエフの弟子で、プロコフィエフやハチャトゥリアンのお師匠さんとのこと。
 曲の方は、ロマン派+国民楽派といった感じ。判りやすくキャッチーなメロディーライン、カラフルで華麗なオーケストレーション、処々で顔を出すスラブ的な雰囲気……と、かなりツボのド真ん中を押される好みの作風。
 どうも、検索して判ったことを総合すると、革新性や独自性という意味では特筆すべき個性がなく、かつ当時でも既に時代遅れな作風だったために、忘れられ埋もれてしまっていたけれど、それらを抜きにして改めて振り返ると、親しみやすい佳品をいろいろと残した作曲家……ってな感じなのかな?
 バレエ音楽を基にした組曲『青銅の騎士』は、序曲の「まんまワーグナー!」なカンジにはちょっとビックリしましたが(笑)、その後繰り広げられる、活気のある情景では思いっきり楽しく、ロマンティックな情景では徹底的にウットリさせてくれる、メロディアスな曲の数々にすっかり魅了されました。とても視覚的な楽曲揃いで、リムスキー=コルサコフとか連想したり。
 中でも、ストラヴィンスキーの『ペトルーシュカ』から前衛性を抜いたとゆーか、あるいはケテルビーの『ペルシャの市場にて』を本格的にしたとゆーか、そんなカンジの第三曲(トラックは7番目)「踊りの場」なんか、特に好きだなぁ。
 あと、ラストを飾る壮大な第九曲(トラックは13)「偉大なる都市への賛歌」は、聴いていると、こちとらロシア人でもサンクトペテルブルグ市民でもないのに、ついつい愛国心に燃えちゃったりして(笑)、そのくらい気分が盛り上がります。
 カップリングの『ホルン協奏曲』も、聴き応えという点ではそれほどではないにせよ、やはりメロディアスで華麗で優美。時に柔らかく時に力強いホルンの音色や、キラキラしいオーケストレーションは、けっこう楽しめました。
 というわけですっかり気に入った(特に『青銅の騎士』は)ので、同じ作曲家の、やはりバレエ曲を基にした組曲『赤いケシの花』と、好みの題材を扱っている『交響曲第三番 イリヤ・ムーロメツ』を聴いてみたくなり、CDを追加注文。
 早く届かないかな〜♪