イタリア紀行(1)

5月26日
 日本出発。成田から香港乗り継ぎで、翌日ミラノに到着予定。

5月27日
 ミラノ・マルペンサ国際空港に到着。今回参加する、ボローニャのNipPopが手配してくれた女性が出迎えてくれる。
「電車までまだちょっと時間があるので、何かご希望は?」と訊かれたので、とりあえずタバコを吸いたしと返答。すると電車のホームで吸えた。イマドキ珍しい寛容さ。
 マルペンサ・エクスプレスという電車でミラノ中央駅へ。ここでイタリア鉄道AV(アルタヴェロチタ。新幹線みたいなやつ)に乗り換えてボローニャへ行くのだが、またちょっと時間が。
 出迎えてくれた彼女が、「ミラノ中央駅のビュッフェは素敵」と言うので、一緒にそこで軽食をとることに。せっかくイタリアに来たので、カプチーノとパニーニ…にしようと思ったけれど、お腹はあまり空いていなかったのでクロワッサンに変更。
 彼女とは、ボローニャへ向かう電車に乗ったところでバイバイ。

 ボローニャ中央駅に到着。
 出版社Ren Booksのニーノ・ジョルダーノが迎えに来ると言っていたので、ホームに降りてきょろきょろしたけれど見つからず。じゃあ上の階(到着したのは地下のプラットホーム)にいるのかとエスカレーターを上がっていったら、いつの間にか出口に、それもどう見てもメインゲートではない裏口っぽいところに出てしまった。
 はて困ったと思っているところに、ニーノから「今ホームにいるんだけど、もう着いた?」とSMS。こちらも「ごめん、見当たらなかったから上に行ったら、変な出口に出ちゃった」と、そこの写真を添付して返信。スマホ便利(笑)。
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 程なくしてニーノと、彼の友人で今回私が家に泊めて貰うことになっている、映像作家のアドリアーノ・シラヌスがやってくる。ニーノとは「久しぶり〜!」、アドリアーノとは「初めまして、よろしくお願いします!」と、ハグして挨拶。

 アドリアーノの車で彼の家へ。後から判ったことだけれど、駅からはバスで停留所2つ分。歩いても15分かからないくらい。
 アドリアーノの家は、アパートの、あちらで言うところの4階、こちらで言うところの5階にあり、エレベーターなし。ちょっと青くなる(笑)。しかしスーツケースは彼らが運んでくれ、私も喜んでそのサービスをお受けする。
 アドリアーノの家は、整理整頓がきっちりされていて、シンプルだけどものすごく綺麗。長年の私の作品のファンだということで、壁には透明アクリル額に入った、私の作品画像をトレーシングペーパーにプリントしたものが飾られていて、それもとてもおしゃれ。
 夕飯はそこで内輪の食事会で、それまで予定はなしということなので、シャワーを浴びて一眠りさせて貰うことに。
 成田で飛行機に乗ってから、ボローニャ中央駅に到着するまで、乗り継ぎ時間なども含めて、ほぼ24時間が経過。その間ずっと靴を履きっぱなしだったせいもあり、脱いだ靴下がすごく臭い(笑)。

 夕刻。目がさめるとお客さんが。アドリアーノの元彼で、以前は一緒にここに住んでいたという、ボローニャの斜塔近くでレストランをやっているサウロと、そのお母さん。
 しばらくするとお母さんが帰り、入れ替わりにニーノと、そのパートナーで同じくRen Booksスタッフのファビオが到着。面子が揃ったので、ディナー開始。
 まずサウロが調理してくれたパスタを食べ、続いて山盛りの生ハム類とチーズが出てきて、これをピアディーナという薄い円形の、見た目はインドのチャパティに似た焼いた生地に挟んで食べる。
 流石に食の国イタリア、シンプルながらも美味し。
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 幸い皆そこそこ英語を喋るので、あれこれ雑談しながら食事。
 しかしその最中、ニーノから、今回の渡伊に合わせて出版予定だった、イタリア語版『冬の番屋』の単行本が、まだ刷り上がっておらず、印刷屋とも連絡がとれないという話が。だ……大丈夫か?
 食後は定番、エスプレッソ。様々な色のネスプレッソのカプセルを山ほど見せられ、あれこれテイストだかフレーバーだかを説明されるけれど、ナニガナンダカサッパリワカラズなので、テキトーに「一番スタンダードなやつプリーズ」で選んでもらう。

5月28日
 アドリアーノと朝ご飯を食べた後、一緒にバスでマッジョーレ広場へ行き、ニーノと待ち合わせ。
 広場にあるネプチューンの噴水、素敵。制作はジャンボローニャ。
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 ニーノとアドリアーノの案内で、観光開始。
 まず、外壁にパルチザンの遺影が飾られた市庁舎へ。中には図書館やカフェ、展示スペースなどもあり、中央ホールの床がガラス張りになっていて、その下にローマ遺跡があるのが見える。後日、中にも入った。
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 続いて、サン・ペトロニオ聖堂。地獄絵を見ながらアドリアーノが、「あそこに描かれているのが、爆破予告騒ぎを引き起こしたムハンマドの絵だよ」などと教えてくれる。
 ちょっとだけ歩いて、アルキジンナージオ宮(旧ボローニャ大学)へ。世界初の人体解剖が行われたという美しい木造の階段教室や、ロッシーニ『スターバト・マーテル』初演が行われた紋章だらけのホールなどを見学。
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 お次は、サンタ・マリア・デッラ・ヴィータ教会。キリストの死を嘆くテラコッタ群像があるのだが、その表現は15世紀の作品とは思えない驚愕のモダンさ。
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 とは言えゲイ3人組らしく、私「ティルダ・スウィントンに似てない?」、ニーノ「いや、メリル・ストリープに見える」などという戯れ言も飛び出す(笑)。

 そこに、サウロが合流。
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 左から、サウロ、ニーノ、私、アドリアーノ。
 市場らしきところを通り、古い建物の中をモダンな本屋や食品店に改装したオシャレな店などを見つつ、サウロのレストランへ行き昼食。
 せっかくボローニャへ来たので、ボロネーゼ・ソースのパスタ(多分フィトチーネ)を食べる。美味し。
 デザートに頼んだプディングの、カラメル・ソースのあまりの美味しさに、お皿を舐めたくなる衝動をぐっと堪えて、6月6日に出版発表会&サイン会をする予定の、LGBT書店イゴールへ移動。

 店内に入ると、小型犬がもの凄い勢いで吠えまくられる。この犬の名前がイゴール。後で気がついたけど、店の扉には歯を剥き出して吠える彼の写真と一緒に「イゴールは吠えるけど噛みません」という貼り紙があった(笑)。
 じきにイゴールも静かになった店内は、とても綺麗。自分の本や、他の日本人作家の本も陳列。ニーノが店主と打ち合わせをしているのを尻目に、店内をあれこれ物色していたら、アニメ版『風と木の詩』のイタリア版DVDも発見。
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 アドリアーノはここで仕事へ。

 イゴール書店を後にして、今度は明日から拙個展が始まるギャラリー、オノ・アルテへ。
 古い物静かな路地に突然現れる、オシャレなエントランス。複数の展示スペース、バーカウンター、レコード屋などが合わさった施設。
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 私の個展は、地下にあるちょっと洞窟っぽいスペースで。覗いてみたら、展示の準備中。良い雰囲気で、いい感じ。
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 6月7日にNipPopのワークショップを一緒にやる予定の、在ボローニャの日本人マンガ家、市口桂子さんとも、このギャラリーで発対面。ワークショップ用の軽い打ち合わせや、準備伝達事項などをあれこれ。

 オノ・アルテの後は、ニーノの家の前まで行き、そこでファビオに挨拶してから、同じ建物に住んでいるニーノの友人二人(ゲイ男性一人、ヘテロ女性一人)と合流して、どこかの広場に面したレストランのテラス席で4人で夕食。仕事があったファビオは来られず。
 ニーノたちが私のために、イタリア語のメニューを悪戦苦闘して英訳してくれていると(どのくらい悪戦苦闘かというと、野菜は全部『ベジタブル』とまでしか訳してくれず、『いやどんなベジタブルなのさ(笑)』と訊くと、Googleでイメージ検索を始め……といった具合)、店の人があっさり英語のメニューを出してくれて拍子抜け(笑)。
 昨夜はパスタだったので、今度はピザを注文。予想はしていたけれど、デカい。美味しいけど、日本だったら3人前くらいありそう。でも頑張って完食。

 夕食の後は、友人宅でちょっと一服。TVに映っていたラファエラ・カラという女性を、「彼女はイタリアのゲイ・アイコンなんだ」と説明されて、YouTubeで若い頃の映像を見せられる。

 そこで私も、山本リンダ『狙いうち』で対抗(笑)。

 ひとしきり歓談した後、アドリアーノの仕事先へ。例のサウロのレストランを手伝っている。
 仕事が終わるのを待って、アドリアーノ一緒にバスに乗って帰る。

5月29日
 朝。アドリアーノと一緒に朝食をとった後、彼はジムへ。私は昼までフリータイムなので、バスに乗って再びマッジョーレ広場へ。
 広場からそぞろ歩きを兼ねて、まず斜塔へ。いかにも古いわ、けっこうしっかり傾いているわで、けっこう怖い(笑)。
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 斜塔の近くには、先日サウロが教えてくれた、普段は覆われているけれどこの時期だけ公開されているという、聖母子像があるバルコニーなどが。
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 それから、サン・ジャコモ・マッジョーレ教会へ。ボローニャで最も美術品に彩られた13世紀の教会とのことで、確かに内部は絵だらけなのだが、いかんせん暗いわ、絵は高いところにあるので近づいて見られないわで、美術鑑賞をするには不向きな環境。もっともこれは、この教会に限ったことではないけれど。オペラグラスでも持ってくれば良かったな……と、ちと後悔。
 続いてお隣の、サンタ・チェチェリア祈祷堂へ。ここは天井も低くこぢんまりとしたスケールで、堂内も照明で明るいので、三方の壁に描かれた聖チェチェーリアの生涯のフレスコ画を、じっくり堪能できた。BGM的に流れているクラシック声楽も良い雰囲気。撮影は禁止だったので、堂内で売られていた薄いパンフレットを購入。
 祈祷堂から出て、通りとは反対側にちょっと奥に入ると、気持ちの良い中庭が。天気も雰囲気も良く、しばしそこで寛ぐ。
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 通りに戻ると、すぐそこがまた広場。壁の表示を見るとジュゼッペ・ヴェルディ広場とあり、大学が近いのか若者で溢れている。斜め前にはボローニャ歌劇場も。
 ベンチに座って寛いでいると、ニーノからSMS。お昼を一緒に食べようというので、またマッジョーレ広場に引き返し、噴水で待ち合わせ。そこに向かう途中で、高校生くらいの女子集団に「マクドナルドはどこですか?」と道を訊かれる。ゴメン、おじさんはツーリストなんで判らない(笑)。

 ニーノと合流して、近所の店でお昼ご飯。彼と同じ、叩いて平べったく伸ばしたチキンカツ的なものと、チーズのフライを食べてみる。美味しい。
 ここでグッドニュース。先日懸念していた『冬の番屋』イタリア語版、無事に刷り上がってニーノのところに見本が届いたとのこと。サイン会に間に合って良かった(笑)。さっそく一冊貰う。
 ランチが終わったところで、ニーノとはいったんバイバイ。わざわざこのためだけに時間を作ってくれたのかな、ちょっと申し訳ない。
 個展オープニングは、この日の18:00からなので、17:30に直接ギャラリーで待ち合わせることにして、私は観光を続行。さっきの歌劇場のちょっと先に、国立絵画館があるはずなので、また同じ道を引き返してそこへ向かう。
 絵画館はそんな大きくはないけれど、中世からルネッサンス、バロックあたりまでの、なかなか良い作品が揃っているし、人もあまりいないので、ゆっくり美術鑑賞を楽しめた。

 中世絵画。かわいい(笑)。
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 フレスコ画。描きかけなのか、下絵が残っているのが新鮮(……と思っていたら、後日ピサでフレスコ画の下絵だけの美術館に行くわけだが)。
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 このティツァーノの磔刑画は良かった。しばし目が釘付けに。
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 グイド・レーニが充実。
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 グエルチーノも幾つか良い作品があって、いろいろと目の保養に。
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 オノ・アルテ・ギャラリーで、個展のオープニング。
 まずはトークショー的なもの。
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 左から、ラジオ番組のホスト女性、ニーノ、私、通訳の方、NipPopのパオラ。
 話題は色々出たけれど、どちらかというと私個人の作品についてよりも、日本のゲイ文化やゲイマンガ全般に関する質問が多かった。これはこのトークショーに限らず、後日行われたイゴール書店でのトークでも同様。
 事前にメールで質問されていた、イタリア文化からの影響という話で、私がカラヴァッジオやパゾリーニ、グイド・クレパックスなどの名前を挙げていたせいもあって、それ絡みの話題も。パゾリーニの『ソドムの市』をマンガ化しようとは思わないか、なんて質問もあって、同様のことはボローニャ滞在中に何度か訊かれた。
 トークショーが終わると、飲み物が用意されて上階でパーティ。私はサインやら記念撮影に応じていたため、なかなかそっちには参加できず。
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 一段落ついたところで、タバコを吸いに外に出ると、ゲストは路上にも溢れていて、実に賑やか。

 現地のアーティストさんとか、他にも色々な人に紹介されるけれど、いかんせん外国の名前は一発では覚えられない(笑)。

 パーティがひけた後は、ニーノとファビオ他、十人くらいで連れ立って食事に。
 ニーノの説明によると、スペインの居酒屋的な店だそうで、大皿に盛られた料理がドーンと出てきて、それを好きにつまみながらお酒を飲む感じ。ただし私は飲めないので、水ばっか。ここで出てきたブルスケッタが、これまた美味しくて感激。ボウルに山盛りのカルボナーラもすごかった(笑)。
 私のテーブルには、近くにニーノとファビオ、そして日本のマンガとアニメ好きで、去年日本旅行もしたという、レズビアン・カップルが一緒に。英語が堪能でパワフルなヴァレンティーナと、ちょっとシャイなゴリツィア。
 そういう面子なもんだから、自然と話題は日本のアニメとかになり、『セーラームーン』とか『まどマギ』について、熱く語り合う(といっても私は『セーラームーン』には疎いんだけど)という結果に。変な方向で濃い(笑)。

 食事がひけたときには、もう遅い時間。
 バスは動いていないというけれど、ヴァレンティーナが車で送ってくれると。5人で車に乗り込み、まずアドリアーノの家まで行き、先に私だけ降ろしてもらう。
 明日からはしばらくボローニャを離れるので、ニーノたちと「また一週間後にね」とハグしてバイバイ。
 合い鍵を使って家に入ったら、アドリアーノがまだ起きていて、良く眠れるというハーブティーを淹れてくれた。

新単行本『エンドレス・ゲーム』本日発売

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 新単行本『エンドレス・ゲーム』本日発売です。
 とはいえ、先週後半くらいから都内ゲイショップには既に入荷中ですし、ポット出版への先行予約分も発送済み、アマゾンでも発送が始まっている模様なので、既にゲットされた方もいらっしゃるかと。

【書誌情報】
希望小売価格:2,400円+税
ISBN978-4-7808-0207-8 C0979
A5判 / 256ページ /並製・函入

*版元による紹介文
ゲイ・コミックの巨匠にして、世界的なゲイ・エロティック・アーティストである田亀源五郎短編集第五弾。
理想の男性・ケンジに導かれ、自らの快楽を追及していく青年・アキラの物語「エンドレス・ゲーム」。
ホモのサディストに愛人として調教される元プロレスラー・玄龍二郎を描いた「転落の契約」。
中編二作品を収録。

雑誌『バディ』連載をいずれも加筆修正して単行本化。
書き下ろしの「あとがき」も収録しました。

【装丁と造本】
Endless Game
 装丁は、これまでのポット出版からの単行本と同様に、ほぼ無地の外函入り。本を出すと、カラーの表紙絵が出てくるという仕組みです。
Endless Game front coverEndless Game back cover
 今回は収録作品は二作品ということで、収録作品一作ずつのカバー・イラストレーション的なものを、表紙と裏表紙それぞれに一点ずつ掲載してみました。
 表の「エンドレス・ゲーム」は、先行して発売された英語版単行本の表紙絵と同じもの、裏の「転落の契約」は、新規描きおろしです。

【収録作】
*サンプル画像はブログ用にモザイク処理しましたが、実際はいつものポット出版からの単行本と同じ白い細棒タイプの修正です。

「エンドレス・ゲーム」
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 SM抜きのハードエロ。あとがきにも書きましたが、ゲイ・ポルノグラフィの最大公約数的なものを目指しつつ、そこにプラスアルファも盛り込んだ意欲作です。168ページ。

「転落の契約」
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 こちらはガッツリSMもの。私の王道タイプの作品です。68ページ。

 それでは皆様、お買い上げよろしくお願いします!
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イタリア語版『冬の番屋 (L’inverno del pescatore)』単行本、発売です

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L’inverno del pescatore

Paperback: 128 pages
Publisher: Ren Books (June, 2014)
Language: Italian
Product Dimensions: 21 x 15 cm
Price: €9,90

 収録作は「冬の番屋」のみ。
 版元は2011年に出たイタリア語版『ウィルトゥース』と同じRen Books。商品ページはこちら
 表紙イラストは、この単行本用に新規描きおろし。ちょっとエアリーでメロウな雰囲気を狙ってみました。
 下絵をTumblrの方にアップしましたので、興味のある方はどうぞ。こちら
 後は言わずもがな、性器描写は無修正。とはいえ、ここでアップするサンプル画像は、日本向けにモザイク入れますけど。
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 日本からの入手は難しいと思いますが、もしイタリア旅行の際にでも見かけたら、旅の記念に一冊お買い求めくださいまし(笑)。

ゲイ・アート・ブック”Raunch”に作品収録

Raunch cover
 Bruno Gmünder社から出たゲイ・アート・ブック、”Raunch”に作品が収録されました。
 タイトルのRaunchってのは、「卑俗」とか「猥雑」とでも訳せばいいのかな? まぁそんな感じの切り口で、写真やイラストなどのゲイ・アートをまとめたハードカバーのアートブックです。

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 私の作品は、この1点のみ。昔「薔薇族」に描いたやつです。

 他はいろいろ、世界のあちこちから総勢40名近くのアーティストやスタジオの、Raunchな写真やイラストを収録。
 というわけで、内容を少しご紹介。

Kevin D. Hoover(アメリカ/ニューヨーク)
Kevin D. Hoover
この人の作品が、かなり私のテイストにマッチしていて、しかも収録作品数も多くて嬉しかった。

Inkedkenny(カナダ/トロント)
Inkedkenny
この人も好きなアーティスト。収録作品数も多し。

左/George Towne(アメリカ/ニューヨーク)、右/Jeremy Lucido(アメリカ/ロサンゼルス)
George Towne & Jeremy Lucido

Robert W. Richards(アメリカ/ニューヨーク)
Robert W. Richards

左/Strut Walker(アメリカ/ニューヨーク)、右/Darren Ankenbauer(アメリカ)
Strut Walker & Darren Ankenbauer

Grae(アメリカ/ニューヨーク)
Grae
キャラや状況設定に親近感。趣味が合いそう。

左/Andrea Madalena(イタリア)、右/Bearfighter(ドイツ)
Andrea Madalena & Bearfighter
左のAndreaとは、先日イタリアでボローニャの個展オープニングやベアパーティで会いました。モヒカンで笑顔が可愛いオーランド・ブルームって感じのナイスガイ。
with Andrea

Rubén Gauna(アルゼンチン/ブエノスアイレス)
Rubén Gauna
先日ベルリンで、Bruno Gmünderのスタッフに、この人の絵をプリントしたTシャツを見せて貰いました。同社が制作販売するようなことを言っていましたが、ネット上では情報が発見できず……って、良く考えたらお土産に一枚いただいていたんだっけ(笑)。
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《書誌データ》
RAUNCH / Various Artists

Photo Book
Pages: 160
Size: 21,5 x 28,5 cm / 8,5 x 11,25 inch
Format: Hardcover with dust jaket
Colour: full colour
ISBN 978-3-86787-664-3
May 2014
29,95 €

 残念ながら日本のアマゾンでは取り扱いなし。ご注文はアメリカやイギリスのアマゾンなどからどうぞ。

イタリアのボローニャでイベント参加・個展・サイン会などやります

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 5月末から6月頭にかけて、イタリアのボローニャへ行き、ボローニャ大学で毎年開催されている日本文化のイベントNipPopにゲストとして参加する他、ギャラリーでの作品展示、ゲイ書店でのサイン会などを行います。
 また、『冬の番屋』のイタリア語版単行本、”L’inverno del pescatore”も同時期に発売予定。
 これらについて、現時点で私の手元に届いている情報は少ないんですが、とりあえず判っているものだけでもお知らせします。なにしろ、もう出発が間際に迫っているもんで……(笑)。

《作品展示》
オープニング:5月29日 18:00〜
場所:ONO ARTE(ギャラリー)
Address: via santa margherita 10 I 40123 bologna
Tel. +39 051 262465
Website: http://onoarte.com/
(会期がいつまでかという連絡は未だなし。サイトにもまだ情報がアップされていません)

《出版イベントとサイン会》
6月6日 18:30〜
場所:IGOR Libreria(LGBT書店)
Address: Via San Petronio Vecchio 3 – 40125 Bologna, Italy
Tel. +39 051 229466
Facebook page: https://www.facebook.com/igor.thegaybookshop

《サイン会》
6月6日 23:00〜01:00
Feed the bears(ボローニャで毎月開催されているベアイベントだそうです)
Facebook page: https://www.facebook.com/FeedTheBearsBologna

《ワークショップ》
6月7日 10:00〜
前述のNipPop会場で、マンガ制作に関するワークショップを、マンガ家の市口桂子さんと一緒に行う予定。おそらく内容は、ゲイやエロティック・アートに特化せずに、一般的なマンガ制作の話とかになるのではと予想。
Website: http://www.nippop.it/

 現時点で判っているのはこの程度ですが、もし近在の方がいらっしゃいましたら、どうかお気軽にお立ち寄りくださいませ!

パリ開催・現代日本のエロティックアート展 Vol.2に参加させていただきます

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 5月22日から始まる、ヴァニラ画廊企画・フランスはパリのエロティック博物館(Musee de l’Erotisme)で開催される企画展、現代日本のエロティックアート展 Vol.2(Japon Erotica: La Nouvelle Generation Vol.2)に、作品数点を出品します。
 同展は、現代日本の様々なアーティスト、総勢32名によるエロティックアート作品を展示する内容で、私もその末席に加えていただいた次第。出品作家リストは、以下になります。

朝倉景龍/荒井良/稲垣征次/沖渉二/笠間しろう/カネオヤサチコ/鏡堂みやび/クロダミサト/小宮山逢邦/小山哲生/Saeborg(サエボーグ)/沙村広明/真珠子/須川まきこ/空山基/多賀新/田亀源五郎/たま/所伸一/中田柾志/野口由里子/林良文/春川ナミオ/泥方陽菜/ぴんから体操/福山フキオ/前田寿安/水元正也/宮西計三/室井亜砂二/森馨/山下昇平(五十音順・敬称略)

 会期は、2014年5月22日〜10月30日。エロティック博物館の場所等は、同博物館のサイトをご覧ください。こちら
 展示期間が比較的長めなので、パリにお住まいでなくても、会期中に旅行やお仕事等で同地を訪れる機会のある方もいらっしゃるかと思います。その際は、ぜひお立ち寄りください。

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 また、同展の図録も出来上がっており、先日手元に届きました。
 日本国内での印刷のため、残念ながら外性器描写がある作品については、該当部分にマスクが被っていたり、そこを避けたトリミングでの収録となっていますが、カタログ自体は大判のフルカラー、様々なアーティストの美麗で個性的なエロティックアートの数々を、存分にご堪能いただけるかと思います。
 こちらの図録は、おそらく現地での販売の他、銀座にあるヴァニラ画廊さんでも取り扱っていると思います。サイトからの通販もできますので、よろしかったらお買い求めください。
 詳しくはヴァニラ画廊のサイトで。こちら

ちょっと宣伝、『奴隷調教合宿』第九話掲載です

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 5月21日発売「バディ」7月号に、マンガ『奴隷調教合宿』第9話掲載です。
 昨日、手元に見本誌が届いたので、おそらく直販のゲイショップでは、もう店頭に並んでいる頃かと。
 元々が「若めのハンサム系キャラで、ガッツリSMやってる長めの話って、そういえば描いたことないなぁ」ってな発想で始めた話なので、内容もタイトル通りストレートアヘッドなSM調教もの。
 前作『転落の契約』(6/17発売の新単行本『エンドレス・ゲーム』に収録)が、プレイの舞台がほぼ焼肉屋店内と固定されていたので、大仕掛けな責め具だの凝った道具だのをあまり出せなかった(リアリティという要因で)反動で、この『奴隷調教合宿』では割とそこいらへんにポイントを置いた展開が多かったですが、そろそろ幕引きへの助走ということもあって、今回は行為自体はちょっと地味目かも。
 で、最終ページにも書いてありますが、来月号は一回お休みさせていただいて、連載再開は7月発売の9月号からになります。
 引き続きよろしくお付き合い下さいませ。
[amazonjs asin=”B00K1J5IVG” locale=”JP” title=”Badi (バディ) 2014年 07月号 雑誌”]

新マンガ単行本『エンドレス・ゲーム』、6月17日発売です

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 お待たせしました、新しいマンガ単行本『エンドレス・ゲーム』が、6月17日にポット出版さんから発売になります。
 ただいまポット出版のサイトで予約受付中。先着50名様にはサイン本のサービスもあります。送料無料。
 お申し込みは、以下のリンクからどうぞ。
田亀源五郎新作短編集『エンドレス・ゲーム』サイン本予約開始のお知らせ

《版元紹介文とスペック》

ゲイ・コミックの巨匠にして、世界的なゲイ・エロティック・アーティストである田亀源五郎短編集第五弾。
理想の男性・ケンジに導かれ、自らの快楽を追及していく青年・アキラの物語「エンドレス・ゲーム」。
ホモのサディストに愛人として調教される元プロレスラー・玄龍二郎を描いた「転落の契約」。
中編二作品を収録。
雑誌『バディ』連載をいずれも加筆修正して単行本化。
書き下ろしの「あとがき」も収録しました。
著●田亀源五郎
希望小売価格●2,400円+税
ISBN978-4-7808-0207-8 C0979
A5判 / 256ページ /並製・函入
[2014年6月17日刊行予定]

 というわけで収録作品は、バディで連載して昨年冬には英語版単行本が先立って出版された「エンドレス・ゲーム」と、同じくバディ連載の「転落の契約」の2作。

「エンドレス・ゲーム」
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「転落の契約」
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*サンプル画像はブログ用にモザイク処理ましたが、実際はいつものポット出版からの単行本と同じ白い細棒タイプの修正です。
 
 まだアマゾン等のカタログには入っていないようですが、前の単行本『冬の番屋/長持の中』同様にアダルトコミック扱いなので、以前よりも販路が限定されると思います。ご注意ください。
 ともあれ、サイン本希望の方は早めにご予約を!

ベルリン個展が「芸術新潮」で紹介されました

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 現在発売中の雑誌「芸術新潮」5月号の、海外のアートニュースのコーナーで、拙ベルリン個展の紹介記事が載りました。
 いや〜、それこそ昔から、特集記事に興味があったりすると、ちょくちょく購入していた愛読誌の一つなので、こうして自分の個展の記事が載るとは、何とも嬉しい限り。
 記事を書いてくださった方とも、先日ベルリンでお会いして、いろいろと興味深いお話しを伺うことができました。
 というわけで、よろしかったら是非お買い求めくださいませ。
[amazonjs asin=”B00JDPMFTW” locale=”JP” title=”芸術新潮 2014年 05月号 雑誌”]