単行本「軍次/天守に棲む鬼」カバー絵メイキング

Step 5


 今度は軍次の番。まずは肌から。

 これは、一色めの描き起こしですね。この上から、次第に明るい色を重ねて、全体を描き出していきます。

 で、こんな具合に顔から胴体へ。
 余談ですが、自分でちょっと面白いなと思うのが、私はアナログでリアル・イラストを描くときは、極力筆痕を残さずにぼかしていく感じだったんですが、デジタルになると、逆に筆痕をできるだけ残していく方向性に変わりました。
 これはおそらく、筆痕という「生っぽさ」の残る度合いというのが、影響しているんだと思います。
 デジタルだと、滑らかにぼかそうとすればいくらでも滑らかになる。ただそうすると、質感は果てしなく写真に近付いていき、私の感じるところの「絵画」とは乖離が出てくるんですな。どうやら私は、同じリアル系の絵画でも、いわゆる写真と見まごうようなハイパーリアル系ではなく、クラシカルな油彩画のようなコンサバなリアル系が好きなようです。
 で、おそらくそんな私のテイストが合致するのが、「ぼかしづらいアクリル絵の具を極力滑らかにぼかした絵肌」とか、「ぼかしやすいデジタルでぼかしを最低限に抑えた絵肌」といったポイントなんだと思います。
 いや、訳のワカラン極私的なタワゴトで申し訳ない。

 まあ、そんなことはともかくとして、ボトムまで描いたら、とりあえず軍次も終了です。

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