今回の個展では、入場の「お土産」として、この個展用に制作したエクス・リブリス(蔵書票)を用意しました。
上の写真がそれなんですが、ご覧のように図柄は三種類あります。いちおう「比較的ソフト」「エロ的にややハード」「モロにどエロ」としたつもりでして(笑)、三つのうち一つ、お好みのものを一つ選んでお持ち帰りください。
一番上/モロにどエロな『野晒し刑』(フランスで発売された限定エスタンプ『七人の侍』から)は、茶色いクラフト紙にスミ一色刷り。
体毛などの細かい線が、エッチングのようにクッキリ出るように、筆によるオリジナルのドローイングを、Illustratorを使ってパスに変換しています。
左下/比較的ソフトな『ウィルトゥース』は、暖かい風合いのあるケナフ紙にプリントされています。
キャラクターはもちろん、ガイウスとクレスケンス。フランス語版単行本用の図柄を再構成したもので、BL系好きの方にオススメかも。
右下/エロ的にややハードな『侍と河童』(これも『七人の侍』から)は、光沢のある長い繊維が紙の表面にランダムに散っているのが特徴的な、大札紙っぽい和紙様の名刺用紙を使ってみました。
画面中央上部には、篆文で「蔵書票」の三文字が入っています。
画廊の受付の方に伺ったところ、『野晒し刑』が一番人気、そこを『侍と河童』が追い上げている模様(笑)。
因みに、エクス・リブリス(蔵書票)とは何ぞやと申しますと、「この本は○○の所蔵也」ということを証すために、本の見返し等に貼る小さな紙片のことです。日本における「蔵書印」の、ヨーロッパ版といったところ。
その起源は15世紀頃まで遡ることができるそうですが、木版による素朴なものから、エングレービングによる精巧なもの、美術史上の巨匠の手によるものなど、歴史も種類も豊富。エロティック・アート的な文脈で言うと、フランツ・フォン・バイロスのものなんかが有名。
というわけで、正規の使い方としては、どこかに自分のサインを書くなり判子を押すなりして、それを自分の所蔵書(田亀源五郎の単行本なんかがベスト・マッチングかとw)の見返しに、ペタリと貼るわけでありますが、もちろんこのまま本には貼らずにとっておいたり、ミニフレームに入れて卓上や壁に飾ったりしてもOK。