5月11日
TCAF初日。メイン会場はトロントの中央図書館で、ホテルから1ブロックの近さ。
広いフロアにずらりと机が並べられていて、様々な出版社や作家がブース展開しています。
自分のブース(”The Passion”版元のPicture Boxのブース)に行くと、既にアン、映像作家で”The Passion”の編集者でもあるグラハム・コルベインス(以後グラハム)、Picture Box社長のダン・ナダル(以後ダン)らが、本やTシャツ(後述)を並べてスタンバイ。
写真は左から、アン、グラハム、そして私と同じくPicture Boxから本を出しているコミック作家のCF。
自分も席に着こうとしたところで、クリスに呼び止められる。ポスターが刷り上がっているので見てくれとのこと。後を付いてスタッフルームへ行く。
で、これがそのポスター(とクリス)。TCAFからの依頼で描きおろした新作オリジナルで、ファインペーパーに3色刷りのリソグラフ。
クリス曰く「インクの関係で色がちょっと変わってしまった」とのことで、確かに刺青部分が原画のインディゴからシアンに変わってしまっていますが、いや、実に美麗に仕上がっていて嬉しい。
ブースに戻ると、”The Passion”のブック・デザイナーで、世界的に高名な装丁家でもあるチップ・キッド(以後チップ)も到着。
というわけで、二人並んで座って、お客さんのリクに応えてサインなど。写真はグラハム撮影。
因みに”The Passion”が出版された経緯は、そもそもこのチップが私のマンガの長年のファンで、10年ほど前、別の仕事でアンと知り合ったのをきっかけに、プライベートで彼女に私のマンガの翻訳を頼んだのが始まり。
そして後に、日本のゲイマンガのファンであるグラハムも加わり、チップ/アン/グラハムの3人態勢で、私のマンガの英語版単行本を出そうと動き始め、それに興味を示したのがPicture Box(のダン)という次第。
よって、私/チップ/アン/グラハム/ダンの5人が、1つのチームという感じで、そこにTCAFディレクターのクリスが声を掛けて、今回のトロント行きと相成ったわけ。
今回、本の出版とTCAFに合わせて、グラハムが私の絵がプリントされたTシャツを作り、それも本と一緒に販売。
着るにはかなり度胸がいる図柄ながらも、これがなかなかの売れ行き。「かっこいい!」とTシャツだけを買っていく方も多く、また思いのほか女性の購入者が多かったので、サイズが小さい方からどんどん品薄に。
ブースを訪れる人の中には知り合いも多く、例えば以前作品が掲載された、サンフランシスコのジン”Thickness”のライアン・サンズとは、メールでさんざんやりとりしていたものの、顔を合わすのは今回初。「やっと会えたね〜」とハグしあったものの、記念撮影を失念してしまって残念至極。とりあえずこちらに写真。
カナダのゲイ・コミック・アーティストで、世界のクィア・コミックのアンソロジー”No Straight Lines”の編纂者でもある、ジャスティン・ホールとも、Facebookで知己はあったものの、実際に会うのは初めて。自キャラであるトランスジェンダーのヒーローTシャツ姿。
Oh my god oh my god oh my god!! I got to hug Gengoroh Tagame @torontocomics #TCAF twitter.com/justincomics/s…
— Justin Hallさん (@justincomics) 2013年5月11日
ブースに来るお客さんの中には、”The Passion”を購入するだけでなく、手持ちの本(日本語版の拙単行本とか、「バディ」の田亀源五郎特集号とか、「肉体派」とか「SM-Z」とか、かなり色々)持参の方も多数。
このブースでのサインの模様は、グラハムのTumblrに写真がいろいろアップされています。こちら。
そうこうしている間に、自分が出席するイベント、パネル・ディスカッション”Spotlight: Gengoroh Tagame”の時間になったので、会場であるマリオット・ホテルの会議室に移動。
壇上に私、チップ、アン、グラハムの4人で座って、”The Passion”出版の経緯などを喋った後、会場からの質疑応答など。以下、会場に来てくれたデブ・アオキのリアルタイム・ツイートから。
“When I came out @ 18, I wanted *everyone* to know how gay I was! I read gay magazines in class” – @tagagen #tcaf twitter.com/debaoki/status…
— Deb Aokiさん (@debaoki) 2013年5月11日
.@chipkidd on the “enlarged” book size for @pictureboxbooks Tagame book: “this is America! We do things BIG!” #tcaf twitter.com/debaoki/status…
— Deb Aokiさん (@debaoki) 2013年5月11日
そんなこんなで、あっという間に1時間が過ぎ、イベントは無事終了。
そして再び図書館に戻り、今度は地下の専用ブースに移動して、チップと並んでサイン会(グラハム撮影)。
髪形とおヒゲがかっこよかった彼と記念撮影。
Here’s that picture of me with Gengoroh Tagame at TCAF! twitter.com/tonybreed/stat…
— Tony Breedさん (@tonybreed) 2013年5月14日
後で確認したら、ご本人(トニー・ブリード)の描く絵もかわいかった。こちら。
1時間ほどサインして、それと同時に会場もクローズ。
それから、アン、グラハムと一緒にホテルに戻って、またインタビュー取材一件。これまた媒体が何かは忘れたけれど、確かポッドキャストだったはず。
インタビュー終了後、30分ほど休憩して、また次のイベントに。
今度はChurch on Churchというゲイバーで、カナダのゲイコミック作家モーリス・ヴェラクープ(以後モーリス)と一緒にトークショー。
このChurch on Churchでは、5/4から”LEGENDS: The Gay Erotic Art of Maurice Vellekoop & Gengoroh Tagame”という、私とモーリスのプリント展示&販売も行われています。
お店の雰囲気は、こんな感じ。
アンが「ベアパーティもベアバーも行ったことないから(そりゃノンケ女性だからそうでしょう)こんなに沢山の熊さん(ゲイベアー)を一度に見るのは初めて! 可愛い!」と喜んでいたのが、なんか可愛かった(笑)。
そうこうしている間に時間が来て、トークショー開始。アンをMCに、私、モーリス、チップが壇上でトーク。写真はこちら。
アンの采配は流石で、さっきのパネル・ディスカッションでの真面目な話題とは裏腹に、今度はゲイバーという場所&くだけた客層を踏まえて、「女性とやったことある?」とか「オナニーのオカズは?」といった、下ネタをばんばんふってくる(笑)。
トークも無事終了、モーリスと一緒に記念撮影。
そしてここでも、またサイン。ありがたいことです(アン撮影)。
イベントが一段落したところで、チップ、アン、グラハム、ダン、他数名と一緒に夕飯へ。流石北米、一品あたりの量がすごい(笑)。
皆さん、楽しげにお酒を飲んだりお喋りしているけれど、私はそろそろ疲労の限界&英会話も限界なので、お先に失礼してホテルに帰る。
しかしホテルのロビーで、別のTCAF関係者の方とでくわして、再び英会話。部屋に戻ったときはもうクタクタで、そのままシャワーも浴びずに爆睡(笑)。
TCAF初日は、こんな感じで終了。