今週金曜日(12月12日)に五反田ゲンロンカフェで行われるイベント、【LGBTナイト】田亀源五郎×クリス・ローウィー「変貌する<カミングアウト>」に出演します。
ワシントン大学で日本の現代文学と思想を研究されているクリス・ローウィーさんと一緒に、日本とアメリカそれぞれの、カミングアウトを巡る社会状況の違いなどについて、あれこれ話させていただく予定です。日本語話者と英語話者、双方に向けてのバイリンガル・イベントなので、どなたでもお気軽にご参加ください。
時間はPM 7:00〜9:00(PM 6:00開場)。イベント後はバータイムとなります。
チャージは前売2600円(1ドリンク付き)、当日3100円(ゲンロン友の会&学生証提示で、それぞれ500円割引に)。
また、会場での物品販売可とのことでしたので、ポット出版さんにお声かけして、同社発行の拙単行本およびLGBT関連書籍なども会場で販売予定。もちろんサイン等のご要望にも応じますので、その際はお気軽にお声かけください。
詳細情報&前売りの購入は、以下のページからどうぞ。
【LGBTナイト】田亀源五郎×クリス・ローウィー「変貌する<カミングアウト>」
また、当日はニコニコ動画でも中継があるそうです。
【生放送】田亀源五郎×クリス・ローウィー「変貌する<カミングアウト>」
以下、イベント紹介文を引用。
アメリカにおけるLGBT(同性愛、両性愛、トランスセクシュアル)の権利は、州ごとに大きく異なっています。しかし、LGBTの権利を拡張するべきだという意見は、今では一般化しています。ここ数年の間に、LGBTに関する世論の急激な変化があったと言えるでしょう。
世論が次第に「ゲイ・フレンドリー化」するなか、政策の変更も行われていきました。その例として、2010年のアメリカ軍の「聞くな言うな」政策の廃止、2013年に上院で可決されたLGBTを中心とする雇用差別禁止法、最高裁判所が今年下した結婚防衛法第3条を違憲とする判決、そして全米に広がりつつある同性婚法制定の動向などを挙げることができます。こうした変化に伴い、カミングアウトする政治家、俳優、スポーツ選手などの著名人が多く現れ、また、オバマ大統領も参加した「イット・ゲッツ・ベター企画」(「より良い未来はある企画」)が注目を集めたりしています。
この変化はアメリカにおける「カミングアウト」のあり方をも変貌させようとしています。「カミングアウト」が、「しなければならない」ことから、「してもしなくてもいい」ことへと変化しているのです。「カミングアウトする」こと、そして「カミングアウト」状態は、ゆくゆくは無効化されていくのかもしれません。
アメリカでのこうした変化は、日本のLGBTコミュニティにどのような影響を与えているのでしょうか。それを理解するためのひとつの手がかりとなるのが、4カ国語に翻訳され、国際的にも高い評価を受けている人気ゲイ・アーティスト、田亀源五郎氏の存在です。2014年9月から一般誌『月刊アクション』(11月号)で始まった新連載『弟の夫』で、田亀氏ははじめて同性愛者でない人=ノンケ向けのマンガを描いています。
「同性婚」の問題を社会に提起しつつ、田亀氏は、国際コミュニティでゲイ・フレンドリー化が広まっていくなか、日本においてゲイであることのリアリティを正面から突きつけています。『日本のゲイ・エロティック・アート』(ポット出版 )上下2巻本の出版など、日本のゲイ・アートの歴史を守るために力を尽くしてきた田亀氏ですが、今度の新作『弟の夫』では、少し前の日本に特徴的な「会員制的=閉鎖的」なゲイ・コミュニティと距離を取ろうとしているようにも見えます。
もっとも、日本では公にカミングアウトをしている人がきわめて少ないことも事実です。この国でゲイ・コミュニティはどうすれば国際スタンダードに近づき、「オープン」な「カミングアウト」を目指すことができるのでしょうか。カミングアウトをするかしないかという問題は社会の動きに左右されがちですが、社会的条件がオープンなカミングアウトに好意的でない場合、ゲイ・コミュニティ内の多くの人が、カミングアウトすることはトラブルのもとでしかないと捉えてしまうのではないでしょうか。
今回のイベントでは、田亀源五郎氏をゲストに、マンガについて、カミングアウトについて、そして日本のゲイ・コミュニティはどこへ向かおうとしているのかについて、日英二カ国語の議論を行います。みなさんも熱い議論に参加してください!(クリス・ローウィー)
それでは、皆様のご参加&ご視聴をお待ちしております!