初めての英語版単行本、来春アメリカで発売

PassionOfGengorohTagame
 7月14日、アメリカはサンディエゴで開催されたコミック・コンベンション(通称コミコン)で、同国で来春発売予定の拙単行本 “The Passion Of Gengoroh Tagame: The Master of ‘Bara’ Manga” が、表紙画像と共に公式に発表されました。<記事>
 アナウンスをしてくれたのは、この英語版単行本の編集スタッフの一員チップ・キッド(Chip Kidd)氏。どうもブック・デザイナーとしてはけっこう高名な方らしく、何も知らずにメールをやりとりしている間は、ぜんぜんそんな感じがしなかったんですが、後からググったらこんな記事こんな記事が出てきて、ちょっとビビりました(汗)。コミックス関係の著作も色々あるようで、これまた後から確認したら、私の手元にも彼が編集&装丁を手掛けた『バットマンガ (Bat Manga)』やアレックス・ロスの画集なんかがあったり。

 表紙イメージにも記載されているように、英語版単行本は、このキッド氏(アート・ディレクター&編集助言)と、アン・イシイ(Ann Ishii)嬢(プロデューサー&翻訳)、グラハム・コルビンズ(Graham Kolbeins)氏(エディトリアル・ディレクター)の3名が、プロジェクトを組んで関わってくれています。
 そしてもう一つ、私を大いにビビらせてくれたのが、この単行本に序文を寄せてくれるのが、『美しい部屋は空っぽ』や『ジュネ伝』で知られる作家、エドマンド・ホワイト氏だということ。
「序文をホワイト氏にお願いしようと思っている」と聞いたときには、思わず「うっそぉ!」とか思っちゃったんですが(笑)、いざその序文が届いたら、もう頭の中は完全にパニック。お礼のメールを出さなきゃ、出さなきゃ……と思いつつ、緊張のあまり全く書くことができず、ようやく思い切ってメールを出せたのは一週間後という体たらく(汗)。
 更に、そのメールに心優しいお返事もいただけたもんだから、それから二、三日、かなり有頂天気分でフワフワしてました(笑)。

 版元はPictureBoxという出版社。<出版社のサイト内記事>
 実際の発行は、まだ半年くらい先のことですが、けっこうなヴォリュームとバラエティに富んだ(とはいえ、流石にアメリカですので、ショタ系とかは入りませんけど)中短編集になる予定。描き下ろしの新作短編もあり。
 日本の読者さんには、ちょっと無縁の話ではありますが、もうかれこれ10年以上、米英その他のファンから「英語版の単行本が欲しい、欲しい、欲しい」と、ずーっとリクエストされ続けていたので、私としても待望の出版であると同時に、何だかちょっと肩の荷が下りた感じがしています。

《7月22日追記》
 PictureBoxのリリース文を、日本語訳して記事にしてくださったブログがありますので、よろしかったら是非お読みくださいませ。
ハル吉とゴッシー (Harukichi and Gosshie):田亀源五郎、2013年全米リリース決定!