『弟の夫』第23話掲載です

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 11月25日発売の「月刊アクション」1月号に、マンガ『弟の夫』第23話「日々」掲載です。
 今回は基本的に日常回なんですが、自分にとってはいささか実験的な回でもあって、演出しながら(つまりネームというコンテを切りながら)気分はさながら小津安二郎(笑)。何の変哲もない日常の諸相から浮かびあがる、様々な気配や感情をじっくり味わっていただければと思います。

 さて、来月号は一回お休みをいただき、再来月号(3月号)から連載は再スタートします。
 そろそろ予定している残り回数も少なくなり、モノガタリの完結に向けてカウントダウンがスタート……という感じ。どうか最後まで、よろしくお付き合いください。
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“Tha Last Match (La partida)” (2013) Antonio Hens

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“Tha Last Match (La partida)” (2013) Antonio Hens
(イギリス盤DVDで観賞→amazon.co.uk、日本のアマゾンでも取り扱いあり)

 2013年のキューバ/スペイン製ゲイ映画。
 ハバナの貧困地域を舞台に、サッカー友達である二人の親友が、貧困によって運命を狂わされていく様子と、ラブストーリーを絡めて描いたシリアスもの。

 キューバ、ハバナ。貧困地域に暮らす二人の若者、レイニール(レイ)とヨスバニは、いつか手にする未来を夢見て、空き地で日々一緒にサッカーに興じている。
 しかしレイには既に妻子がおり、更に妻の母親と一緒に暮らしている。レイの生活は日々の食事にも事欠く有様で、金銭を得るために夜の街に立ち、外国人ツーリスト相手に身体を売っている。そんな中レイは、フアンという中年のスペイン人ツーリストと出会う。
 一方のヨスバニは、物品の販売などでこの地域一帯を取り仕切るボスに、娘の将来の婿として見込まれており、ボスの家で暮らしながら、物質的には何不自由ない暮らしを送っている。
 レイの義母は、彼がフアンという上客を掴んだことを知ると、そのままスペインについて行って向こうで結婚し、それから私たちを呼び寄せろなどとけしかける。しかしヨスバニは、レイとフアンが親しくしているのを見て嫉妬してしまう。そしてある晩、夜遊びの最中にドラッグでハイになったヨスバニは、レイにキスをすると、その身体を求めて迫る。レイは「何の真似だ、俺を本当のホモだと思っているのか」と抗うが、しかし彼もまたドラッグでハイになり、結局はヨスバニを受け入れる。
 やがて二人は、廃屋の屋上でひっそりと逢瀬を重ねるようになる。その一方で、ヨスバニとボスの娘の結婚の準備は着々と進み、フアンとの関係も続けているレイにも、ナショナルチームのテストを受けられるというチャンスが巡ってくる。しかしレイは、ボスに前借した金の返済に窮してしまい、ボスはその取り立てをヨスバニに命じる。しかしヨスバニは、ボスの命令通りにレイを殴ることができず、その結果、二人の関係をボスに気付かれてしまい……といった内容。

 なかなか見応えあり。BGMを廃した現実音だけの構成、手持ちカメラによる揺れる映像、日差しのきつさや湿度の高さなど空気感が伝わってくる雰囲気、極めて自然でリアルなキャラクターの演技……と、映画的な見所は多々あり。
 ストーリー的には重く、後味もかなりビターなので、ここは好き嫌いが分かれる感はありますが、個人的には、そういったドラマを捉える視点自体が、ウェット過ぎずドライ過ぎずいい塩梅だという印象。
 レイの義母や妻が、彼の男相手の売春を知りつつも、それを何の問題視もしていないあたりや、ヨスバニの婚約者が、父親に「あいつはホモだ!」と言われても「だから何?あたしにはそれは何の問題もなかったわ!」などとやり返すあたりは、ちょっと他のゲイ映画には見られない興味深いポイント。その一方で、生活のための売春であれば同性相手でも問題視はされないが、金銭の絡まない同性愛関係(つまりレイとヨスバニの関係)だとスティグマ、つまり非難や軽蔑の対象になるという、そんな社会状況が興味深く、ここはもうちょっと突っ込んで見てみたかった感じです。
 こういった諸々の状況には、貧困や社会的な閉塞といった背景があるわけですが、ラブストーリー好きの人が見ると、メインの二人がそれぞれ性別を問わず複数の相手と関係しつつ、しかし話は純愛的な方向に転がっていくので、ちょっと違和感があるかも知れません。しかし個人的には、その純愛的な展開が、愛だの恋だのといったエモーショナルな衝動なのか、それとも逃避なのかといった視点が感じられて、そこもまた興味深かったポイント。因みに私の解釈では、片方は愛、片方は逃避による行動と見ました。

 モチーフが興味深いがゆえに、もうちょっと描き込んで欲しい感はあちこち残るものの、ゲイというモチーフをクローズドなラブストーリーとしてではなく、社会全体との関わりの中で描くあたりが、作品的な深みを増しています。
 社会派的な視点あり、センシュアルなエロスあり、モチーフの独自性と映画的な見応えありで、結末に関して好き嫌いは分かれそうですが、見て損はない一本。

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『弟の夫』第22話掲載です

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 10月25日発売の「月刊アクション」12月号に、『弟の夫』第22話「ショーカイ」掲載です。先に出た単行本第三巻が、第21話まで収録だったので、この号を買えば続きがそのまま読めます。
 今回は夏菜のお友達のユキちゃんとトモくんが再登場。いや〜、子供たちの何気ないやりとりを描いていて楽しいなんて、以前の自分からは想像がつかない(笑)。
 というわけで、是非お買い上げ&お読みくださいませ。
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『プラネット・ブロブディンナグ』最終話掲載です

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 10月21日発売の「バディ」12月号に、連載マンガ『プラネット・ブロブディンナグ』最終話が掲載です。
 熊系宇宙人のペット化淫獣堕ち奇想SFゲイエロマンガ、連載八回、総ページ数128で無事完結。
 以前描いた『人畜無骸』(単行本未収録)でもそうなんですが、この手の家畜/ペット化された人間を描くストーリーの場合は、個人的には現実の例に則って、「酷いんだけど酷くない」世界を描くのがツボ。被虐はあれども嗜虐はなく、「酷い/酷くない」は見る角度によって変わり、「ハッピーエンドなんだかバッドエンドなんだか」という混乱も包括した上での、「SMマンガ」にしたいな……といった感じ。
 というわけで、自分では予定通りの気に入ったエンディングになりました。けっこうエグいんだけど、実はほのぼのとしているともいう(笑)。
 是非、ご購入&お読みください。

 さて、「バディ」誌のマンガは、このあと一回お休みをいただきます。
 現在、隔月ペースで掲載中なので、次に載るのは2017年4月号(来年2月発売号)になる予定です。暫しのお待ちを!
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 Kindle版もおそらく後日発売になると思うので、アップされたら改めてリンク貼ります。
 Kindle版はこちら。
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『弟の夫』第3巻発売&サイン会/トーク/展示など(新宿、新潟、千代田区)のお知らせ

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 本日(10月12日)、単行本『弟の夫』第3巻(双葉社/アクションコミックス)発売です!
 雑誌(月刊アクション)連載分のうち、第15話から21話まで、《温泉旅行》や《カトやん》などのエピソードを収録。毎度お馴染みの新規書き下ろしコラム、「マイクのゲイカルチャー講座」も3本収録。
 書店によっては、イラストカードやメッセージペーパーが付いているところもあります。詳しくはこちらのページでご確認ください。
 近くの書店で見つからないとかいう方は、アマゾン等のネット書店をご利用ください。
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 電子書籍は同時発売ではありませんが、追って発売されますので、もう少しだけお待ち下さい。Kindle版が発売されました。
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 また、単行本3巻の続きが、今月25日発売の「月刊アクション」12月号で、そのまま読めますので、そちらの方もよろしくお願いいたします。

 続きまして、関連イベント3つのご案内です。

①文化庁メディア芸術祭新潟展「記憶と記録のモノ潟り」 (展示、トークショー&ワークショップ/新潟)
期間:10月10日〜30日(トークショー&ワークショップは15日に開催)
*『弟の夫』関連の展示。内容は、ネーム/下描きのプリント/ペン入れまでの生原稿/複製原画/作業写真/他。
*10月15日(土)には私も現地へ赴いて、トークショーとワークショップをやらせていただきます。
会場:展示、トークショー&ワークショップ共に、新潟市マンガの家
詳細は下記リンク先にてご確認ください。
展示:http://www.mediaarts-niigata.com/exhibition/#manga
トークショー&ワークショップ:http://www.mediaarts-niigata.com/event/#e004

②『弟の夫』3巻発売記念サイン会(新宿)
日時:10月22日(土) 午後2時~
会場:ブックファースト新宿店(地下1階 Cゾーン 特設会場)
詳細は下記リンク先にてご確認ください。
http://www.book1st.net/event_fair/event/page1.html#a_1076

③文化庁メディア芸術祭20周年企画展「変える力」(展示/千代田区)
期間:10月15日〜11月6日
*『弟の夫』から数ページが、パネル印刷されて展示。
会場:アーツ千代田3331(1階 メインギャラリー)
詳細は下記リンク先にてご確認ください。
http://www.3331.jp/schedule/003550.html

以上、お近くの方は是非お出かけください!

映画秘宝EX 映画の必修科目16 激動!イギリス映画100

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 9月26日発売のムック「映画秘宝EX 映画の必修科目16 激動!イギリス映画100」に、ジョン・ブアマン監督『エクスカリバー』の解説と、「カテゴリー:ボーダー」でイギリスのゲイ映画の概要解説記事を書きました。
 ビギナーズ向けのガイドブックという書籍の性格と、文字数の制限のために、駆け足気味のコンパクトな解説になりました。詳しい方には物足りないかも知れませんが、その反面、読みやすい&判りやすい記事になったとは思います。
 というわけで、宜しかったら是非一冊お買い上げください。
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『弟の夫』3巻発売記念サイン会のお知らせ

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 以前お伝えしたように、『弟の夫』の第3巻が10月12日に双葉社さんから発売になります。
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 それを記念して、10月22日(土)に新宿でサイン会を行います。
 会場はブックファースト新宿店地下1階Cゾーン特設会場、時間は午後2時からになります。
 サイン会参加には整理券が必要です。整理券は本日(9月26日)から配布。ブックファースト新宿店で3巻を予約購入の方、先着100名を対象に配布されます。遠方の方は、電話予約も可能です。
 詳しくは、下記リンク先でご確認ください。

ブックファースト イベント&フェア:『弟の夫』(3)発売記念 田亀源五郎先生サイン会 開催!

 それでは、皆様のご参加をお待ちしております!

「映画秘宝」11月号にアーサー・ヒラー監督の追悼記事を書きました

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 9月21日発売の「映画秘宝」11月号に、先月17日に亡くなった映画監督アーサー・ヒラー(代表作『ある愛の詩』『ラ・マンチャの男』『大陸横断超特急』『メーキング・ラブ』など)の追悼記事を書きました。
 私にとってアーサー・ヒラー監督作品というと、自分が18歳のときに映画館で見た、ハリウッド映画で初めてゲイを肯定的に描いた作品『メーキング・ラブ』が、印象という点でも自分が受けた影響という点でも、やはり最も大きいので、当時の自分の思いなども絡めて、極めてパーソナルな内容に寄せて書かせていただきました。

 この追悼記事で書いたようなことは、ゲイという言葉やその存在が決して珍しくはなくなった今日では、ちょっとピンときづらい部分もあるかも知れませんが、34年前の一当事者の証言記録としてお読みいただければ幸いです。また、そこで書いた《メディア上でゲイはどのように描かれるか》というイシューは、おそらく今日でも程度の差こそあれ、同様の問題が存在し続けていると思います。
 というわけで、是非お買い求めの上、お読みください。
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 件の映画『メーキング・ラブ』は、残念ながら日本ではDVDが出ておらず(アメリカ盤は出ています)、観賞するのが難しい状況です。
 とりあえず海外版予告編を貼っておきますが、これも時代の限界か、完全に女性映画的な売り方(おそらく)で編集されているので、ゲイ映画的な意義や雰囲気はちょっと伝わりにくいかも……どこかが日本盤ソフトを出してくれると良いんですが。

 追記。
 前述のように全編観賞は日本では難しいですが、映画における同性愛描写の歴史を綴った名作ドキュメンタリー映画『セルロイド・クローゼット』の中で、出演者の一人ハリー・ハムリンの証言と共に『メーキング・ラブ』の映像を見ることはできます。
 残念ながら『セルロイド・クローゼット』のDVDは既に廃盤で、プレミア値が付いてしまっていますが、大きなレンタル屋さんとかには置いてあるかも?
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『弟の夫』第21話掲載です&単行本第3巻が10月12日発売!

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 8月25日発売の「月刊アクション」10月号に、『弟の夫』第21話「忘れ物」掲載です。
 今回はマイク萌え回(笑)。

 そして扉ページにアナウンスがありますが、単行本第3巻が10月12日に発売されます!
 先日、その準備作業を無事終了。発売日まで、あとちょっとだけお待ちください。
 特典ペーパーや関連イベントなどは、解禁になり次第告知いたしますが、とりあえず情報が一番早いのはTwitterになると思います。発信の手軽さの関係もあって、最近はTwitter >> Facebook >> Blogという順番での情報リリースが多いので。

 なお、今月は単行本作業のためにマンガのお仕事をお休みさせていただいたので、「月刊アクション」次号(11月号/9月25日発売)では、『弟の夫』の連載は一回お休みさせていただきます。連載再開は、10月25日発売の12月号から。

 それでは、雑誌と単行本、どちらもよろしくお願いいたします!
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『プラネット・ブロブディンナグ』第7話掲載です

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 8月20日発売の雑誌「バディ」10月号に、連載マンガ『プラネット・ブロブディンナグ』第7話掲載です。
 未知の惑星に漂着したマッチョ兵士の地球人が、熊系大型異星人のペットにされていく奇想系ゲイエロマンガ、7話目にして遂に肛姦されます。腕より太い巨根をブチ込まれて、苦痛と快感にのたうちまわる様をご堪能ください。
 隔月連載なので、次回掲載は10月発売の12月号。そろそろ完結です。
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