イタリア紀行(2)

5月30日
 昼前に電車でボローニャからラヴェンナへ移動。これから約一週間のフリータイムとなるので、あれこれ悩んだあげくラヴェンナとフィレンツェをじっくり楽しむことに。
 普通列車に乗り、一時間ほどでラヴェンナに到着。駅を出て、さて予約したホテルはどこじゃらほいとGoogle Mapを立ち上げ、「スマホ便利ね〜」なんて思っていたら、駅前広場から既にホテルの看板が見えていた(笑)。

 ホテルにチェックインして、昨夜は帰りが遅くてあまり寝ていなかったので、しばし仮眠。
 と、そこにアドリアーノからSMS。個人旅行中に不要な荷物(貰った本とか自分のワークショップ用資料とか)を、彼の家に預かって貰っていたのだが、何とベッドの上にイタリアのガイドブックを忘れているとのこと。あじゃぱ(古い)。まぁ何とでもなるから心配しないでねと返信。
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 夕刻ちょっと前に起きて、街の散策に出掛ける。ホテルのフロントで簡単な地図を貰ったので、それを頼りに旧市街の中心部、ポポロ広場まで行ってみる。
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 こぢんまりと落ち着いた町並みで、人もあまり多すぎず、ぶらぶら散策するにはうってつけ。ちょっと歩いた後、気になる路地に入ってみたら、教会前の居心地の良さそうな広場を見つけたので、そこで一服。
 後で判ったことだが、そこはサン・フランチェスコ聖堂で、すぐ横にはダンテの墓もあり。そうこうしていたら教会の鐘が鳴りはじめ、旅情も抜群。

 それからまた、街をぶらぶら歩き始め、途中あちこち迷子になりながら、ツーリスト・インフォメーションに到着。しかし残念ながら、時間が遅くて既に閉まっていた。
 その近辺にはレストランの類が密集していたので、テキトーなところに入って夕飯をとった後、またぶらぶら歩いて宿に帰る。

5月31日
 今日は本格的にラヴェンナ観光をする予定なので、ホテルで朝食をとった後、まずツーリスト・インフォメーションへ向かう。そこで、より詳細な街の地図や、参考になりそうなパンフレット類をゲット。

 そして最初の目的地、サン・ヴィターレ聖堂へ。すると入り口で、ラヴェンナの見所5ヶ所セットになった入場券を、近くの本屋さんで買えると教えてくれた。

 券をゲットして、再びサン・ヴィターレ聖堂へ。ビザンチン建築は好きなので、入り口からしてワクワク。
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 中に入ると、圧倒的な美しさのモザイク画がお出迎え。
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 聖堂を通り抜けて裏から見たら、建物自体の美しさは、こっち側から見た方が更に良く判る。
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 続けて同じ敷地内にある、ガッラ・プラチーディア廟へ。またもや美麗モザイクがお出迎え。もう、うっとり。
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 同敷地内にある博物館は、改装中か閉じていて見られなかったけれど、ミュージアム・ショップは開いていたので、ちと覗いてみる。すると、ビザンチン・モザイク柄のいい感じのスカーフやトートバッグがあったので、お土産を兼ねて購入。
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 ぶらぶら歩きながら、次はネオニアーノ洗礼堂へ。再び美麗モザイク。
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 すぐ横にドゥオモがあるはずなので、そっちにも回ってみる。本当に気持ちのいい街で、お散歩するにはうってつけ。
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 再びネオニアーノ洗礼堂へ戻り、敷地を通り抜けて、その裏側にあるアルチヴェスコヴィーレ礼拝堂へ。ただしここも改装中。博物館だけ見学。
 博物館を出たら、そろそろお昼時で小腹が空いたので、近くのカフェに入ってサンドイッチなどを注文。

 腹ごしらえ&休憩が終わったところで、今度はサンタ・ポリナーレ・ヌオーヴォ聖堂へ。
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 中に入ると、またモザイク。荘厳ではあるけれど、後のキリスト教美術のような威圧的な感じはせず、どこか清々しさのようなものが感じられるあたりが、私がビザンチン美術に惹かれる由縁。
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 横の中庭に出てみると、ここがまた気持ちの良い空間だった。
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 お次は、またてくてく歩いて、アリアーニ洗礼堂へ。もう、モザイク三昧。
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 次は、ちょっと離れたところにある、テオドリコ廟へ行ってみることにする。今までは、ラヴェンナの旧市街の中をぐるぐる歩くという感じだったけれど、テオドリコ廟へ行くには駅の反対側に行かなければならない。
 人通りも少なく、昼過ぎのせいか眠ったような静かな町並みを、てくてくと歩いていく。
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 するとその路上に、なんか気になる石垣が。どうやら史跡らしいので、中に入ってみる。
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 中に入ると、気持ちの良い公園。立て看板の説明文を読み、ここがブランカレオーネ城塞という、15世紀の砦跡だと知る。
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 そしてまた歩いて、テオドリコ廟に到着。入場券を買おうとしたら、また他の場所とのセット券もあると聞かされたけれど、そのもう1つの方は、まただいぶ離れたところにあるらしいので、そっちはパスしてここだけの券を買う。
 ただまぁ、てくてく歩いてきたわりには、さほど面白い史跡ではなかった。歴史の知識があれば、また色々と感慨が違うのだろうけれど。
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 さて、テオドリコ廟を見終わったところで、時間がなかったらパスしようかとも思っていた、郊外にあるサンタ・ポリナーレ・イン・クラッセ聖堂に、まだ余裕がありそうなので、行ってみることにする。
 そのためには駅まで戻らなければならないのだが、歩き疲れたのと日差しのきつさに、ちょっとげんなりしてきたところだったので、Googleさんにバスで駅まで行くルートを訊いてみる。すると、バスでも徒歩でも変わらず15分程度だったので、だったら歩いていくことに。

 バスの券を買うために、駅前のバス営業所に行ってみると、券は駅構内で販売とのこと。言われて駅に行くと、確かに奥まったところにバスの窓口が。
 そこでサンタ・ポリナーレ・イン・クラッセ聖堂行きの往復バス券を買い、乗り場と乗るバスの番号も教えてもらう。

 ローカルバスに15分くらい揺られて、無事にサンタ・ポリナーレ・イン・クラッセ聖堂に到着。
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 中に入ると、またモザイクがお出迎え。しかしここのモザイクは、グリーンが目立つのと動物が多いせいか、何とも愛らしい感じ。
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 遠目に見ると、モザイクとフレスコが混交しているのかと思ったけれど、聖堂内設置の解説モニターを見ると、フレスコに見えていた部分もモザイク。それだけ精緻ということか。

 聖堂前の草地には、コンテンポラリー・アート作品らしき牛の群像が。これまた良きかな。
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 再びバスに乗って、ラヴェンナの街へ戻る。
 時刻は夕刻だけれど、日が暮れるのは夜の八時過ぎなので、まだぜんぜん明るい。
 暗くなるまでホテルで休んで、それから再び夕飯を食べに旧市街へ。

6月1日
 今日はフィレンツェへ移動する日。
 昨日、ボローニャ乗り換えでフィレンツェ行きの、ラヴェンナを正午に出発する列車の券を買っていたので、ホテルをチェックアウトした後、しばらく荷物を預かって貰い、午前中にまた昨日見逃した観光をすることにする。

 まず、ドムス・デイ・タッペーティ・ディ・ピエトラへ。
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 ここのモザイクは建物の内装ではなく、その地下にある。渡り廊下の上から回って見られるようになっており、聖堂のモザイクのような壮麗さはないものの、シンプルな愛らしさがなかなか。
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 続いて、初日に行ったサン・フランチェスコ聖堂の、今度は中を見てみようと向かったが、日曜日のせいかミサか何かをやっており、門外漢が入るのは憚られる。
 そこで、お隣にあるダンテの墓を見学。ちょうど団体ツアーさんとかちあって、大賑わい(笑)。
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 墓の隣の中庭的なスペースが、なかなか良い雰囲気。
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 そうこうしている間にミサも終わった様子なので、サン・フランチェスコ聖堂の中をさっと覗いて、ホテルに戻って荷物をピックアップして、駅へ。

 来たときと同じ普通列車に乗って、ラヴェンナからボローニャへ戻り、そこでイタリア新幹線でフィレンツェへ。乗り継ぎ時間を含めても、全部で二時間程度だったかな?

 約30年ぶりのフィレンツェに到着。
 まず最初に、美術館などがフリーパスになり、しかも予約いらずにもなるという、72時間有効のフィレンツェ・カードなるものを買おうと、サンタ・マリア・ノヴェッラ駅のツーリスト・インフォメーションへ行こうと思ったが、そこは閉鎖中。
 そこで、サンタ・マリア・ノヴェッラ教会のツーリスト・インフォメーションに向かうが、一足遅く営業時間が終了。明日の朝になるまで開かないというので、今日のところはカードは諦め、予約しておいた宿に向かう。
 Booking.comとGoogle Mapのおかげで、宿の場所はあっさり見つかり(いやはやまったく便利な世の中になったものだ……)、チェックインして暫し休憩。

 その後、散歩がてらドゥオモ(サンタ・マリア・デル・フィオーレ聖堂)へ行くことにする。
 30年前の記憶だと、フィレンツェというのはローマとは違い、どこか長閑な雰囲気であったような気がしていたのだが、その頃とはうって変わって、人、人、人。カフェやジェラート屋が至る所に立ち並び、路上には観光客用のお土産や偽ブランド品を売る露天商が。
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 そうは言っても、ドゥオモは記憶に違わぬ美しさ。人が多くないベンチを選んで、そこに座って建物の美しさを堪能。残念ながら洗礼堂は、改装中か何かで丸ごと工事シートに覆われていたけれど。
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 そして、土地勘を掴むために近辺を歩き回った後、適当な店で夕食。
 本格的な観光は明日、まずフィレンツェ・カードをゲットしてから。