つれづれ

 フランスの出版社H&Oから、「GOKU(『君よ知るや南の獄』の仏題)の3巻を、今月18日に出すよ」と連絡あり。
 この本は、翻訳段階で大きく躓いてしまい、発行が遅れに遅れてしまったんですが(最初の翻訳者が仕事を途中で放り投げて失踪してしまったのだ)、今年の1月は1巻が無事発売されてからは、こうして残りも順調なペースで進んでくれて、とりあえずはホッと一安心です。
 この3巻の発売と同時に、全3冊を収納できるボックスも出る予定。彼らは「コフレ」と言っていましたが、仏話辞典にある「化粧品や宝石を入れる小箱」って説明とは、だいぶイメージが違う(笑)。だって、カネボウの化粧品で「コフレドール」ってのがありますが、あの「コフレ」と同じ「コフレ」だし(笑)。
 本の詳細等は、手元に本が届くなり、H&Oのサイトに動きがあるなりした時点で、また改めてお知らせします。
 また、これと並行してH&Oとは、次の仏訳版マンガや新しい画集の話なんかも進行中なので、こちらも具体化したら改めて。まぁ、いつになるかは判りませんけど(笑)。

 これとは別件で、やはりフランス相手の打ち合わせが一つ。日本のマンガの研究書シリーズを出している小さな出版社で、そのエディターが来日したので、近所の茶店でミーティング。
 ここの出しているマンガ研究書シリーズは、第1弾のテーマが「BL」(このときちょっとお手伝いしました)、第2弾が「手塚治虫」(パリで本を貰ったんですけど「手塚治虫のカーマスートラ」なんつー思っくそ面白そうな章もあるのに、フランス語だから読めないのがチョー残念)でした。今回の話は、次はマイナー系だかアングラ系だかという括りで本を出すので、またそれに協力して欲しいという内容。
 まあ、発行予定はまだまだ先のことのようで、無事に出るのかどうかも判りませんが、自分に出来ることなら協力はしますよ、と、お返事。
 このエディターさんが、今年の5月にもパリで会った人なんですが、日本語ペラペラ読み書きもOK。メールも会話も全て日本語なので、コミュニケーションが楽チン(笑)。ついつい話も弾んで、フランスでの日本のマンガの出版事情とか、BLがどう受け止められているかとか、いろいろ面白い話も聞けました。

 今日見たDVDは、これ。

今日も僕は殺される デラックス版 [DVD] 『今日も僕は殺される』(2007)ダリオ・ピアーナ
“The Deaths of Ian Stone” (2007) Dario Piana

「今日、僕は殺された。そして、明日も殺される…。 目が覚めるたびに始まる何事もない一日。しかし、その結末には必ず無残な「死」が待っている。 覚えているのは、殺された時の絶望的な恐怖感だけ。僕は殺されるために生かされているのか? ループする「死日常」の果てに訪れる闇の真実とは…?」なんて惹句から、ホラーかミステリーかサスペンスか、はたまた不条理系かと思ったんですが、蓋を開けてみたら、どっちかというとダーク・ファンタジー系+モンスターものといった感じの内容でした。
 しかも、モンスターものしても、かなり古典的なスタンス。ドラキュラのバリエーションと言っても良いくらいで、結末(というか解決法)も今どき珍しいくらいの直球勝負。オチに驚くんじゃなくて、ヒネリのなさにビックリしちゃったくらい(笑)。
 正直、シチュエーションの面白さのわりに、ストーリーはそれを生かし切れていない感が強いんですけど、テンポは良いし、演出自体も佳良なので、ダレたり飽き足りすることもなく、楽しく一気に見られました。全体のムードも、奇妙な物語系の不穏な空気に、モダン・ホラー的なソリッドさを上手く混ぜた感じで、なかなかヨロシイです。

 でまあ、私の一番のお目当ては、主演がマイク・ヴォーゲルだってことなんですけど、相変わらず、いまいちアクに欠けるハンサム君のせいか、アイスホッケーのエースプレイヤーだったりビジネスマンだったり、すっきり清潔でキレイなシチュエーションだと、さほどいいとも思えないんですけど、寝不足のタクシー運転手やジャンキーの帰還兵とかいう、ちょいと薄汚れたシチュのときは、やっぱなかなかセクシーでカワイイ(笑)。もうちょい歳くって男臭さが身に付いたら、上手くいけば、今のポール・ウォーカーみたいな、個人的なご贔屓男優になってくれるかも。
 で、そんなマイク・ヴォーゲル君が、手を替え品を替えして、あれやこれやとブチ殺されてくれるので、そこは無条件で嬉しかった(ヘンタイ)。ただ、残酷描写としては、今どきの映画としては比較的大人しめ。
 殺しじゃない責め場としては、病院のベッドに頭と手足を枷で拘束されて、上半身裸でアレコレ拷問されるシーンがあるので、医療器具系SM好きにはちょっとオススメ。ジャケ写にもなっている頭を固定する器具とか、今度自分のマンガでもこーゆーの使ってみたい(笑)。