単行本「軍次/天守に棲む鬼」カバー絵メイキング

Step 1


 まずは、編集さんと打ち合わせ。
 基本的に今回は、リアル系のイラストでいきたいとのこと。担当のピーチプリン君が、アイデアがあるというので、ラフをメールで送ってもらいました。

 で、これが彼が描いたラフ。ピーチは自分で同人誌とかも出してるので、このラフもなかなかかっこいいです。つーわけで、基本的にはこの路線でいくことで合意。
 ただ、義則というキャラは「人が良さそうに見えてオソロシイ」タイプなので、キー・ヴィジュアルが甲冑+刀だと、作者的にはちょっと違和感。あと、景虎がかなり小さくなっちゃうのと、軍次の背中を果たして出すべきかどうかも、思案どころ。
 そこいらへんを考慮しながら、ラフにとりかかります。

 リアル系ということなので、資料に3DCGを使うことにします。
 というわけで、Poserを起動。フィギュアにポーズをとらせながら、アイデアを練っていきます。紙にラフスケッチをするような感覚で、Poserであれこれシミュレーションしていくわけです。
 メインになる義則と景虎は、作中に「あなたは私の操り人形」的なセリフがあるので、それを生かしたポージングにしてみることに。額の傷を隠す茂人という案は、そのままゴー。で、各々のポーズをとったキャラを、三日月を背景にコラージュ的に配置することにしました。
 四人のポーズが決まったら、Vueを起動。コラージュ系なので、四人のPoserファイルを、それぞれ一つずつインポートして、構図やライティングを決めます。

 ライティングは基本的に二灯ずつ。義則(上左)は不気味さを出したいので、真上から黄白色、下から緑系のライトを当てました。景虎(下)は顔が明るく、下半身が暗くなるようにして、月光の照りも意識。茂人(上中)は心の影を出したいので、顔半分が暗く沈むようにして、シャドウ部に寒色系のライトを。軍次(上右)も茂人と同パターンですが、メインライトはもっと上方&斜め前方から。
 画角は全て、パースをきつく出したくないので、80mmと望遠気味。
 全て決定したら、レンダリング。これで資料が出来たので、次は下絵にとりかかります。

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