“The Celtic Viol” Jordi Savall

The Celtic Viol “The Celtic Viol” Jordi Savall

 スペインの古楽系音楽家、ジョルディ・サヴァールが、古楽器ヴィオル(ヴィオラ・ダ・ガンバ、ジャケ写のヤツ)でケルト音楽を演奏したもの。
 アンサンブルは、サヴァールのヴィオルと、アンドリュー・ローレンス=キングという人のアイリッシュ・ハープとプサルテリウム(やはり古楽器で、ハンマーダルシマーやサントゥール系の打弦楽器らしいです)のみという、シンプルなもの。
 アカデミックな人の演奏だけあって、素朴さは残しつつもフォークロリックな荒さはなくて、とても洗練されていて典雅な味わい。全体の感触は、やはり古楽のそれっぽい感じですが、そこにトラッド的な郷愁感が加味されていて、聴いていてかなりウットリ。
 トラッド好きには、お行儀の良さがいささか物足りなく感じられるかも知れませんが、古楽風のアプローチによるトラッドという意味でで、例えば、ジョン・レンボーンの”The Lady and the Unicorn”なんかがお好きな方は、ぜひお試しあれ。
 古楽やトラッド云々を抜きにしても、アコースティックで落ち着いたインストゥルメンタルとしても実に美麗で、しかも内省的な雰囲気もあるので、ECMとかが好きな方にもオススメ。
 カタルーニャの修道院で録音されたという、楽器の音色の良さも特筆もので、繊細な響きの美しさや、そのリアルさには、思わず息をのみます。

 因みに、同じ曲をベテランのトラッド/フォークバンド、The Dublinersが演ると、こんな感じになります。

The Best of the Original Dubliners The Best of the Original Dubliners
価格:¥ 1,437(税込)
発売日:2004-04-13