“NeyNava / Song of Compassion” Hossein Alizadeh |
”Nay Nava”は、ペルシア音楽の大物、ホセイン・アリザーデが、1983年に発表した、ネイ(ペルシアやトルコの葦笛、ナーイとも)と西洋楽器のオーケストラのために書かれた、いわば「ネイ協奏曲」。
民族音楽的なメロディと西洋的な和声が融合し、時にもの悲しく時に壮大に展開していく、5楽章からなる大曲。ネイはスーフィズムで良く用いられる楽器でもあり、実際この曲もそういったモチーフに基づいているので、ドラマティックだけれど内省的な雰囲気があります。
基本のメロディにアジア的な「泣き」があるので、聴いているとエモーションに訴えかけてきて、しかも実に美しい。
まあ論より証拠、下のYouTubeクリップでご確認あれ。”Ney Nava” から”Overture”です。
カップリングの”Song of Compassion”は、ぐっとペルシア音楽寄りの作品。
”Ney Nava”は西洋オーケストラ+民族楽器のソロでしたが、こちらは全てペルシアの民族楽器によるもので、”Ney Nava”では使われていなかった微分音も出てきますし、歌も入っている。打楽器もふんだんなので、民族音楽のざらついた音色とも相まって、グッとエネルギッシュな雰囲気。
ペルシア音楽に馴染みがないと、ちょっと音階とかが不思議な気がするかも知れないですが、いったん好きになると病みつきになるので、よろしかったらぜひお試しあれ。